夜桜のこと ― 2015年04月03日
父は出勤が早く、夜はいつも9時前には寝てしまった。
そんな子供時代、たまに母が夜の散歩をしようかと言うことが有った。
あの頃はネコと言う名の猫を飼っていて、それも完全な外猫だったから自宅から数百メートル離れても、僕らの散歩にトコトコと付いて来たものだ。
当時はまだコンビニは無く、でも遅くまでやっている銭湯併設の駄菓子屋さんが有った。
そこでアイスバーを買ってもらうのが楽しみだったんだ。
古い団地の脇に、その頃すでに大木だった桜があった。
母との夜の散歩で、この時期は必ず遠回りをしてその夜の桜を見たものだ。
去年は桜を見に行ったっけ?
一年前の母はまだ動けたから、どこかの桜を車窓からでも見せただろうか?
どうも記憶が曖昧で覚えていない。
あの頃はネコと言う名の猫を飼っていて、それも完全な外猫だったから自宅から数百メートル離れても、僕らの散歩にトコトコと付いて来たものだ。
当時はまだコンビニは無く、でも遅くまでやっている銭湯併設の駄菓子屋さんが有った。
そこでアイスバーを買ってもらうのが楽しみだったんだ。
古い団地の脇に、その頃すでに大木だった桜があった。
母との夜の散歩で、この時期は必ず遠回りをしてその夜の桜を見たものだ。
去年は桜を見に行ったっけ?
一年前の母はまだ動けたから、どこかの桜を車窓からでも見せただろうか?
どうも記憶が曖昧で覚えていない。
昨夜、犬を連れてその桜を見に行った。
犬には犬用のビスケットを、そして僕は「かっぱえびせん」を持って。
園芸品種であるソメイヨシノは比較的寿命が短く、100年も経つと樹勢が落ちてくる。
その桜も、記憶の中の樹と違いずいぶん枝を落とし年老いて見えた。
それでも頑張って咲いている。
風が強く、咲いたばかりなのにもう散り始めたその花を見ながら母の事を考えた。
去年の春、僕は何をしていただろう。
この一年間、何をしてきただろう。
母と過ごした時間がなぜ、こんなに遠く感じるのだろう。
そんな事を考えていたら犬がウンチをしてしまい、それを拾ってから帰宅した。
園芸品種であるソメイヨシノは比較的寿命が短く、100年も経つと樹勢が落ちてくる。
その桜も、記憶の中の樹と違いずいぶん枝を落とし年老いて見えた。
それでも頑張って咲いている。
風が強く、咲いたばかりなのにもう散り始めたその花を見ながら母の事を考えた。
去年の春、僕は何をしていただろう。
この一年間、何をしてきただろう。
母と過ごした時間がなぜ、こんなに遠く感じるのだろう。
そんな事を考えていたら犬がウンチをしてしまい、それを拾ってから帰宅した。