05/32005年03月30日



                      

そ れ か ら

 

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05/3/30 飲み会をキャンセルする

   

以前住んでいた家には大きな池があって、毎年この時期にはどこかからかガマガエルが産卵に集まってきていた。
古くなったその家を重機で潰し、半分はアパートになってしまった今の家。
それでもカエルたちの記憶に昔の池が残っているのか、春先の今、ガマガエルたちが集まってくる。
厳しい冬にどこで耐えていたのか。
ケロケロ鳴きながら、僕が作ったあの当時の十分の一ほどの小さな池に集まってくる。
そんなカエルたちが愛しい。

生まれて初めて見るカエルたちに言葉を無くすサクラさん。
耳もヒゲもピンと立てて、でも足の間に挟んだシッポは不安を隠せない。
近くに行く事は出来ず、数メートル離れてジッとカエルを見る。

サクラ、良く覚えておきな。
彼らは毎年、卵を産みに来るんだよ。





以前職場を辞め、今は教師だったりマツキヨに居たり、施設で仕事をしていたりする人たち。
そのかつて同僚だった人たちと飲む約束をしていた。
楽しみにしていたし、事実前日までは早く会って乾杯したいな、なんて思っていた。

でも、朝起きてなんだか元気がなく仕事に行くことだけで精一杯。
エネルギーが枯渇したように脱力し、とうとう今日は行けないなんてmailしていた。
以前だったら無理してでも行っていただろうな。
行って、お酒を飲むうちに段々楽しくなって、結局最後の最後まで騒ぐ中心にいただろうな。

どうしたのかな。 元気が無いな。
何に疲れているのかな。
ベッドにサクラと転がって、20年近く前のCDを聞きながら何度も読んだ文庫を再読。
それはとても楽で良い気分だけれど、でも飲み会をキャンセルした事が引っかかる。
状況が許せば家に引き篭もってしまいそうな自分が怖い。
自分の大事なモノだけで身辺を固め、他を受け入れない自分が嫌だ。

そんな時、サクラの寝顔を見ていると心底優しい気持ちになれる。
この子がこうして安心して眠っているうちは大丈夫。
なんにも起こらず世界は平和なままだ、なんて思えてくる。
そして、見ているうちに僕も眠たくなってくるのだ。




 


05/3/29  平日の温泉で


   

昨日の雨は夜のうちにあがり、一転風の強い晴れの日。
Mといつもの「小菅の湯」へ行く。

青梅街道を西へ向かうも青梅市街を抜けるまでアチコチで行われる工事の車線規制でずっと渋滞。
平日に自宅から青梅市まで二時間半というのは、その距離を思えば酷い記録だ。
この時期の工事、そして本当に車線規制が必要なのかは良く考える必要があるんじゃないのか。
アレだけの渋滞がもたらす経済的損失は莫大なものになるだろう。
なんて、遊びに行く我々に怒る資格があるのかは解らないけれど。

奥多摩地区へ入ってからはいつも通り快適なウネウネ道。
対向車も少なく良いペースで走る。
風に色が付いているんじゃないかと思えるくらい花粉が濃厚だ。
それはそうだ。 ここ奥多摩は東京の杉花粉供給地で、どこを見ても杉の木だらけなのだから。
有り難い事に新しい車のエアコンに付いているフィルターが優秀で、車内にいる限り花粉を感じることは皆無だ。
クシャミや鼻水と無縁の車内は平和そのもの。
ただ、北側の路肩などに雪の塊がまだ大量に残っているのが気になるな。
買って3日目の車、潰したくない。

温泉に着いたときはすでに昼をまわり、ちょっとガッカリ。
子供の夕飯などの都合もあって、Mと出かける時は19時前には帰りたい。
どこに行っても、このリミットは付いてまわる。
以前も今も、時間を気にせず出掛ける事なんか夢でしかない。


   


ちょっとヌルっとする強アルカリのお湯は肌がツルツルになる。
男湯は(女湯もそうだったらしい)数人しか客がおらず、それも寒かったからか屋内湯ばかりで露天は僕が独り占めだ。
特にこの「五右衛門風呂」が気に入って、手足をダランとさせて頭の中が真っ白になるくらいボーっと浸かっていた。

帰りの時間を逆算してココに3時間は居られる事が解り、畳の部屋でウトウトしたり、また風呂に浮いたり。
歳のせいかこの頃温泉の良さが身に沁みて解るようになって、こうしている時間が至福に思える。
昔折った肘を打たせ湯で真っ赤になるほど温めて、檜湯、水風呂と堪能して、またボケッとして。
一瞬、職場の事が頭を過ぎって、慌てて消去。

仕上げに名物・源流蕎麦と言うのを食べて現実世界へ帰る。



帰り道、Mと少し険悪になる。
将来について思うことをポツポツと話していた時だ。

2人の今の環境が余りに違いすぎて、ままならない事が多すぎる。
今まで掛けてきた時間の長さと、これから更に流れるだろう時間の事と。
忍耐と妥協と残された時間。 どこに線をひけば良いのか。

黙り込んで色々なことを考えながら運転する。
フト隣を見ると、Mは口を開けて眠っていた。
まぁ良いや。  これが最近の口癖になった気がする。
寝顔を見ていたら、難しいことは今は考えなくて良いかという気になる。
まぁ良いや。

CDにあわせて歌いながら渋滞の道を這う。
気に入りの歌くらいキチンと英語で歌えるようになりたいな。
随分と陽が伸びてきた。 
いつまでも明るい夕方、桜はうっすらピンク色。

 

 



05/3/27 (日)  新しい車がやってきた


2月初め、迷った末に車の買い替えを決意して買った車は二ヶ月待ち。
3月初め、乗っていた車の車検が切れて別れ難くも手放して、その後代車生活。
でも、その代車がとても気持ちの良い車で注文した車よりこちらが良いとさえ思え、
この代車を売ってもらおうかなんて考えるミーハーぶり。
そうこうするうちに、とうとう新しい車がやって来る。
お昼に引渡し予定との事だけれど、朝6時に目が覚める。
ちょうど良い、畑でも耕して来ようか。



またまたロードスターに農機具を積み込み埼玉の畑まで10数キロを走る。
早い時間の畑は誰もいなくて気持ちが良い。

クワとスコップを振るう事一時間。
大量のジャガイモを植えつけて満足気に一休み。
持ってきたシートにベタっと座り、冷えてしまった缶コーヒーを飲む。

自宅近くの畑と違って、ココは緑も多いし空も広い。
溜息ばかりの毎日で、普段忘れている深呼吸なんかしてみたり。
そんな時思う。
帰農本能とでも呼ぶべき感情が僕の奥底に有って、いつかきっと晴耕雨読の生活をしてやるぞ、と。
自分の畑を持って、好きな野菜でも作りながら暮らせたらどんなに幸せだろう。
この年で老後のそんな生活を妄想し、その時までもうしばらく今の生活に甘んじよう、と思う。




昼、ディーラーにて僕の車とやっと対面。
あまり台数の出ない車なのか、ただ暇なだけなのか、営業の人やサービスの人、受付のオネーサンまで
車を見に出てきてちょっとテレル。

いざ乗り込むと、とても大きな車に思えてちょっとナーバスになりながらディーラーを出、近所をウロウロ。
僕はナラシマニアで、新車を買ってナラシをする事に無上の喜びを感じる人間だ。
この車も完璧と思えるナラシのプログラムを考え、その通りに実行しようと思っている。
すこしづつ回転を上げていって、3000キロかけてナラスいつものやり方で、僕もその間にこの車に慣れていくんだ。
とりあえず、まずは3000rpmから。 でも、レッド9000rpmのこの車で3000って、ストレスたまるだろうな。


   



夜、Mに車を見せに行く。
充分遅い時間だったけれど、さっき仕事から帰ったばかりというMはとても疲れて見えた。
新しい車に浮れて電話で呼び出した事がとても悪く思えちょっと後悔したけれど、
この車をとても嬉しそうに見てくれて、なんだか少しジンと来た。

Mとこの車に乗って色々な所に出かけよう。
今までの車と同じように、この車で沢山思い出を作ろう。
でも、BMWの時のように、車の中で2人で泣く様な思い出はもう欲しくない。

僕の5台目の車、そしてMと付き合い初めてこれが3台目の車になる。





 


 

05/3/26 (土) 今週もおしまい

   


生後70日のサクラさん。
大きくなって随分と犬らしくなった。
そしてイタズラ盛り。
先日はトイレ(もちろん人間用の洋式)に落ちるという大失敗もやらかした。


 

良く晴れた土曜日。
夜明け前の一番暗く静かな時間、西側の窓から沈みかけの満月に照らされ目が覚める。
キレイ。
カーテンをひかずに眠るとたまには良いことがある。

火・水・木・金と吐き気がするほど仕事が忙しく、お昼なんか一度も食べなかった。
その上、何をやってもうまく行かない。
階段を駆け上がればコケ、踏み切りは目の前でしまり、子犬はオネショをし、買い物をすれば財布にお金が無く、
花粉の影響で喘息まで悪化する始末。
夜の眠りは浅く、仕事の夢を見て目が覚めたり。
余裕がないと何をやってもダメで、またそんな時は気分転換しようという気持ちにすらならず、ただジタバタするだけだ。
そんな毎日。

それでも何とか峠を越せて、今日は5日ぶりに昼食を食べる。 それも大勝軒で。
色の濃い醤油味、濃いカツオの香りと大きなチャシュー。
決して今流行の上等なラーメンじゃ無いけれど、ラーメンって本来こういう食べ物だ。
温かい一杯が嬉しい。
モチモチした太麺をワシワシと食べたときの満足感を久々に胃袋で感じた。
   
   


 


ちょっと頑張ったお陰で、月が替わるまでの数日間は楽ができそう。
月、火と連休なので日曜も含めて三連休。
三連休なんて僕にとっては本当に珍しい事だ。 
まぁ、その間も携帯で仕事の問い合わせが何度も入るのだろうけど。

2月の初めに買った車が23日にようやく広島の工場からディーラーへ入庫した。
オプションの装着とポリマー、検査登録などに数日掛かるとの事だけど、問題なければ明日の日曜に納車されるはず。
三連休の初日に二ヶ月近く待たされた新しい車が来るなんて良いタイミングじゃないか。
やはり新しい車は楽しみなもので、特にカタログだけで選んでしまった外装色がどんなだか早く見てみたい。

と同時に、この三週間充分に楽しませてもらった代車のロードスターともお別れか。
あんまり楽しいんで、コイツも買っちゃおうかなんてアホな考えも浮かんだけれど今回はさすがに我慢だ。
でも、いつか余裕ができたら上等なセダンと小さなオープンカーの組み合わせは魅力かもしれない。
Mの子供が巣立ったら、僕ら2人だけでオープンカーで温泉めぐりなんて素敵だろう。


明日は7時に起きて畑でジャガイモの植え付け。
その後代車の給油と洗車。
うまく行けば昼には新しい車と対面しているだろう。
あたらしい相棒との生活が始まる。



 


05/3/23 (水) 疲れて帰宅


天気が下り坂で雨が降る事は予報で知っていたけれど自転車で出勤。
先日電車の中で具合を悪くしてからというもの、怖くて電車に乗れない。

数日前には山手線が、そして今日は京浜東北線で列車故障のため数千人の乗客が3時間も車内に
閉じ込められた。
そんなニュースを耳にするだけで動悸がしてくる。
僕は確かに弱いけれど、でも自分のそんな弱さを受け入れ、もてなそう。
たかが通勤。 誰に迷惑掛ける訳じゃ無し、電車が嫌なら乗らなくても良いんだ。

 




そんな訳で、冷たい雨と風の中をうな垂れて自転車で帰宅。
こんな時、ずっと登り坂の8キロはとても長く挫けそうな距離に思える。
途中で何度も休み、泥水を跳ねかけられ靴の中まで濡れて惨めな気分で帰宅。

そんな気分なのは雨に濡れて自転車を漕いだからだけじゃ無い。
職場で色々あって、自分の無力さを思い知らされたからだ。
気持ちは有っても自分に出来ることは限られ、その出来る範囲の事すら完璧に出来たか自信が無い。
忙しいを逃げ口上に、もっと出来たはずの事を成さず後で悔やむ事の悔しさを味わう。
久しぶりに人の死に立ち会って、そんな仕事から逃げ出したいと思った。


   



それでも生きている身では喰わねばならぬ。
夜、今日はじめての食事は一個88円のカップ麺。

 


05/3/21 (月)  また畑の季節

春分の日の振り替え休日。

気温は上がり風も強い日。  つまり花粉祭りのような一日。
良い天気だし花粉に負けてばかりも居られない。
今年の畑作業の始まりだ。

契約の終了で一時耕す畑を持たなかったけれど、この春から新たに借りることができた畑が二箇所。
作付け面積は今までの一気に三倍だ。
これだけ有れば大抵のものは作れるぞ。

先日から、野菜作りの本のページを捲りながら作る野菜を選定していた。
どうせ作るなら喜ばれたい。 Mの好きなモノっていったらやっぱり芋類だな。
芋などの根菜なら、葉菜や果菜ほど手入れも必要ないから、遠い方の畑はコレでいこう。
という訳で、手に入れてある種芋は長芋とジャガイモ。
もう少ししたら里芋とサツマイモも買ってこよう。
それだけ作っても遠い畑は広いからまだまだ作れるぞ。
ゴボウと下仁田ネギ、ついでにラッキョウも作ろうか。

 


 

    

遠い方の畑は自宅から12キロ。
M宅の近所だ。

行くたびに道具を持ち運ぶのも面倒だな。
プラの大きな道具箱を持ち込み、物置代わりに畑の隅においておこう。
肥料やジョウロ、小さなクワなんかをココに入れておいて、Mが気の向いたときフラリと来ても楽しめるようにしておこう。
小さなオープンカーは、幌を下ろすと意外なほど積載力があって便利便利。

頭にタオルを巻いて、長靴履いて、トランクにはクワや軍手・30キロの肥料、助手席には大きな道具箱。
到底この車には似つかわしくない様相で畑へ向かう。
普通の作物と違って長芋だから、深く深く耕す必要があるぞ。
結局半日かけて80センチの深さにまで土を耕し、長芋の植え付け。
久しぶりに汗びっしょりになって心地良い。 そんな事をしている時は花粉もなぜか気にならない。
来週はジャガイモの植え付けだ。

やっぱり畑は良いな。
みんな畑を耕せば良いのに。  土いじりをすれば良いのに。
休みの一日をこうやって過ごすと、とても良い気分なのに。
クワを入れた土の匂いをみんなに感じてもらいたい。



 


05/3/20 (日)  16歳


三寒四温。
冷たい風と低い雲。 
街路樹の桜はまだ咲く気配を見せない。

Mの娘の16歳の誕生日。
弟達は野球の試合だったので、3人で和食を食べに行く。
連休中日の甲州街道は、中央高速の事故渋滞の影響も受けて大渋滞。
そんな中、Mのヴィッツを僕が運転して西へ向かう。
先日の電車の一件から今一つ本調子で無かったのだけど、隣に乗るより自分で運転した方が楽だ。
久々のオートマのヴィッツにやや苦戦しながら、たった15キロの距離を2時間かけて目的地に着いた。






アワビが美味しい、湯葉がすごい、タケノコの天麩羅は初めて食べた。
庭の良く見える座敷でMの娘はちょっとハイになっている。
その次の瞬間には学食の大盛りラーメンがどんなに美味しいかを身振りを交えて説明してくれる。
鯛の桜寿司、焼き物、お造り。  学校で習った礼法というのを実践しながら次々と食べていく子。
そんなMの娘を、なんだ父親の様な気分で目を細めて見る。
いつも仕事におわれて額にタテジワを作っているMが珍しく冗談を言ったりして寛いでいる。

当時僕と同じ職場に居たMが、職場の託児所に連れてきていたこの子をはじめて見た時、この子はまだ3歳。
何がどう作用したのか知らないけれど、それから長い時間を経てこうして一緒に誕生日を祝っている。
人に言ったらママゴトと笑われるだろういけれど、それでも良いや。
帰りはMが運転すると言うので、青竹の筒に入ったお酒「浦霞」を飲んで益々優しい気分になって行く。


   

いつの間に晴れた空が赤のコントラストを強めるころ座敷をでる。
3時間も食べながら話していたんだ。
しばらくお店の庭を散歩。
Mの娘、もうすぐ母親の身長を抜きそうだね。




そう言えば今日は春分の日。 昼と夜が同じ時間になる日だ。
太陽は真東から昇り真西へ沈む。
そして明日から益々高度を上げた太陽が地表を温めるだろう。

夜、春の香りが濃い。
ちょっと疲れた。ずっと子犬のサクラとゴロゴロだ。




05/3/18 (金) 久々に電車で


   



濃厚な花粉の舞う東京の春。
それでも春は嬉し。

木、金と多忙でヘトヘトになるまで働く。
それでも疲れただけの成果はあり、気分は悪くない。
他部署からの問い合わせにもサクサク答え、エライ人からの依頼もその場で片付ける。
難しい数値も本を見ずに言えるし、ちょっとばかり技術がいる作業も完璧に出来た。
なんだかオレって仕事出来るじゃん。 皆に頼られてるじゃん。
そんな気がして鼻も高く、一日の仕事を終えて良い感じで職場を出る。

電車で出勤した今日。
帰りの駅はナゼか人が溢れている。
階段を下りている時、ちょうど電車がホームへ入ってきてその電車に駆け込んだ。
その瞬間、変だなと思った。
この時間の上り線がこんなに混んでいるなんて。
扉が閉まって、でも発車しない。
数分もその場に停まっていただろうか。
案の定、車内放送で人身事故の為ダイヤが乱れ云々・・

体位を変える事も困難な混雑。
ムッとする車内。花粉対策のマスクをしていたのだけどそれが息苦しくて、でも腕を上げられずに外す事が出来ない。
マズイかな。 そう思った次の瞬間にはもう全身に冷や汗、動悸と不安感と不快感と。
不安発作だ。
忘れた頃にやってくる。
最初に発作を起こしてもう一年半。

今まで勉強も、色々困難を伴う事柄も、人並みにやってきて大抵の事は上手く出来てきた。
ある程度自信の様なものも有ったし、頑張ることが美徳だと信じてきた。
でも、コイツにだけは太刀打ちできない。
頑張れば頑張るほどに逆効果で、自分を甘やかし嫌なことから逃げる。 
甘やかす事で穏やかに暮らせる。つまりこれは行動療法だ。

ちょっと調子に乗ると出て来る症状。
忘れていると痛い目にあうこの発作。
今日も、普段なら電車が混んでいた時点で乗らなかったはずだ。
なんだか仕事が上手くいき、大丈夫だと過信していたんだろう。
頑張ること、無理することを否定されるこの病気は、とても残酷だ。
このままずっと、嫌なことから逃げていろという事か。

結局、全身汗ビッショリになりたった一駅で電車から下りる。
しばらく駅のベンチで荒い息をし、なんだか惨めで涙が出るけれど、拭うのも面倒でそのまま流していた。

ひどくガッカリし、落ち込んだ日。
それでも、また明日はいつも通りやってくる。



 




05/3/14 (月) 麻婆豆腐!


   


以前はそれほど好きって訳でもなかった麻婆豆腐だけど、ココで山椒の効いた汗の出るようなモノを
食べてから、それが癖になってしまった。
今夜は麻婆豆腐でビールだなぁ、なんて思いながら仕事帰りにスーパーへ寄る。
ひき肉と豆腐、ネギ。 
生姜や豆板醤は家に有るし粉山椒は以前、陳さんのお店で買ってきてある。

ミジンにした生姜と大量のネギを多めの油で炒めて、挽肉と豆板醤を投入。
豆腐は切ってからレンジでチンすると余分な水気が抜けて料理しやすくなるし美味しい。
カップ半分くらいの鳥ガラスープと水抜きした豆腐、ちょっとの砂糖、ゴマ、最後に粉山椒で出来上がり。
たった10分。 ビールに最高。

でも、一人で食べるには多すぎた。


05/3/13 (日) 男爵を植える

   

風の冷たい日曜日。
小学二年生の甥っ子に畑仕事の楽しさを伝授しようと色々と作戦を練っているのだけど
カブトやクワガタは好きなのに小さな虫が苦手なようで。
収穫したらお腹一杯ポテトフライを作ってあげる、そんな約束をエサにジャガイモ作りを手伝わせる。

庭の隅を開墾し、鍬で土を耕し肥料を入れて甥っ子専用の小さな畑を作る。
これなら外に借りている畑と違って身近だし甥っ子もマメに観察が出来るだろう。
耕している最中にも、コガネの幼虫やミミズが飛び出して、その度に悲鳴だか歓声だかわからない声を出していた甥っ子も、
この種芋が収穫時には何倍ものジャガイモになるんだよ、と言ったら興味をもったようだ。
こんな事をきっかけに野菜を作ることに興味を持ってくれると嬉しいんだけど。



午後、東京地方に小雪降る。
風は一段と冷たく雲が早い。
そんな中、Mの長男の小学校卒業式用の服を探しにお店を廻る。
日曜の渋滞の中、あっちこっちと探し回るけれど気に入ったものが中々無くって
午後中車を走らせていた気がする。
といっても長男本人は父親と遊びに行っているからMの好みの服が無かったと言うことだけれど。

何となく不調で、渋滞の疲れもあってMと会話が弾まない。
長い付き合いで沈黙が苦にならない関係ではあるけれど、いつもの楽しさも無く用事が終るとバイバイも上の空で家へ帰る。
そんな時、自分の家に帰ると心底ホッとしラジオを聴きながら長く風呂に浮いていると精神が生き返る気がする。
どんなに好きな人とでも一緒に居ることより一人で居る事が楽なときもある。
この年になってその傾向がさらに増した気もする。

夜はサーモンのホイル焼きを作った。
一人で本を読みながら食事する寂しさと心地よさと。

 


05/3/12 (土)  今週もおしまい

   

朝起きて、門にある郵便受けまで朝刊を取りに行く。
サクラも玄関まではついて来るけれど、ここから先はまだ怖いらしくジタバタと足踏みしている。

さすが女の子、花の香りを嗅いでるなぁなんて見ていたら、パクっと食べちゃった。
パンジーの花びら、美味しかったのかしら。





仕事を終えて、車の待つ職場の駐車場へ歩く。
ちょっと先を事務のIちゃんが歩いていて、どうやらダンナさんが迎えに来ているらしい。
小さなプジョーに乗って、運転席のご主人と楽しげに話しているのが街燈に照らされて良く見えた。
仕事は出来るし、とてもキレイで優しくて皆に人気があるIちゃん。
結婚し、今お腹に赤ちゃんがいるそうで、それを心配してか土曜日はいつもご主人が車で送り迎えしている。

帰り道、一人で運転しながらさっきの光景をボンヤリ思い出す。
もしかしたら、こんな僕にもああ言う選択肢があったのだろうか。
普通に結婚して、子供なんか出来たりして、妻の職場に迎えに行って皆に紹介されたり。
新婚旅行なんか行っちゃって、買ったばかりのマンションで2人の生活。
なにが普通かなんて解らないけれど、少なくとも今の僕より世間的に違和感の無い生活を送ることが、
こんな僕にも選択肢として有ったのだろうか。

Mと出合った頃、僕の近くにいつも居てくれた人がいて、
このまま行けば将来結婚なんかするのかも知れない、とフト思ったことがある。
結局その人とはそれ以上進まずに僕はMと付き合う事になるのだけれど。
今でもその人と電話で話すと、冗談交じりにあの時もう少し違う展開になっていたらどうなってたんだろ、なんて話しになる。
独身で仕事中心の生活をしているその人と、そんな昔話をする度に懐かしくてちょっと不思議な感情が湧いてくる。

僕はMを選んで、普通の結婚とか子供とかを考えない生活を送ることになったのだけど。
でも、ホントにそうなんだろうか。
僕が選んだのかな。

ヒトに与えられた選択肢なんて本当は殆ど無くて、今日の昼メシどうしようとか、ビールはエビスにするかギネスにするかとか。
その程度の事しか選べ無いんじゃないのかという気もする。
努力しても願っても成る様にしかならない事がとても多くて、その結果をただ受け入れる事も大事なのかも知れない。
退廃とも投げやりとも思うけど、頑張る事と同じくらいただ結果を受け入れる事も大切なんじゃないのか。
必要以上に考えるより、流されてしまう事も時には必要だと思う。
ただ流されることが出来なくて、足掻いて溺れるばかりの毎日だけど。

上手に生きていくことは難しい。





夜はエビスビールとネギチャーシュー、さくらはササミ水煮と乾燥フード。

明日はジャガイモ植え付けの予定。

 




05/3/11 (金) ワサビの花茎のオヒタシ

濃い霧、そして久しぶりの雨。
三寒四温のこの頃、それでも確実に春が近づいてくる。

新品の上等な傘で雨の中を歩くと、傘に弾ける雨粒の音が心地良い。
それと同じ音が、オープンカーの幌から聞こえる。
防水加工された車の幌の上で雨粒が踊るのだ。
パラパラポロポロと雨粒の音を聞きながら信号待ちしていると、なんだかとても穏やかな気分になる。
良い車だな。
この代車を自分のものにしたいな、なんて考えがふと浮かぶ。

この代車のステレオはCD付き。新しく買った車もメディアはCDにした。
今まで車ではずっとMDだったので、ココしばらくCDを買うことをしていなかった。
車の中で聞くべくゴソゴソと昔買ったCDを探し出してくる。
いやぁ懐かしいな。
どれも2台前の車、ムスタングに乗っていた頃買ったものだから、10年以上前のもの。
そんな時代のCDを次々とかけながら雨の中一人運転していると、なんだか今がいつの時代なのか
解らなくなってくる。

ホントに僕は38歳なんて歳なんだろうか。
それだけの時間はどこで浪費されたんだろう。


    「ワサビの花茎」

酒のつまみに昨日買ったワサビの花茎のオヒタシを作る。
ザクザクと刻んだワサビの花茎をさっと塩もみし、ざるに盛る。
上からヤカン一杯の熱湯を注ぎ、そのまま放置。
すぐ食べたのでは特有の辛味は出ず、熱湯をかけてからしばらく放置するのがポイントらしい。

   

30分ほどしてからゴマと醤油、ちょっとの出汁とかつお節。
これは美味い。
ピリッとワサビの風味がして、シャリシャリとした感触も良い。
これがあれば、もうそれだけで酒が飲めるぞ。
買ってきた沢の井船口酒とこのオヒタシで遅くまでチビチビとやっていた。


 


05/3/10 (木)  青梅へ梅をみに

   

うす曇りの木曜日。

東京の梅の名所といったら青梅で、梅好きな僕は毎年この時期に出かけていく。
これは僕とMの恒例行事で、付き合い出してから行かなかった年を思い出せないから11回目?
あぁ、もう11年も付き合っているのね、なんて感傷に浸る事も無く、ブイブイと赤い車で峠を走る。

代車のオープンカーは本当に楽しい車で、オープンとはこれ程までに爽快な物なのかと初めて知った。
パン屋の前を通ればパンの匂いを、梅の木の並木を通れば梅の香りを、奥多摩に近づけば濃厚な杉花粉を
ダイレクトに感じることが出来る。
手頃な大きさの車をマニュアルで運転して、FRの後輪にグッと加重を掛けながら峠のカーブを抜けていく面白さ。
なんだか納車待ちしている車より、こっちの方が良くなってきてしまったな。
ズ太くなったもので周囲の目にも慣れてしまい、吉祥寺や立川の渋滞の中でも屋根を開けたままで走っている。




梅の山を散歩したり、ベンチでウトウトしたり、濃厚な花粉の中クシャミを100連発して涙を流したりしながらゆっくり楽しむ。
屋台のお店でコンニャクを食べて、美味しくてびっくりして土産に買ったり、
ワサビの花茎があってオヒタシにしようとそれもお土産に。
お土産ついでに奥多摩の酒蔵、澤の井の小澤酒造へ行って僕は「船口酒」を一升、Mには新酒の4号ビンを買う。

酒の醪(もろみ)を搾る器具を槽(ふね)といって、搾られた酒が出てくるところが槽口(舟口)。
澤の井の舟口酒は、その日に搾った酒をそのまま瓶詰めした生原酒で、この酒蔵まで来ないと買えない酒。
僕はこれが楽しみで、奥多摩へ来るたびに必ず買っているんだ。
度数の高い濃厚な酒で、どんな料理にあわせても決して負けない強い酒。
夜が楽しみだ。

ここまで来たら奥多摩湖へ出て、「のんきや」のラーメンでも食べたいところだけれど、Mの都合で早く帰る。
病棟婦長のMはホントに忙しくて、深夜でも次々と入る電話、休みの日でも組まれている勉強会や会議。
今日も夕方からの会議に出なくてはいけないんだ。
帰りは青梅街道で。
腹ペコで、時間をかけずに食べられて帰り道にあるラーメン店を灰色の脳細胞が算出。
東大和の狼煙(のろし)屋だ。


   

節系って言うのかな。
かつお節の粉の浮いた濃厚なスープで、でも豚骨なんかも使っていそう。
スープを一口飲むと思わず笑ってしまうほど僕の好みで、中野の青葉をずっと魚寄りにしたような味?
中太の麺もプリプリと美味しいし、家からもう少し近ければ通うんだけどな。
食べている間にも次々とお客が来て、いつの間にか人気店になったみたいだ。

ラーメンの香りのするMを職場に落として、雑用をしながら会議の終わりを待つ。
ホームセンターで男爵の種芋を8キロ。 これだけ有ったら食べきれないほどのジャガイモが収穫できるだろう。
警察で申請していた車庫証明を受け取る。 色々と待たされ手数料2100円分の働きはしろよ、と独り言。
セルフのスタンドでハイオクを満タン。
一時間半後に職場から出てきたMを拾って、一緒に買い物をしてそれぞれの家へ帰った。

夜はひたすら「さくら」と遊ぶ。

 

 


05/3/7 (月) 畑当たる

子犬の「さくら」はだいぶ僕の家になれたようだ。
おとなし過ぎて心配する程だったけれど、もちろんそれは慣れていなかっただけで
だんだんと本領を発揮してきている。

困ったのはトイレだ。
サークルの中にトイレを置いてあるのだけど、どうしても自分のテリトリー内でオシッコするのが嫌らしく
その度に僕を呼ぶ。
子供がオシッコを我慢するように足踏みしたりして、思わず笑ってしまうけど彼女にしたら真剣だ。
本当は三度目のワクチンを終えるまで外に出さない方が良いのだけど、ちょっとだけ庭の芝生に出してやると
急いで用を足して戻ってくる。
その姿がまた可愛い。

まだ家に来て5日だけれど、僕のことをすっかり親と思っているらしく、仕事から帰ると千切れるほどにシッポ
を振ってくれる。
その姿を見たいがために、毎日急いで家に帰るのだ。



市民農園の抽選に当たった。
正確な倍率はわからないけれど、かなりの高倍率だと噂され、事実僕の周りでも外れたという話ばかり。
自宅から近く、水道や貸し農機具なども揃っており、僕にとっては念願の物件。
一年6000円で2年間使うことが出来るんだ。
それとは別に、MやMの子供たちにも野菜作りを教えようと応募していた埼玉の畑もゲット。
こちらはかなり広く、使用期限も3年間。
この1ヵ月半、畑難民で春の植え付け計画も立てられないままだったけれど、一気に耕作長者となった。

あぁ、なんだかとても安心した。
と同時にワクワクしてきた。  畑で作りたいものが沢山あるんだ。
「さくら」がもう少し大きくなったら一緒に畑に行くんだ。
また愛犬と共に畑の土いじりが出来る日が来るなんて。 あんな優しい時間を過ごせるなんて。
考えただけで嬉しくなってくる。


   

仕事忙しくお昼は食べられず。
それでも残業の無い職場の良い所で夕方まだ明るいうちに帰宅。
さくらにササミ水煮、自分用に車麩を煮る。
以前DASH村でお麩作りを見てからすっかり麩が好きになってしまい、よく煮ては食べている。
夜、Mがグリンピースご飯を持ってきてくれたので、それで仕上げておやすみなさい。

明日から気温も上がり、いよいよ春。

 

 


05/3/6 (日)  さよなら僕の車

   

長く大切に乗ってきた車とお別れする日。

僕は自分の持ち物に執着するし、深く愛着もする。
機械いじりが好きで、手入れする事も苦とは感じない。
公共交通機関が大嫌いだけれど、どこか遠くへ行くことは好きだ。
つまり、車が趣味というわけではないけれど車が大好きなんだ。

乗り換えずにもっともっと乗れば良いのだけれど、自分なりの変な言い訳があって、
気に入っていた車だからこそ自分の手で廃車にしたくない。
まだ車の体力に余力のあるうちに新しい持ち主へ嫁がせたい。
そんな事を考えたりする。

だからいつも車を買い替えるたびに古い車と離れ難くメソメソとする事になる。
いつもそうなんだ。
もし、自分に財力があったら、きっと今まで乗り継いできた全ての車を車庫に入れ保存するだろう。
そんなことが出来たら、休みの日なんかきっと飽きもせず古い車たちの整備をしているだろうな。

Mの(元)ダンナと最も緊張状態にあり、毎日ササクレた気持ちで過ごしたあの頃、大きなトラブルを抱えて
深夜車に乗り込むと、この車のどこから醸し出されるのか解らないけれど、BMW独特の甘い匂いがする。
色々と有って、M宅の近くに停めた車の中で夜を明かす。 でも車の中にはいつもの日常があの甘い匂いと共に待っている。
シートに座るだけでどんなにか安心したか。
あの頃の僕とMの思い出のかなりの部分を共有する僕の車。
あの甘い匂いはこの8年間、僕とMが感じていた空気そのものだ。

早起きしてワックス掛け。 室内も拭きあげる。
もうガスの残りは僅かでオレンジの警告灯が点いている。
まるで、最後の沖縄戦へ片道だけの燃料で出撃した戦艦大和みたいだな、なんてオカシなことを思ったり。

M宅へ向かい、マックでテイクアウトしたモノを持って、いつもの高台の斜面。
普段眺めが良いこの場所も、今日は雲で白く霞んでいる。
なんとなくシートを倒して放心したり、ポツポツと話したりしているうちに約束の時間。
あっけなく僕の車はディーラーの車庫へ納まった。

僕が緻密に書き込んだ整備手帳を喜んでくれるような、そんな機械好きなオーナーの所へ行ってくれる事を願う。





   

でも、さっきまでメソメソしていた癖にもうはしゃいでいる。
僕が新しく買った車が納車されるまであと3週間。
その間、無理を言って代車を用意してもらったんだ。
一度は所有してみたいと思っていた、2人乗りの小さなオープンカー。
色も音も気持ちを高揚させる。
まだ寒いのに、足元へ暖房を入れながらオープンで走る。

サンルーフとは全く違う開放感。
オープンで走っていると周囲の視線を感じる(きっと寒いのにアホだ、とか言ってるんだろう)
久しぶりのマニュアルでブイブイと走る楽しさ。
こりゃ、素晴らしい車だ。
今日から3週間、この車で色々な所へ行こう。
そして、3週間後、また離れ難くてメソメソとするのだ。

 


05/3/5 (土)  沈丁花

   

三月の雪が降った翌朝、出勤前に庭を見回る。
水仙は良い香りを放ちながらゆれている。
薮椿の赤が雪に映えて美しい。
水瓶の睡蓮は小さな新芽を蓄えている。
そして、この時期一番の楽しみは沈丁花だ。

この花を最初に意識したのがいつだったのか今はもうわからないけれど、ずっと小さな頃から
春先のこの香りを楽しみにしていた。
それも他の花とは違う何か複雑な感情を伴って。
懐かしさなのか、嬉しさなのか、この香りを嗅ぐときの自分の感情を上手く表現できない。
入学や卒業に季節が重なる沈丁花の花。
僕にとっては梅や桜より、むしろこの花が春を強く感じさせる。

あと10日もしたら香るかな。
毎朝、この蕾を見てからの出勤がこの時期の習慣になっている。



「さくら」との生活がはじまって三日。
子犬との生活というものを忘れていた僕はすっかり寝不足だ。
今まで母犬と過ごしていた夜がやはり寂しいようで、深夜の2時や3時、か細い切ない声で夜鳴きする。
その度に相手をしていたら癖になる、とは思いつつも愛しくなってしまい明かりを点けて抱いてやる。

くんくんと鼻先で何かを探るのは、母犬のオッパイでも探しているつもりなのか。
そんな仕草がたまらなくて、今夜もきっと抱くことになるんだろう。
子犬の匂いと温かさには抵抗できない魅力がある。
そっと抱いていると、こんな僕にもかすかに眠っていた父性のようなものが湧いてくる。
この子犬を絶対幸せにしたいとその度に思う。



車で出勤。
道の雪はほとんど解けて、快適な通勤。
ただし、車はドロドロだ。  
新しい車の下取りとして明日ディーラーへ持ち込むために、最後の洗車と思って先日念入りに洗ってあげたのに。

仕事はやっといつも通りに復調。
今週はウイルス性胃腸炎で苦しんでペースが乱れたために、厄介な事は先送り、不毛な会議は欠席だ。
昼に職場近所で塩ラーメン。
午後は以前退職した友達が遊びに来て、仕事もせずに積もる話など。

帰宅後、風呂、自分の食事と「さくら」の離乳食(ササミ水煮)作り、dvdの整理。
明日持ち込む車の整備記録の整理と荷物の整理。
お酒が切れかけているので、明日買うのを忘れない事。


 


05/3/2 (水) さくら

二日二晩、ウイルス性胃腸炎に苦しめられてもまだ気分は良くならない。
吐きすぎて胃がアホになってしまったのか、蠕動していないのか、食物を受け付けない。
冷たいゼリーだけがスッと喉を通る。

吐くということは精神的なダメージも大きくて、全身状態はそれほど悪くなくても外出する気力がなくなる。
出先で吐くことほど嫌なものはないから。
38度あたりをウロウロしていた熱はボルタレンSRが劇的に効き、平熱に戻っている。
でも薬で下がった熱は反動で薬効が切れたとき更に上がったりするから気をつけないと。



ブリーダーの方と相談するが、犬には感染らないでしょう、という言葉を信じて子犬を迎えに行く。
Mと二人でだ。
今日はずっと待った子犬の引渡し日なんだ。
途中で何度もトイレ休憩を取りながら、埼玉のブリーダー宅に着いたのが午後の二時。
ニコニコとブリーダーご夫妻に迎えられ、しばし子犬の話しをする。
ワクチンの話、乳離れの話、離乳食の話。

やがて対面。 
あぁ、長かった。 秋に愛犬を亡くしてからどんなにこの日を待っただろう。
子犬の背中に鼻を埋めると、あの懐かしい匂い。
小さな目でじっと僕を見て、やがてペロペロと顔を舐めてくれる。
Mがとても嬉しそうに笑っている。
彼女も動物が大好きなんだ。
交代で抱いて、匂いを嗅ぎ、顔を舐めてもらう。

お手製のササミから作った離乳食を持たせてくれる。
困ったことがあったら夜中でも良いので電話するように、と言われる。
これを職業としていても別れるこの瞬間が悲しくて仕方がない、とブリーダーご夫妻が言う。
奥さんの目が赤くなっている。
そこまで愛情掛けて育ててもらって、なんて幸せな子犬なんだろう。
このブリーダーの方とも、この子犬とも、秋に逝ったテツが会わせてくれたんだ。



やがてお別れ。
母犬と子犬。 もうきっと会うことはない。
悲しませないように、母犬は広大な犬舎の一番奥に繋がれココからは見えない。
それでも母親を探すように、子犬は車に乗せてからもフロントグラス越しにずっと犬舎を見つめていた。
なにを思っているのか、生後50日の子犬のクセに哲学者のような表情で犬舎をじっと見ていた。


   



家に着いて、僕の買ったばかりのムートンの敷物の上に大量にオシッコをして、
やっと落ち着いたのかサークルの中で眠る子犬。
今日から家族だね。   ずっと一緒にいよう。
君の名前は「さくら」だよ。

mixiの友達に教わった「犬を飼うってステキですか?」
読んでてなんだか涙が止まらなくなった。
全ての犬好きなヒトにぜひ読んでもらいたい。

 


05/3/1 (火) 仕事を休む

   

体調不良にて仕事を休む。

昨夜は苦しんだ。
38度弱の熱発と胃の痛み。
特に胃の痛みは普段経験した事の無い激しさで、熟睡できず何度も嘔吐。
昨夜作ったお粥も結局食べられなかったので、出るのは胃液ばかり。
夜中にベッドサイドの灯りで自らインフルエンザの検査。
陰性で一安心だけれど、特効薬のあるインフルエンザの方が安心かもしれないなんて思ったり。
朝までの長かったこと。

電気のスイッチを入れれば部屋は明るくなるし、テレビやラジオを点ければ賑やかだ。
でも、こんな夜は朝が待ち遠しい。
朝刊を配るバイクの音が嬉しい。
こんな時、目の前にMが居てくれたら、と切に思う。
彼女が一緒に居てくれたらどんなにか心強いだろう。
それでも、電話やメールでコンタクトできる事は本当にありがたいと思う。
何度もの電話やメールに励まされて、なんとか朝を迎えたのだから。

熱はだいぶ下がったけれど、胃の痛みは相変わらず。
流行の胃に来るウイルス性の風邪ってやつか。
職場に休む旨電話してから、プリンやみかんを食べながら(結局吐いた)ゴロゴロ。
ドラクエと読みかけの文庫と見ていないDVDと。

なんとしても今日中に回復したい。
明日は待ちに待った子犬を迎えに行く日なのだ。
僕の黒柴。 この日をずっと待っていた。
もうすでに、部屋にはMの買ってくれたサークル、餌や水の容器、散々買ったヌイグルミなどをセット済み。
あとはあの子を迎えに行くだけなんだ。
早く会いたい。