822018年12月13日

突然に、寒さが本格化した。
来週にはもう冬至だもの、夜が長くても寒くても当たり前。
それは冬嫌いな僕には、気が塞ぐ時期でもある。
いつもうつむき、溜息をつく。
窓を閉め切り、カーテンをひき、厚着をする。
こんな頃に、母は生まれた。
 

母の誕生日に菜飯を炊く。
僕の作り方は新鮮な大根の葉をさっと茹で、少し塩をしてぎゅと絞る。
それを炊きたてのご飯に混ぜてゴマを散らすだけ。
たったこれだけのものが凄く美味い。

この時期に母はよく菜飯を作った。
菜飯は母の好物で、大根の白いところよりむしろ葉を好んだほどだ。
だから僕が畑から大根を抜いてくると、何より葉の良いところを持て行ったものだ。
母だけじゃない。
父も祖母もみな、菜飯を美味い美味いと食べたっけ。
懐かしい。

元気だったら、母は82歳。
あれからもう4年以上経ち、母の写真に5度目の菜飯を供えた。