散歩には良い季節 ― 2018年11月26日
東京の日の出は6時27分。
それはだいたい、犬との散歩をおえる時刻だ。
犬は季節天気関係なく、6時前に散歩を催促する。
その体内時計は驚くほど正確で、だからいつも同じ時間に同じ道を歩く。
今朝6時の気温は6度。
夜明けの明星を見ながらまだ静かな街を歩くのは心地よい。
夏の頃と違い汗もかかないし、真冬のような厳しさも無い。
散歩には実に良い頃合いだ。
昨日、自宅に物置が設置された。
幅と高さが2メートルほどの物置だ。
ホームセンタで見た時はそれほどとは思わなかったけれど、
自宅で見ると結構な大きさだ。
それは敷地の奥の、実家との通路となっていた場所に置いた。
もうそこを通って実家に行くことなどないのだから、塞いでしまおうと思ったんだ。
昨日は工事が終わったら薄暗くなっていたから、陽の元で初めてそれを見た。
ああ、塞いだな、と思う。
大きな物置が、通路をピタリと塞いでいる。
また一つ、何かが変わったと思う。
犬もそれを見ていた。
彼女はどう思ったろう。
かつて父母が居た頃、この犬はその通路を通って実家へ遊びに行っていた。
散歩の後にオヤツを貰い、向こうの家の庭を走り回っていたっけ。
一瞬、そんなことは夢の中で見た妄想なんじゃないのか、という気がした。
犬がまだ若く、向こうの家には親が居て、あそこから実家へ行き来していた。
そんなの、僕が作り上げた想像の中の世界なんじゃないのか。
朝からそんな事を思ったら、すっかり気落ちしてまた胃が痛くなってしまった。