2004/112004年11月30日


 

04/11/30 (火) ブリ大根3日目

月末、月初、そして師走。
何となくせわしない時期。
と言っても僕の職場だから、世の中のホントに忙しい人に比べたら何とも無いけれど。
12月は11日も公休が有るし、たいして残業する訳でもないし。
それでも、昼間走り回ってくたびれて帰宅すると、何もする気がせず早く寝て、また朝。
そんな生活だと日記に書くこともあまり無い。



手袋無しで自転車に乗ると手が痛い、そんな季節の到来。
昼にコンビニのパンとインスタントのコーンスープ。
心療内科受診日の今日はちょっと早めに職場をでる。

ナイター診療の受付終了ギリギリに駆け込んだいつものクリニック。
診察といっても世間話を少々。
ほとんど使わない安定剤も、もう何ヶ月も処方されていないので予備として14回分貰って帰る。
血圧を測ってもらって、最初に160。 え、高いなと深呼吸して130。
血圧の変動がこんなに激しいのもきっと神経性のものなんだろう。
大きな気持ちの波があって、ここ1ヵ月ほどは多分低調期なんだと思う。
自分の弱さを受け入れないと益々落ちるから気をつけないといけない。


   

夜に先日作りすぎた大根とブリの煮物。
自分で種から作った大根が汁を吸ってシミジミと美味い。
酒は南部美人をぬる燗で。

冬は大嫌いだけれど、たった一つ、燗酒の楽しみだけが僕の救いだ。
そして11月が往く。

 


04/11/28 (日) その2 カブの菊花漬け

カブの皮を剥き、下まで包丁の刃が通ってしまわないように割り箸を置いて切れ目を入れる。
塩水にしばらく漬けてシナっとさせてから甘酢に好みの時間漬ける。
切れ目を指でちょっと開いて菊の花のように見せ、鷹の爪、柚子で飾って出来上がり。



カブを仕込んで、漬かる間にMのマンションへ行く。
娘の好物のレバーペースト瓶詰めを明治屋で4つ土産に買う。

モスバーガーで温かいクラムチャウダーをテイクアウトしてMと2人で善福寺池の畔を散歩しよう。
素晴らしい天気で気持ちが良いね。
みんな犬を連れてるな。  やっぱり柴犬はカッコいいよな。
みんな楽しそうだな。

この池は杉並の住宅街の中にあってとても静かだ。
ベンチに座って、歩く人や犬、日向でビールを飲む若者、池の鴨なんか見ながらスープを飲む。
その後、大きな家ばかり立ち並ぶ閑静な裏通りを散歩。
小さな建売住宅についたプライスタグ、1億1千5百万円に2人で驚愕する。
2時間ほど一緒に居てバイバイ。
短いけれど気持ちの良い散歩。

帰り道、いつもの地酒屋で今夜の酒を買うことは忘れない。
今日は南部美人のしぼりたて新酒。


   


ぬるい燗酒とカブ菊花漬け。
他に朝抜いた大根とブリの煮物、好物の厚揚げ焼き。

あっという間に過ぎて行こうとする日曜の最後の数時間を、旨い酒と肴、読みかけの鬼平ですごす。
穏やかな、良い休日。



 

04/11/28 (日) 今日の収穫

金曜は休みでMと過す。
転職の件について僕の考えをゆっくり話した。
食事をして映画「隠し剣鬼の爪」。 

土曜は仕事以外に書くこと無し。


   

良い天気の日曜日。
当然、早起きして農作業。
今借りている菜園は来年一月までの契約だから、これから種を蒔くわけには行かない。
秋に蒔いた野菜を収穫したら農地返納だ。
愛しむようにクワを振るう。

空は高く、どこかから落ち葉焚きの匂い。
収穫せずにいたチンゲンサイは伸びて菜の花そっくりの花をつけている。
陽だまりで野良猫がウトウトとしている。
いろんなモノが変わったけれど、そんな情景は子供の頃と少しも変わらない。

それにしても土いじり、野菜作りの楽しい事。
小さな頃、それこそ小学校低学年の頃からの趣味だけど飽きないなぁ。
耕してフカフカになった土の感触や匂い、自分で種を蒔いて、休みの度に手入れする。
そんな事をしていると、とても優しい気持ちになってくる。
みんな、畑を耕せば良いのに。 
野菜を作れば良いのに。 

   

今夜の酒の肴にと、カブと大根を抜いてきた。
カブは雪姫という品種で甘みが強くとても美味しい。
カブ数個を菊花漬け(甘酢漬け)他は塩漬けにしよう。
美味しく出来たら夜に写真をアップするかも。

 


04/11/25 (木) 生牡蠣

   

夏の間はビールと冷の酒。
どちらかというとサッと飲んでどこかに散歩に行ったりジョギングしたりという事が多い。
まぁそれでも僕の事だから酒量は多く日本酒だと月に6升。
よく飲む事に変わりは無いのだけど。

日が短くなり嫌いな冬が近づくと夜に外へ出る事は少ない。
酒量は夏と変わらないけれど、ジックリ時間をかけて飲む事が多くなる。
DVDを見ながら、本を読みながら、長い夜を酒と共に過す。
だからどうしても夏の頃に比べて、食事の内容イコール酒の肴となるんだ。

あまり時間をかけずにササッと作れる酒の肴。
今夜は生牡蠣、タコ刺身、そしてまた好物の湯豆腐。
これら肴とぬるい芳醇な燗酒。
古い映画「屋根の上のバイオリン弾き」をDVDで見ながら飲む。

 

 


04/11/24 (水) イワシの梅干し煮

Mの職場に春にやって来て散々ゴタゴタを起こした挙句、他の職場へ移る人がいる。
その人はMの上司にあたる人で、新しい職場へMを誘っているという。
一緒に来てくれれば、今の年収+100万円を約束できると言うことらしい。
ただし、今より更に忙しく、通勤には電車とバスで1時間半かかる。

その話の返事をしなければいけない期限が近づいて迷っているという。
っていうか、移る気満々の様子だ。
あぁ、やだやだ。
もう全く聞きたくない話だよ。 面白く無い話だ。
そんな相談を持ちかけて欲しくないし、僕が反対なのは解っているはずじゃないか。

看護婦のMが今の職場(病院)で婦長になるという時も僕は反対した。
ヒドイ生活になるのが解っていたから。
それでも、職場内で能力を評価されて責任者になるのは仕事の出来るMなら仕方の無い事だろうとは思った。
でも、それと今回の転職話とは全く別だ。

今ですら、帰りはいつも遅くて夕食をまともに作れるのは休日のみ。
普段は仕事から帰り、疲れて何も出来ず、子供たちはインスタントものばかり食べている。
掃除や洗濯をする時間も気力も無く、子供の話を聞く時間も無いくらいだ。
僕が古いのかもしれないけれど、小学生の子供が溜まった洗濯物の山にもたれて
カップ麺で夕食を済ます事もあるなんて、なにか間違っている気がしてならない。

休みの日、家事をする時間を割いて僕と会っているのは知っている。
母子家庭でマンションのローンを抱えて、子供の学費がかかる事も知っている。
仕事をするからには偉くなりたいのも解る。

でも、自転車10分の距離にある今の職場ですらこの状況で、更に残業も増え、一日に通勤往復3時間なんて
考える余地など全く無いんじゃないか。
お金だって僕よりMの方が収入多くて、その年収は以前夫と夫婦共働きをしていた頃より多いと言う。(すげーな)
僕と出かける時に掛かるお金は全部僕が出してるし、生活費の足しにと毎月決まった金額を渡してる。
そんなに苦しい状況じゃないとはMも言っている。

仕事に対する考え方の違いなんだろうか。
専業主婦の母親に育てられた僕の考えが甘いのか。
Mの体の事もそうだけれど、その子供たちの生活が心配で、そんな選択肢を考えるMに腹が立つ。


   

一方、僕は仕事から早くに帰って一人晩メシを作る。
最近はすっかり高級魚になってしまった真イワシ2本で360円。
生姜と自家製の梅干、畑で作ったシソ、煮汁には去年僕が仕込んだ味噌の上澄みを使う。
この上澄み、煮物の調味料として秀逸で残り少ない汁を大事に使っている。
味噌の上澄みは昔から使われていたようで、醤油の原型かな、とも思う。

小さな土鍋で作った湯豆腐、漬物、そしてイワシ煮。
広島の酒「雨後の月」を燗にして飲みながら文庫の鬼平を読む。
この時間じゃMはまだ仕事しているかもしれない。
子供たちはカップ麺を食べているかもしれない。
なにが正解なのかわからない。

 

 


04/11/23 (火) 池袋にて

   

勤労感謝の日。
珍しく朝から空腹で、大好きなソーセージを茹でる。
「どっちの料理ショー」にも出た近所の専門店。
長い名前の付いたこのソーセージは、固めの皮を剥いて粒マスタードをたっぷりとつけて食べると美味。
茹で湯は決して沸騰させずに、温める程度が良い。
レタスとカリカリに固焼きしたパンと大量のコーヒー。



良い天気の休日なのに、犬が居ない寂しさ。
以前ならこんな日は近所の川まで犬と散歩したのに。
仕方なく畑へ向かう。
大根も白菜も申し分なし。
黒い土が陽に照らされて良い匂いを放つ。
こんな日の畑は何時間居ても良いな。


昼からM、その娘との3人で出掛ける。
娘のリクエストでラーメンの昼食、ちょっと散歩、その後渋滞の川越街道を走って池袋へ。

もともと立川、吉祥寺、新宿あたりが行動圏の僕が池袋に慣れていない事も有るのだけど、
特に休日の混んだ池袋は全く楽しくない。
猥雑な飲み屋街、裏通りでも新宿と池袋ではまったく違う。
なにか空気感が違うんだと思う。

そんな落ち着かない街、池袋だけどM娘の冬用制服を買うために仕方なく歩く。
酷く音がうるさく感じ、人とぶつかって上手く歩けない。
車に脱いでくれば良かった厚手の上着、地下街の低い天井にこもった熱気と両手に持った荷物。
とにかく人が多い。
いやな予感がすると同時に久々にやってしまった。 
過呼吸と強い閉塞感、一刻も早く人混みから出たくて冷や汗が出る。
地上に出る階段を必死で探す。 
倒れそうで、倒れる前に出ようと人をかき分ける様に早足で階段を目指す。

外に出て、ガードレールに座り荒い呼吸をする。
ポケットの中にいつもお守りのように入れてある安定剤のヒートを手で触りながら、それでも
M娘に悟られないように笑う振りをする。
娘は貧血だろう位に思ったようで、しばらく一緒に座っていてくれた。
Mもあえて何も言わない。

この頃具合が良いと思って調子に乗ってると突然来るな、このパニック発作ってやつは。
普段薬は飲んでいないし、この頃は随分と良い感じだったのに。
忘れた頃に存在を主張する不安神経症。 
ショックだった。
最初の発作からもう一年半。


夜、HDDに貯まった映画をDVDに焼く。
ペットショップコジマのHPで犬の写真に見入る。
長く会っていない友達にメールを書く。
Mと電話で話す。
雲の写真集を見る。

でも、何をやっていても昼間の事を考えている。
M娘の前で、あんなに情けない所を見せてしまった事を考えている。

 

 


04/11/21 (日) かぶ

   

かぶが好きで、今年は借りている畑で「雪姫」という品種を作っている。
一袋300円弱の種を蒔けば、まさに食べきれない程の量が出来て畑趣味冥利に尽きる。
今、直径4センチ程。 あと2週間で収穫かな。
100個は取れるだろうかぶの使い道に今から頭を悩ませている。
ヌカミソ、味噌汁、鳥そぼろ煮・・
一年4000円で借りている菜園は、その何倍もの幸せを運んでくる。


良い天気の日曜日、午前は畑で大根、かぶ、白菜の手入れ。
こぼれるほどの日差しの中で、土に触れる楽しさよ。

午後から親友のTと吉祥寺に自転車で遊びに行くも急速に具合が悪くなる。
咽頭痛、咳、頭痛。 要するに風邪だ。
昨夜、M宅から帰る時に妙に寒いと思ったっけ。 あの時ひいたのかな。
具合の悪い事を良い言い訳に、早い時間からベッドに潜り込み、ウトウトとする。
こんなふうに過せるのなら、たまの風邪も悪くない。
夜は燗酒をあおって早くに寝た。

 

 


04/11/20 (土) 屋台ラーメン

夜、赤ワインと盛り沢山のツマミを持ってMのマンションへ行く。
久しぶりに来たな。 相変わらず散らかってるねぇ・・
歓待してくれる末の子と長女。 長男はいつもの様にあまり話さず。

ワインとソーセージ、ザワークラウト、秘蔵のキャビアとチーズですっかり良い気分。
カリフォルニアワイン、美味しいねぇ。
Mと2人でそれこそあっという間に一本あけてしまい、ウイスキーに変えて更に飲む。
良い感じの夜。

テレビの音に少し酔って、隣の和室で新聞を読む。
と、大抵いつもそうするように長女が付いて来る。
この子、いまや母親にも言わない事を僕に話すようになった。
来年になると理系文系にクラス分けがあると言う。
そのための適正調査で、僕の職が適正上位に入っている。
マイナーな職なのに、よくこんなの出てきたねー、とか言いながら2人で見入る。
この子が僕と同じ職に就いて、仕事の話なんか出来たら楽しいだろうな。
おかぁさんの職(看護)も上位に入ってるねぇ。 おかぁさん何て言ってた?
え、見せてないの?

同性の親子だからテレの様なモノが有るのかな。
こんな大事な事を母親に言わないなんて駄目じゃないか。
でも、それを僕にだけ話してくれる事が何だか嬉しい。
この子の為なら何でも出来るな、なんて酔った頭で考える。
夜中の0時過ぎまで、2人で色々な仕事について話していた。
Mは映画を見ながら眠ってしまったようだ。


寒い夜で小雨も降っているけれど泊まらず帰る。
自転車で10キロ以上の距離は少し辛いけれど、以前マンションの住民と僕の車の停め方でトラぶって以来
自転車で行くようになった。 お酒も飲める事だし。

ずっと上り坂。
深夜1時半。ワッセワッセとペダルを漕ぐ。
やっと地元まで帰ってきて、考える事は一つ。 
あの屋台出ているかなぁ、だ。

   

何度か書いているけれど、この屋台のおじいさんが僕は大好きだ。
この地で屋台を出して今年で43年になるという。
当時はリヤカーで一杯35円のラーメンを売っていたと言うおじいさんの話を聞きながらすする温かいラーメンの美味さよ。
美味しいラーメンは沢山あるけれど、こんなに嬉しくなる一杯はそうそう有るもんじゃない。
体を壊してから週に3日しか出なくなってしまったこの屋台。
遠くからでも良く解る、暗がりにボンヤリ灯る赤い提灯を見つけて、ペダルを漕ぐ力が一層増した。

 

 


04/11/19 (金) コラテラルって巻き添えって意味なんですか?

仕事は休み。
Mと大泉に映画「コラテラル」を見に行く。
平日で朝一番の上映と言うことも有り客は僕らを入れてたった6人。
良い気分で席についてビールを飲みながら映画を見る。

コラテラル。
殺し屋の話なのにとても静かな印象の映画で引き込まれた。
映像も音楽も綺麗。
タクシー運転手と殺し屋の会話、きっと孤独な人生だったろう2人の相違や共通点。
ありもしない友情。 じわじわと心に沁みる。
最後、殺し屋はは死にたかったんだろうな。 
タクシー運転手なら最後を見取ってくれると思ったんだろうか。


   


昼に大泉の「国上屋」(練馬区大泉学園町4-23)でラーメン。
ここのラーメンは変わっている。 ダシがマグロなんだ。
想像以上に濃厚で旨みの深い白濁したマグロのダシはクセは全く無く、飲み下すと確かにマグロの香り。
そこに別皿で出てくるホタテ味噌(ホタテのキモ)と言うものを溶かしながら食べるんだ。
このホタテ味噌、単体で食べるとカニ味噌の味で、コレだけで何杯もお酒が飲めそう。
コレをスープに溶かし込むとさらに旨みが濃くなり食欲をそそる。
濃厚な味に疲れた頃、添えられるレモンスライスを絞るとまた味が変わる。
誰でも美味しく食べられる種類のラーメンじゃ無いけれど、僕は大好き。
カニ味噌の好きな人ならまず間違いなくスープまで完食すると思う。
メニューはこちら
ごちそうさまでした。

午後、ハードオフでPS2のソフトを物色。
その隣に有る大きなペットショップ「コジマ」ものぞいてみる。
ケージが沢山並んでいて、愛くるしい動物たちがいっぱいだ。。
テツを思い出す柴は見ないようにして、Mと2人で猫とじゃれたり、フェレットをつついたり、
フクロウ(そんなもの売って良いのかな)に驚いたりして時間をつぶす。
でも、どうしても目は犬のケージに行ってしまう。

この店は子犬を抱かせてくれるのだけど、それをするとまた欲しくなっちゃうから・・
なんて言っていたのは最初だけで、店を出るときにはすっかり体が犬臭くなっていた。
一週間触れていなかっただけなのに、犬の温もりの懐かしい事。
犬の居る生活って良いよな。

どんな犬が好きですか?




数年前に函館のKの所に遊びに行ったとき、古いバーに入った。
高齢のバーテンダーの方がカウンターの中に居て、美味しいマティーニを作ってくれた。
Kの昔の彼氏の話なんかを聞きながら2人で酔って、その後寂びれた函館の街を散歩したっけ。

夜、スカイパーフェクTVの277ch(旅チャンネル)を見ていたら、そのバーが出てるじゃないか。
80歳になったと言うあのバーテンダーの方も変わらずお元気で、
また函館に行きたい、あの店でKと飲みたいという気持ちがフツフツと沸いてくる。

深夜でもう寝ているかと思ったけれどKの携帯に電話する。
何度目かのコールで出たKはまだ仕事中だった。
そんなKに昼間の映画の話もテレビのバーの話もする訳にいかず、無理するなよとだけいって電話を切る。
Kともずいぶん会っていないな。
北海道はもう随分と寒いんだろうな。

 

 


04/11/18 (木) オレンジの電車

   

曇天、後に冷たい雨。
午後も遅くなるとあっという間に暗くなり肌寒い。
また嫌いな季節がやってきた。

職種がら残業が殆ど無い。
夜になって終らなければ残りは翌日にせざるをえず、有り難いやら不完全やら。
以前の職場では終電は当然、実験が始まると泊り込みなんていう生活をしていて、今の職場(職種)に移って
しばらくは早く帰る楽な生活だと思ったけれど、ホントのところどっちが良いのか解らない。
同年代の友達の、毎晩終電だよ、なんて話を聞くと少し取り残されたような気もする。 贅沢だけれど。

それでも今日は結構忙しくて、昼食はとれずトイレすらずっとガマンしていた。
朝に煎れたコーヒーは冷めて帰宅時までそのまんま。 
走りまわっているうちに一日が終わる。
職場の福利厚生で、かなりの人数が東京湾クルーズとディナーとやらに行っているアオリだ。
冷たい雨をガラス越しに見ながら、東京湾上の奴らに舌を出す。 シメシメだ。


先日は具合が悪くてどうしても乗る事が出来なかった電車で今日は帰宅。
あの日は結局、職場から家まで8キロ弱を歩いて帰ったんだ。
まったく、気持ちの波が大きくて困るけれど、それとも上手く付き合う術を身に付けつつある。
自分は弱い人間だと認めてしまえば楽なものだ。
僕は弱い。 
でも、粘り強いぞ。


夜は厚揚げ焼き、昨日の残りの手羽焼き、キノコ汁。
酒は広島の雨後の月。

明日は休み。
久々にMと映画にでも行きたい気分。


 


04/11/17 (水) 今夜のメシ

最近身の回りで起きた立て続けの不幸にオロオロしているうちに、すっかり初冬になってしまった。
今朝、自転車で出勤しようと走り出すも、あまりの寒さにびっくりしたり、
ふと職場の窓から外を見ていつの間に真っ暗になっている夕方に驚いたり。
うつろう季節についていけない。

フロイトはあまり好きじゃないけれど、一つ気に入っている概念に「喪の仕事」と言うのがある。
これは身近な者との別れ(死別)をとことん嘆き、悲しみ、混乱する事で、やがてそれをあきらめ受け入れるという事。
喪失感を埋めるに近道ではないけれど、それが上手く出来ないと精神を病む原因になると言う。

だからって訳じゃないけれど、職場でも思い切り落ち込んでいたここ数日。
周りに迷惑かけた自覚はないけれど、「たかが犬が死んだくらいで・・」と言ったアホが居たくらいだから
やはり其れなりの雰囲気を醸していたんだろうと思う。

それも、そろそろおしまいにしよう。
もう充分悲しんだから、そろそろ元の日常に戻る事にしよう。
「年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず」

Mの息子が、最近僕がマンションへ遊びに行かない事を気にしていたという。
時間を作って遊びにも行こう。
お酒も眠るためではなくて美味しく味わうんだ。
キチンと食事も作ろう。


   

そんな訳で、今夜は早く帰ったので食事の(お酒の)準備。
水菜(今年は畑で作らなかったから買ったもの)サラダ、カボチャ煮(もらい物、カボチャにはマヨ)
納豆モロヘイヤ(モロヘイヤは夏に作ったものを冷凍)、鳥手羽塩焼き、カマボコ、スモークサーモン。
酒は最初にギネス、その後広島日本酒「雨後の月」

酒飲んで元気になろう。

 

         

 


04/11/15 (月)  虹の橋

   

動物専門の葬儀社の方にお世話になって、彼は骨になった。



苦戦している。
愛犬が居なくなってから何も手に付かないし、何もする気力がない。
外に居ても主人と散歩している犬にばかり目がいくし、部屋に居ればアイツがパタンパタンと
尻尾を振る音が聞こえる気がする。
ちょっと油断すると涙がでてしまい、それが恥ずかしくて人に犬の死を話すことができない。
肌寒くて、アイツの体温を足に感じながらゴロゴロしていた日々ばかり思う。

そんな夜、ネットで見つけたお話。
古くから伝承されるインディアンのお話しらしい。
転載フリーだというので甘えさせていただく。




天国の、ほんの少し手前に「虹の橋」と呼ばれるところがあります。
この地上にいる誰かと愛しあっていた動物は、死ぬとそこへ行くのです。
そこには草地や丘があり、彼らはみんなで走り回って遊ぶのです。
食べ物も水もたっぷりあって、お日さまはふりそそぎ、
みんな暖かくて幸せなのです。

 

病気だった子も年老いていた子も、みんな元気を取り戻し、
傷ついていたり不自由なからだになっていた子も、
元のからだを取り戻すのです。
・・まるで過ぎた日の夢のように。

 

みんな幸せで満ち足りているけれど、ひとつだけ不満があるのです。
それは自分にとっての特別な誰かさん、残してきてしまった誰かさんが
ここにいない寂しさのこと・・。

 

動物たちは、みんな一緒に走り回って遊んでいます。
でも、ある日・・その中の1匹が突然立ち止まり、遠くを見つめます。
その瞳はきらきら輝き、からだは喜びに震えはじめます。

 

突然その子はみんなから離れ、緑の草の上を走りはじめます。
速く、それは速く、飛ぶように。
あなたを見つけたのです。
あなたとあなたの友は、再会の喜びに固く抱きあいます。
そしてもう二度と離れたりはしないのです。

 

幸福のキスがあなたの顔に降りそそぎ、
あなたの両手は愛する友を優しく愛撫します。
そしてあなたは、信頼にあふれる友の瞳をもう一度のぞき込むのです。
あなたの人生から長い間失われていたけれど、
その心からは一日も消えたことのなかったその瞳を。

 

それからあなたたちは、一緒に「虹の橋」を渡っていくのです・・・。

 

けれど、動物たちの中には、様子の違う子もいます。
打ちのめされ、飢え、苦しみ、
誰にも愛されることのなかった子たちです。
仲間たちが1匹また1匹と、それぞれの特別な誰かさんと再会し、
橋を渡っていくのを、うらやましげに眺めているのです。
この子たちには、特別な誰かさんなどいないのです。
地上にある間、そんな人は現れなかったのです。

 

でもある日、彼らが遊んでいると、橋へと続く道の傍らに、
誰かが立っているのに気づきます。
その人は、そこに繰り広げられる再会を、
うらやましげに眺めているのです。
生きている間、彼は動物と暮したことがありませんでした。
そして彼は、打ちのめされ、飢え、苦しみ、
誰にも愛されなかったのです。

 

ぽつんとたたずむ彼に、愛されたことのない動物が近づいていきます。
どうして彼はひとりぼっちなんだろうと、不思議に思って。

 

そうして、愛されたことのない者同士が近づくと、
そこに奇跡が生まれるのです。
そう、彼らは一緒になるべくして生まれたのでした。
地上では巡りあうことができなかった、
特別な誰かさんと、その愛する友として。

 

今ついに、この「虹の橋」のたもとで、ふたつの魂は出会い、
苦痛も悲しみも消えて、友は一緒になるのです。

 

彼らは共に「虹の橋」を渡って行き、二度と別れることはないのです。


作者不詳

 



そこでは失った様々なものを取り戻すことができるのかな。

虹の橋、そして天国。
そこには先に逝ってしまった、かつて僕に愛情を注いでくれた人たちや動物達が待っているんだろうか。
今はもう思い出す事も稀になってしまった、かつての温かで懐かしいあの頃に戻れるのだろうか。

 


04/11/12 (金) テツ

夕方、僕の犬が死んだ。
この世で最も仲の良い存在の彼が、腕の中で段々冷たくなるのを感じながら僕は何も考えられなくなった。


朝から仕事に追われていて、その留守電に気付いたのは昼休み。
母親からだった。
テツが具合悪いと。 歩く事も出来なくて、庭にうずくまっていると。
今日一日、仕事の予定がミッチリで、途中で帰るなど不可能だ。
目先の上手くいかない仕事の事で頭が一杯だった。
電話で夜まで帰れない事を伝え、仕事に没頭する。 
でも、そのつもりだったのだけれど、仕事にならない。
電話口に聞こえたテツの声が頭から離れなかったからだ。
結局午後2時、すべて投げ打って職場を出た。

こんな時に限って、なんでタクシーって走っていないんだ?
やっと捕まえたタクシーの座席でも、道を説明しようとして上手く言葉が出ない。
JRの踏切の渋滞でタクシーを降りて家まで走った。



帰宅したのは午後3時。
柴犬のテツは彼の大好きな柿の樹の根元にうずくまっており、息が荒い。
抱くと手足や耳の先が冷たくて、それでも僕を見上げて笑ったような気がした。
僕らは仲が良かったから、きっと彼は僕が来るのを待っていたんだ。
何の疑いも無く僕を待っていただろう彼を抱きながら、夜まで仕事をしようと一瞬でも思った自分を恥じた。

傍らに座ってずっと彼を見ていた。
昨夜の雨を吸った土が冷たい。

午後5時、すっかり短くなった陽が落ちて辺りが暗くなる。
その上、小雨まで降ってくる。
テツは何度促しても屋内に入らない。 いつもそうだ。 彼は外に居るのが好きなんだ。
僕はテツを抱いて玄関の中へ入れた。
そこに毛布を敷いて隣に添い寝する。

元気な時いつもそうしていたように、僕が隣に寝ると彼は僕の腕にアゴを乗せてくる。
驚いた事に、テツはその姿勢のままイビキをかいて寝てしまった。
とても穏やかな顔で、鼻から出る呼気で腕が湿ってゆく感触や暖かさからは、とても彼が死のうとしている
なんて信じられない。

でも、そんな優しい時間は長く続かない。
目を覚ましたテツは気分が悪いのか反り返って、全身の力を絞るように僕の腕の上に嘔吐した。
急速に呼吸が荒くなって、少しだけ下顎を痙攣させて、そして逝ってしまった。




僕の作った縁側が好きで、テツは良くそこに座っていた。
夜、部屋で酒を飲みながらカーテンを開けるとそこには縁側でイビキをかくテツがいた。
空や星をいつも一緒に見上げた。
誰にも話せない事も、彼にだけは全て話していた。 二人だけの秘密だ。
今でもペットショップで生後55日の子犬だった彼と目が合った日の事はよく覚えている。
以来13年、僕たちは親友になった。

逝ったとき、僕は泣かなかった。
今までの感謝の念を口にするのが精一杯だったからだ。
お湯で絞ったタオルで体を拭いてやり、白いシーツで包んだ時も泣かなかった。

犬はよく、その琥珀色の眼で人間を凝視する。
逝く時、いつもの様に僕を凝視した彼の眼に何が映ったんだろう。
椅子に座ってぼんやりとそんな事を思っていた時、やっと泣くことができた。
こんなに沢山、どこから出てくるのだろう。 不思議に思うほど涙が出た。

深夜、Mが来てくれて車の中でしばらく話す。
夕方小雨を降らせた雲は消えて、綺麗に星たちが見えた。
いつも間にか、もうすっかり星座は冬だ。
でも、オリオンやシリウスを見ても、玄関を入るとき、それを一緒に見上げるテツはいない。
白い息を吐きながら、冬の夜、一緒に屋台のラーメンを食べに行くテツはいない。
寂しい。


 

今、唯一後悔しているのは、テツを抱いて玄関に入れたことだ。
彼は外が好きだった。
暗くなっても、雨が降っても、庭の土の上で添い寝をしてやれば良かった。
彼はあの柿の樹が大好きだったんだから。

 


04/11/10 (水) 今年もコイツの季節

「ムカゴ」を知っていますか。
食べた事がありますか。

毎年この季節になると自然に眼はムカゴを探す。
秋、自然薯や山芋が葉の付け根につける小さな芋の子。
これが種のようにバラ蒔かれて春にそこから芽が出るのだけれど、
この芋の子はもちろん食べられる。
祖母が好きだった事も有って、小さな頃良く集めたな。

この時期、芋の葉は紅葉するからすぐわかる。
公園や空き地、駐車場のフェンスなんかに絡んでいる自然薯の葉の付け根を見ると
こんなモノが付いているかもしれない。

   

これがムカゴ。
で、これをせっせと集める。
通勤途中、犬の散歩中、デート中。
黄色く色付いた葉を目印に、探す。
そして、沢山のムカゴを付けたツルに出会うと、人目も気にせずニンマリと笑う。
常にカバンにビニール袋を入れておいてせっせせっせと気長に集めていく。

そんな楽しい日々を送るうち、やがてこんなに集まったムカゴたち。

   

炒ったり甘辛く煮たり、素揚げにしても良いのだけれど、僕はご飯と炊くのが好きだ。
もち米も入れて炊いたムカゴご飯は、ほのぼのと美味しい。
今年もまた、ムカゴご飯の懐かしい香り。
ゴマ塩かけて、いただきます。

   


自転車屋さんの閉店時間に間に合うように職場をでる。
坂道の多い通勤路、変速しなくなってしまった自転車では汗だくになってしまう。
数日あずけるようかな、と思っていたがその場ですぐに分解、変速装置の調整と給油。
けっこうな手間と時間が掛かったのにお金は要らないよ、と。
プロだなぁ、と思う。
なんだかそれだけで良い気分になってしまった。

明日は健康診断。
去年までは一応気にして検診前の数日は酒をひかえたりもしたけれど、今年はそんな事が面倒で
今夜もしっかり飲んでいる。
濃厚なギネス、そして鳥ササミと湯葉をツマミに上等な吟醸酒。

この時間に電話が来ないところを見ると、Mは今夜も残業だろう。




04/11/9 (火) とれたてホップ

   

Mと一日遊んで夕方に帰宅し、風呂に入ってビールを飲む。
限定の「とれたてホップ」 香り良し。

夜、北海道のKと長電話。
最近行った温泉や食べたラーメンの話などしながら、次々とそれらの写真をメール添付で送る。
そしてその写真を見ながら、またいつまでも話す。
1000キロの距離がとても短く感じた。

楽しい一日。
そして深い眠り。

 


04/11/8 (月) 猫!

   

朝、出勤しようと玄関を出て、車を置いてある左の方を見る。
車の手前は小さな畑になっていて、借りている菜園に蒔ききれなかった大根の種を蒔いてある。
その、フカフカに耕してある土を一心不乱に掘り返す野良猫。
その、あまりの真剣さにジッと見入ってしまった。
僕の視線に気付いたからだろうか。
トイレをするでもなく5メートルほど歩き、ススキの根元に転がってニャと鳴いた。
種を蒔いた場所を掘り返されても、このニャンコを見ていたらチッとも怒りの感情が湧いてこない。

写真を撮って、もうちょっと近づこうかと一歩踏み出したら走り去ってしまった。
この辺で、以前からよく見る貫禄ある野良猫。
今年の冬も頑張って乗り切れよ。


仕事は特に変わりなし。
昼にまるちゃんカップワンタン、おやつにキャラメルコーンアーモンド味。

Mは明日、今月に入ってはじめての休日。
電話では毎日話しているけれど、明日は久々にゆっくり面と向かって話せそう。
いつものホテルに篭る事にする。

仕事帰り、明日の篭り用食材。 惣菜や酒を4000円ほど買いこむ。
HDDからホテルで見たいモノをビデオへダビング、見せたい写真が大量に保存してあるノートPCをカバンへ詰めて、
読ませたい本も持って。
前回会ってからの10日間の間に起きた、話したい事、相談したい事が積もり積もっている。

Mといつものホテルで昼間の時間を過すのは、僕にとって(たぶんMにとっても)欠くことのできない息抜きだ。
僕の存在には、どうしてもMが必要だ。

 

 


04/11/7 (日) 観閲式

昨夜、疲れているに寝付けない。
いつまでも寝返りをうち、些細な音が気になってベッドサイドのランプを点け、甲府で買ったワインを何杯も飲み。
それでも駄目で結局久々に眠剤の世話になる。
体の奥にシンと溜まった疲れは眠らなければ取り除く事はできない。
お陰で朝の8時半、深い眠りから気持ちよく目が覚める。


   

良い気分で起きたのは良いけれど、今日は自衛隊・朝霞駐屯地の観閲式に行くんだった。
急いで仕度して家を出る。

朝霞駐屯地はM宅近くで行き慣れた場所。
車でササッと急行する。
フロントグラスの内側にセロテープで招待券を貼る。
職場の偉い人が自衛隊に図太いコネを持っていて、そこから廻ってきた券。
やがて、この券の威力を思い知る事になる。

ゲートの通過、駐車場への誘導、荷物チェックまで特別待遇。
胸にリボンを着けて貰い、礼儀正しい自衛官が席まで案内してくれる。
そこは、スーツと軍服の人たちの席で、小泉サンの席まで僅かに50メートル。
そんな中、僕だけジーパンにTシャツ、首から二台のデジカメと双眼鏡をぶら下げたオタクルックだ。
場違いとはこの事を言うんだろうな。

初めて見た観閲式はいつも見ている演習や航空祭の感じとはまるで違う雰囲気の中、粛々とすすむ。
まさに一糸乱れぬ4000人の自衛官の行進と敬礼。 そして栄誉礼。
これは何なんだろう。
正直、不思議な感動を覚えた事を白状する。

目当ての飛行機たちは航空祭と違い上空を通過するだけだったので良い写真は撮れなかったけれど、
なんだかとても良い経験をした気がする。
何度も見るものでもないだろうが、一度は見る価値が有ると思う。

写真はコチラ



帰り道、Mの職場近くの白河ラーメンの店で醤油ラーメン。
僕にはやや鶏油がキツイけれど、プリプリの平打ち麺美味し。

家に帰って夕方の薄明の中、庭に葡萄の樹を植える。
以前の古い家にあった葡萄棚が忘れられない。
春に美しく芽吹き、夏に涼しげな木陰を作り、秋に実る。
あの懐かしい葡萄の棚をまた作りたい。

そんな願いを込めて巨峰とベリーAの二本を植えた。
この樹を大切に育てよう。
やがて何年かして群青色の実をつけるだろう。
その時、僕はどこで何をしているだろうか。




 


04/11/6 (土) 鬼灯

   

冬枯れのホオズキ。
葉脈だけを残した外皮の中で尊い宝石のように輝くオレンジ。
この中には来年に命を繋ぐ種が大切に仕舞われている。

土の中で春を待ち、芽吹き、やがてまた種を残す。
そんな命の継承について考える事多し。


忌引きあけの土曜日。
仕事に忙殺された午前。
いきなり日常に引き戻され、でも今はそれが心地良い。

昼に事務のOちゃんが気を利かせて買ってきてくれたトンカツ弁当(美味かった)
おやつに温州みかん(これまた美味し)
一日に何杯もコーヒーを飲む。
午後、一通りのルーチンをこなし、後の面倒な事は来週にまわす。
試薬発注リストを作りモニターにポストイットして帰宅。



昨日深夜にADSLモデムが不調になりサポートに電話。
レンタルモデムなのであっけなく新品交換となった。
明日の日曜はモデムの受け取り、自衛隊朝霞駐屯地の観閲式、時間が有れば畑仕事。
昨夜殆ど寝ていないせいで頭が痛い。
今夜は早寝する予定。

 

 


04/11/5 (金) 帰宅

   

夜、疲れ果てて通夜から帰宅。
少し体調を崩して久しぶりに安定剤を頓服。

夜の高速道路を運転して帰ってきて、横目に東京タワーを見る。
普段は何とも思わないこの建造物を見て、やっと自分のテリトリーへ戻った安心感に包まれる。
と同時に緊張が解けて、我慢していた涙が流れた。

 


04/11/3 (水) 夜、追記

叔母が逝った。
55歳。

なんて事だ。
ほんの1ヵ月と少し前に、大好きだった従兄弟が急死したばかりだというのに。
本当に、なんて事だろう。

最近も、何度も会っているのに思い出すのは僕が小さかった頃の夏。
叔母と叔父が住む海辺の家に泊まりに行って、早起きしてカブトムシを捕まえに行こう、という事になった。
ところが酔った叔父は早起きが出来なくって、しかたなしに叔母と2人で懐中電灯を持って雑木林へ行ったんだ。
もう30年も前の話だ。
それでも、あの時の叔父を置いて優しい叔母を独り占めしている嬉しさやクヌギの樹液の匂い、朝霧の感触までハッキリと
覚えている。 
楽しい思い出と共にある人が、また逝ってしまった。

明日の仕事は休めない。
葬式の日取りもまだ解らない。
でもまた、あの海辺の街へ行かなければ。
それもまた、人を送るために。

 


04/11/3 (水) 入間航空祭

    「F4-EJ 僕の一番好きな戦闘機」

文化の日。
午前中は庭仕事。
門の脇に大好きなオリーブの樹を植える。
数年前に手に入れて、大事に育てていたもの。
そろそろ大株になって冬も越えられそうなので、庭木として植えてみた。
この冬を越せるかは賭けだけれど。

母は見舞いへ出かけたらしい。
母の義理の妹、僕の叔母の具合が良くないのだ。
夏に癌で余命三ヶ月と宣告され、本人はそれを知らされないまま闘病している。
一月前に見舞いに行ったときは元気で歩いていたのに、急速に悪くなったらしい。


航空自衛隊・入間基地。
去年は雨だった入間航空祭も今年は良い天気。
自宅からバイクで休日の渋滞をぬって1時間半。
自転車とバイクは基地内に乗り入れる事が出来るんだ。

天気に誘われたのか、ここ数年で一番の人出?
滑走路の照り返しが苦にならない程度に雲が出て、気温も高くない。
地上展示機の写真を撮った後は、人の少ない滑走路の一番端に陣取ってブルーインパルスの出番を待つ。

轟音と共に編隊で目の前を離陸して行き、空にスモークを曳く青い機体。
F15やF4、F2さえも及ばない優美な姿。 
集まった数万の飛行好きは皆、空の一点に見入り、そして微笑む。
久しぶりだな、また会えたね。 ブルーインパルス。
(写真はコチラ)

この航空隊を初めて見た時の衝撃は忘れない。
まだ子供だった僕は、ただただ口をあけて空を見上げていた。
ブルーインパルスは、そして入間航空祭は子供時代からの僕の大事な思い出となっている。

空に大きく描かれたハート。 その真ん中を射抜く矢。
それを見た人たちから拍手があがる。
小さな子供もじっと空を見上げている。
きっとこの子は大きくなっても、僕のようにこの青い機体を見に来るんだろうな。


夕方、母は今夜泊まるという電話あり。
叔母は危篤の状態で血圧も落ちているという。
なんてこった。そこまで悪化していたとは知らなかった。
それなら今日、入間になんか行かずに僕も見舞いに行くべきだったじゃないか。

もう、長く生きてと祈る段階ではない。
どうか、苦しみませんように。

 


04/11/2 (火) オカラを煮る

久しぶりに自転車で出勤。
やはり電車やバスでの通勤に比べ開放感が圧倒的に違う。
川原のススキを見ながら上り坂を立ち漕ぎ、朝から良い汗をかく。

午前は良いペースで働き、昼にとんかつ弁当550円。
午後は三つ連続の会議で会議室にカンズメ状態。
自分担当のレポート発表後はひたすら眠気と戦い、時計の針を睨み、窓の外で色付く銀杏の樹を見る。
無気力な議論、諦めの薄笑い、不毛な時間。
狭い会議室で煙草を吸う輩のお陰で頭が痛い。

そんな空気の中、フッと頭にイメージが浮かぶ。
家のお酒専用冷蔵庫に眠る濃厚な純米酒。
明日は休みだし、今夜はあの酒をゆっくり可愛がってやろうか。
そして、何故か酒に合わせたい肴を一品思い付く。
「おから煮」だ。


いつもは好物の厚揚げを買う豆腐屋さん。
そこで買ったのは「おから」200グラム。 ほとんどタダの様な値段だ。

豆腐屋さんの並び、いつも殆どお客の居ない八百屋さんでサヤインゲン(萎びている)、にんじん、シイタケを買う。
駅向こうの大規模店が見下ろすこの商店街は、道端にツツジの鉢植えが並んでいたり、自販機の陰で猫がヒッソリと
会議をしていたり、中々魅力ある路地だ。

帰宅してシャワー。
FMを聞きながら野菜たちの下ごしらえ。

シイタケ、にんじん、油あげを出汁で煮る。 味付けは酒、味醂、醤油と砂糖、ちょっとホンダシも投入。
別鍋に油を熱しておからを煎る。 そこに煮たシイタケ等と刻んだサヤインゲンを投入。
ちょっと熱を通して出来上がり。

簡単じゃん。
今夜は、これと地鶏ササミ山葵添え、シラスオロシで日本酒、仕上げに味噌焼きおにぎりの予定。


   

で、おから煮。
一口たべてビックリした。 
マズイ!

自分が作った料理でコレだけ不味いのは久しぶり。
水分が多すぎてベトベトだし、なんだか生っぽい感じ。
野菜を煮汁で焚いたときの味見では良い感じだったのに。

今夜の純米酒一人宴会は台無し。
なにが悪かったんだろ。
煮物好きなのに、美味しく煮物を作るのってホント難しい。
やっぱり基本から一度しっかりと習ってみたい。

吉祥寺の料理教室で、男性のみのコースがあったっけ。
そんな所でちゃんと習ってみるのも良いかも知れないな。
もともと料理は好きだから、結構ドップリとはまってしまったりして。
酒のツマミ位は美味しくキチンと作りたいものだ。


明日は航空自衛隊・入間基地の航空祭。
東京近辺の航空ファン、年に一度のお祭りだ。久しぶりにまた、ブルーインパルスに会える。
カメラを背負って、バイクで行こう。
晴れると良いな。


 


04/11/1 (月) 肘痛し

   

写真は先日行った奥多摩・柳沢峠からの富士山。



明日の会議のレポート作りと職場のエライ人にPCの使い方を教えて一日が終わる。
ATMに寄るも新札手に入らず。

温泉の効能は数日で消え、今朝は肘の痛みで目が覚めた。
17年も前にメチャクチャに潰してしまった僕の肘。
寒くなると重い鈍痛と痺れで、あの時バカやった僕を常に責め続ける。
また、サポーターが手放せない季節が来る。

昼に緑のたぬきとシーチキン巻き。
午後、事務の女性の悩み事を長い時間聞く。 
ツライ話だった。

Mは先月29日の休み以後、次の休みは9日だそうだ。
ツマラナイな。

夜は手抜きしてスーパーのコロッケ。
ビールはサッポロの黒ラベル。
ちょっと微熱あり。