シラス丼 ― 2016年03月29日
目が醒めると、時計が止まっていた。
母が使っていた時計で、アマゾンの履歴によると2年前に買ったものだ。
まだ痛みは出ていなくて、具合の良い日は庭に出した椅子に座っている事もあった。
でもだんだんと痩せ、臥せる事も多くなっていた。
だから見やすいようにと指針の大きな時計を買い、ベッドの前に置いたんだ。
それはその後2年間動き、そして昨夜止まった。
新しい電池を入れると、何事も無かったかのように針は動きだす。
それが人と違うところだ。
動きを止めてしまった人は、もう生き返らない。
だったらたまには夢に出てくれば良いのに。
今朝も母の好きだったジャスミンの香を焚いた。
昨夜の叩きつけるような雨に落とされた若葉を掃き集める。
朝日の眩しい6時。
風は静穏。 気温は5度。
一昨日から来ていたMが帰る。 僕もそろそろ出勤の時間だ。
僕が仕事用の服装をしているのを見て、犬は諦め顔で水を飲んでいる。
これからの12時間ほどを、彼女は独り在宅警備に就くのだ。
仕事は特記事項なし。
昼食はコンビニ弁当。
午後酷く胃もたれし、これならまだカップ麺の方が良かったかと後悔する。
職員食堂に行けば、一食200円弱で健康的な昼食を毎日摂取できる。
でもどうしてもあそこで食事をしたくないんだ。
誰かに話を合わせ居心地の悪い思いをするなら、自室でカップ麺の方がずっと良い。
母が使っていた時計で、アマゾンの履歴によると2年前に買ったものだ。
まだ痛みは出ていなくて、具合の良い日は庭に出した椅子に座っている事もあった。
でもだんだんと痩せ、臥せる事も多くなっていた。
だから見やすいようにと指針の大きな時計を買い、ベッドの前に置いたんだ。
それはその後2年間動き、そして昨夜止まった。
新しい電池を入れると、何事も無かったかのように針は動きだす。
それが人と違うところだ。
動きを止めてしまった人は、もう生き返らない。
だったらたまには夢に出てくれば良いのに。
今朝も母の好きだったジャスミンの香を焚いた。
昨夜の叩きつけるような雨に落とされた若葉を掃き集める。
朝日の眩しい6時。
風は静穏。 気温は5度。
一昨日から来ていたMが帰る。 僕もそろそろ出勤の時間だ。
僕が仕事用の服装をしているのを見て、犬は諦め顔で水を飲んでいる。
これからの12時間ほどを、彼女は独り在宅警備に就くのだ。
仕事は特記事項なし。
昼食はコンビニ弁当。
午後酷く胃もたれし、これならまだカップ麺の方が良かったかと後悔する。
職員食堂に行けば、一食200円弱で健康的な昼食を毎日摂取できる。
でもどうしてもあそこで食事をしたくないんだ。
誰かに話を合わせ居心地の悪い思いをするなら、自室でカップ麺の方がずっと良い。
仕事帰りにスーパーに寄って、美味そうな釜揚げシラスを買って来た。
飯を炊き、刻み大葉とゴマをした丼に惜しげもなくシラスを盛る。
卵黄一個落としたら、あとは一気呵成にかき込むだけだ。
酒はキンと冷やした白ワイン。
肴は粉をふってバターで焼いたタラだ。
Mの居ない家は静かだ。
本を読んでいるうち、すぐに眠くなってしまうだろう。
飯を炊き、刻み大葉とゴマをした丼に惜しげもなくシラスを盛る。
卵黄一個落としたら、あとは一気呵成にかき込むだけだ。
酒はキンと冷やした白ワイン。
肴は粉をふってバターで焼いたタラだ。
Mの居ない家は静かだ。
本を読んでいるうち、すぐに眠くなってしまうだろう。