2004/102004年10月30日


 


04/10/31 (日) 球根を買う

   

昨夜からの強い雨も一段落。
それでもぐずついた天気の日曜日。

午前の早い時間から新宿にプラモデルの展示会に行く。
学生時代はビルや家の完成予想模型を一枚のプラ板から作り出すバイトをしていた程のセミプロモデラー
だった僕も、最近は見るだけ。
それでも、製作過程を知っているだけに精密な模型に引き込まれる。
それはもう、プラモデルなんてレベルじゃなくて、立派な芸術品だ。

今回は戦闘機模型の展示会。
リベットの数や所属部隊の迷彩までも再現した作品は息を呑むばかり。
僅かに出っ張ったリベットから後方に伸びる「汚れ」までをエアブラシで書いたトムキャットの模型を
持ち込んだ拡大鏡で舐めるように観察してきた。

午後は幼馴染のTと散歩、買い物、その後「くるまや」で餃子と味噌ラーメン。
やりたい庭仕事、畑仕事がたまっているけれど何もしなかった。
葡萄の苗を植えたくて、今が好機なのに。

地元の生豆を焙煎してくれる珈琲店でモカを200グラム1000円、ホームセンターで腐葉土を40ℓ二袋で2000円。
園芸店で日本水仙の球根一個150円を三つ、カサブランカの球根特価398円を一つ。
夜は炙った鮭の刺身で日本酒。

 


04/10/30 (土) 雨

     「D70」


朝から雨。 車で出勤。

今日は一日たまった事務仕事。
PCのモニターを液晶に代えてからずいぶんと良くなったけれど、それでも一日PC作業が続くと目が疲れる。
愛用の目薬「ロートZi φ」が手放せない。

昼に久しぶりの大勝軒で中華蕎麦。
温かな、幸せな一杯。
その帰り、車のワイパーブレードがいきなり破損する。
カー用品店に駆け込むと、ボッシュの適合品が在庫ありで喜ぶも左右で5000円以上。
高けーよ。 仕方なく交換。

夕方、定時に職場を出て立川まで行き、ビックカメラで先日買ったD70用の望遠ズームを物色。
11月初めに入間航空祭と陸上自衛隊観閲式(招待券ゲット済み)があるのでそれ用に。
常用するレンズではないので安いヤツで良いや、タムロンかシグマだな。
飛行機用には300ミリが欲しいいけれど、D70はAPS-Cの1.5倍だから200ミリで良いな。
マクロも付いてると便利だな。
って訳でシグマの非球面28-200mm F3.5-5.6 macroを買う。
定価53.000円が店頭26.000円、それがさらにビックcomと同じ値段にまけてくれて17.800円。
ポイントも15パーセント付いて安いよなぁ。
割りと評判の良いレンズを安く買えて満足。 ついでに溜まったポイントでdvd-Rメディアを20枚購入。



明日は飛行機模型の展示会。
早速、今日買ったレンズのマクロ機能がどの位有効か試してこよう。

夜はスーパーで買ったパックのネギ塩タンを焼く。(不味い・・)
酒は和歌山の銘酒「雑賀」

 

 


04/10/29 (金) ドライブ 温泉へ。

僕もMも公休日は不定で、都合の付く範囲で互いの休みを合わせるようにしている。
平日に休みをあわせて遊びに行くのは楽しい。
と言っても子供が学校から帰る時間があるので、せいぜい18時までの逢瀬?だけれど。
たまに良く晴れた日にちょっとだけ遠出するのは、ドライブ好きな僕らにはとても楽しみな時間だ。
そんな訳で、今日は奥多摩から峠を越えて甲府、勝沼方面へ。


   

退屈な青梅街道も奥多摩駅を過ぎるあたりから峠道の様相を呈してきて、運転が楽しくなる。
奥多摩湖を過ぎて山梨県・丹波山村に入るあたりから、標高が上がったためか山々もうっすらと赤みを帯びてきている。
車の少ない紅葉の峠道、遠くの山にはややガスが出ているけれど充分にいい天気で気持ちも高揚してくる。
おいらん淵、柳沢峠、遠くに富士山を見ながら急な下り坂を一気に駆け下りて塩山・勝沼。

この辺は日本有数の果物の産地、特に葡萄作りが盛んで、つまりはワインの特産地だ。
サントリー、メルシャン、マンズ、サッポロなどの大手から名前も聞いた事もない小さなモノまで
ワイン工場がひしめいており、たいていどこに行っても試飲・直売を行っていて、
もうそれだけでも勝沼まで足を運ぶ甲斐がある。
ほぼ収穫を終えた葡萄畑が広がる景色を見ながら、この場所で飲む今年の新酒ワインは爽やかで美味しい。

Mの職場の友達や僕の家がお世話になっている牧師、そして勿論自分用に土産のワインを何本も買う。
この時期、勝沼にワインを買いに来るのは僕ら恒例の行事だ。



笛吹川沿いに車を流し、良い景色を見つけるたびに車を停める。
海や山が身近に見える生活って良いな。
僕の住む場所から遠くに薄く見る奥多摩の山と違って、コレだけく雄大に迫る山々を身近に見る生活。
東京にも四季はあるけれど、こんな場所でそれをもっと色濃く感じる生活に強く憧れる。

そんなところでMと暮らせたら、なんて夢の様な妄想にしばし浸る。


ここに来たら絶対に外せない場所がある。
遠くに富士山、眼下に甲府の街を見下ろしながらゆっくり入る露天風呂だ。
昔に骨折した肘が痛む事もあって、最近ずいぶんと温泉が好きになった。
アチコチで入る温泉、それも露天風呂が好きなのだけど、その中でダントツ、最高の眺望を望めるのがここ「ほったらかしの湯」だ。
どんなに素晴らしいって、こんな眺望なんだ。
平日の午後、奇跡のように誰も居ないこの露天風呂を独り占めする幸せ。
もう、素っ裸で仁王立ちだ。

休憩所はプレハブ。設備も良くはないし情緒がある訳でもない。
そこに至るまでの道も解り難く一部砂利道だったりするけれど、そんな事はこの眺望の前ではどうでも良い。
まだ未経験だけれど、夜がさらに素晴らしいらしい。
甲府の夜景と星を見ながら入る露天風呂か。  ぜひ経験してみたいな。

湯上りにMは牛乳、僕はソフトクリームで一休み。
帰りたくないけれど、そろそろタイムオーバーだ。
帰りは一気に中央道で帰ろう。



しかし、中央道は事故で渋滞15キロ。
さっきまでの呑気な気分は吹き飛び、子供の夕飯の支度が気になるMと渋滞疲れの僕。
家に帰り着いた時には何だかグッタリとしてしまった。

夜は油あげ焼きオニオン乗せとイワシの梅干し煮で栃木のウマ酒・桜川。
明日は仕事。



04/10/27 (水) 青葉・特製中華蕎麦

気温の下がった朝、仕事は休みでM宅へ車で向かう。
暑かった夏はすっかり記憶の彼方。 シートヒーターが有難い季節がまたやってきた。

すこしマンションで駄弁ってから車で川越街道を走る。
久しぶりに秋葉原巡りをするつもり。
電気製品やPCに興味のないMには悪いけれど、今日は付き合ってもらおう。
途中、池袋のあたりで走行中の車のハンドルが取られる。
予感がして車のテレビを点けるとやはり新潟で大きな余震。
秋葉原に着くまで新潟の様子を見ながら運転した。(危ないってば)



久しぶりの秋葉原。
ココの独特な雰囲気は嫌いじゃない。
初めて自分のPCを買ったのは、もう10年も前の事。
ソフマップのMacintosh館で買った真っ白なperformaだったっけ。
当初ワープロ用途位にしか考えていなかったクセに、288モデムで東京BBSなんてのに繋いで見たのが運の尽き。
莫大な電話代の支払いに冷や汗かきながら、それでも楽しくって毎晩何時間もチャットしてたっけ。
あの頃、今の常時接続環境なんてまったく想像もしなかったな。

欲しいモノが沢山あったのだけど、衝動買いの悪い癖が出てしまい、いきなり打ち止め。
一眼デジのNIKON D70を買ってしまったのだ。
展示品を触ってみたらとまらなかった。
16万円也。 これでまた、昼に一個78円カップ麺の生活が続く・・
年末まで様子を見ようと思っていたのに。 ちょっと時間を置いて欲し欲し熱を冷まそうと思っていたのに。
これでサイフも気力も萎んで、秋葉原巡りの楽しみはおしまい。
お金ないのに歩いてもしょうがないので、中野まで引き上げる事にしよう。



中野は学生時代良く遊んだ街なのだけど、当時から漂っていたディープな雰囲気に磨きがかかって魅力的だ。
ブロードウエイ2階3階の混沌としたオタク的雰囲気、昭和時代のテーマパークの様な古い店が軒を並べる飲み屋街、
ラーメンの名店、昼夜関係なくウロウロしている学生たち。
吉祥寺とはまた違う空気のこの街を歩くのは楽しい。

フジヤカメラジャンク館でカメラ用品を物色、怪しげなキャラクターグッズを扱う小さな店をひやかして、
思い出深いBar・ブリックを横目に歩く。
ここには僕的ラーメンの常に上位に位置する「青葉」がある。
その青葉、いつもは長蛇の列を作るのにたったの二人待ち。
こんなチャンスを無にする我々ではないから、しっかりと堪能してきた。

    「青葉・特製中華蕎麦」

今でこそ魚介と豚骨のブレンドスープは珍しくないかも知れないけれど、初めてココの中華蕎麦を食べたときの
感動は今でも良く覚えている。
麺やスープはもちろん、シコシコのシナチクやトロリとした半熟の卵まで完璧に僕の好み。
今回半年振りに食べて、やっぱりココのラーメンは美味しいと再認識した。
珍しくMもスープまで完食してニコニコしていた。
大満足の850円。


夕方から職場の会議に出なくはいけないMを送り、駐車場に停めた車でまたテレビを見る。
会議はすぐに終りそうだというので、新潟情報を見ながらM待ちだ。

そこに見たのは、わずか2歳の子が地震後92時間して救出されたニュースだった。
奇跡としか言いようの無いそのニュースに釘付けになって涙が止まらなくなってしまい、会議を終えた
Mが車に帰ってきた時に誤魔化すのに苦労した。

夜、犬が鳴く。
僕の老犬は具合が悪いのだ。
彼とあとどの位一緒に居られるのだろう?

 

 

 


04/10/26 (火) GUINNESS

ここ数日、明らかに花粉症の症状が出ている。
薬を飲めば眠くて生活に支障をきたすし、去年の経験では眠くならない薬は効かない。
しばらくは鼻水たらし、くしゃみと微熱の生活を余儀なくされそう。
そう言えば、ここ暫くの不調は花粉の影響も有ったのかもしれない。
熱感と何となくの気だるさなど、まさに花粉症状だ。
採血してアレルギー検査でもしてみようか。

仕事は気味が悪いほど暇で、今日など半日は他部署に頼まれた調べモノで時間をつぶしていた。
つぎの多忙の山は多分来週。
もっと平均して仕事が来てくれれば良いのに、とも思うけれど、こんなポカンと空いた時間も悪くない。
昼に焼きそばと納豆巻き、おやつは無し。

夕方ちょっとしたトラブルを解決して19時に職場を出る。
帰り際、心療内科受診。 
最近、そっちの症状は落ち着いているので特に話す事も無く、また来月。
今日も万歩計は一万五千歩オーバー。


    

ギネス。
アイルランドの濃厚黒ビール。
ビールも日本酒もウイスキーも、以前吸っていたタバコも、濃厚好み。
特に、このギネスは好物で、いつも行く酒屋で見かけると大抵買って帰る。
今回は特製グラス付きと言う事で大喜びで買ってきた。
黒いビールに白いギネスの文字が綺麗。
この芳醇なビールを飲み干す嬉しさよ。

   

こんなビールには相応のツマミが欲しいところだけれど、冷蔵庫は空。
仕方ない、昨日作った大根葉の塩モミをつまもうか。
日曜日に畑から間引きしてきた大根の芽と切り昆布、鷹の爪で作った簡単な漬物。
ちょっと青臭いけれど、とても美味しい。
ビールより日本酒の肴にピッタリなのだけど、どうせ今夜もこの後日本酒をヤルのだから良いだろ。
コイツと油揚げを焼いてオニオンスライスを乗せたものが有れば、もう何にもいらない。


ゲームの「三国志」に凝っているMの長男の為にAmazonでポプラ社の子供も読める三国志全五巻を注文。
とても評判良く、小学校高学年なら難なく読めるらしい。
読書の好きな、想像力豊かな子に育って欲しい。
読んでくれるかな。 それ以前に受け取ってくれるかな。
僕のことを「あの人」としか呼ばない子。
どうすれば仲良くできるのか、気付けばそんなことばかり考えている。

明日は休み。

 

 


04/10/24 (日) 白菜スクスク

    

良い天気の日曜日。
朝早い時間から畑に出る。
台風でやられたモノ、元気に育っているモノ。
白菜は順調で、今年の冬は買わずに済むどころか、とても食べきれないほど出来ている。
ちょっと作りすぎか。 でも漬物や鍋に活躍しそう。
種を蒔いたばかりだったカブは、大雨で流されてしまい被害が大きい。


   

大根は蒔いた時期が早かったので雨にも流されず良く育っている。
秋晴という品種の大根で、「す」の入りにくいゆっくり育つ品種。 
大根好きな僕が毎年作っている、素人菜園でも良く出来る品種だ。
一本一本を大きく育てる為に、混み入ったところの芽を間引く。
これは間引き菜として利用できるから、袋に詰めて持ち帰ろう。

良く晴れた秋の日の畑で土いじりするのは、ホントに良い気分だ。
泥だらけになってクワを振るう。


筑波に長期の研修に行っている親友のTが一日だけ帰ってきた。
昼間はずっと講義、夜はテレビも無い部屋に帰り復習、毎日テストというハードな研修だそうで
相当バテている。
でも、彼は頑張るな。
自分の分野を極めようと、いつも勉強している。

もう一人頑張っているMは、頑張りすぎてパワーが持たず、この日曜は一日寝るのだという。
子供達が野球やお泊りで留守だから、こんな時しか休めないからね。
ゆっくり休んで貰いたい。 明日からまた食事する暇も無いくらいキツイ日々なんだから。

それに比べ、僕は何を頑張っているんだろう。
どれだけ踏ん張っているんだろう。
今の職に就いた当初は、勉強会や学会で忙しくしてたのに、この頃の気の抜き方といったら酷いものだ。
そのくせ疲れた、が口癖の毎日。
こんなじゃいけない、という気持ちは有るのに頑張れない。
仕事も私生活も、こんなじゃいけない。 
そうは思うのだけど。
   




04/10/23 (土) 病院・地震・ナビ修理


   

パンパスグラス。
三年前植えたアルゼンチンのススキ。
今年ようやくつけた白い穂はアルゼンチンのパンパを想わせる。

二日間の連休明けの土曜日。
忙しさを予想して出勤するも、空振りで暇。 
多くは来週にならないと手を付けられない事ばかり。
それじゃ、と昼で帰る事にする。


昨日のラ博の帰り道、第三京浜で突然車のナビが地図を読み込まなくなってしまい、久々にロードマップ片手に
帰ってきた。
いつもの道なら地図などいらないけれど、昨日は環八の渋滞があまりに酷かったので抜け道を探してみようかと。

で、ナビの便利さを改めて思い知る。
方向音痴の僕は、地図を見ようにも今居る場所が解らないんだ。
隣で熟睡しているMをチラと見つつ、世田谷の住宅街で酷く迷った。

10年以上前に、まだ黎明期にあったナビを買った(驚くほど高価だった。40万くらい?)
誘導も目的地もすべて自分で設定する、ただの電子地図と言うべき原始的なモノだったけれど、
新しいモノ大好きな僕は喜んで使っていた。
以来3代目の今のナビ。
まだまだ過渡期だけれど、声で操作できたり、ある程度の渋滞回避が出来たりもして今や無くてはならない存在になった。
早く修理しなくては。

カー用品店になど持ち込めばいつまで待たされるか解ったもんじゃない。
仕事中、WEBを駆使して立川にメーカーの修理拠点が有り土曜も営業している事を知る。
昼で職場を出て立川まで30分。
サービスの方に車まで来てもらい、状況を説明。その後道端に工具を並べて自分で機器の取り外し。

そして、懇願する。 
西伊豆に行こうとして東伊豆に着いた事が有る位の方向音痴なんです。
今日、家に帰り着けるかすら自信が有りません。 
どうか大至急修理して頂けませんか?
サービスの方に苦笑されながら病院に向かう。


そう、昼で職場を出たのは病院に行く為だ。
ここ一週間ほど左脇の下あたりに違和感があり、痛みもある。
リンパが腫れている気がするんだ。

僕は病院が嫌いだ。 
怖いんだ。
献血しようとして気を失いそうになった事もある。 
以前顎の手術をした時、MRIの検査が必要と医師に言われ、それを拒否して呆れられた事もある。

で、診察。
入念に触診してもらって、二方向からのレントゲン撮ってもらって。
採血は午前中に自分で調べたデータを持参して回避。(自分で採血するのは怖くないんだ)
結果、特に異常は無いのでは? とのこと。

確かに痛みも違和感も有るのでちょっと納得いかなかったけれど、元々が恐々受診しているのでCT撮って、とか
細胞診やって、なんてとても言えない。
とりあえず、無罪放免という事で家に帰る。
まぁ良かった。


病院からの帰り道、携帯が鳴る。
立川のナビメーカーサービスからで、修理完了しました、との事。
予想もしなかったので、ホントですか?と聞き直してしまった。
だって、修理持込してまだ3時間も経たないのだから。

お急ぎのようなので最優先で修理しましたよ、と。
引き取りに行き、最敬礼。 ホント、有難うございます。
25000円の修理費は痛いけれど仕方ない。 買い換えればその10倍だ。

コレで来週の休みもMとドライブに行けるぞ。
昨夜、気持ちを暗くした僕の体調とナビの故障が半日で解決して、ちょっと良い気分だ。



帰り道、車の調子が悪いのかと思った。
あまりに車体が揺れるから。 
地震だったのか。 車のテレビで見ると、とても大きな地震らしい。
新潟の友達が心配だ。

夜、Mと長電話。
長女が、嫌っている父親のアパートに泊まりに行ったと。

そうか、親子だから当然だよな。
でも、ほんのチョッとだけガッカリした。
なんでガッカリなんだろう。
考えるのが面倒になって、早々に酔っ払ってしまった。

 

 

 


04/10/22 (金) ラ博へ・すみれLOVE

連休2日目。
昨夜は頭痛と熱感で眠りが浅く、なんだか長い夢を見ていた気がする。
寝た気がしないまま朝が来る。
随分と寝汗をかいたようだ。


   

朝8時半、約束どおりM宅に向かう。
今日は僕らの定番、ラーメンの聖地「新横浜・ラーメン博物館」に行くんだ。
コーヒーを飲みながらちょっとM宅でいちゃついて、11時出発。
車で渋滞の都心の底を抜け、第三京浜で港北までひとっ飛び。午後一時入館。

今日の目当ては「札幌 すみれ」
10年前の開館時からの最古参で、月に平均二万杯を売り上げたという凄い店。
ここの濃厚な味噌を食べたら、他店の味噌が食べられなくなる。
ラードの風味と中太のモチモチ麺、熱々のスープに一味を散らすと更に美味。
その大好きな「すみれ」が今月31日でラ博を撤退するというのだから、是非食べておかないと。

平日の昼過ぎ、行列が出来ていても大した事無いだろうと思ったが、すみれをナメていた。
なんと60分待ち。 平日の昼過ぎの時間で、だ。
やっぱり皆すみれ目当てのようで、他店はその時間待ち時間ゼロ。
うーむ、ちょっと他のラーメンすすりながら行列が空くのを待とうか・・・

ラ博には小さめのミニラーメンが有るから、これなら連食が可能で、いつもミニで数件を廻っている。
まだ入ったばかりの「博多 ふくちゃん」、「旭川 蜂屋」、春にオープンした「岩手 千草」。
三杯を一気に食べて、超満腹。
館内の紙芝居を見たり、駄菓子屋をひやかしたり、初めて「BAR 35ノット」に入ってみたり
(ここは大変真っ当なコーヒーを出すことを初めて知った。しかも昔のLPで音楽をリクエストできる)
それでも、腹がコナレナイので、出口で再入場券をもらって一旦外に出て散歩したり。

再び「すみれ」の行列に挑戦したのは午後3時半。
この時間でも40分待ち。 凄い人気だ。
やがて目の前に出された味噌ラーメンは、いつもと同じ濃厚さ。
野菜の旨みとちょっと焦げ風味。 油苦手な僕でも何故かこのラーメンに浮くラードは気にならない。
一杯の幸せ。腹の底まで大満足。
周りを見ると、ミニを食べている人は稀で、それからも皆がすみれ退店を惜しんで駆けつけた様子が伺える。
この店の退店はラ博全体の損失だよな。
ごちそうさまでした。


家に帰って20時。
ラ博のHPで見ると、もう「すみれ」は売り切れ。
ホントに凄い人気なんだ。 月末まであと数日。 食べに行くなら時間に余裕は無い。


ここ数日の発熱や頭痛とは関係ないだろうが、先週あたりから脇の下のリンパの腫れが気になる。
あきらかに違和感あるし、触ると痛いし。
こういうのは嫌だな。 
すごく気になるのに、気の小さい僕は怖くて病院にいけない。
なんて考えていてもしょうがない。 今日Mにも診察してもらえ、と言われたことだし。
近いうちにクリニックでも受診しようと決心する。
気が変わらないように覚書。

明日は出勤。 



 

 


04/10/21 (木)

      

仕事は休み。
昨夜、台風が来る前に窓のシャッターを下ろして寝たもので、外光の入らない朝にすっかり寝坊。
仕事の休みの日でも早起きの僕には珍しい事だ。

午前の早い時間はまだ雲が厚かったようだけど、ノソノソとベッドを這い出してシャッターを開けた
頃には良く晴れていた。
何だか、何もする気が起きなくて、カーテンの隙間から空を眺めていた。


普段、やりたい事が沢山あって、だけど時間が無くて出来ないと思っている。
でも、そんなのは大嘘で、足りないのは時間じゃなくて気力なんだ。
時間が無くてもやる時はやるし、暇でも気力が無い時は何もしない。
それだけの事。 だから時間が無い、を言い訳にするのはよそう。

なんだかそんな事をボーと考える。
今日は、その気力の無い一日。
この僕が、台風の被害を受けたはずの畑に行かなかったんだから、相当な無気力状態だ。
何となくネットを徘徊したり、ウトウトしたり、興味も無いテレビを眺めたり。

午後になって空腹だけが原動力となりやっと動く気になる。
車で「たけちゃん にぼしラーメン」
その後、車のオイル交換、DIY屋で軍手と生垣手入れの材料、酒屋でビールと日本酒。
そこまでしたら急速にパワーが無くなり、帰宅してまたゴロゴロ。


夕食後、これは気力だけの問題じゃなくて具合が悪いのだ、とやっと気付く。
頭痛も関節痛もするし、なんだか熱っぽい。
まいったな。 数日前の風邪をぶり返したのか。
明日はMと出掛ける予定だというのに。
とにかく寝ることにしよう。


 


04/10/20 (水) 台風の日

   

台風の日。

強い雨の中をオレンジ色の電車で出勤したのに仕事が暇。
いや、やろうと思えば仕事は沢山あるはずだけれど、
昨日、ずっと気持ちを重くしていた講演が無事に終わってすこし気持ちを緩めようと急がないモノは先送り。
緊張しつつ、大勢の前での講演でよく話した、と自分を少し褒める。

午前中でやるべき事は終了し、午後はPCのモニターに写る衛星からの台風の姿に見入る。
照明を落とした職場のシールドルームで職場の人数人とそんな事をして時間をつぶす。
お昼に緑のたぬき、おやつにコーヒーとチョコ。

夕方、定時に職場を出てタクシーを捜しながら駅までの道を歩く。
結局空車がつかまらずに駅までの2キロを歩いてしまった。
もうビッショリ。

まさにバケツをひっくり返したような雨。
「いなげや」へ行くのが面倒なので、駅前のマックでビッグマックとポテト。
そう言えば酒が無かったな。 でもいつもの地酒屋さんまで辿り着ける状況じゃない。
コンビニで一番安いメルシャンの白ワイン380円也を買って帰る。
そのワインが結構美味しく飲めてビックリ。
普段飲むにはこんなワインで僕は十分。


また物欲がムクムクと沸いてきて、今はコレが欲しくてしょうがない。
今でもすでにコンパクトデジカメ2台とフィルム一眼を1台持っているのに。

星や航空祭の写真で必要な長時間露出や望遠レンズでの撮影は、今までフィルム一眼でやっていた。
でも日常、小さなデジカメを持ち歩いていてデジカメと言うモノの便利さにすっかり洗脳されてしまった。
デジカメならプリントも自宅のプリンターでできるし、レタッチもできるし、写真の保存や管理も簡単だし
すぐに見られるし、フィルム代かからないし・・

いや、そんなのは皆言い訳で、ビックカメラの店頭で触ってみて、デジタル一眼と言うモノが
ただ単純に欲しくなったんだ。
フィルム一眼はCANONで、そのレンズも数本持っているのに、欲しくなったのはなぜかNIKONの一眼。
これじゃ、レンズも一から買い直しだよ。

冬のボーナスシーズンになったら少し安くなるかな。
こいつのレンズキットと望遠を(できたらマクロも)一本、大容量のCFカードと写真バックアップ用に自宅PCに外付HDDも。
結構な出費になりそう。
年末まで我慢して、まだ欲しかったら買っちゃおうかと思案中。


なぜか今月末で年度末のヘンな職場。
有給消化のため明日明後日と連休。

あした台風一過で晴れたら畑に行こう。
相次ぐ台風の豪雨でカブも大根も蒔いた種は流されてしまっている。
今期の収穫は難しいかも。

今夜はM宅に行きたいところだけれど、彼女は明日仕事だからな、と遠慮。
ワインを飲みながら台風情報とDVDで夜更かしでもしようか。

 


04/10/18 (月) 疲れたな

   


仕事の山を一つ越えて、明日もう一つ大きな山を越えれば今月は楽になる。
もう一つの山さえ越えれば。

それにしても今日は長い一日だったな。
帰り道、駅の近くで職場のお偉いさんにバッタリ会って、ちょっと呑んで行こうと誘われるも、
適当に理由を付けて断り電車に飛び乗る。
今日は疲れてしまって、もう誰とも話したくない。

でも、家までたどり着けずに途中の八王子ラーメン系のお店でラーメンとビール、サービスでシナチク一皿。
その店でしばらくボーっとする。
ラーメン屋で一人ビールを飲みながら放心するという状況は、他人から見たらどう写るか解らない。
でも、僕はそんな時間がとても好きだ。
壁のテレビを見たり、興味ないスポーツ新聞をめくったり、じっと手を見たり。
一時間ほど時間をつぶして家に帰る。

そこには、硬めで寝心地の良いベッドが僕を待っている。
羽毛の薄掛け布団も待っている。
静かな一人の空間が待っている。

疲れていても一人になれる空間が待っていれば、もうそれで大丈夫。




04/10/17 (日) 

体調はやや復活。
久々の晴れの日曜日。
早くに起きて畑の草取りと更に大根の種まき。
この冬は大根買わなくて良いくらいに蒔いたぞ。
余ったらタクアンでも挑戦してみようか。

その後バイクの手入れ。
途中でユラリと傾いたバイクを支えきれずに痛恨の立ちゴケ。
バイクには数箇所のキズ、僕はヒザを強打。

午後にややパワーダウン。
やはり体調には逆らえない。
珍しく中学生の姪とテレビなんか見ながら色々話す。
どうやら今の中学校は僕の頃とは違う世界になっているようだ。
なにがどう作用したのか解らないけれど、困難な時代になったなぁ。
僕の中学生活は良い思い出がたくさん詰まっているけれど、今の中学環境でもう一度やるか?
と聞かれたら僕は断るだろうな。
まぁ有り得ない事を考えても仕方無いんだけれど。


どうやら、あの人が引っ越したらしい。

誰に教えてもらったんだったか忘れたけれど、ごく稀にそのアパートの前の道を通ると
ついつい部屋を見ていた。

あの頃一緒に買いに行ったバイクがスクーターに変わり、やがて自転車に子供用の椅子が付き、
足で漕いで乗る車のオモチャが加わり、それが小さな補助付き自転車に変わる。

まるでストーカーのようで気持ち悪いけれど、ほんの年に数回、何かの用事であの道を通る時、
アパートの部屋の前の様子を車からチラッと見るのが楽しみだった。

今日、バイクの工具を買いに出て、またあの道を通ってしまった。
フト見るとアパートの前庭は雑草だらけ。
そもそも建物全体に生活感が無い。
取り壊しらしい。

前回、この道を通ったのは春だったか。
いつ、どこへ引っ越したのか解らないし、調べようとも思わない。
ただ十数年前、僕が結婚を望んだ人がどこかへ消えただけだ。
たぶんこの先も会うことはないだろう。
不思議と寂しさは感じなかった。
ただ、あの道を通る時にかすかに感じた鼻の奥がツンとする感覚が懐かしい。
もうあの道を通るのはやめよう。


   

和牛が安かったので、今夜は網焼きに。
大根おろしとポン酢で美味。

昼間打った膝が腫れてきた。
頭痛と熱もぶり返し気味。
そんな状態で、また月曜がやってくる。

 

 


04/10/16 (土)

キツイ一日。

仕事なんか出来る体調じゃない。
這うようにして出勤して、職場の自室にこもって先延ばしできない仕事をひたすらこなす。

朝にカップ味噌汁。
昼にコーンスープ。
夕方、疲労困憊して帰る。
薄明の雲がとても綺麗だったのだけど、カメラを向ける気力なし。
ガソリン警告灯の点いたまま、スタンドにも寄らずに帰宅。

明日は火曜日の講演用の原稿を書かなくっちゃ。
そういえば月曜は東京都の監査が入るんだっけ。
具合悪い時に限って仕事多すぎ。
こんな時は一人部署の境遇が恨めしい。

 


04/10/15 (金) 篭る

   

良い天気。
もう真っ青な空なんて忘れていた。
こんなに気持ちの良いものだったっけ。

仕事は休み、Mも休み、そのうえ良い天気。
どこに行こうか。 城ヶ島? 富士? 道志村?

結局行ったのはホテル。
何だかな、とも思うけれど多分二ヶ月以上ぶり。 
たまには2人きりでゆっくりしたい。それを望んだのはMだ。

お酒とテイクアウトの惣菜と映画のビデオ。
いつものホテルはまことに居心地が良い。
居心地良さついでに昼寝までして、昼間の8時間ほどを過した。


楽しくて、たくさん笑ってくつろいで。
肩をもみ合ったり、ホクロを数えたり、くすぐりあったり。
富士山の向こうに陽が落ちるころ部屋を出る。

そこまでは良かったのだけど、チェックアウトした頃から急速に僕の具合が悪くなって。
生アクビ、熱感、倦怠感。 そしてリンパの腫れ。
リンパが腫れると数時間後に熱が出る。
これは昔からのサインだ。
喘息や扁桃腺があって、熱を出すのはいつもの事。
40度!なんて熱を出す事も多い。
だから、どう対処したら良いのか自分が一番良く解っている。

早々にバイバイ。
家に帰ってベッドに入ろう。
明日はどうしても仕事休めないぞ。
とにかく眠るしかない。

夜、ウトウトとしていると遠くで携帯が鳴る。
たぶん心配したMからだろう。
でも、だるくて電話に出ることすら出来なかった。




 


04/10/13 (水) 樽生

   

亡くなった祖母の誕生日なので、好きだったカキフライ。
自分で揚げたモノじゃなくて、母親からのおすそ分け。
ちょうどテレビの料理番組でタルタルソースの作り方を見たばかりだったので
茹で卵とタマネギなんかを刻んで作ってみる。
美味し。

しかし、あんな高齢で揚げ物好きだったよなぁ。
食べる事が好きでよく食べたから100まで生きたんだろうか。

ビールはキリンの樽生サーバー。
サーバー部は3000円ほどで、炭酸ガスとビール1.5リットルがセットで1200円位。
ビール単価としては缶などのものより割高だけれど、良い泡を作る事が出来るし
飲みたい量だけをグラスに注ぐ事も出来る。
だからちょこっと飲みたい時にも便利。
そして缶のものより(たぶん)美味しい気がする。
一番搾りだけじゃなくて、クラッシックとかスタウトなんかもこのシリーズで出せば良いのに。


来週初めに大勢の前で話さないといけない。
講演を引き受けてしまったんだ。
そういうのは物凄くニガテで憂鬱なのだけど、引き受けたものは仕方ない。
資料を沢山作って、それを目で追ってもらいながらの講演にしよう。
上手く話せるかな。 上手く伝わるかな。 
それ以前に具合悪くならなければ良いけれど。
どうせなら良い講演にしたい。
なんとか乗り切ろう。

今月は互いの休みを合わせることが出来なくて、Mとゆっくり会っていない。
3日に3時間ほどと6日に5分ほど会ったきりだ。
電話では毎日話しているけれど。
もう若くないし、そんなベッタリじゃ無くて良いのだけどそろそろ会いたい気分。

明日一日出勤したら金曜は休み。
やっと互いの予定を合わせる事が出来た金曜日。
天気はどうだろう。 
いや、久しぶりにどこかにコモってもいいかな。






04/10/11 (月) 大酔っ払い

朝から小雨降る肌寒い日。
台風が行ったというのにハッキリしない天気が続く。
萩の花も、もうすっかり散ってしまった。

東京の米で日本酒を作ろうと言う運動があって、今日はその稲刈りに参加する事になっている。
車の置き場はないのでバイクで出動。
小雨の中会場の田へ向かうが、途中から雨足が強くなり全身ビショビショ。
雨宿りに入った中央道の高架下では白バイ隊員も雨宿り中で、ちょっと世間話など。

やがて会場に着いたものの、田はここ数日の豪雨で沼と化している。
これは全身泥まみれになるぞ・・ 
午後から出かける予定があった僕は、雨の冷たさもあって急速に気力が萎み、そのままUターンして
逃げ帰ってきた。
根性ないわ。


   

午後から出入りしている酒販店主催の酒試飲会へ行く。
本来は飲食店などプロ向けの企画なのだけど、誘っていただいたので親友のTといそいそと出かけた。
ビルのエレベータを降りると、廊下まで濃厚な酒の香り。
二人で顔を見合わせニンマリしあう。
たった千円で飲み放題なのだ。

本来、こういう試飲会は飲み下しはせずに口中で味わってからバケツに吐き出し、水で口を濯いでから
別の酒を試すことを繰り返す。
そして苦甘渋酸辛の五味を見極めるのだけど、素人の僕らはもちろんそんな事はしない。
こんな機会だ、値段の高い奴から飲み干すぜ、位の勢いで会場に飛び込む。

今回の出品酒は日本酒140銘柄、ベルギービール9銘柄、焼酎が50銘柄。
マイぐい飲みを差し出して、蔵元杜氏に酒を注いで貰いながら次々と味わっていく。
こんな試飲会でいつも飲んだくれているせいか、すっかり顔を覚えられ杜氏に声を掛けられたり。
その杜氏が僕の大好きな酒、広島・宝剣酒造の若杜氏で、嬉しくってそのブースに居座り物凄い勢いで杯を重ねたり。

酒作りに携わる人たちは皆真面目に、その千年の歴史を継承しようと、また、決して古色蒼然とせずに琢磨している。
もうすぐ新酒仕込みの時期。
杜氏たちは地元に戻り、一年で最も忙しい数ヶ月を蔵の中で米や麹と格闘しながら過すことになる。
気持ちの良い人たち。
来酒造年度も宜しくお願いいたします。

なんて、いつもの様に日本酒を持ち上げておいて、今回最も素晴らしかったのはコレ。

 「百年の孤独」

某、皇太子御愛飲の焼酎だ。
名前ばっかりで大した事無いだろ?なんてヒネた目で見ていてスイマセン。
そのラムのような香味が一度飲んだら癖になる。
不幸な事に品薄と話題性に乗じたプレミアが凄くて、1本一万円とかニセモノとか、そんな話題ばかり先行する
この麦焼酎。
定価は1本2750円也。



夕方、会場を出るときにはもうすっかり出来上がっていて良い気分。
そのままフラフラと地下にあるいつもの店へなだれ込む。
大きな岩牡蠣やら刺身やらを肴にゆっくりと飲みなおす。
6歳の頃からの幼馴染と飲むことの居心地の良さを感じつつ、ずぶどろに酔っていく。
杯を重ねるごとに上機嫌になって行き、もう一件と中華屋に入り、ラーメン、餃子、ビールと狂乱の大飽食。

深夜、這うように家路を辿りながらMに電話したのは覚えている。
でも、何を話したかまでは覚えていない。
どうせ、迎えに来てとか言ったんだろ。
つくづく迷惑な酔っ払いだ。


 


04/10/10 (日) 木犀散る

大好きな花、金木犀。
物心ついた頃には、もう仰ぎ見るほどの大木だった。
たぶん樹齢90年ほどのこの木は、祖父と祖母がこの地に家を建てた70年以上前に植えたものだ。
今年もたくさんの花をつけてくれたね。
台風の大雨で一気に散ってしまったけれど、散ってなお美しいこの花が愛しい。

オレンジの絨毯のように雨の地面を染める木犀の花。


今日は10月の10日。  去年の日記を再録。



今日は、10月10日。

裏切られ、それまで経験無いほど打ちのめされて、
明日からどう生きて行ったら良いのか判らない、と言う程のダメージを受けたある出来事から
今日で丸9年。

全く食事が出来ず、抗鬱剤と睡眠導入剤で何とか乗り切った日々。
あれからもう9年。

時間の経過はあるときは残酷であり、あるときは救いになる。
一人の人間の感情になんて関係なく季節が往き、自分で意識しないうちにも少しずつ
記憶は海馬の奥底に沈殿し、心を騒がせる事も無くなっていく。
忘れたくない事も、忘れたい事も。

友人達に迷惑を掛けて、でも、あの時を乗り切ることが出来てよかった。
9年目の10月10日。
今はもう、遠い昔のただの薄い記憶。





そして、また1年が過ぎ今日であれから10年目。
光陰は矢のごとし。




04/10/9 (土) 雨

出勤したものの怠惰な一日。
忙しくなりそうな予感と共に職場に行って、おもいがけず空振りで、こんな事なら休めば良かったな。
昼に久々に大勝軒。
午後は段々と激しさを増す台風の雨を見て過す。


   

夕方6時。
職場を出て、この世の終わりの様な大雨の中を運転して帰る。
ワイパーは最速。 でも精々30キロしか出せないほど雨は強い。
道は川のようになり、普段通る道路など冠水の為通行止め。
車を運転していて、この種の恐怖を感じるのは久しぶりだった。

夜、Mから電話。
あの雨の中を自転車で帰ってきたという。
無茶するなよ。 危なねーな、と小言を言う。
でも、無事でなによりだよ。

買い物せずに帰ったせいで食べるもの無し。
今は日本酒と鴨のハムというトンでもない組み合わせで飲んでいる。
その日本酒もあと半合。
明日は車で酒の仕入れに行こう。 
雨で被害を受けた畑にも行かないとな。

 


04/10/8 (金) 野菜のカレー

   

ヘロヘロに疲れて職場を出、また降り出した台風性の雨の中を傘をさしてトボトボと歩く。
昼にキチンと食事をする時間が無くて、腹ペコでオマケに少し気持ちがササクレている。
疲れているけど、このまま家に帰りたくない。

職場から駅へ向かう坂道の途中にあるカレー専門店。
良く雑誌にも紹介される有名店だ。
ここのカレーは少し高いけれど絶品で、たまに発作的に食べたくなる。
疲れて猫背気味にうつむいて歩いていると、素晴らしい香辛料の香り。
ちょうど、お店の夜の部の開店時間で、誰もいないカウンターが魅力的。
抵抗できずに腰を下ろし、野菜カレー1350円也を注文。
出来るまでの間、窓から雨の坂道を眺める。
渋滞の車のテールランプ。 その赤が路面と雨粒に反射してキラキラ光る。

汗が出るほどに辛く、そして旨味の濃いココの野菜カレーは、素揚げした野菜がたくさん入っている。
ジャガイモ、かぼちゃ、ピーマン、レンコン、ナス、パセリにカリフラワー・・ みんな美味しい。
食べていて、段々と気持ちが解れ、さっきまでの苛立ちが消えていくのが良く解る。
職場のストレスを家に持ち帰らない為にも、今日はここに寄って正解だったな。
美味しいものを美味しく食べられる事はとっても大事。
ごちそうさま。



そのせいか、今夜はオマケに髪を切る事が出来た。
実は、ずっと髪を切りたかったのだけど、お店に入る事が出来ずに苦労していたんだ。
不安神経症の症状の一つ、歯医者や床屋の椅子が怖かったんだ。
具合が悪くなってもすぐに出ることが出来ないから。
全て相手に任せてじっとしていないといけないから。

髪を切ること。
たったそれだけの事が出来たことが嬉しい。
そして、それをMに電話で報告する。
それで、今日の昼間に職場であった面倒事はどうでもよくなる。

カレーが美味しかった、髪を切った、Mと電話した。 今日は良い日だった。



明日は大荒れらしい。
最強の台風が、こっちに向かってきている。
そんな週末、僕もMも仕事だ。


   

 


04/10/6 (水) 雨あがる

   

ノアの雨のごとく40日降り続くかに思えた雨もようやく止み太陽に照らされて出勤。
久々の天気で歩く事が楽しい。

仕事はまぁまぁ。
昼に「ハバネロ激辛焼きそば」
食後、思いっきり腹を痛くする。


夜、Mの顔を見に行く。
昨夜の電話で喧嘩をしたからだ。
どちらが悪い訳ではないと思うけれど、ちょっといけない事を言ったので謝らないと。

ところが21時過ぎ、Mのマンションに着くとまだ仕事から帰っていない。
携帯に電話すると、遅くなったので「いなげや」で惣菜を買っていると。

お疲れ様。
ちょっとゆっくり話せるかと思ったが、今から子供達に食事をさせないといけない。
そんなMを車に乗せて、ほんの5分ほど話す。
疲れた顔。 具合もあまり良くなさそうだ。

だから電話はダメなんだ。
こうして、この人を目の前にしたら喧嘩なんてする訳無いのに。
仕事でこんなに消耗している人と喧嘩なんて出来る訳ないのに。

ごめんね、は言えなかったが、行って良かった。
ゆっくり休んで。
また明日。




04/10/5 (火) 昔の女友達

   

大粒の雨の中、学生時代にちょっと好きだった女性に逢いに行く。
八王子でいまや二児の母になっているその人は少しも変わらず、笑いながら車に乗り込んできた。
逢うのは一年半ぶり。
久しぶりだねぇ。

中華料理を食べながら、積もる話に花が咲く。
互いの近況の事、共通の友達の事、大昔になってしまった学生時代の事。
専業主婦になった彼女は、バリバリ仕事をしていた頃が懐かしいという。
一人、アパートに暮らし自由に過したあの頃が懐かしいという。
夫の両親と同居し、介護をし、子供と夫の世話に忙殺される毎日だから尚の事そう思うのか。

でも、こうして逢うとあの頃と少しも変わらないよ。
良く夜中にドライブしたよね。
晴海埠頭で見た大きな客船や、渡良瀬川で見た花火。
そういえば喜多方にラーメンの食べ歩きに行った事もあったよね。
もう15年も前のことだ。
そんな話をしていて、ちょっと泣きそうになる。

平日昼間の、たった3時間。
また、必ず逢おうね。
握手でもしようかと思ったけれど、照れくさくって出来なかった。



深夜には函館のKと長電話。 彼女は多忙だ。
この所、朝は7時半に出勤。昼食をとれる事はむしろ珍しく、夜は10時頃フラフラになって帰ると言う。
そのうえ、来週からは仕事の後の夜9時から勉強会が始まるとのこと。

八王子の彼女と仲の良かったKに、昼間の様子を話す。
専業主婦に憧れるKと、復職したいが家庭の事情が許さない人。
世の中ままならない事ばかりだね。

函館は、もう暖房が必要な季節だ。


 


04/10/4 (月) 雨の月曜

   

今日も雨。
半袖では寒い気温。 
先日畑に蒔いた大根とカブの種からは芽が出揃っているが、天候不良で徒長し、
カイワレダイコンのようになってしまった。
香り始めたばかりの門の脇の金木犀の花が雨に打たれて早くも散り始める。

出勤しようと電車に乗り込み、扉が閉まった瞬間に動悸がして降りたくなる。
冷や汗とフラツキ、不安感。 
不安神経症の症状は忘れた頃にやってくる。
そんな事で朝からドッと疲れ不調な一日。
窓から見る外の景色も陰鬱だ。

秋は嫌いな季節。
いっそ早く冬になれ。



04/10/3 (日) はなまるうどん

朝から強い雨。
録画してあったNHKスペシャルの電動自動車を目を丸くして見ているとMから着信。
雨で少年野球の練習が中止になったと。
そうだった、今月はお茶当番とかで休日に少年野球の練習に立ち会わなくてはいけないと言っていた。
そんなの暇な人に任せればいいじゃん、と思うけど。
それじゃ、と言うわけで娘の高校の文化祭を見に行く。
今日はちょうど高校の文化祭の日なんだ。

と言っても、Mを高校まで送り、僕は遠慮して車の中で待つことにする。
幾ら良い付き合いをしているとは言え、高校にまで僕が行ったら悪い気がして。
クラスではお化け屋敷をやっていて、なかなか盛り上がっていたらしい。
ちょっと見てみたかったな。


    「ぶっかけうどん」

昼に最近東京にも進出してきたはなまるうどん
讃岐うどんのチェーン店で、前から一度入ってみたかった。
店内に入って値段に驚く。 だってかけうどん(小)が105円だ。
うーむ
、凄い安さ。

セルフで天麩羅やおにぎりなどのサイドメニューを取り、最後にうどんを注文。
以前、香川に遊びに行ったとき入ったうどん屋さんと同じシステムだ。
僕はぶっかけ、Mはかまたま。
ツルツルと食感の良い麺で、麺好きの僕らにはたまらない。
出汁が美味しくって、それぞれのうどんを食べ終わった後に、かけうどんを一杯追加して半分こ。
待ち時間無しで食べられて、美味しくて安い。
ごちそうさまでした


頭痛のせいかボーっとすると言うMを早々に送り届け、僕も自宅のベッドで体を伸ばす。
僕も少し熱っぽい。
外は相変わらず強い雨。
窓を開けると雨に混じって金木犀の甘い香り。

夜は早くに眠った。




04/10/2 (土) 夜歩く

    「歩道に落ちる街路樹の栃の実」


サッサと仕事を終えて定時に職場を出、シャワーを浴びてM宅まで自転車をこぐ。
お酒を飲みたいから車不可だし、バスは苦手だから仕方なく自転車だけれど、自宅から
M宅までは10キロ以上。
その上、坂道ばかりだから結構キツイ。
途中、ひばりヶ丘駅前で焼き鳥を20本、酒屋で大量のビールとお酒、家からは温泉帰りに買った
Mへの土産を持ってきているから、自転車のカゴは一杯だ。

Mのマンション前でちょっと一息。
何度来ても、入る前に一瞬の躊躇がある。
楽しいのだけど、少しだけ気が重い。
子供たちの前で頑張り過ぎてしまいヘトヘトになる事が多いんだ。
だから泊まらずに深夜に帰る事になる。


それでも、今回はほぼ満点かな。
食事してテレビを見て、僕とMはお酒を飲んで、その後みんなで近所を散歩。
Mのマンションの近くで大きな宅地造成をしていて、その一角にできているモデルルームを外から覗き込む。
Mの娘は自分専用の部屋が欲しいという。
息子は犬が飼いたいという。
一戸建ての家を建てたら部屋も作るし犬も飼おう、と僕がいう。
駐車場の大きな柿の木から一つ柿をもいで、それを齧りながら歩く。
そんな平和な散歩。

それぞれの子達と色々な話をしたし、特に娘とはMが眠ってしまった後も二人で沢山の話をした。
子供部屋から出てきて僕の隣に座り、学校や友達の事を話してくれる様子を見るにつけ、この子とは
ホントにいい関係になれたなと思う。
高校生にもなって、母親の彼とこんなに話をしてくれる娘なんて、ちょっと珍しいんじゃないかな。



深夜にまた自転車をこいで帰る。
何となく気持ちが昂っていてちょっと寄って行く事にする。
いつものラーメン屋だ。

午前2時の店内はすべて男の一人客で、おそらく全員が酔っている。
何となく無言のうちにも妙な連帯感を感じつつ、僕もその客の一人になる。
そして一人ビールを飲みながら壁のテレビをボンヤリと見る。

土曜深夜のラーメン屋独特の雰囲気の中、M宅を出て一人になれてホッとする思いと、何となく寂しい思いと。
そのうち酔いでそんな事は忘れてしまい、さらに強いアルコールを求めて徘徊することになるんだ。
外はもう雨の匂い。

 

 


04/10/1 (金) 温泉に日帰り逃避

   


朝いつもと同じ時間に起きて、同じ時間に家を出る。
でも、駅に向かうんじゃなくってバイクのエンジンをかける。
今日は休みなんだ。
走り出す時の開放感が素晴らしい。
天気が良いから、一人だから、バイクだから、尚更その開放感が強い。


東京の西の端、山梨との境あたりは、多摩に住んでいる運転好きなら誰でも知ってるクネクネ道が続く。
初めてバイクに乗った遥か昔から、この辺は僕らの聖地だった。
今では、だいぶ安全運転になったけれど、それでも411号、139号、桧原街道、奥多摩周遊道路なんて
聞くとワクワクしてくる。

午前の早い時間から、そんな道を走り回り、奥多摩湖を見てボケっとし、また走り、
散りかけのコスモスを見、缶コーヒーを飲み、そしてまた走る。
そんな事をしているうちに頭の中が真っ白になる。

空は高く真っ青で湿度は低く、やや風は強いものの寒くも暑くも無い。
最高の天気と調子の良いバイク、そして素晴らしい道のお陰で上機嫌。
気が付くともうお昼だ。


   

この辺に来た時に良く寄る温泉へと向かう。
ここ、「小菅の湯」は開業した頃から何度来たか解らない。
ややヌルつく強アルカリ泉の露天に入り、畳でゴロゴロし、蕎麦でもすするのはとても良い気分だ。
今日は平日という事もありガラガラで、それがまた良い。
こんな感じで3時間、ゆっくりと寛いだ。

温泉を出て、一時間ほど周囲を歩く。
トンボが乱舞し、コスモスやススキ、蕎麦が風に揺れる。
遠くから落ち葉焚きの煙の匂いが漂ってくる。

こんな村の暮らしってどんなだろう

僕はそれを楽しめるだろうか。
ある程度の農作業には自信があるけれど、それを生業にするのとは大きな違いがあるだろう。
やっぱり僕には素人菜園が似合っているんだろう。

蕎麦の収穫作業に強烈な魅力を感じつつ、またバイクに乗って家に帰ろう。
明日はまた仕事だ。

自分用に生ワサビ、Mには奥多摩の蔵でしか売っていない酒を土産に買い帰路に着いた。
明日の夜にでも土産を持ってM宅へ行こう。