コタツ買ったんだ2014年11月17日

子供の頃の遊び場だった祖母の家には、掘りコタツがあった。
今のように電気式のじゃない。
練炭火鉢を使う大きなコタツで、深く潜り込んで靴下を焦がしたっけ。
冬の朝、祖母が練炭の火をおこすのを見るのが好きだった。
空気取りの小窓が付いた火鉢が好きだった。
炭の匂いも好きだった。

数年前まで住んでいた僕の家の和室にも掘りコタツを作った。
それは電気式で手間も掛からず趣きには欠けたけれど、居心地の良さは最高だ。
コタツに潜り燗酒でもやればもう満足だ。
周りには蜜柑やらリモコンやらが散らばり、トイレの我慢が出来なくなるまでそこに居た。
駄目人間と化し、冬の長い夜をそこで過ごしたんだ。

でも、その家を失くしてから、コタツには縁がなかったんだ。
今の家に和室は無い。
床暖房は快適だけれど電気代が莫大に掛かり、独りの夜にそんな贅沢も中々出来ない。
エアコン暖房は空気が汚れないけれど味気ない。
気に入りの対流式ストーブは最高だけれど、何か一つ物足りない。
そうだ、僕はコタツが恋しかったんだ。


そんな訳で小上がりで使うための小さなコタツを買って来た。
いつの間に忘れていたこの快適さ。
ウイスキーとミックスナッツとsarfaceと。 
もう少し冬本番になったら、この上で鍋でもやろう。
Mが来たらきっと喜ぶだろう。