お節のこと2014年12月26日

今年の出勤は今日を入れてあと3日。
よく晴れた、でも北風が冷たい金曜日。
仕事は特記事項なし。
面倒事を全て年明けに送り、このまま休暇に入る事だけに注力する。
そんな年末。
仕事帰りに寄ったスーパーはクリスマスの飾りが外され、ローストチキンの安売りをしている。
週末からは正月用の食材セールが始まる様だ。

間も無く、母の居ない初めての正月を迎える。
去年の今頃の母はお節料理の仕込みに張り切っていたっけ。
叩きごぼう、田作り、なます、八つ頭、酢蓮、煮豆。
実家に様子を見に行くと、不思議なほど上機嫌に鍋を並べていたのを覚えている。
化学療法を休んで体調が良かったんだ。

何を食べても同じような味のお節料理が子供の頃から苦手だった。
一年前のそれも、たぶんそれほど有り難くも思わず食べたんだろう。
それを今、これほど欲するようになるなんて。
あのお節が食べたい。                         

僕は料理が好きだし、それなりのものを作ることが出来ていると思う。
でも、普段作らない正月料理が解らない。
写真は残っている。 味も覚えている。 でも作れない。
伊達巻とか蒲鉾なんかは買えば良いし、餅はすでに新潟の友人から届けてもらった。
でも、あの煮物や酢のものをどう作れば良いのか。
レシピなんかネットですぐに検索できる。
でも、それを母はどう作っていたのか。

そこでようやく気づいた。
同じ味のものが食べたいのではなく 僕は母の料理が食べたいんだ。
オーブンが無くてフライパンで作るローストビーフ。
庭の金柑を煮たやつ。 人参の入っていないなます。 僕が作った落花生を炊いたやつ。
あの嫌いなはずの薄味の八つ頭すら、今は懐かしい。
母の料理が食べたい。


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