祭りのあと2016年01月03日



Mもその娘も、あっという間に自分の生活に戻っていった。
静かになった家で、ボンヤリと今年の年越しを思い返している。
それが本当に有ったことなのか、夢なのかもよく解らない。
今がいつなのか。 自分は何歳なのか。
書き留めておかなければそれすら解らなくなってしまいそうだ。

何かに追われるように、年末に向かって突き進む。
仕事納め、大掃除、沢山の買い物。
豆や芋を煮て、酒を準備し、花を飾る。
犬小屋の掃除。 犬にもいつもより美味しそうな鶏肉を。
大晦日に墓参り。
そこには子供の頃に僕が植えた南天が赤い実を付けていた。

祭りのような年越し。
いつもはあまり見ないテレビがずっと鳴り、家中の灯りが点き、そして賑やかだ。
紅白歌合戦は点いているだけ。 ずっと話す。
Mが眠ってしまった後も、娘とずっと話す。
旅行のこと、仕事のこと、友達のこと。
自分にもその年頃があったことが信じがたいほど、彼女はピカピカに輝いて見える。
何も怖いものは無く、幸せな未来を確信しているかに見える。
でもそれは僕が歳をとり嫌なものを見すぎたせいかもしれない。
25歳の彼女には悩みも多いはずなのだ。

朝風呂に入り、近所を散歩し、年賀状を読み、初詣。
そしてあっと言う間に元旦も暮れる。
娘を寮まで送り、Mが帰り、そして一人の祭りのあと。
また日常が帰ってくるのだ。
そしてそのことに、少しほっとした。

今朝、ようやく新しい日めくりを掛けた。
2016年。
その2016という数字を見て思う。
母が逝ったのが2014年。
数日前まで去年だったそれは一昨年となった。
父は2008年だった。
そからももう、ずいぶん長い時間が経ってしまった。
祖母は、祖父は。 あれからいったい何年経ったのか。
月日はとうとうと流れ、日常が昔日となる。
みんな、どこへ行ってしまったのか。

さて、ストーブで餅でも焼くか。
今年はもう少し、前を向いてみようと思っています。
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。


今朝の空2016年01月04日

東京の日の出は6時51分。
それは年間で最も遅い夜明けで、これから少しずつ早くなる。
夜の長い季節もようやく動き出し、また太陽が力を取り戻す。
季節は移ろうのだ。

でも、長い夜も嫌な事ばかりではない。
毎朝5時過ぎ、犬といつもの道を歩く。  
その時の星空の素晴らしさよ。

西には冬の象徴シリウスもオリオンも沈み、ふたご座すら傾いている。
南天には春の星座おとめ座があり、月とそのすぐ脇には火星が輝いている。
そして東には懐かしい夏の星座さそり座。 
そこには素晴らしく明るい金星が居て、見る者を魅了する。
今、金星には日本の探査機「あかつき」が軌道に乗って観測準備を始めている。
トラブルで5年間の漂流の後、満身創痍でやっとたどり着いたのだ。

犬と見上げる夜明け前の空。
3月を過ぎればもう、その時間の星は薄明の中に隠れてしまう。
最も透明度の高い早朝の星を見るのは、この時期だけの楽しみなんだ。
だから冬場はむしろ夏より早起きをし、ゆっくり散歩に出るのだ。

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今日から仕事。
また日常が帰って来た。
大吉だったおみくじをお守り代わりに財布に仕舞い出勤する。
そこには「精神の安定第一」と書かれていた。



アスパラ菜2016年01月06日

寒の入り。
穏やかな正月も過ぎ、週末からは寒さが厳しくなるという。
これまでの暖かさに油断した畑の菜花はもう、蕾までつけている。
寒さで傷まなければ良いけれど。

毎年の事だけれどクリスマスも正月も、過ぎてしまえばあっという間に過去の事。
正月の名残りはスーパーで半額になっている蒲鉾くらいのものだ。
このスピードで早く春に、いや夏が来てくれたら。
でもそうなったらまた次の正月が迫ってくる。
その繰り返しだ。

いつもの時間に起き、犬と散歩をし、家の前を掃除し、車で出勤。
天気は曇り。 
午前はルーチンワーク。 
昼に久しぶりに「かつや」にまで出張り、豚汁定食。
午後、レポート集計と精度管理。

2月に勉強会の講師をする事になっていて、その準備が気になる。
でも、何の勉強会をするのかすらまだ決まっていないのだ。
勉強会だとか研究会だとか、もう外部からの講師でまかなって欲しい。
それに掛かる時間と作業量が大きなストレスになるんだ。

夜。 仕事が終わったら行く、とMから連絡あり。
今日は買い物をしていない。
湯豆腐かなんかで簡単に済まそうと思っていたから。
あわてて冷蔵庫をあさり、挽肉を解凍する。
それに生姜とネギを刻み込み、つくね団子の鍋にするのだ。 
そんな時、庭の畑が役に立つ。
大根は埋めてあるし、白菜もネギも育っている。


これはついでに摘んできた「アスパラ菜」とブロッコリの脇芽。
黄色の小花がそこだけ春が来たみたい。
サッと茹でてマヨでもいいし、鰹節と醤油でもいい。
上品な甘みがあってとても美味しいのだ。

明日は仕事休み。
綺麗に晴れたら秩父辺りの低山ハイクでもしたい。


低山ハイク2016年01月07日

関越道を嵐山小川で降りて、11号線に出る。
東秩父へ抜けるそのカントリーロードが大好きで、もう何度走ったか解らない。
穏やかに晴れた平日休み。
Mと二人、秩父の山歩きにやって来た。
登山靴は持ってきたけれど、久しぶりの山歩きは散歩程度の低山から。
だって怠惰に過ごしていたこの頃の僕は、階段昇っただけで息が上がってしまうから。

車はロドスタじゃなくて、スタッドレスを履いた四駆。
だから好きな道もゆっくり走る。
落合橋を左に折れて、小川沿いの長閑な道。
長慶寺を過ぎた辺りから山坂道となり、やがて定峰峠。
丸山林道の大野峠あたりから、少しの装備を身に付け山に入った。


体力が無いという事もあるけれど、僕は低山が好きなんだ。
それも冬の広葉樹の森が良い。
落ち葉を踏みながら日当たりの良いルートを歩くのは素晴らしい気分だ。
僕らの他に人は居ないし、天気はいいし、日向は暖かいし。
久しぶりの山散歩を充分に楽しむ。

こんな時、スマホに入れた「地図ロイド」というアプリが便利だ。
GPSで測位した現在地を、国土地理院の山岳地形図に表示してくれる。
ロガーと組み合わせれば、歩いてきた軌跡を見る事だって出来る。
予め地図を落としておきさえすれば、電波の届かない場所でも機能する。
遭難の多くが、現在地をロストする事から始まることを考えれば、これは良い。
バッテリ切れにさえ注意すれば(これが重要)、山歩きの強い味方になるんだ。


でも山歩きだけじゃ面白くなくって、やっぱり展望が開けなくっちゃ。
たった1000メートルにも満たないこの山は、景色がいいので有名なんだ。
筑波、男体山、白根山、赤城山、浅間山。
武甲山、両神山、妙義山。
今日はガスで見えなかったけれど、雁坂領の向こうに八ヶ岳が見える事もあるらしい。
首から下げてきたニコンの小さな双眼鏡を振り回しながら、長い事眺望を楽しんだ。
やっぱり山は楽しいや。


気付けば朝から何も食べていない。
下界に降りてメシにしよう。
今居るのは秩父。 そしてフラフラするほどの空腹。
と来たら、何を食べるかの躊躇はいらない。
「野さか」で、秩父名物の豚みそ丼を食べるのだ。

休日などはかなり混雑するらしいけれど、平日の昼下がりならすぐに食べられる。
少し甘めの味噌に漬けた豚バラを、炭火で炙って丼にしたもの。
これがもう唸ってしまうほどに美味い。
美味い美味いと大騒ぎしながらあっという間に平らげた。

陽が西に傾く頃、近くの高台にある公園から街を眺めた。
一人で秩父34箇所の札所巡りをしたのは2006年だった。
あれから10年?  本当に10年も経つのか?
そうだ、あの時の僕にまだ親父が居たんだ。
僕の老犬も子犬だった。
この10年の間、僕はいったい何をしてきたんだろう。
そして10年後はどうなっているんだろう。
そんな話を寒くなるまでずっとMとしていた。



今日の畑2016年01月10日




朝から土遊び。
今日は埼玉に借りている畑の手入れだ。
ブロッコリー、大根、白菜、里芋、ネギを収穫。
タマネギに土寄せをし、草むしりをする。

どの季節の畑も良いものだけれど、僕は特に冬の畑が好きだ。
もう収穫する作物も少なくなり、周りは冬枯れで、土は霜に凍えている。
でもそんな中でも逞しく成長する野菜があり、小さな春の気配を見つけたりもする。
静かで居心地の良い僕の畑。
冬の陽を浴びて、朝から三時間の土遊び。

帰宅すると徹夜勤務明けのMが来ていて、ベッドで微動だにせず眠っている。
このまま夕方まで寝かせておこう。
その間に、今日取った野菜を料理するのだ。
里芋は下茹でしてからイカと炊こう。
大根、ネギ、白菜は豚汁の材料となってもらうか。
大根葉の良い部分を使って、ジャコと炒めてふりかけを作っても良い。




冬日2016年01月13日

「夏日」があれば「冬日」もある。
冬日の定義は最低気温が0度未満の日。
今日、東京の初冬日。
小寒と大寒の間、寒さの底。
そんな日に僕は産まれた。

自分の誕生日が嬉しくも無く、誰かに祝って欲しくもない。
そんな歳。
でもこの日は腹を痛めてくれた母に感謝をする日としている。
だからいつもの寿司屋で包んでもらって、母の写真にそれを供える。
母が居なくなって、二度目の1月13日。


祖母の日2016年01月15日

朝5時半、犬と散歩をする。
気温は2度。 
いつもの道を歩き、いつもの椅子でオヤツを食べ、いつもの自販機で缶コーヒーを買う。
犬は変らぬ事の繰り返しを好むという。
それは僕も同じかも知れない。
このままこんな日常がずっと続けば良いと思う。
だからこの老犬といつものように散歩をするのが僕の日課だ。

7時、車で出勤。
昼頃、自宅のwebカメラに反応あり。
職場から映像を見ると敷地内を歩く人物が写っていた。
誰なのか。 
制服を着ているようにも見えるが、検針や宅配便のそれではない。
まあ泥棒でも無さそうだったけれど。
そんな時、宅内に犬が居る事ほど安心なことは無い。
きっと吠えて追い払ってくれただろう。
留守中だけではなく在宅中だって、犬ほど心強いパートナーは居ない。
へたなセキュリティより頼りになるのだ。

夕方、ずいぶん陽が伸びたなと思いながら日暮れを見る。
夜明けはまだ動かないけれど、日暮れはこの一ヶ月で20分も遅くなっているんだ。
そんな暦を見ていたら、今日が祖母の命日だった事を思い出した。
あれからもう、15年経つのか。
祖母の家、祖母との時間、祖母の匂い。
すべてが懐かしい。
僕は祖母が大好きだったのだ。

18時退勤。
クリニックを受診し、ガソリンスタンド、スーパーを経由して帰宅。
そしてまた、犬との散歩。
夕飯は買ってきたカキフライ。
揚げ物が、特にカキフライが好物だった祖母を思いながら、赤ワインとともに。




雪の朝2016年01月18日



雪の予報は知っていたし、気にもしていた。
でも朝5時前に起きたとき、まるで雪国のような外の光景を見てマズイ!と思った。
前夜、鶏鍋で燗酒呑んでそのまま気持ちよく眠ってしまった。
そんなMをたたき起こし、僕の車でマンションまで送る事にする。
ここから自分の車で出勤するつもりだったM。
でもそれはノーマルタイヤで、すでにそんな車が走れる状況じゃなかったからだ。

M宅から帰って、すぐに僕も出勤したかった。
でも、犬が散歩兼トイレに行きたくてピョンピョン跳ねている。
犬は雪が好きって本当なのかも知れない。
公園の新雪で遊ぶ犬を見ていたら、早く帰ろうと言い出せなくて困ってしまった。
12歳の老犬がハシャグ姿を久しぶりに見て嬉しかったからだ。

職場入りは7時。
出勤途中、立ち往生した何台もの車を見た。
ふだん意識しない程度の坂でも、こんな日は昇る事が出来なくなってしまうんだ。
出勤後、ツイッターで電車ダイヤの乱れと、駅に入ることすら出来ない大混雑を見る。
東京としては大雪と言っても良い今日の積雪。
北海道の友人には笑われてしまうだろうけれど、やっぱり大変だ。
でも、少し楽しかったのもまた事実。
雪は綺麗だし、なにより非日常の珍しさが嬉しかった。


LED2016年01月20日

出勤は7時。
なにがどう作用するのか、色々な事が重なる時がある。
今日一日で嫌々引き受けた講師役が一つ、そして行政監査の知らせが二つ。
その三つの予定が来月の数日間に集中し、今から気持ちを憂鬱にさせる。
小さな職場ゆえに、雑多な兼務は仕方が無い。
でもそれを、常に同じ人間が負うこと。
そしていつの間にか僕の役割になっている事にウンザリとする。

昼食はコンビ二のオニギリ。
自宅から持ってきたインスタント味噌汁の「あさげ」が美味い。

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夕飯は久しぶりに肉。
骨付きラムと厚切りの牛タンを準備した。
サイコロに切ったジャガイモを茹で、フレンチドレッシングで和えてパセリを散らした。
あとはMが来たら、平打ちパスタを茹で肉を焼くのだ。
都庁の講習から帰るMの為、風呂の準備もしたしベッドも温めた。

生前、母がMに言った言葉を思い出す。
あなたが私の娘だったら、と。
いつも食事とお風呂とベッドの準備をして仕事から帰るのを待っていてあげる。
夜勤から帰ったら何もせずにすぐ眠れるようにしてあげる。
そう言ったのだ。
Mの病院に入院した母は、僕も知らないあの病棟の激務を見ていたんだろう。
人の世話が好きだった母がしたかった様に、代わりに今僕がそれをする。

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西側の部屋のハロゲンランプがひとつ切れた。
そこで使っているのは8個の上向き広角スポットと、2個の下向き狭角スポット。
酒を呑むなら上向きを数個つけて間接照明に。
本を読むなら下向きも全部つけて明るく。
電球色の灯かりが好きで、その場所がとても気に入っていた。
全灯で500ワットも消費する事を除けば。

交換にはハシゴを掛ける必要がある。
だから今回思い切ってその全てをボール型とスポットのLEDに替えてみたんだ。
LEDの灯りって冷たい感じがして嫌いだと思っていた。
でもこれはハロゲンに比べれば白いけれど、落ち着いた灯りで気に入った。
全て点けても80ワット程度。
能書き通りに長持ちしてくれるなら、かなりの節約にもなりそうだ。




車弄り2016年01月22日



予約がキャンセルされたり、会議が流れたり。
出勤後に知ったそんな変化で今日の休みを決め、自宅へトンボ帰り。
突然決まった休日に予定など有る筈も無く、畑はまだ雪が残り作業は出来ぬ。
ならばと少し犬と遊んだ後、しばらく乗っていなかったロドスタの下に潜った。

RX-8を手放してから遠ざかっていた車弄りを、この頃また少ししている。
ロドスタは構造が単純で、ちょっとしたDIYを楽しむにはちょうど良い。
ガレージジャッキと、ウマと、少しの工具で楽しめる趣味の車だ。
改造じゃなくて弄るだけ。
機械遊びが好きなんだ。


ダストの多かったパッドを純正に戻し、サイドブレーキワイヤの張りを調節。
フロントのトー角調節を確認したり、マフラーハンガーを締め上げたり。
HKSのマフラーは熱が入って良い色に焼けてきた。
今のスポーツマフラーって、純正と音の大きさは殆ど変わらないんだ。

奥多摩あたりを走ると、もう少し足腰に硬さが欲しい。
バネを換えてみようか。
それともいっそ車高調入れてしまおうか。
作業は自分で出来るだろう。
でも車高の低さは知能の低さ、なんて格言もあるしなあ。