夢のこと2015年06月09日

少し開けた窓からの雨の音と、冷たい空気の流れ。
それを感じながら毛布に包まり、なにかとても懐かしい気持ちで目が覚めた。
夢を見ていたのだ。
木の電柱と、側溝のない荒いアスファルト舗装。
コンクリートと板を組み合わせた昔のゴミ箱、ヒバの生垣、大谷石の門柱。
子供の頃、僕が住んでいた家の前の狭い路地だ。
そこで何をしていた夢だったろう。
もう一度眠って、何としても思い出したい。
でも枕を抱えていたら小さな地震があって、そのまま覚醒してしまった。

普段全く思い出さないそんな記憶が残っている。
それは何かを切っ掛けに蘇る。
新しい記憶はいったん海馬に入り、あるものは忘れられてしまう。 
でも、その中でも大切なものは大脳皮質に刻まれ、いつまでも残るんだ。
その古い記憶をいっぺんに引き出す方法はないものだろうか。
今後も実家に入る事は無いだろうし、子供時代の写真は殆ど持ってはいない。
もうこの古ぼけた脳の奥からしか、それを生き返らせる事が出来ないんだ。
フィルタを掛けられた甘美な古い記憶の中でだけ、生きていきたい。

など思いながら犬の散歩。
朝6時の東京は大粒の雨。 
気温18度。
相変わらず体調悪し。