振り替え休日 ― 2014年11月24日
夢とうつつの狭間で、ずっと歌が聞こえていた気がする。
朝5時に目が覚め、それが隣室のラジオであることを認識する。
その部屋には母の写真が置いてあって花を飾っている。
そしていつもラジオを点けている。
扉を閉めないから、夜の静かな時間は小さなその音が聞こえるんだ。
扉を閉めないから、夜の静かな時間は小さなその音が聞こえるんだ。
病室でも家に帰ってきてからも、母の枕元では僕がプレゼントしたラジオが鳴っていた。
そういえば若い頃からラジオが好きだった気がする。
FMなんて聴いているのは見たことが無い。 いつもAMのNHKだった。
母が居なくなってから、そのラジオを自宅で点けっぱなしにするようになった。
母が住んでいたのも臥せっていたのも、この家じゃない。
それでもなんだかあれ以来、帰宅したときにラジオの音が聞こえると嬉しくなるんだ。
別に母が迎えてくれたと思うわけじゃない。
でも、いつもずっとラジオを点けている。
新嘗祭の振り替え休日。
収穫祭である新嘗祭がなぜ勤労感謝の日となったのかは解らない。
日本人の勤労は農耕だったから?
とにかくその振り替え休日を有効に使う。
幼馴染から遊びに来いと言われたけれど、なんだか面倒で独り過ごす。
PCのバックアップ、HDDの整理、ルンバの分解掃除、バルコニーの高圧洗浄。
少し早いけれど車のタイヤをスタッドレスに換え、灯油を買いに行き、そして畑。
大根を抜いてきて、豚肉と煮る。
白菜を切ってきて浅漬けを作る。
ブロッコリをとってきてさっと茹でる。
もうお仕舞いのピーマンはジャコと佃煮にした。
休日にちょっと作っておいて、その後の数日をかけそれを食べるんだ。
夏野菜は家庭菜園の華だけれど、秋冬野菜の滋味が好きだ。
昼間は仕事をし、夜帰ってきてそんなものを独りで食べ、眠る。
たまにハレが有っても、基本生きるってそんなことの繰り返し。