寿司を食べた2013年07月22日



朝4時半の気温は23度。
長い悪夢の果てに明けた月曜の涼しい朝。
日の出は一月前より20分近くも遅い4時41分。

洗濯をしてから牛乳を飲み、新聞を流し見してからワンコと散歩。
彼女が何かの匂いを盛んに嗅いでいると思ったら蝉の抜け殻だった。
殻を破って全く違う環境に飛び出せる蝉が羨ましい。
そこがどんな世界でも、今とは違うどこかへ逃げてしまいたい。

仕事は特記事項無し。
母の件で大切な連絡を待っていて、仕事中ずっと携帯電話を持っている。
着信を気にして携帯のブラックアウトした画面を見るたび、自分の顔が写る。
その疲れた顔が不快で、でも何度も何度も携帯を覗き込む。
結局、今日も連絡は無し。

夜、土用の丑の日に興味は無いけれど、母に何か美味いものでも食べさせたくて寿司を取った。
ここ数日の母は、まるで2月に病気が見つかる以前の頃のように元気だ。
食欲もあるし、掃除も洗濯も自分で出来る。
本当なら喜ぶべきそんな事すら、なにか物悲しく思えてしまう。
それが真の回復で無い事を知っているからだ。
いつも、何をしていてもその事が頭から離れない。
そしてそんな事ばかり考えている自分にもうんざりとするのだ。

先日の陶器市で値切って8000円で買った伊万里の大皿を割って一日が終わる。
寿司桶から移し変えずに、そのまま食べればよかったのだ。
でも寿司は美味かった。
母は、その一人前を全て食べたんだ。
それだけで、今日という日に意味があったのだろう。