2016年05月30日

朝4時。
寝室隣の脱衣所から洗濯の終わりを告げるアラーム音がして目が醒めた。
昨夜寝る前に、洗濯機のタイマーをセットしたのは覚えている。
でもなぜ、雨の朝に洗濯をしようと思ったのかは覚えていない。
それも朝4時って、意味が解らん。
そのまま起き、洗濯物は風呂場に干した。
Mの居ない独りの朝。

大粒の雨の中、車で出勤。
仕事は特記事項無し。
午前最後の僕の予約枠は、80歳の女性だった。
付き添いが、それより少し年上の夫。
やがて作業は終わり、会計を待つ間ご夫婦と世間話などをした。

男性の持ち物から、微かに蚊取り線香の匂いがした。
この匂いはキンチョーの蚊取り線香だな。
電子じゃなく、クルクル巻いたやつに火をつけるあれだ。
蚊取り線香の匂いはなぜか、懐かしい昔を思いださせる。
子供の頃の夏を思い出す。

僕の両親がまだ生きていたら、オヤジは82で母は80になっている。
あのご夫婦と同じくらいだ。
運転好きなオヤジはきっとまだ運転していただろう。
母の用事に文句を言いながらも送り迎えをしただろう。
雨好きだった母は、窓の外の雨を見て喜ぶだろう。
親父からは、好きだった煙草の匂いがしたろうか。
そんな光景を、夢の中で良いから見てみたい。

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夕飯はあり合わせ。
冷蔵庫から見つけた期限切れの厚揚げをオーブントースターで焼いた。
生姜醤油で食べると、酒の肴になるからな。
ふと視野の隅にオレンジの光が見えたと思ったら、トースターの中が燃えているじゃない。
掃除をサボっていたトースターの底に可燃物が溜まっていたんだろう。
すぐ消えるかと思った火が、思いがけず大きくなった。

濡れタオルでトースターごと覆い、酸素の遮断を試みる。
でもその火は消える気配を見せず、結局コップの水で消す羽目になった。
部屋に充満する煙と臭いで、火災の恐怖を味わった。
その上、水なんか掛けたものだからガラスの発熱体も割れてしまった。
オーブントースターは買い直しだ。
今度からはマメに掃除する事と、油物を焼くときはトレーを使う事。