台風の月曜日2014年10月06日



東京は台風の月曜日。
まだ暗いうちに起きだして、犬の散歩を含めた家事をする。
昼間は外に繋いでいる犬も、今日は宅内のケージで我慢をしてもらう。
植木鉢は仕舞った。 バイクは縛り付けた。 桜も金木犀も剪定済み。
でもやはり台風が来ると不安になる。
もう子供の頃のように、それをワクワクしながら待つ事が出来なくなった。
台風だけじゃない。 
この頃は、いつも何かを心配しながら生きている気がする。
何か悪い事が起きるのではないか、と。  
この平穏はいつまでも続かないだろう、と。

出勤後、次々に入る予約キャンセルの電話で今日の予定の全てが流れた事を知る。
中央線も京王線も動いているのになぜこう言う事になるのか。
でも、そのお陰で溜まった事務仕事を片付ける事が出来た。
昼、買い置きのカップ麺が無い事に気付き、職場の小さな売店へ。
しかし、こんな天気のせいか食事代わりになるものはすべて売り切れだ。
仕方なく「かっぱえびせん」で腹を満たす。
職員食堂は一ヶ月ごとの予約制で、普段食べていない僕らには全く役に立たないのだ。

夜、母の件の出費をまとめ、兄と僕で立て替えたお金の清算準備をする。
僕の立て替え金は葬儀、登記、税理士等で300万円ほど。
兄がいくら立て替えたかはまだ解らず。
兄との連絡は互いのポストにメモを投げ入れるだけ。
母が見たら悲しむだろうが、こればかりはもはやどうにもならぬ。


コスモス2014年10月08日


好きな花はと問われたら、向日葵、朝顔、紫陽花、彼岸花、金木犀・・
でも一番好きなのは、と問われたらコスモスかもしれない。 
これは先日行った山梨の峠道で見たコスモス。
この花を見ると懐かしい気持ちになるのはきっと、母がいつも庭に植えていたからだろう。
子供の頃、コスモスの葉の匂いを嗅ぐのが好きだったっけ。
今年はまだその大群生を見ていない。
季節が終わらぬうちに、どこかへ見に行きたい。

今日は寒露。
立冬まであと一月。
色々な事の疲れが出ているようで、心身共に不調。

皆既月食速報2014年10月08日

18:20 欠け始めた!



皆既! 雲出てきた。


秋刀魚と炊き込みご飯2014年10月09日



仕事帰り、秋刀魚を一匹買ってきた。 89円。
そいつを塩焼きにしている間に、土鍋で作る炊き込みご飯を仕込む。
鶏とキノコ。 コンニャクと油揚げ。
タクワンを切り、豆腐を出し、庭の畑から三つ葉を摘み、昨日の残り物の大根を温める。
ついでに小さな鍋で赤だしも作る。
酒はヨナヨナエールと澤乃井「純米銀印」

今日も色々有ったけれど、この家に帰ってくればもう安心だ。
これから数時間、誰にも邪魔されずに本を読みながら独り酒。



終わったみたい2014年10月11日

あの日からずっと頑張ってきた。
葬儀、納骨、香典返し。
税理士通い、銀行通い、司法書士通い。
申告したり、申請したり、放棄したり。
年金の手続きも戸籍の取り寄せも挨拶回りもした。
清洲会議、遺産分割協議書、測量、契約変更、各種支払い。
準確定申告も相続税の申告も不動産ローンの名義変更も終わった。

そして今日、不動産の登記が終わった事を知る。
だれも言ってくれないし、もちろん誉めてもくれない。
でも、どうやら母の件の事後処理が全て終わったらしい。
突然始まったそれは、やはり突然終わった。
そして後に何が残ったのか。

あの日から4ヵ月と二十日。
父の時に10ヶ月掛かったそれが、半分の時間で終わってしまった。
だって父が逝ってからまだ数年。
どれも手慣れた作業にしか思えなかったからだ。

二人しか居ない親の、二度目の相続。
4ヵ月と二十日、ずっと気張って来た。
それが終わった今、なんだかボンヤリとしている。
ほっともしていない。 嬉しくもない。 ただ終わったんだと思うだけ。
去年の2月末に母が倒れてからというもの、常に母中心の生活をして来た。
病名や余命のこと。 初めての介護。 自宅での看取り。
それまでとこれからでは、ものの価値観までもが変ってしまった気がする。

ようやくやって来た静かな時間をどう使えば良いのか。
抱えきれないほどの思い出はあるけれど、それをどう扱えば良いのか。
親という存在の無い日々をどう過ごせば良いのか。
後悔している事や謝りたい事、やり場の無い気持ちをどう処理すれば良いのか。
まだ全然楽にはならない。
忘れたら楽になるなら、楽になんかならなくても良い。

深大寺2014年10月16日

雲が綺麗な気持ちの良い日。
Mと二人でカメラを持って、深大寺を散歩した。
そこは子供の頃の我が家定番の遊び場。
あの頃は、一家揃って自転車でよく出掛けたものだ。

こんなに近いのに、ここへは10年以上来ていなかった。
久しぶりの深大寺は、見るもの全てが懐かしく思える。


植物園では薔薇が見ごろ。
それ目当てらしい人が沢山来ていた。
平日だからお年寄りが多いのだけれど、みんな凄いカメラとレンズ持ってるなあ。
三脚はもちろんレフ板使う人まで居て、きっと綺麗な写真が撮れているだろう。


赤い花が好きなMは、こんなベルベット調のが気に入ったらしい。


黄色が好きな僕はこれが良い。
香りも品種によって全く違うし、きっと薔薇道って深いものなんだろうと思う。


雑木林の坂を下ってお寺へ抜ける。
門前は相変わらず賑わっていて、そこを散歩するだけでも楽しい。


ここでは楽焼と言って、陶器に自分で絵付けしたものを短時間で焼いてくれる店がある。
子供の頃、ここで金魚の絵を書いたカップを作り、随分長く使っていた。
あれ、もしかしたらまだ実家の床下に有るんではなかろうか。


僕は高菜の、Mは餡のお焼きを買った。


悪いところを触ると良いらしい。 お年寄り達が群がって触りまくってた。


深大寺に来たら名物の蕎麦を食べるのだ。
新そば入荷、らしいし。
今日は一休庵にして見た。


Mは8割、僕は10割蕎麦にしてみた。
8割の方が喉越し良いかな。 


芝生でゴロゴロ。 
長閑な秋晴れの一日。

ミンク鯨のたたき2014年10月18日

東京の日の出は5時49分。
この頃は、朝の犬の散歩途中で夜明けを迎える。
気温11度。 手付かずの朝のキリッとした空気。

家の前の道を掃除し、新聞を読み、温めた牛乳をすすってから車で出勤。
今年は夏以降の季節の移ろいが早く感じる。
ハスの葉はすっかり枯れてしまったし、桜の落葉も早い。
この分ではそろそろビオラの植え付けをしても良いかもしれない。
花壇に花が無いと、どうも寂しくていかん。

仕事は特記事項なし。
昼食はコンビニ弁当のチャーハン。 おやつに蜜柑を一つ。
母に似たのか荒れ性で、ささくれた指で蜜柑を剥くとしみるんだ。
そんな刺激がなんだか懐かしい。

夕方、ふと気付くと窓の外はもう暮れている。
そのはずだ。 この時期の夜は加速を付けてやって来る。
9月の中ごろにまだ18時頃だった日没が、今日のそれは17時3分。
間も無く昼時間も11時間を切る。
また、今年もあの冬がやってくるのだ。
気持ちは少しも前を向いていないのに、時間だけが過ぎてゆく。

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寿司を買いに行った店で見つけた南氷洋のミンク鯨のたたき。
しょうが醤油で最高の酒の肴。
こんなものを買ってしまうとは、すでに今夜のジョギングを諦めている証拠だ。
そろそろまた、夜のジョギングを再開しようと思っているんだ。
最後に走ったのは、2013年の2月末。
母が倒れる前夜だった。



餃子が食べたい2014年10月20日

今日で5ヵ月。
ある時はつい最近の事のように思い、またある時は長い時間が経ったように感じる。
不思議な5ヵ月。
5ヵ月前の今日は何をしていたか。
そんな事を考えながら一日を過ごす。

その日に何をしていたか。
なにかちょっとした日付を見るたびに、それを考える癖がついた。
HDDレコーダーの録画番組を整理しながら。
物置から出てきた古新聞を片付けながら。
車の整備手帳を調べながら。
この頃はまだ母の病気が見つかっていなかったな、とか。
この時は副作用が強く出て再入院していたな、とか。
この日は介護用ベッドが搬入された日だな、とか。
なんだかそんな事ばかりを考えている。

仕事の帰り道、食材を大量に買い込んだ。
明後日、Mの娘と息子が僕の家へ泊まりに来るからだ。
たぶん遅くまで騒ぐだろう。
娘は北海道旅行の土産を持ってきてくれるという。
息子は映画のdvdを貸してくれるという。
何の縁なのか解らないけれど、そんな付き合いが出来る事がとても嬉しい。
そして独りで居る事が少し辛いこの頃は、有り難くも感じる。

母が4月に作った餃子が、冷凍庫に入っている。
もう食べてしまわないといけないだろう。
Mの子たちに焼いてやろうか。
でもそれを見る度に、また奥へとしまいこんでしまう。
僕は母の餃子が好きだった。
それが食べたい。 焼けばすぐに食べられるんだ。
でもきっと、この先もずっと凍ったままそこにしまいこんでおくだろう。




自転車盗まれた2014年10月22日

なんと! 職場に置いておいた折り畳み自転車が盗まれた。
ワイヤーロックしておいたはずなのに、どうやって盗っていったのか。
面倒くさがらずに、職員用の駐輪場に置いておけば良かった。

職場に自転車があると昼食やちょっとした外出に便利なんだ。
折りたたみ自転車はどこかへ出かける時、車に積んで行くこともあるし。
地震保険の更新やら車検やらでお金が飛んでいくこんな時期に、なんてこった。
朝から嫌な気分だ。


航空観閲式に行ってきた2014年10月27日




航空自衛隊、百里基地で行われた航空観閲式に行ってきた。
観閲式は陸、海、空の持ち回りで、今年は空。
総理大臣他偉い人たちの前で行われる自衛隊の式典で、昔でいう観兵式のようなもの。

僕らの席前の滑走路で2時間以上整列し続ける約1000人の人たち。
お疲れ様です。


写真を撮ったりしているうちに、陸自のスーパーピューマ登場。
たぶん、あれに総理が乗っているはず。


黒服の人たちが走ってきた。
ボタンをはずしているのは有事の際、服の内側に吊った拳銃を素早く取り出すため。 
銃はシグザウエル230?


安倍総理。 ちなみにこの後の訓示はすごく長かった。



そして観閲飛行。
ファントムを始めて見たのは小学校低学年の頃に親父と行った入間基地。
思い間違えじゃ無い。
自衛隊がファントムを導入したのは1971年だから、もう40年以上も前から飛んでいるんだ。
いくら改修され続けている名機だとしても、そろそろ限界。
これが飛ぶ姿を見るのも、もう長くない。




久しぶりに見るイーグルの機動飛行。
戦闘機がベイパー引いて飛ぶのを見るのが好きなんだ。
これが低空を通過すると、その波動で持っているカメラや携帯電話がブルブル震える。
時速1000キロで飛ぶ姿をカメラのフレームに入れるだけで精一杯。



ブルー。 いつ見ても素晴らしい。
ただ、雲が低くて垂直系の演目はなし。


これは川崎重工が開発中の次期輸送機C-2。
飛んでるところをはじめて見た。
日本が自力で開発した戦後最大の機体で、全長全幅とも約45メートル。
現在のC-1輸送機に比べ、積載量で4倍、航続距離も3倍なのに最短離陸距離はほぼ同じ。
輸送効率を最大にする為、高翼なのが輸送機の特徴。


大好きな機体。
青森・三沢基地から飛んできた早期警戒機E-2C。
1976年のソ連空軍MiG-25函館空港着陸事件が切っ掛けになって導入された老体機。
背負っているのは直径7メートルのレーダーで、半径500キロ以内の目標を探索できる。
コウモリの部隊マークが素敵。


ところで滑走路端を見ると、話題のオスプレイ。 
でも、その隣の機体は何だ? 傾斜した特徴的な垂直尾翼と太っちょで角ばった胴体。
え? まさかF-35じゃないだろうな。 
開発が難航し、初期ロットが数機米空軍に納入されたとは聞いたけれど。
まだマトモに飛んでいない機体が、なぜここにあるのか。


近づくと、F-35A型のモックアップだった。
ようするに模型。 でも日の丸付き。
自衛隊が作ったとも思えないけれど、まさか製造元から借りて来たのか?
退役するファントムの後継として日本も買う予定だけれど、いつになるのやら。


で、沖縄からやって来たオスプレイ。
へりと飛行機の良いとこ取りをしたような機体。
日本も導入予定だけれど、正式に決まったのかな。
下から見上げると、想像以上にローターがでかい。
だから、滑走路上でローターを垂直にすると地面に当たってしまうんだね。
これは速度も出るし、離島の救急用途にも活躍しそう。

その後もコックピットを覗いたり、様々な展示を見たり。
航空祭と違い混雑していないから、ゆっくり見て廻る事が出来るんだ。
色々説明してもらった隊員の方に感謝。



15時、基地で配られた昼食とお茶を持って、近くの霞ヶ浦。
広大な湖を見ながらお弁当を食べ、ボンヤリする。
黒い雲が広がりザッと雨が降り、それが上がって虹が出る。
大きな水鳥が滑空し、ハス農家の人が田で働き、防波堤で釣りをしている人が居る。
楽しい一日。
良い気晴らしになった。
やっぱり飛行機は面白い。


でも、帰りの高速で僕を待っていたのは30キロの大渋滞だった。