姪のこと2016年04月17日

春の嵐。

姪が、僕の家にやって来た。
彼と住むために実家を出るよ、と挨拶に来たのだ。
兄に三人居る子供の一番上。
僕の両親とは唯一交流があった孫で、父も母もこの子のことが大好きだった。
姪もまた祖父母を慕い、晩年は僕より濃密に僕の両親との時を過ごしていたと思う。

思えば父が倒れたときも母が倒れたときも、それを見つけてくれたのはこの姪だった。
自分の両親を嫌い、いつもジージバーバと言っては僕の両親の所に居たからだ。
母の介護だって兄一家でただ一人、力になってくれた。
治療で母の髪が抜けたとき、それを一緒になって泣いてくれた子だ。

迎えに来た彼の車に荷物を積み込むのを見ていた。
そしてその半分ほどは、古い鉢植え。
シャコバサボテンやポトスやドラセナや。
殆どは僕が母にプレゼントしたものだ。
そうか、あれからはこの子が鉢植えの面倒を見てくれていたのか。
バーバの形見にと新居にそんな鉢植えを持ってゆく姪を見て、何だか涙が出てきた。

僕の時間はあれから止まってしまったようにも思える。
でも、24歳のこの子はこれから新しい生活が始まるんだ。
自分の家庭を持って、どうか幸せになってほしい。
そしてたまに、自分の子供時代を過ごしたジジババとの時間を思い出してくれたら。
対岸に居る僕の両親にとって、それ以上の喜びは無いだろう。