05/42005年04月30日


 


05/4/30 (土) 胃が痛てー

   

我が家で一番すきな樹。 藪椿。
子供頃、良くこの樹に登って花の蜜を吸ったものだ。






連休谷間の出勤。 つまりやる気なし。

何となく朝から胃が痛くて元気なし。
まったく、胃が痛いと何もする気力が無くなる。
腰を曲げてうつむき加減にヨロヨロ歩く。
ちょっと前にも胃痛で内科受診し、バリウムを飲んで異常なし。
神経性胃炎の診断だったっけ。
今回もそうなのかな。
自分で意識しないストレスが不眠と胃痛という体の症状として現れてくるんだろう。

全く情けない。 いつからこんなに弱くなってしまったのか。
何事も受身で、自分に自信なく、妙に諦めが良くて、力なく笑い、流され、多くを考えない。
人に優しいと言われるけれど、それは自分が嫌な思いをしたくないが為の優しさで、僕の狡さの表れなんだ。

Gasterより Rizeが効く胃痛。
でも一番問題なのは、そういう自分の弱さが決して嫌いじゃないことかもしれない。

 

 


05/4/29 (金)  エンドウ実る

   


みどりの日。
汗ばむほどの陽気。  
葡萄の葉は日に日に開き、サヤエンドウは収穫できるほどに膨らむ。
外に居ることが楽しい季節。

朝早く、Mから電話。
埼玉の畑へ来るのなら、その時子供の昼食を買って来てやってくれないかと。
早朝から出勤で食事の準備をする時間が無かったらしい。
相変わらず忙しい人。
昼に適当に買い物してマンションへ届ける事にする。

午前中は車いじり。
工具を広げてエンジンを見たり、ブレーキをいじったり、意味も無くシートや内装を外してみたり。
こんな風に機械を弄る事が大好きで楽しくて仕方ない。
こういう道へ進もうと思ったことも有ったな。
機械の整備やら設計やら。 そんな職についていたら、僕はどんな生活をしていただろう。

昼に新座のMのマンション。
その後畑で汗をかく。  遅い昼食にビッグマック。

午後、幼馴染のTと車で徘徊。
目的も無く川沿いの道を走りながら色々な話をする。
彼の結婚願望は強く、今まで何度も見合いを繰り返している。
職場は男しか居ないし、他に知り合う機会もないし、見合いに賭けているようだ。
明日もお見合い。  10歳年下の女性だと言う。

そんな話を聞く度に僕は本当に感心する。
人見知りの激しい僕には絶対に不可能な行動だ。
初対面の人とその後の交際を意識して話す、そしてうまく行けば結婚するなんて。
そんな勇気僕には無いし、そういう事に一生懸命になれない。
自然に出会いが無かったらそれで良いや。 僕ならきっとそう思ってしまうだろう。
そして畑を耕すか犬と遊ぶか、一人で温泉にでも逃避するだろう。

夕方、いつもの地酒屋さんで試飲会。
試飲と言いつつ酔っ払うほどに飲みまくり、八海山ビール二点と広島の純米吟醸を一升買う。
夜はその酒と焼いた厚揚げ。
しかし、いくら厚揚げが好きと言っても毎晩食べている気がする。
まぁ良いか。

 

 


05/4/27 (水) 夜散歩

かすんだ空。 
気温が上がり、忘れかけていた夏を思い出すような日。
夏か。 早く来い。

連休前で雑用多く、本来の仕事がはかどらない。
それでもGWはカレンダー通りの休みを手に入れる。
まぁ、どこにも行かず畑三昧になるだろうけど。

   

職場から消耗して帰宅。
風呂から出て、何となく放心気味にソラマメを茹で、谷中生姜を切り、厚揚げを焼き、マグロ刺身を皿に出す。
体の芯が疲れていて、冷えた純米吟醸をやって早く寝てしまおう。
ガラスの片口に一合の酒を注ぎ、ゆっくり飲む。
静かで良い気分。

あぁそうだ。 キュウリをヌカミソに漬けておかないと。なんて思っていた時、電話が鳴る。 
Mだ。

僕以上に疲れ、煮詰まったMが気分転換に車で徘徊しているのだ。
良く解る。 上手く気分転換しないと翌日に持ち越すんだ。
今日の事は今日のうちに消化したいよな。
だから、その徘徊に僕も付き合うことにする。
Mの運転する銀のヴィッツで夜の散歩。
吉祥寺、練馬、大泉。
用もなくフラフラするのは楽しいね。  しかし、Mの運転は僕より上手いんじゃないかな。

僕はビール、運転のMはコーラを買ってレイトショーで映画を見る。
場内に客は8人で、隅に座った僕らにはまるで貸し切りのような状態。
靴を脱いで、右手にビール、左手にポテトを持ってなんだか自分の家のようにリラックスして見る映画。
途中でビールが無くなって、Mに小遣いを貰って更にもう一杯。
良い気分だな。

映画が終わって、ちょっと駐車場でいちゃついたらもう午前一時半。
明日も有るし、帰ろうか。
短い時間だったけれど、上手くチャージできたようで機嫌の良いMに自宅まで送った貰いバイバイ。

木星がとても綺麗で、何だか寝るのが勿体無い。
家に帰っても東南アジア旅行記なんか読みながらチビチビお酒を飲み、結局明け方まで起きていた。

 



05/4/25 (月) カツオ!


   


月曜早々、職場でチョーむかつく事があって、チョーやってらんない感じ。
解らないくせに、こっちの専門分野に首突っ込むなつーの。
でも感情を出さずに何とか収拾。
オレって大人。

でも、仕事からの帰り道、またムカムカがぶり返して乱暴に自転車を漕ぐ。
くそ、今夜は飲んでやる、と思う。 いつも飲んでいるけれど。
で、魚屋さんへ直行。
一人では到底食べきれない量のカツオを買う。
トナリの八百屋さんで、タマネギ、ミョウガ、カイワレにシソと生姜も買う。
酒屋さんではいつもよりチョッと高い純米吟醸を一升。

金串に刺したカツオを炙って氷水。
大量の薬味を乗せてポン酢をかけるのだ。
冷えた吟醸酒で喰う喰う。
もうグレてやる。
風呂から出て全裸で家の中をうろつくぞ。
歯も磨かないで寝てやる。

明日は二日酔い必至。
まだ月曜だってのに。

 

 


05/4/24 (日)  犬の納骨

風の強い日曜日。
午前中急に思いたち、去年秋に逝った「テツ」の骨を埋める。
ペット葬儀社に火葬にしてもらい、あれからずっと家の出窓に置いてあったテツの骨。
納骨しようと思うたびに寂しくなってしまい先延ばしにしてきたのだ。
もうそろそろ良いか。  テツのことは忘れないけれど、この辺で区切りをつけよう。

庭の西の端、金木犀の根元に深く深く穴を掘る。
ありがとうね、と言って土をかける。
サクラに見せてやろうと家から連れ出したけれど、小さな虫を追いかけてその辺を走り回るばかりだった。
周りを石で囲い、ツワブキとシャガを植える。
そして真ん中にはグレープフルーツの木。

   

この頃、ごく少量だけれど流通するようになったグレープフルーツの苗木。
日本で栽培する事の難しさから、マニアの間で挑戦し、枯れたとか実がなったとか話題になる事が多い。
テツの記念樹だから、難しく手間の掛かる木が良い。
四季を通して手入れして面倒を見られる木が良い。
そしてその度に奴を想うのだ。

絶対枯らさない。 
そして数年後には実をつけさせてみせる。





夕方の短い時間、Mと荒川の河川敷を散歩。
秋ヶ瀬橋の下を抜ける風は少し冷たい。
枯れたヨシ原の茶色に少し緑が混じりだした。
タンポポとニガナの黄色い花。
サックスを練習する人と、鯉を狙う釣りの人。

夜、ブリカマを焼いて一人酒。
東の空に木星と満月を少し過ぎた月が昇る。

あぁ、明日はまた月曜日。

 

 


05/4/23 (土)  葡萄の葉

   

芽吹きは嬉しいものだけれど、それが好きな樹、思い入れのある樹なら尚の事。
朝日に照らされる葡萄の芽は、とても柔らかくて触るのが怖いほどだ。

昔住んでいた家にあった葡萄棚を懐かしんで、去年植えた二本の巨峰の苗。
小さな苗だから、厳しい冬を越えられるか心配だったけれどこれで一安心。
葡萄棚の木陰が出来る日を楽しみに、もう少ししたら棚を造ってやろう。




自宅南隣のお宅が引越し。
家を売ってマンションに移るとの事。
80歳に近くなり一戸建てよりもマンションの方が楽だよ、とオジサンは話す。
僕が小さな頃、このオジサンは僕にとってホンモノのオジサンだった。
父の姉の夫だったのだ。

甥である僕を子供の無かったオジサンは本当に可愛がってくれた。
色々な所に遊びに連れて行ってくれたな。
今、植物や飛行機が好きなのもこのオジサンの影響が大きいのだと思う。

父の姉が亡くなってしばらく一人暮らしをしていたけれど、やがて再婚。
一人の男の子が生まれてからも良く一緒に庭仕事などしたものだ。
だから、親戚関係はなくなってしまったけれど家族に近い関係のこのオジサンが遠くへ引っ越してしまう事が
僕は寂しくてならない。
でも、一番寂しいのは当のオジサンなんだろうな。
遅くに生まれた男の子に少し障害が有って、その子が通う施設の近所に引っ越すのだ。
丹精した庭を手放す辛さが僕には良く解る。
また会う事も出来るはずなのに、なんだか最後の様な気がしてしまって上手く挨拶も出来なかった。

3年前、祖母の庭を潰した時のように、また重機が入りあの庭が潰される。
そしてそこに3軒ほどの建売が建つのだ。
みんな変わる。  
僕も変わっただろうか。





畑にゴボウの種を蒔く。
ニガウリを植える。  フェンスにひょうたんも植える。

ジャガイモは驚異的に芽を伸ばし、長芋もツルを伸ばす。
下仁田ネギはようやく根着いたようで成長を始めた。
頭に白いタオルを巻いて長靴で歩く僕は、どこから見ても農家の人だとMが言う。
そうだよ、もう気持ちの上では畑作業が本業、普段の仕事は生きる為に世を忍ぶ仮の姿だ。

午後、Mを連れて数件の中古車屋めぐり。
ボロくて良い。 中古の軽トラが欲しいんだ。

軽トラが有れば畑作業に便利に使えるだろう。 
軽トラが有ればバーベキュー行く時便利じゃないか。
軽トラが有ればもしジェットスキーなんか買っても海に行く時使えるじゃないか。
その荷台にテント張ってキャンプしようか。 犬もきっと喜ぶぜ。

これだけ説明しても、苦笑いと生温かい目で僕を見るM。
今日は良い出物が無かったから退散したけれど、解らないぜ。 いつか衝動的に買っちゃうかも知れない。


夜は白魚のかき揚げとシメサバ。
子犬のサクラと風呂に入った。





 


05/4/20 (水)  冷たい雨の日


   


「穀雨」

春最後の節季である穀雨は、畑を濡らし穀物を育て芽吹きを助ける優しい雨のこと。
小雨に湿り気をもらい、黒く柔らかく、そして温かになってゆく畑の土を思う。

でも、今日の東京は同じ雨でも低気圧が連れてきた冷たい雨。
サヤエンドウの白い花を散らし、椿の花をおとす。
雨降りは嫌いでは無いけれど、やっとやり過した冬を思い出すようなこの雨には気持ちを暗くさせられる。




休みだったはずの今日、仕事が山積で出勤する。
冷たい雨。  昔折った肘が痛む。

昼に緑のたぬき、おやつにチロルチョコ。
わざわざ出勤したものの、あまり仕事は捗らず疲れて小雨の中帰宅。

昨夜、Mがわざわざ持ってきてくれた好物の「メカブ」とスーパーのかき揚げで純米酒。
期限が切れてしまったシラスを胡麻とフライパンで炒りフリカケを作る。
もらい物のオレンジ一つ。

疲れているのか、風呂の中で眠ってしまった。




05/4/18 (月) この頃のサクラ


   


庭の椿の木の下で。
そういえばこの子の姉妹は千葉に居て椿と言う名前。
桜と椿か。  春らしい良い名前だな。

ワクチンも終って散歩デビュー近し。
赤いハーネス、似合うかな。





サクラの夜の寝床であるサークルは僕の寝室に置いてある。
子犬に風邪でもひかせたらマズイと思ったからだ。
ベッドの目の前に置いた1メートル四方程のサークルの中のサクラと夜中に目が合ったりして、
それはそれで良いものだったけれど反面、毎晩のように軽い喘息発作をおこすことになった。
やはり喘息患者にとって、寝室に犬が居る事には無理が有ったようだ。

という訳でサークルを玄関へ移す。
この部屋はこれ程広かったかというほどスッキリし、フローリングを雑巾がけして空気清浄機を通したキレイな
空気に満ちた部屋はすこぶる居心地が良い。
夜中に度々サクラの気配で目を覚ます事も無くなるだろう。

不満なのはサクラだ。
寂しいのかフンフンと鼻を鳴らし、廊下を歩くたびにコチラを上目使いにじっと見る。
イケナイと思いつつ、その目で見られるとつい頭を撫でてやり抱き上げる。
慣れなくてはいけないのはサクラより、僕の方かもしれない。

 


05/4/17 (日)  土手のタンポポ

良い天気、しかし風が強い。
朝、平日よりも早い時間に起きだしサクラとじゃれる。
日曜早朝独特の開放感。
コーヒーも普段より丁寧にいれてみる。

僕は車の1000キロ点検兼オイル交換、Mはどこかのアホにイタズラされ壊された鍵穴の修理でトヨタのディーラーへ。
他にも互いに畑、家事、子供の世話、犬の世話。 休みの日にはしたい事がたくさんある。
でも、その合間に少しだけ会おうか。
オイルを交換した直後の気持ちの良い車で埼玉へ向かう。




僕は外に居るのが好きで、自宅でもよく用も無しに庭のベンチに座ってボケッとしていることが多い。
どこか遊びに行くときも郊外へ向かうことが多く、その点人混みのキライなMとは嗜好が合う。
今日も2時間ほどの短い時間、野外で過ごすことにしよう。

荒川の河川敷は広く気持ちが良い。
以前アザラシのタマちゃんを見た辺りをブラブラと歩く。
朧(おぼろ)と言うのかな。 春特有の白く霞んだ空。
そんな空にヒバリが鳴く。
風は良い香りでモンシロチョウも飛びだした。
そんな平和そのものの川沿いの土手を歩いた。
左手はMと繋ぎ、右手にはデジカメを持って。



   


セイヨウタンポポ。
タンポポって優しい響きの名前だな。 日本固有のタンポポを駆逐して、今普通に見られるのはセイヨウタンポポ。
もともとは野菜として作られていたらしい。
春の土手に咲く黄色いタンポポの花を見ると思わず足を止めて見てしまう。
僕の大好きな花。



   

これはヘビイチゴ(蛇苺)の花。
夏になると小さく可憐な実をつける。 
その赤い実には毒があると言われるけれど、子供の頃自分で食べて実験してみたところ特に死んだりしなかった。  




   

カラスノエンドウ。
花の後には小さく可愛いマメができる。
これより一回り小さいスズメノエンドウってのも有って、どちらもソラマメの仲間。
って事は、あの小さなマメって食べられるのかな。 こんど実験してみよう。

他にもシロツメクサ、ギシギシ、ハルジオン、ハハコグサ、トウダイグサなんかを見つけながら歩く。
春の語源は「発る」で芽が出る事だというけれど、まさに土手は芽吹き盛り花盛り。
厳しく暗い冬を越えて雑草と言われる草たちのが咲かす小さな花がとても嬉しい。

あっという間の2時間。
西日に照らされる川はいっそうキレイだった。



夜、少しだけ不調。
テレビは消して本とお酒。
寝る前に悪癖のカップ麺。

そして、また月曜日がくる。








05/4/16 (土)  1000



   



3月27日に納車された車、土曜日深夜に走行1000キロ。
ピザ屋のバイクに煽られても、バスに信号加速で抜かれてもじっと我慢し、淡々と距離を重ねてきたナラシの日々。
それも、これで最初の一段落。

畑の予定を先送りし、明日ディーラーに行こう。
エンジン・ミッション・デフのオイルを交換しよう。
だんだんと違和感も無くなり、自分の車になりつつある。

人間の本能、自由な移動。
それを叶えてくれる車、バイク。
ぼくの大好きな機械。

 


05/4/15 (金)  蕨



仕事が終って、まだ明るさが残っているうちにと急いで畑へ行ったのだけど、渋滞や踏み切りに阻まれ着いたら19時。
今日はゴボウの種を蒔こうと準備してきたので、遠くの街燈の明かりを頼りに暗い畑に種を蒔く。
あんな小さな種、暗い中うまく蒔けたろうか。
100日経てばおいしいゴボウがとれるかな。
とれたてゴボウでサラダを作りたいんだ。



   


酒の肴には手は抜かない。
それが旬のモノなら尚更だ。
だから、出勤前に重曹を計りワラビのアク抜きを仕込んでおく事など当然の事。
まぁ、職場でそんな話をすると目を丸くされてしまうので言わないことにしているけれど。

ワラビ大好き。
苦味と独特の食感。 
お酒もすすむ。

 


05/4/14 (木)  さくら三ヶ月




「さくら」生後三ヶ月の日の記念写真。
こんなに大きくなりました。

お座りもやっと覚えたぞ。



 

暗く冷たく湿った3日間の雨が抜けて、気温の上がった明るい日。
葡萄の芽は膨らみ、植えつけたジャガイモも芽吹き、サヤエンドウに白い花が咲く。
池の亀まで冬眠から目覚め、食パンの耳を齧っている。

なんとなく元気で、朝から自転車を立ち漕ぎして出勤。
仕事も奇跡的に平和な一日。
事務の女性とお茶など飲みつつ職場中庭の桜吹雪を窓越しに眺める。
定時に出、まっすぐ帰った。

風呂から上がっても、まだ明るさが残っている時間。
良い天気だし、どこかへ出かけたい。
車のキーを持って、ちょっと散歩に出る。

五日市街道、滝山街道、秋川街道。
観光時期の日曜など混んでいて近づけないあたりも、平日の夜は平和そのもの。
良い感じのカーブを低めのギアでグリグリと走る。
横田基地滑走路の夜間照明を見ながらボケッと温かい烏龍茶を飲む。

青梅街道から多摩湖周辺のウネウネ道へ。
走りなれた道を鼻歌交じりでアチコチ走るのは楽しい。
遥か昔、僕はこの道を原付バイクで走りまわっていた。
当時の彼女もホンダのMTっていう原付バイクに乗っていたっけ。

空気に濃厚な春の香り。  西に低く月齢6の月と双子座の土星。
冬は往き、もう窓を開けて走れる季節になったんだ。

Mのマンションの前の路地。
生垣越しに灯りの灯った窓が見える。
今、猛烈に仕事が忙しいと言う彼女。子供と食事を終えてやっと寛いでいる頃だろうか。
しばらく窓を見ていたけれど、結局我慢出来ずに電話をかける。
今、前に来てるんだけど。

ジャージのままで良いって言ってるのに、わざわざ着替えて出て来てくれた。
疲れた顔。 また痩せたんじゃないのか。
隣に乗せてちょっとだけドライブ。  
早く寝かせたくて遠くへは行かなかったけれど、CDにあわせて歌っているMを見るとサッサと帰るも惜しい気がして、
グルグルと近場を回る。
別れ際キスをしたらフリスクの味がした。

帰り道、久しぶりにFM東京の「ジェットストリーム」なんかを聞いてみる。
ちょうどNorah JonesのSunriseがかかっていて、いい加減な英語で歌いながら帰ってきた。

 

 



05/4/12 (火)  一人で。

花冷え、こぬか雨、風が強い。
車のボンネットでワックスに弾かれた雨粒がコロコロ跳ねている。

Mからの、今日は出勤します、とのmailですべての予定が流れる。
今日はMの休みに僕が合わせた日。
今月ただ一度、平日に会う予定だった日だ。

日曜とあと一日、平日に休みを入れている。
それなりに仕事は忙しく、自分が休みたい時にそれを入れることは難しいけれど、
それでもMの予定に合わせようと努力する。
そのために翌日シワ寄せが来て走り回ることになっても、なんとか休みを合わせたいと思う。
そんな生活を何年も続けて、特に違和感も無く毎月出勤表を組んでいる。

婦長になり、仕事が忙しいMの生活は理解しているつもりではいる。
それでも直前キャンセル、当日キャンセルが多く、正直ガッカリする事が多い。
仕事だから仕方ないのは解っている。
だけれど、今回のようにかなり無理をして都合を合わせ、予定を考えた日がただ一行のmailで消えると、
頑張って休みを合わせた自分が何だか惨めに思えたりもする。


でも。
まぁ良いや、どうでも。 こういう時、いつもそう思う。   

どうでも良いや。



 


今更出勤するわけにも行かず、一人で映画を見に行く。
ビールでチリドッグを流し込みながら「ナショナル・トレジャー」
何ぁんにも考えず、ただ楽しめる映画は良い。
何ぁんにも考えず、ただ楽しむ。

   

夕方、先日行った三浦岬の影響か船が見たくなり車で走り出す。
多摩川沿いに河口まで伸びる多摩沿線道路。
雨に煙る川を見ながら走る気持ちの良い道を一時間半。 川崎フェリーターミナルだ。

複雑にうねる首都高、両側に広がる工場群とフレアースタックの炎、黒く濁った海。
羽田から飛び立つ旅客機が強風に揺れながら低空で頭をかすめ、フェリー待ちのトラック群がアイドリングをし、
中央分離帯はゴミの山。
荒廃したこんな光景がなぜか好きで、以前から何度も来ている場所。

ここからフェリーに乗れば22時間で宮崎か。
特等室34000円、2等が14000円。 22時間船に乗って旅行に行くもの悪くないな。
行ったことも無い宮崎という場所を想像しながら、フェリー待ちのトラックの人たちを見て少し羨ましくなる。





   

夜はホタルイカを食べた。
酒は長野の純米吟醸、翠露。

風邪をひいたかな。 少し頭が痛い。
明日も冷たい雨が降るらしい。

 

 


05/4/10 (日)  小金井公園にて


   


桜花。

桜は夜が良い。
薄暮から黒へ。 刻々変わる空に白く浮かぶ桜の花を見ていると忘れた何かを思い出せそうで、でも思い出せない。
忘れた事が多すぎるんだ。

来年の桜を、僕はどこで誰と見るだろう。
この花を見ているとそんな事を考えてしまう。
シートに寝転がって見る大木の桜の花は、まるで真夏の入道雲のように見えた。

明日から長く伸びた前線が雨を降らす。
花散らしの雨、桜雨とも言う。
満開になったと思えばさっと散る。
桜らしくて良いじゃないか。

さようなら。 また来年。

 

 


05/4/9 (土)  また飲み

   

庭の隅、道との境に植えたサヤエンドウ。
もう少し伸びたらフェンスに絡ませよう。
やがてスイートピーの様な花を咲かせ、可愛い豆が出来るだろう。




仕事中、幼馴染のTからmail。
今夜、飲みに行かね?
たった一行のmailで煮詰まっていた仕事もサクサク進み、あっという間に夕方になる。

いつもの店。
今夜は空いていて、カウンター越しにマスターと話しながら飲む。
長くフランス料理を修業し、でも何故か始めた店は炉端焼き。
一時は7件もの店を切り盛りしていたが、疲れ果てて全て廃業し一軒の割烹居酒屋を始めて20年。
ここの料理が美味しいのはそんな修行時代が有ったからなのか、と感心しつつ酒が進む。
今日のお勧めは勝浦のカツオ(絶品だった)、富山の白海老(ねっとり甘い)、若タケノコは刺身にして山葵醤油で食べる。
平目のお造り、ハゼの天麩羅、自家製厚揚げ。
僕がハタチの頃から通ってるこの静かな店で、幼馴染と飲む時間は至福だ。

でも、少し飲みすぎたな。
店を出るときには珍しくフラフラ。
Tがどうしても行くと言うラーメン屋で仕上げた頃には頭まで痛くなっていた。
明日は早くに起きて畑に行くのに、なんとか二日酔いだけは回避したいのもだ。
二日酔いなんかで貴重な日曜日を潰したくない。

 

 


05/4/8 (金)  三浦でマグロを喰らう

春らしい白く霞んだ日。
移動性高気圧に覆われ気温は上がり、空気は乾き、風が強い。
庭の椿の花を食べに椋鳥がやってくる。

Mの長男の中学校入学式。
式が終わった後に校門の前で写真でも撮ってやろうかと準備する。
が、子供の父親が現れるかも知れないので近づかないでくれとMに言われ中止。
なんだか嫌な気分で電話を切る。





まぁいいや。 
せっかくの休み、一人で散歩でもしよう。
富士にホウトウでも食べに行こうかな。 

給油(ついにリッター130円!)して西へ走る。
甲州街道、R16、八王子バイパス。  なんだか今日は道が空いていて気分が良いな。
気温はグングン上がり車外温度計はもう25度。
山より海の気分かな。 道志から山中湖へ抜けようと思っていたけれど、このまま南下して海に出よう。

R129を南へ走る。
この道は懐かしい道だ。 バイクで良くツーリングへ行っていた頃、伊豆方面へ行く時必ず走った道だ。
台風の暴風雨の中、当時乗っていた赤いBanditでここを走ったのはいつだったろう。
あの時は予定を変更して藤沢のホテルへ逃げ込んだっけ。

厚木インターを過ぎた頃から何となく海が近い気がする。
南の空が広く開けて来るからだ。  
相模川沿いに走って、やがて茅ヶ崎の海。
R134を東へ走ってとりあえず鎌倉を目指そうか。
いつも渋滞のこの道も、今日はとても順調に流れる。
やっぱり平日休みはやめられない。
すぐ脇の歩道を上半身裸でボードを持った人が行く。
沿道に「生しらす有ります」の看板。 
江ノ島を横目に、鎌倉高校を過ぎたあたりで車の窓を開けると濃厚な潮の匂い。

バイクで来れば良かったかと一瞬の後悔をするが、車のナラシを早く終えてしまいたい事に気づき淡々と運転。
今、走行500キロでリミットは4000rpm。
1000キロまでこの回転数で我慢して全てのオイルを交換し、その後500キロごとに1000rpmづつ回転を上げて3000キロで全開だ。
運転にはだいぶ慣れたけれど、BMWの頃と配置が反対のウインカー/ワイパーを未だに間違えてしまう。
先日も道を譲ろうとパッシングしたつもりがウオッシャーが出てしまい自分で驚いた。
ATからMTへの変化には全く違和感が無かった。 まぁロードスターの猶予期間があったからだろうけれど。

結局、鎌倉へは入らずに滑川を越えて海沿いを走る。  
材木座、逗子、葉山の御用邸。
立石の駐車場でボケッと海を見て、ふと空腹を覚え次の目的地を三崎港にする。
三崎といったら日本有数のマグロ水揚げを誇るマグロの街だ。

 



   

駐車場に車を入れてしばらく散歩する。
昼を少し過ぎた時間で人通りも少なく静かな通り。
一本裏の路地に入れば更に静かで、歩いているのはお年寄りと猫ばかりという感じ。
入った店には他に客は無く、マグロ丼を注文しお茶などすすりながら店のオバチャンと当たり障りの無い話。
満腹になり、三崎水産高校の実習船湘南丸の前に停めた車の中で少し眠った。

毘沙門の風力発電を見学し、ちょっと裏道に入る。
見渡す限りのキャベツ畑。  季節が違えば有名な三浦大根の畑になるんだろうな。
そんな物を見ながら、ここに住み畑を耕す自分の姿を妄想してみる。
早起きして一日を畑で過ごし、夜は自分の作った野菜で質素な料理を作り、酒を飲み、休みの日には防波堤から釣り糸を垂れる。
犬と共にそんな生活ができたら、きっと楽しいだろう。
そんな事を考えながらボーっと畑を見ていたら、また眠たくなってしまった。

三浦海岸、久里浜、浦賀、観音崎と走りR16で横須賀。
横須賀ICから新道、第三京浜と一っ飛びで、世田谷通りから甲州街道へ抜けて帰宅。
今日の走行240キロ。





夜、冷えた吟醸酒をやりながら何か物足りないと思った。
そうだ!生しらすだ。
僕は生しらすを生姜醤油で食べるのが大好きなんだ。
東京じゃめったに手に入らない生のしらす。
今日、あれほど看板を見たのに何で買ってこなかったんだろう。
これはまた、近いうちに行かねばなるまい。
今度こそバイクで行こうかな。 後ろのシートに生しらす運搬用のクーラーをくくり付けて。

それにしてもこの頃益々一人で出掛ける事が好きになった。
好きなんだから仕方が無いけれど、このままでは集団で行動できない人間になりそうでちょっと怖い。
まぁそれで良いやと言う気もするけれど。

 


05/4/6 (水)

   

グングンと気温の上がった水曜日。
庭の土佐水木咲く。

なんだか元気が無い。
仕事も日常も最低限の事しかせずに、部屋に篭ってボケッとしている。
サクラと遊ぶ気はせず、歯医者に行く勇気は無く、畑に行く気力も無く、料理を作る気持ちにもならない。

夜、油揚げを焼いただけで、それを食べながらずっと飲んでいる。
Mからの電話も早々に切ってしまった。
なんでこんなに元気が無いのかは解らないけれど、こういう時は無理せず一番楽な事をして夜の時間を過ごすに限る。
すなわち、お酒を飲みながらかつて読んだ気に入りの文庫を再読する事だ。

こんな落ち込んだ気分は夜のうちに回復したい。
明日はまた、予定が気持ち良いほどにミッチリと詰まっているのだから。
明日出勤するまでの10時間でどれほど回復できるかな。

ラジオから昔良く聞いた「ポリス」の曲が流れる。
たしかにあの頃は僕も元気だった。


 


05/4/5(火)  まだ火曜日

清明。
そんな二十四節季に良く似合う穏やかな日。

月初め恒例の、会議会議会議・・
一人で5つの委員会の委員やら責任者やらをやってる僕も悪いけれど、あの気の遠くなるような
不毛な時間は何とかならないものか。
以前、会議を短時間に終わらせるために、椅子を使わず全員立って話し合ったらどうかと提案したけれど、
苦笑いされただけで反応なし。
換気の悪い会議室で煙草をふかす輩、くだらない冗談に終始する奴。
全く、この時間を本来の仕事に使えたらどんなに良いか。

仕事そのものは嫌じゃないのに、この頃職場の人間関係を鬱陶しく感じることが多い。
仕事で疲れるのは良いけれど、対人関係で疲れるのは回復も遅いし疲れ方の種類が違う。
ちょっと忙しいと自分に余裕が無くて、何気なく言われた事を聞き流せなくなる。
そして家に帰っても、その事をいつまでも考えていたり。

これはどんな組織でも同じなんだろうな。
対人関係の無い職場なんて早々あるもんじゃない。
要は自分の捉え方の問題なのかな。
そんなツマラナイ事を消化する術を身に付けないとダメなのかな。
でも、そんなに出来た人間じゃ無い僕は今日もまた、ちょっとした事に憤慨しながらアタフタと仕事をこなす。



今月は互いの都合がすれ違い、Mと平日マトモに会えるのは一回だけになりそうだ。
日曜日に会う事も出来るけれど、普段子供たちと母親としてゆっくり話す時間の無いMの貴重な
日曜休みをなるべくなら潰したくない。

それでも以前のように、何としてでも会いたいと言う気持ちは無いからどうと言うことは無いけれど。
会っていないと不安だったあの時期だったら辛かっただろうな。
やはり、Mの離婚が成立してから精神的にとても楽になった気がする。

あの頃の辛さを思えばどんな事も上手く出来る気がする。 いや、気がするだけだけど。


 

   

疲れて帰宅。
なんだかマッタリとワインが飲みたくって、でも冷蔵庫にロクなモノは無し。
発作的創作ツマミは、ジャガイモをスライサーで薄く切りアスパラとサッと湯通し。
適当なドレッシングとゴマ。
思いがけず美味し。 

明日は随分と気温が上がるらしい。
いよいよ桜も満開か。

 


05/4/3 (日) コウモリ舞う

   


穏やかに晴れ気温も上がった日曜日。
庭では椿が満開だ。

朝、サクラのトイレ催促で起こされる。
この頃は殆どトイレを使わない。  庭を走り回り、芝生の隅で用を足すようになった。
粗相も減りお座りも覚え、走り回るせいか体も少し締まってきた。
幼犬を卒業しつつあるサクラさんだ。

午前中、フト思い立って庭に置くベンチを作る。
ホームセンターから軽トラで運んだ材料を使って一時間半ほどで完成。
鋳鉄の脚部にパイン材の厚い板をボルト締めしただけだけれど、上で跳ねてもビクともしない頑丈なモノが出来た。
その出来に満足し、ベンチに座って朝兼昼の食事。
高菜のパスタとパン、ハワイコナの濃いコーヒー。
サクラには鳥ササミ。

夏までに芝の手入れとベンチにあわせたテーブル、夜間用の照明も作りたい。
僕は外でお酒を飲むことに無上の喜びを感じるんだ。
サッと作った簡単なツマミとビールを持って、これからの時期、外で過ごす事が多くなるだろう。

午後からバイクの修理、DVDの整理、そのうち作る葡萄棚の計画。
甥っ子がザリガニを放してしまった池で大量の小ザリガニが発生しているのを発見し途方に暮れたり。
サクラが外の道に出ないように、フェンスの隙間や門の下にネットを張ったり。
Mの顔も見に行った。
が、夜勤明けで殆ど徹夜状態のMの機嫌の悪さに早々に退散。
また十数キロ走って家へ帰る。

夕方、シャワーを浴びてからベンチでビール。
実に良い気分。
風も気持ち良いし、なにより春の香り濃厚な空気に触れるのが気持ち良い。
薄暮の空にコウモリがハタハタと舞う。
これから天気は急速に崩れるのだとか。
雲が早い。

夜は昨日買ったまま忘れていたトンカツで煮カツ。
そんなこんなでまた月曜がやってくる。







05/4/2 (土) オリオンビール

白くかすんだ土曜日。
少しずつ桜のピンクが濃くなってくる。

大型店より小さな商店街が好きでよく散歩する。
殆どお客の入っているところを見たことの無い傘屋さんとか、猫が昼寝している瀬戸物屋さんとか。
地元の駅前には典型的なそんな商店街があって、コロッケを買ったり八百屋のおじさんと野菜の話をしたり。

そんな商店街も段々と変わる。
これは仕方の無いことだ。
古いおもちゃ屋さんが携帯ショップになり、和菓子屋さんがサラ金の契約機コーナーになる。
そして今日また、酒屋さんが廃業した。
スーパーがビールを扱い、日本酒は地酒専門店に買いに行く。
確かに昔ながらの酒屋さんは商売し難いだろうな。
でも、知った店が無くなるのは寂しいものでレジのおばさんとしばし話す。

店内の商品全てが半額だという今日は、きっとこのお店始まって以来じゃないかと言うほどの人出だ。
数ヵ月後には何の店になっているのか。
ここに小さな酒屋が有った事すら思い出さなくなるだろうな。
どんどん、どんどんと変わっていくんだ。
変化が早くて変わらない事が悪のようにすら思えてしまう。

   

なんてちょっと感傷的になりながら、しっかりと半額で沖縄のオリオンビールをゲット。
さっさと風呂に入って、冷たいのをキューっとやろう。

 

 


 


05/4/1 (金) 犬の死亡届


   

晴れ。
良い香りのする風と飛行雲。
平和な金曜日。

仕事は休み。
園芸屋さんで下仁田ネギ、ヤツガシラの苗、ゴボウ、枝豆の種を買う。
100均の園芸用品売り場が充実していることに気づき、支柱など大量に買占め車に満載して帰る。
家で出迎えてくれるサクラの姿に、出掛けないでこの子と遊んでいようかと迷いながらも畑へ出勤。
良い天気の休みの日には土に触れていたい。
秋に美味しい鍋が作れるようによく畑を耕して、今はまだお箸程のヒョロっとした下仁田ネギを植える。
これが収穫時には驚くほど太くて立派なネギになるんだ。

それにしても畑で会う人たちと話が弾む。
この人見知りの激しい僕が、名前も知らない殆ど初対面の人と楽しく会話している。
同じ菜園を借りている者同士という親近感も有るし、土のpHとか窒素リン酸カリなんて他の人が聞いたら
チンプンカンプンな畑オタクな会話ができるということもある。

でも、それだけじゃない。
畑を耕し野菜を作る人たちの表情が皆優しいから話しやすいんだ。
絶対、土いじりには人の気持ちを癒す効果があるのだと思う。
農耕民族の古い記憶がそうさせるのか、クワを振るい種を蒔く人の表情はとても満たされている。

畑からの帰り、Mが勤務する病院の前を通る。
と、玄関先を走る2人の看護婦。
その一人はMだった。
救急車でも来るのか、相変わらず忙しそうだ。
彼女もこちらに気づいたらしく小さく手を振っている。
いつもと違う仕事中のMの姿を見るのは良いものだけど、こちらは頭にタオルを巻いた農夫ルック。
たまには僕がバリバリ働いているところも見せておきたいものだ。




自治体によっても違うのかもしれないけれど、犬も死亡届を出さないといけないらしい。
去年の秋に逝った「テツ」に春の予防接種のお知らせが届いたのを踏ん切りに届けを出しに行く。
本当は犬鑑札も返すらしいのだけど、お骨と一緒に埋めたいからと持って帰ってきた。

そろそろ骨を埋めないとな。
何となく離れ難くて、出窓に写真と共に置いてあるテツの骨。
庭に埋めて、なにか素敵な記念樹を植えようか。
いまでも何かの瞬間に、上目遣いで僕を見るテツの表情が浮かぶ。
ヤツは良い犬だった。