2月26日2014年02月26日

池の脇で咲いたリュウゼツランの白い花を思い出す。
この花が咲くまでには30年掛かるのよ、と自慢げに祖母が言う。
裸足で歩くとヒリヒリするほど縁側の板が熱かったから夏だったろう。
父がたらいに水を張り、シロという紀州犬を水浴びさせている。
祖母が使っていた椿油の整髪剤の匂い。
天花粉と言ったっけ、あせも止めの白い粉の心地よさ。
冷蔵庫で冷やした水で作ってくれたカルピスを祖父と飲んだ。
もう遥か遠い昔のことだ。
祖父も祖母も、そして父も逝ってしまった。

とうとうと容赦なく時間が流れる。
郵便受けから朝刊を取り出すとき、職場のタイムカードを押すとき、加湿器に水を注すとき。
仕事から帰って車を停める、風呂に湯を張る、酒を呑む、灯りを消して眠る。
そんな時、もう一日が経ったのか!と驚き、焦りを感じる。
そして無為に過ごした時間に対する整理できない気持ちに溺れそうになるんだ。
浪費しているのは僕の時間なのか。 僕の接している誰かの時間なのか。
その時間はどれほど大切なのか。

記憶に残る様々な過去と今とが一本の流れで繋がっている事が、信じ難く感じるときが有る。
これは本当に今なのか。 今僕が生きている時間なのか。
この僕はあの頃子供だった僕なのか。 夢でも見ているんじゃないのか。

今日は2014年2月26日水曜日。
今年に入って57日目、資源ゴミ回収の日、症例会議の日、2.26事件の日。
書き留めておかないと存在したかも解らなくなりそうな日。

明日は母の受診。

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