忘年会もあと一回2016年12月19日



フグ、立食中華、そしてワイン講習会つきの洋食。
そんな忘年会もあと一回終えたら、今年も仕事収め。
師走、忘年会、クリスマス、正月。
夜の街は煌びやかで、歩く人たちも楽しそう。
そんな世間の騒がしさと、元気で居なければならないような雰囲気が嫌だ。

12月の母の誕生日にはじまり、1月の僕の誕生日までの一ヶ月。
以前は何より楽しかったはずのその一ヶ月が、一年で一番嫌いな時期になった。
だからなるべく家に篭り、テレビも見ずに犬と遊ぶ。
付き合いで街に出ても、早く帰ることだけを思っている。
笑っているのが疲れるときも有る。

母は僕がオトナになってからも、まるで子供を誉めるように讃えてくれた。
掃除した僕の家に招けば手をたたいて綺麗だと誉め、
惣菜を作って持っていけば美味しいと喜び、
刈り込んだ芝を見れば触って遊んだ。
今に思えば僕はたぶん、自分で感じていた以上にそれが嬉しかったのだ。
母だけじゃない。
父も祖父母もそんな人だった。
そんな人たちの中で、僕は甘やかされて育ったんだろうか。

そして今、もはや僕を誉めてくれる人も居なくなった。
庭の草むしりをする。 ガラスを磨く。 畑で野菜が元気に育つ。
自宅の床にワックスをかけた。 耕運機の故障を治した。 職場で少しエラくなった。
そんなたび、誰か誉めてくれないかな、など馬鹿な事を思う。
誉めてくれないとつまらないな、とすら思う。
良い歳した男が、そんなことばかり考えている。

仕事は特記事項なし。
昼は吉野家の牛丼。
午後は会議と試薬の在庫管理と精度管理。
夜は仕事を終えたMが来るからロールキャベツを作る予定。