Yちゃんのこと ― 2016年01月29日
朝から気温の殆ど上がらぬ灰色の金曜日。
やがて雨は本降り。
周期的に天気が崩れるのは近づく春のためなのか。
それなら雨も雪も我慢しよう。 春のためなら。
7時、車で出勤。
仕事は遅々として進まず、ただ目の前に積もるのみ。
イライラが先か頭痛が先かは解らないけれど、心身ともに不調。
昼食は食べるのが億劫で、自販機のコーンスープ。
午後、総務のYちゃん来室。
髪が長くて目がクリクリしていて、いつも菓子や飴玉をポケットに入れていた。
そんなあの頃まだハタチだったYちゃんも、もう入職して20年経つ。
たまに僕の部屋に来てはオヤツを差し入れしてくれ、馬鹿話しをして帰った。
昼食を食べに出たり、夜どこかへ食事に行ったり。
職場であまり親しい人を作らない僕にしては、遠慮なく話せる数少ない人だ。
やがて雨は本降り。
周期的に天気が崩れるのは近づく春のためなのか。
それなら雨も雪も我慢しよう。 春のためなら。
7時、車で出勤。
仕事は遅々として進まず、ただ目の前に積もるのみ。
イライラが先か頭痛が先かは解らないけれど、心身ともに不調。
昼食は食べるのが億劫で、自販機のコーンスープ。
午後、総務のYちゃん来室。
髪が長くて目がクリクリしていて、いつも菓子や飴玉をポケットに入れていた。
そんなあの頃まだハタチだったYちゃんも、もう入職して20年経つ。
たまに僕の部屋に来てはオヤツを差し入れしてくれ、馬鹿話しをして帰った。
昼食を食べに出たり、夜どこかへ食事に行ったり。
職場であまり親しい人を作らない僕にしては、遠慮なく話せる数少ない人だ。
そんな彼女が、結婚を決めたのだという。
そして仕事を辞め、彼の住む地へ嫁ぐのだと。
日本の端の、まさに最果ての島。
地元からも親元からも離れた事が無い彼女が、そんな遠くへ行くのか。
ある時突然、全てが変る事がある。
それまでの価値観も経験も役に立たなくなるような。
全く違う自分になるような。
そして仕事を辞め、彼の住む地へ嫁ぐのだと。
日本の端の、まさに最果ての島。
地元からも親元からも離れた事が無い彼女が、そんな遠くへ行くのか。
ある時突然、全てが変る事がある。
それまでの価値観も経験も役に立たなくなるような。
全く違う自分になるような。
昨日までの生活など、どこかへ消し飛んでしまうような。
そしてそれは悪いほうへの変化ばかりだと思ってしまっていた。
自分のここ数年の経験から、生きていると辛い事ばかり増えるのだと思っていた。
でも今日Yちゃんと話していて、決してそうではないのだと気付いたんだ。
彼女のように今までの全てを捨て、身一つで新しい生活をはじめる。
人生には良い事への突然の変化も沢山有るのだ。
よく決心したね、と言ったら彼女より僕が泣きそうになってしまった。
凄いな、と思う。
どうか幸せになってほしい。
そしてまた手を振り誰かを見送るのか、とも思う。
いつも僕は見送るだけで、そして一人またここに残るのだ。