余震が多すぎる2011年04月12日

オヤジが呼吸困難で苦しんでいるのに、僕には上手く痰の吸引が出来ず途方に暮れる。
そんな夢で眼が覚めた。
ベッドサイドのデジタル時計は4月12日、4時40分。逝ったオヤジの誕生日だ。
そのままベッドから出て、ゴミだしと犬の散歩、そして出勤。
車を運転しながら5時13分の日の出を見た。

朝カンファの8時過ぎ、小さな会議室に居た数人の携帯電話が緊急地震速報を知らせる。
普段は仕事中に携帯を持ち歩かないけれど、この頃は地震速報のために手放せない。 
そして、あの不気味な受信音が一斉に鳴ると動悸が激しくなるのだ。
昨日の大きな余震、そして今日も何度も繰り返される大きな揺れ。
頑張ろうという気持ちを挫き折るような悪意を感じる。

窓から見下ろす中庭では、北風に桜吹雪が舞っている。
いつもと同じ春なのに、それをいつものように楽しむことが出来ない。

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夜、いったんは棚に並べなおした沢山の洋酒の瓶をまた床に下ろした。
20リットルタンクの備蓄水を入れ替え、フレームに並んでいるサボテンの鉢も下ろした。
常用薬の残数をチェックし、ラジオの電池も新しくした。
余震があまりに多すぎる。 気持ちは塞ぐばかりだ。


2011年04月13日



少し時間に余裕があったので、出勤前にワンコと遊んだ。
暖かな陽射しが嬉しいのか、枯芝の上を転げ回る犬を見ているとホンワカとした気持ちになる。
コイツが機嫌よく遊んでいるうちは、世界はまだ大丈夫と言う気がする。

昼間、彼女はこの運動スペースで過ごしているのだ。
小屋も水場も有るから不自由はしないはずだけれど、一人での自宅警備業務は寂しいだろう。
特にこの頃は、地震の時にどのような反応をしているだろうかと気になるのだ。  
そう言えばライブカメラを仕掛けてみようと思った事も有ったっけ。
どんなカメラが良いのか、ちょっと調べてみよう。

仕事は特記事項なし。
夜、Mが持ってきてくれた料理を食べた。 この人は、酒の肴料理がとても上手い。
感謝。



庭仕事2011年04月14日

職場から昼に帰り午後の数時間、庭仕事を楽しんだ。
最高気温は23度。 汗ばむような春の日。

パキラとハイビスカスの鉢を植え替え、シマトネリコとオリーブの木を剪定。
ハスの水鉢にメダカを放ち、野鳥のえさ箱を設置し、犬の運動場の枯れ芝の手入れをした。


ハーブを植えていたスペースの整理。
植わっているのは手前からセロリ、バジル、パセリ、イタリアンパセリ、ローズマリー。
その左に50キロほど堆肥を入れ、畑スペースを新設した。
ここでは夏のビール用にエダマメを作る事にしよう。


祖父が家を建てたときに作った春日灯篭。
おそらく80年ほど前の物だと思うが、祖父の家を取壊し後、土の中に埋もれていたものだ。
長年、庭の隅に解体して転がしてあったのだけれど、なんだか可愛そうに思えて運んできた。

正式に組み立てると高さ2メートルほどになる大きな灯篭だけれど、地震多発の今時、まさか
そんなものを建てる訳には行かない。
幾つかのパーツを組み合わせ、こんな風にしてみた。
いつか、地震が落ち着いたら全て組み合わせるとして、当面これでカンベンしてもらおう。
この中にセンサーライトを入れ、暗くなったら灯りが点くようにするつもり。

ここまでやって日没。
まだまだやりたい事は沢山有るが、次回の休日までお預けだ。
2×6材が倉庫に有るから、次回はベンチでも作ろうか。
里芋も植えなければならないし、夏野菜の植え付け準備もしなければ。
朝顔やヒマワリの種まきも有るし、ニガウリ用にネットを張る必要がある。
いそがしい。


初鰹2011年04月15日

早く眠った訳でも無いのに、午前3時に眼が覚めた。
なんとなく再入眠は無理と判断し、そのまま起床。
日の出まで2時間以上。 一番静かで暗い時間だ。

暫くネットを徘徊。
パソコン通信時代の昔なら、こんな時は深夜族の知り合いを探してチャットでもしただろう。
でもインターネット時代になってから、ネットの向こう側の存在が希薄だ。
ただボンヤリと液晶画面を眺めるだけ。
「東B」や「武蔵野倶楽部」の人たちは皆、どこへ行ってしまったんだろう。
いや、僕が知らないだけでツイッタなどのツールで濃い付き合いは続いているのだろうか。

暖かな朝。
予報では雨が迫ってきている。
畑のためにも少しまとまった雨が欲しい。
それが放射性物質を含んでいないのなら。

仕事は特記事項なし。
施設間精度管理の参加申し込み。 新人研修資料の読み合わせ。生物試料分析科学会は塩漬け状態。

頑張っている事は評価されず、取るに足らない事で職場から表彰された。
それはどうでも良いのだけれど、少しだけ褒賞金が出たのだ。
ちょうど良い。 これはMの息子の大学入学祝いにしよう。


夕飯には、静岡の初鰹として売っていたものを買ってきた。
ミョウガ、タマネギ、シソなどを大量に刻んでポン酢で。
酒は東北経済支援で大量に買った日本酒がある。
福島の大七か、岩手の南部美人か。あるいは宮城の綿屋にするか。



ニフティサーブとDASH村2011年04月16日

昨日、パソコン通信の事を少し書いたら、ある人に面白いページを教えていただいた。
NIFTY25周年記念サイト。 1996年頃のNIFTYを再現している。
当時を知る人は是非。

昨夜、以前使っていたHDDレコーダーの中身を整理していた。
HDDレコーダーの便利さを教えてくれたコイツは、あと数ヶ月で使用不能になる。
チューナーがアナログだからだ。
だから、DVD化する物とそのまま廃棄するものを選別していたのだ。

そういう作業をすると、当然かつて録画していた番組を懐かしさのあまり見入ってしまう事になる。
日本テレビ系列の日曜夜に今でも放送している鉄腕DASH。
その中のコーナーであるDASH村の初期の頃は、今見ても本当に面白い。
放置されていた廃屋と畑を手入れし、野菜作りを始める企画だ。
家庭菜園好きな僕は、このコーナーで紹介される野菜作りのテクニックを何度参考にしたか解らない。それは捨ててしまうには惜しく、時間を作って編集しDVD化しようと思わせるに充分だった。

それにしてもDASH村の有る場所が、福島第一原発から20キロ強しか離れていないなんて。
いや、あの場所だけで無く日本の国土が広範に汚染されてしまった事を考えると辛い。
いつかまた美しい里山や海が戻って来るだろうか。



仕事帰りにいつもの地酒屋。 そしてまた、東北の酒を買ってきた。
宮城の浦霞と福島の奈良萬。
現在、450リットルの冷蔵庫にかさばる日本酒の一升瓶が6本。
今夜も頑張って東北の酒を呑むのだ。


圧力鍋と救援物資2011年04月18日

昨日、Mの息子の大学入学式へ行った。
この前まで鼻垂れの赤ん坊だったのが大学へ入ると言うのだ。
そこはもう千葉目前の埼玉北東部。
高い建物の少ない空の広さが、ますます遠くまで来たと言う気持ちにさせる。
電車を乗り継いで、本当に4年間通えるのかが心配だ。

ところで、自分の世界に篭もりオトナ連中を避ける思春期特有の生活をしていたコイツ。
それがいつの間にか、僕やMとも普通に会話をするようになっていた。  
大学のアドバイスも欲しかったのだろうが、これからの大学生活の不安や希望を語る様などを見ると、とても良い関係を作れたと感じる。
こちらの世界に戻ってきてくれて良かった。
これからは保護者のような立場では無く、歳の離れた友人として付き合えると嬉しい。

それにしても私立の理系大か。
元夫から養育費も取らずに子供達を育てるMの苦労を間近に見るのがキツイ。
出来るだけ助けたい思い、宝くじを買った。

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月曜日午前3時9分。 震度2で起床。
この頃は目覚ましアラームではなく地震で起きる毎日だ。
洗濯とトイレ掃除、資源ゴミの回収と犬の散歩。 シャワーを浴びて早い時間に出勤。
仕事は特記事項なし。
12時間働いて帰宅。

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夜、西の友より救援物資が届いた。
ありがとう! そして、いつも貰いっぱなしですみませんすみませんすみません。
ジャガイモ、一生懸命作るんであと二ヶ月待っていて。

MがWMFの圧力鍋をプレゼントしてくれたのだ。
それでサンマの生姜煮とかブリ大根とかタコのやわらか煮とか豚の角煮とかモツ煮とか牛スジの煮込みとかキャベツのスープとか冬瓜の煮物とかを作るのだ。
きっとこの芋焼酎にも良くあうだろう。


牛スジの煮込み2011年04月19日

午前2時37分、神奈川東部震源M4.1の揺れで眼が覚めた。
その後まだ真夜中と言っても良い時間なのに、目が冴えてしまい眠ることが出来ない。
ベッドに入って3時間しか経っていないのに、諦めて起床。
明るくなるまで「最後の忠臣蔵」を読んだ。

仕事の資料を持ち帰り、今日は出勤をしない。
朝6時半から12時まで自宅で仕事。
窓の外は昼前まで雨。

午後、全ての時間を家事に当てた。
休みの日は畑に行くことが多いのだけれど、雨上がりの泥濘で作業は出来ない。
でもその方が家事に専念できて良いものだ。

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昨日貰った芋焼酎に合う料理を作ろう。
材料は国産黒毛和牛と謳ったスジ肉600グラム、大根、コンニャク、生姜、ネギ。
調味料は醤油、味噌、みりん、酒。



下処理をしたスジ肉をMがプレゼントしてくれた90kPaの圧力鍋で煮込むのだ。 
以前僕が使っていた古い圧力鍋と違い、このマークティッシュフェンは圧が高い。
それでも怖い音も蒸気漏れも当然無く普通に使える。(以前持っていたモノがボロ過ぎたのだ)

最近の圧力鍋は使いやすい。
爆発するのではないかと言う恐怖と戦いながら豆を煮たのはもう遠い昔だ。
良いものを貰った。
仕舞い込まないように使いこなさなければ。

出来上がった煮込みの半分はタッパに入れ、職場に停めてあるMの自転車カゴに入れてきた。



夜、宮崎から届いた不阿羅王という芋焼酎を呑んだ。
素晴らしい芳香。 こういうのを呑むと、雑に作られた酒はもう呑めなくなるな。
肴は上記牛スジ煮込み、厚揚げ焼き、ポテトサラダ。

それにしても家事は楽しい。
独りのペースで出来るからそんなことが言えるのだろうが、家事が好きだ。
今日はヌカミソのメンテナンスも、包丁砥ぎも、網戸の掃除も出来た。
数箇所の電球をLEDに変え、外灯の照度センサーを調節し、雨水浸透枡の掃除もした。
生乾きだった洗濯物にアイロンをかけ、シーツはパリッと糊付けもした。

家事ばかりして暮らしていくことは出来ないだろうか。
僕を主夫として雇わないかと、Mに問うてみようか。
きっとグーで殴られるだろう。


強震モニタ2011年04月21日

穀雨だった昨日の夜から降り始めた霧雨は、少しだけ季節を逆戻りさせた。
朝6時に8度だった気温は昼になってもあまり上がらず。
東風吹く灰色の一日。

抑うつ状態と言ったらオーバーだけれど、あの地震以来気持ちが沈むことが多い。
職場でも同じ人が何人も居て、やはりあれだけの惨事を見るとそんな気持ちになるのだろう。
東京の揺れなど大した事無かったけれど、それでもその後の余震や原発事故などを含めた震災の、精神的被災者とも言うべきか。
今でも売る品の無い単一電池やガスボンベの棚を見ると不安になり、たとえ小さくても余震が来るたびに冷や汗が出る。

PCを使った仕事中、ustreamで中継されている防災科学技術研の「強震モニタ」を見ていることが多い。 これは日本中に配置された地震計のリアルタイムな情報で、見ている最中に数度の地震を経験したけれど、その揺れの前に身構えることが出来た。
ちなみに、3・11の時の映像はこんな感じ

本当なら一日中見ていたい位だけれどそれでは仕事にならないし止む無く席を立つけれど、モニタの映像が気になって仕方ない。
きっと同じように依存症になってしまった人が沢山居るはずだ。

昼食は売店のホットドッグ。
どうしても受け取りたい宅配便があり、17時帰宅。

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「最後の忠臣蔵」の原作がとても良かったので、6月に出る映画DVDをAmazonで予約。 
映画館でも見たけれど、佐藤活市がとても良かったのだ。
今、映画館で見たい映画もあるけれど、地震が怖くて見に行けない。 
あの暗闇で揺れに見舞われたらと思うだけで腰抜けになってしまう。

先日買った福島の日本酒「奈良萬」がとても良かったので、また一本買ってきた。
それに合わせてカレイとゴボウの梅干煮。
以前庭に有った梅から作った梅干もあと僅か。 大切に使わないと。




生ハム食べたい2011年04月22日

昨夜23時前、ソファでゴロゴロしていたら震度3。
それで緊張したのか過敏になってしまい、朝まで数度の微震で眼が覚める。
もうこうなってしまうと熟睡など出来ないのだ。
日の出は5時ちょうど。
そんな夜は、朝が待ち遠しい。

朝、ベッドサイドに置いた時計を見ると、電波受信マークが出ていた。
震災以来停波していた福島の標準電波送信所が遠隔操作で無人稼動可能となったらしい。
ありがたい。 家中の電波時計が少しずつ狂ってきていて気持ち悪くて仕方なかったのだ。

洗濯をし、燃えるゴミを出し、ワンコと散歩。
そろそろ狂犬病の予防接種とフィラリア予防薬処方のため、獣医へ連れて行かなければ。
職場入りは8時。
いつもこの位だと楽だなあ。

仕事は特記事項なし。
午後の会議で職場屋上に数千万円を掛け太陽電池を乗せる計画を聞く。
個人的に、太陽光発電の話題はいま一番興味がある。
自宅屋根にも乗せてみたいものだが、あの政党により補助金が仕分けられてしまったからなあ。

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生ハムが好きだ。
と言っても高級品が手に入るでも無し、普段はスライス済みの安物を買って食べている。
しかしバーなどへ行くと、そんなものとは比べ物にならないほど美味い生ハムに出会う。  
モノが良いのか、それとも食べるときに塊から切り取るから美味いのか。
とにかく美味いのだ。

で、こんな商品が有った。 凄いな!これ。 
8キロ前後の骨付き生ハムを一本丸ごと。専用台と専用ナイフ付きで2万4千円で買えるのか。
賞味期限は製造より2年とあるな。 
2年もあれば酒を呑むたびに薄切りで食べても期限内に食べきれるだろう。  

なにより、大きな骨付き肉をナイフでスライスして食べるワイルドさがたまらない。
やはり店相手の商売だろうか。 
個人で買う人、居るのだろうか。
そして、自宅のキッチンにこんなモノを置いたら、ワンコはなんと言うだろう。 


やっと休み2011年04月23日

終日雨。
朝、近所のおばさんが小さな子供に、放射能が含まれているから雨に濡れては駄目!と言っているのを聞いた。
放射能と放射性物質、放射線の違いは置いておいて、なんだか懐かしい言葉だった。
僕が子供の頃、祖母によく言われたものだ。 放射能が混じっているから雨に濡れるな、と。

あの当時、世間はそんな時局だったのだろうか。
米ソ中の核実験は盛んだったろうが、それは大気圏中で行われていたのだろうか。

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早めに帰宅。
明日は何も予定の無い日曜日。
一日フルに休めるのって、4月10日以来か。
僕以上に勤務続きだったMも、ようやく明日は休みだと言う。
今夜、仕事が終わったら泊まりにくると言うが何時になる事やら。


Mも食べると言うので、買ってきた刺身で寿司モドキを作る。
相変わらず寿司握るの下手だわ。
解っていてもシャリが大きくなりすぎて、しかもギュッと握りすぎるから固くなっちゃう。
中央に有るのは自家製のガリ。 これはとてもよく出来ている。

美味い酒も有るし、Mも泊まりに来ると言うし、これで地震さえなければ良い夜なのだ。
DVDで「ジョゼと虎と魚たち」を見ながら、彼女の到着を待ちきれず呑みはじめてしまった。