2008/11 ― 2008年11月30日
08/11/29 (土) MとMの子のこと
東京の日の出は6時半。
気温5度。
いつの間に降った霜で、車が白く輝いている。
11月最後の出勤日。
今月中に片付けたい仕事のみに集中し、朝からずっと走り回った。
昼にカップ焼きそば。
走り回るうちに、夕暮れ。
西の空に-4等級の金星と-2等級の木星が肩を並べ光っている。
今日の東京の日没は16時28分。
これは日没時間として最も早い時間で、来月末には16時38分にまで遅くなる。
春に向け、日暮れが遅れてゆくんだ。
ああ、春よ春よ。
と言っても、夜明けの時間はまだまだ遅くなるから、昼時間は冬至の頃まで短くなり続けるけれど。
昨夜10時、Mと電話中、バックにテレビの音が聞こえない訳を聞いてみた。
すると、遅い時間なのに子供達は1人も居らずマンションに彼女1人だと言う。
それぞれ塾だったり、レポートの仕上げに友人宅へ詰めていたりで帰っていないんだ。
ああ、あれから長い時間が経ったのだと思う。
僕らが知り合った頃、子供達はまだ幼児や赤ん坊で、常に僕らの付き合いは子供との生活を中心に置いたものだった。
それがいつの間にか子供達も大きくなり、それぞれの場所でそれぞれの時間をおくる様になってきた。
Mの子育ても終盤に差し掛かっているんだ。
よくぞ、養育費も貰わず3人の子を育んだと思う。
マンションのローンを抱え、多忙な仕事にヘトヘトになり、そして子供の世話か。
母親は常に偉大だけれど、Mの生き様には本当に頭が下がる。
凄い人だと思う。
明日の日曜日は、僕とMとMの末っ子の3人で高校見学へ行く。
僕がオムツを替えた子が、もう高校受験をすると言うのだ。
光陰は矢の如し。
もうあと数年が過ぎたら、やっとMも一休みが出来るかもしれない。
まだそれまでには、沢山の学費を稼がなければならないけれど。
夕飯にはイワシの梅干し煮を作った。
他に豆腐、炙りタコ、練りウニ。
酒は今夜も「尾瀬の雪どけ」だ。
08/11/27 (木) 喪中葉書を作る
今日の日の出は6時28分。
通勤途中から見る東の空は厚い雨雲に遮られ、夜明けの気配は希薄だ。
気温は6度。
寒く暗い、雨の朝。
日の出前に家を出ても、早くも駅へと続く歩道は人の川。
いつもの道路は車の淀み。
こんな早い時間から、職場へ急ぐ人達。
その人混みから苛立ちやらアキラメやらの念が感じられ、圧倒されて逃げたくなる。
流れの中の人は、誰も立ち止まらない。
みんな強いな。
今日もまた測定機器を引き建物から建物へと。
今月の出勤日は今日を入れてあと3回。
それなのに、もう待ったなしの仕事に立ち向えず、アタマはボンヤリしたまま最低限の作業しか出来ない。
明日は某所にも行かねばならず、さてどうなる事やら。
もう、今年中の予定表は全て埋まってしまった。
体調でも崩したらどうすれば良いのか。
昼にカップスター味噌味。
オヤツにうまい棒。
知り合いから相次いで喪中のハガキが届く。
かつてお世話になった人の温顔を思い浮かべ、思い出に耽った。
そうか、あの人も、この人も、今年はそんな辛い年だったのか。
僕もまた、先延ばしにしていた喪中ハガキを作り始めた。
今まで僕だけのものであった父の死を宣言するようで、気の重い作業だ。
父は本年九月・・という所から先をキーボードで中々打てずに困った。
ハガキのデザインには父の好きだった彼岸花を使った。
あの花の季節に逝ったのだから。
夕飯は湯豆腐。
酒は群馬の「尾瀬の雪どけ・おりがらみ」
うす濁りで酸味立ち、切れの良い酒。
これならもう少し味の濃い料理にもあわせられると思う。
08/11/25 (火) 雨音と電気毛布
昨夜、夢枕ごしに雨の音を聞いた。
夜聞く雨音は良い。
厚いカーテンのように他の不快な音を遮り、サタサタと静かに降り続く。
学生の頃に部活で登った中央アルプス・宝剣岳で雨に閉じ込められ、山小屋で一日中眠っていた時の夢を見た。
もう20数年前の高校生の頃の忘れていた記憶。
外の冷たい雨。そして屋根と温かい布団に守られた安全な場所。
雨降りの音を聞きながら眠る安心感。
母体回帰とも言うべきなのか。
出勤時の気温は8度。
昨夜の雨に打たれたモミジ葉で、歩道が赤く染まる。
もうすぐ冬枯れだ。
仕事は混迷。
ひどく疲れた。
仕事帰り、電気ひざ掛けを物色。
夜、本を読むときに使いたいんだ。
喘息持ちで、暖房が苦手なので、せめてひざ掛けでヌクヌクしたい。
ところが結構高くて5000円前後か。
誰かに贈るのなら躊躇はしないが、自分で使うものとなるとケチになってしまう。
たいして機能は違わないだろうと1980円の電気毛布で妥協。
暖かい毛布に包まって好きな酒を呑んだり本を読むのは至福の時だ。
しかし、おしゃれな電気ひざ掛けなら良いが、電気毛布に包まって本を読んでいると、
昔マンガで読んだ「大東京ビンボー生活マニュアル」の主人公コースケになった気分だ。
08/11/24 (月) 本棚と豆腐
振り替え休日。
6時に寒さで目が覚めた。
窓を開け放しだった室温は8度。
真冬でも少し窓は開けたまま眠るから、もういい加減ベッドの冬装備をしなければ寒くて眠れない。
午前中、本棚を物色に行き組み立てモノの手ごろなのを一つ買って帰る。
大きなスライド本棚とクロゼットの間に入る幅30センチほどのモノが欲しかったんだ。
組み立てに30分。
高さ180センチのそれは、計算どおりピッタリと隙間に収まった。
これに雑多な文庫を移動させ、空いたスライド本棚の横長スペースに長編モノの文庫を収めよう。
早速、鬼平24巻とか三国志13巻とか剣客商売16巻とか水滸伝19巻とかを並べて悦に入る。
収集癖のある僕は、こうして並んだ本を見るだけで嬉しくなってしまうんだ。
そのうち大菩薩峠41巻とかにまで手を出しそうだ。
昼過ぎ、雨が降り出す。
暗い寒空。
それを見ていたら、今夜は燗酒が飲みたくなった。
昨日収穫した聖護院大根は午前中にすでに煮てある。
あと、美味い豆腐が有れば燗酒の肴には最高だ。
屋根の下で惰眠中のファルコン号に火を入れて、友達に教えてもらった店へ豆腐を買いに行った。
往復100キロ。
何時の間にか本降りになった氷雨の中、先日借りてきたCDを聞きながら一人で運転するのは良い気分だ。
僕は雨降りの日に運転するのが好きなんだ。
晩酌はエビスを1本、その後「枯山水」を燗で。
肴は惣菜屋で買った串揚げ、聖護院大根煮、そして買って来た「ごま絹豆腐」
甘みと香りが素晴らしい。
こういうのを食べると、豆腐って本当に美味しいと思う。
明日はまた早出。
というか、すでに早出が普通になりつつある。
08/11/23 (日) 初冬の畑の日
畑日和の日曜日。
午前の早い時間から畑行き。
作業服の上下に地下足袋、アタマにタオルを巻けば、職場ではとうてい感じない覇気がわいて来る。
午前中一杯を、汗と土にまみれて楽しく過ごした。
落花生は大凶作。
原因はわからず。
今まで、唯の一度も落花生の不作に見舞われたことは無かったからショックだ。
ただ、一緒の畑を借りている他の人も殆ど結実していなかったので、土の問題なのかもしれない。
この畑で落花生を作ったのは初めてだから、これから試験紙で土の状態など調べ、来年の豊作を目指そう。
と良いってもバケツ一杯はとれたので、暫くのビールの友、そして正月の煮豆には足りるけれど。
落花生以外の収穫はキャベツ3個、ゴボウ10本、下仁田葱数本、聖護院大根と普通の大根。
また近所に配らなければ。
荷台いっぱいに収穫物を積み、ルーフキャリアに農機具を乗せ、泥で汚れた作業後の僕を乗せてチョロQは走る。
小さいけれど、この車は僕の遊びの相棒として逞しく良く働いてくれる。
買って15ヶ月で走行距離は1万5千キロ。
他にもう一台の車とバイクも使っているのに、コイツは月に千キロを走る。
それだけ使いやすいということか。
夜は久しぶりにチキンカレーを作った。
他に、キャベツのサラダ、ネギ焼き。
昼間動いたせいかビールが美味く、1リットルをアッというまに飲んだ。
昨夜は精神的に不調で、夜の間に何度も目が覚めた。
冷や汗と動悸に苦しみ、今朝起きた時にはグッタリとしていたんだ。
でも、畑に行って作業をすればこの通り。
適度に疲れ上機嫌で、今夜はきっと良く眠れるだろう。
やはり、土に触れること、広い空の下に居る事は僕にとって最高の癒しになる。
それは、ソラナックスなんかよりも良く効くかもしれない。
08/11/22 (土) 小雪
「小雪」
冬らしい抜けるような青空。
歩道で落ち葉が風に舞う。
出勤時の気温は6度。
午前、機器をひっぱり建物から建物へと出張サービス。
色々なところで差し入れをもらい、自室へ帰る時にはお菓子長者となっていた。
これはオヤツに有り難く頂こう。
昼、職場前の蕎麦屋でざる蕎麦。
向こうのテーブルで昼酒を飲んでいる人が居る。
昼間から蕎麦屋で酒かあ。ヨダレが出るほど羨ましい。
午後はちょっと面倒な作業。
それでも何とか終えることが出来た。
東京ローカルの話題なのかな。
なんと、子供時代に放送されていた「世界の料理ショー」のDVD-BOX発売とか。
小学生の頃、それまで見た事も無いような豪華な料理を華麗に作るグラハム・カーに魅せられた。
番組最後に、観客の中の幸運な1人がそれを食べる事が出来るんだ。
フォアグラとか、オマールエビとか、世の中には物凄い美味しい物が沢山有るんだろうなあ、と妄想に浸ったっけ。
懐かしいな。
テーマ曲まで思いだしてきた。
DVD欲しいな。
検索したら、冒頭の部分を見つけた。
これを見たら、ますますDVDが欲しくなってしまうな。
夜は酒と本。
今はこんな本を読んでいる。
明日は早朝から畑行きの予定。
大量の落花生を収穫しなければならない。
08/11/21 (金) 初霜
朝6時20分過ぎ、犬と一緒にビルの合間から登る朝日を見た。
気温は2度。
今期一番の寒さだ。
少し喉が痛く、風邪をひいたかもしれない。
大事をとってチョロQ号で出勤。
フロントグラスが霜で真っ白に凍みている。
そろそろ越冬する野菜苗に霜よけを作らなければならない。
昼、珍しく1時間の休憩が取れる。
こんな時は職場を出て、車の中で過ごすのが好きだ。
コンビニでオデンとオニギリを買い、文庫を一冊持って公園の駐車場に車を停めた。
ガラス越しの陽射しが暖かく幸せな気分。
ケヤキの落ち葉がルーフに落ちてカサコソと音をたてる。
誰の邪魔も入らない空間は素晴らしい。
もっとも、仕事用PHSを持ち歩いているのでいつ呼ばれるか解らないけれど。
午後は職員検診の続き。
夕方、職場屋上から東京上空を通過する国際宇宙ステーションとスペースシャトルを見た。
-3等級の素晴らしい輝き。
仕事帰り、やきとん屋さんで数本焼いてもらい持ち帰り。
煙に燻された古い店内が懐かしい。
幼稚園の頃だったか、父に連れられ初めてオトナが酒を呑む場所へ連れて行ってもらったのがこの店だ。
カウンター越しに見る炭火が珍しく、好きなものを目の前で焼いてもらって食べる楽しさを覚えた。
今夜、オヤジの写真の前に皿をおいて一緒に酒を呑んだ。
あの世でクシャクシャに笑い皺を作り杯を傾けるオヤジの顔が見えるようだ。
08/11/20 (木) 痛いほど冷たい
バイクで出勤。
気温は4度。
まだ冬装備を出していないバイク通勤には辛い気温だ。
とりあえず冬用のグローブだけでも出しておかなければ、指先が痛いほど冷たい。
早朝から雑用。
先日からはじまっている職員検診関係の仕事だ。
今年から、話題のメタボ検診も追加された。
僕自身も今日は受診。
この頃ずっと体調が悪いので、何かひっかかるかもしれない。
悪化している逆流性食道炎は内視鏡が必要だろうな。
そのうちにまた注射で眠らせてもらい検査を受けようか。
昼は職場売店で買ったカップトンコツラーメン。
なぜトンコツなど買ってしまったんだろう。
案の定、午後腹痛。
こんな思いをする度に、職員食堂の食事を食べようかと思う。
今日の昼メニューは麦飯、鶏トマト煮または白身魚の香味焼き、ギンナン入り自家製ガンモ煮、ホウレンソウと油揚げの和え物、ワカメの味噌汁だったようだ。
バランスの良い食事を1ヵ月4千円で食べる事が出来るのに、混雑する職員食堂に縛られるのが嫌でカップ麺生活をしているのだ。
一食ごとで無く、1ヵ月単位で課金されるのもちょっとなあ。
仕事帰りにツタヤ、ヨーカドー、本屋、酒屋。
夕飯には好物の玉コンニャクを煮た。
他に、温泉豆腐、スモークサーモンとオニオンスライス、焼き海苔。
酒は獺祭の新しいやつ。
いつ飲んでも香り高く豊饒な酒だ。
今夜はまたAmazonから大量に本が届いた。
このペースだと年内にも新しい本棚を買うことになりそう。
収納性に優れたスライド本棚を物色に行こうかな。
08/11/19 (水) 寒くなってきた
東京の日の出は6時20分。
透明度の高い夜明けの空気。
気温は5度。
朝起きた時から、ああ今日はダメだなと思う。
と言うか、今日も駄目だ。
この頃どうにも元気が出ない。
憂鬱な一日がまた始まる。
バイクでも乗ったらスッキリするかと厚着をして走り出す。
通勤路の高台から西の空に、富士山が良く見えた。
すっかり雪化粧を終えた富士。
やはりあの山には雪が似合う。
仕事は特に変わりなし。
最低限の事しかしていないので、月末苦しむだろう。
それは月末の僕に任せれば良い。
夕方から風が冷たくなる。
先日から駅前のイルミネーションが始まった。
確かに、夜の街を飾るLEDの青白い光は綺麗なのかもしれない。
でも、いつの間にかクリスマスから正月にかけての時間の流れがすっかり苦手になってしまった自分には、それが冷たいモノにしか見えない。
この時期をお祭り気分で過ごしたあの頃と違い、また1年が往ってしまう寂しさしか感じなくなってしまった。
今はただ春がやって来るのを、背を丸めて待つだけだ。
月曜日、受診した主治医に軽い運動から再開させたらどうかと提案された。
確かにそうかもしれない。
自分の経験でも、運動は確かに効果が有る事を知っている。
しかし、その気も無いのにスポーツジムを再開させても重荷になるばかりだ。
今はヤル気の復活を待ったほうが良さそうだ。
晩飯にはブリのカマを焼いた。
そして大量の燗酒。
これからの季節、温かな酒無しには乗り切れない。
明日は職場の健康診断だというのに。
08/11/17 (月) 不整脈
不整脈で飛び起きた。
精神的に不調な時に良く有る事だ。
きっと寝る前に整理していた某申告書類がストレスだったんだろう。
暫く枕を抱いて不快感が収まるのを待った。
時計を見ると3時。
眠ってから2時間しか経っていないし、今の季節の夜明けまではまだ長い。
でも、結局朝まで再び眠る事は出来ず、ベッドの中に持ち込んだノートパソコンでネットの世界を徘徊していた。
インターネットは時間泥棒だ。
眠れない夜を過ごすには良い逃避先にはなる。
チョロQ号で出勤。
通勤途中にあるモミジバフウの紅葉が始まった。
午前、測定機器がエラーを出し動かず。
その機器を使うテストの為に、遠くから人が来ると言うのに。
メーカーサービスに電話で指示を受けながら懸命に修理。
予約の人を1時間待たせ、ようやく起動した。
おかげで不整脈と胃痛と頭痛が更に酷くなった。
僕の軟弱な精神が悲鳴をあげているようだ。
仕事帰りに心療内科を受診。
今回もまた、ずいぶん長話をしてしまった。
たまにフラリと来て愚痴をこぼしていく迷惑な患者だ。
晩飯には大根を煮た。
他にホウレンソウのサラダとアワビの刺身。
アワビは父の大好物だったので、葬儀から2ヶ月の今日に3千円で奮発をしたんだ。
08/11/15 (土) あれから二ヶ月
暗いうちから出勤し、暗くなってから帰宅。
午後から小雨。
酷い頭痛と時折の不整脈。
どちらもトランキライザーを飲めば治ってしまう気もする。
でも、飲まない。
父が逝って、今日で二ヵ月。
まだ全く受容できず、喪失感はむしろ大きく、怒りすら感じる。
なぜ突然父は居なくなってしまったのか。
この二ヵ月の間精一杯頑張ってきたのは、自分自身が沈みたくなかったからかもしれない。
動いていないと潰れそうだったのだと思う。
残された母の為に頑張っていると言えば聞こえは良いけれど、忙しさを理由に父の死を直視せず逃げていたようにも思える。
まだ、これは夢なのでは無いかと思う事がある。
ふとした時に、父の気配を感じる事がある。
歩いている人の背中が、父に見えるときがある。
でも、そんな時に浮かぶのは僕がまだ子供時代の父の姿。
咥え煙草、剃り残しが痛いヒゲ、優しい目、いつも乗っていた黄色い車。
エアコンも付いていないその車に乗って、よく夏の多摩川へ釣りに行ったんだ
その後禁煙した父だけれど、思い出の中の父はいつも煙草臭かった。
僕はその匂いが好きだった。
それをもう一度だけ嗅いでみたくて、ハイライトを一つ買って帰った。
懐かしい、青いパッケージ。
夜、酒を呑みながら煙草に火をつけ、そして涙が出るほど咳き込んだ。
記憶の中のあの匂いと全く違う刺激に落胆し、もみ消す。
楽しい記憶の中にだけ、僕が好きだった匂いも存在するんだ。
父の存在も、やがて思い出になるんだろうか。
明日は雨の予報。
雨降りでも、畑の様子は見に行きたい。
08/11/14 (金) 暗いうちから仕事をする
朝5時に起きて、仕事の準備。
外気温は8度。
傾き始めた冬の星座に代わり、しし、おとめ、うしかいと言った春の星座が東の空に顔を見せている。
もうクリスマスも正月も飛ばして良い。
このまま早く春がやって来てほしい。
朝早い時間からトラブルがあり、午前中一杯その収拾に追われた。
ちょっとした意思の疎通を怠る少数の人がいつもトラブルを誘発する。
その尻拭いは腹の立つ作業だ。
ブツブツ独り言を言いながら職場内を走り回る。
昼、銀行。
一昨日もらったアドバイスに従い、優先順位の一番高い銀行対策を集中的に考える。
が、上手くは行かず。
父が子供時代に住んでいた新宿区の戸籍を取る必要があるようだ。
郵送で手配をする。
不動産屋は面倒になり連絡せず。
必要なら、向こうから来るだろう。
16時35分の日没を職場屋上から見た。
陽が落ちた後の、急速に暗くなる時間が苦手だ。
幾つになっても心細くなってしまう。
帰り道、大きくて美味そうな魚を一匹買った。
煮付けて美味。
他に茹でブロッコリー、ちりめん山椒、山芋すりおろし。
母は明日、古い友達が遊びに来るという事で嬉しそう。
僕はまた、暗いうちから仕事。
08/11/13 (木) 林道と温泉
小春日和。
何だか久しぶりに青空を見た気がする。
チョロQ号に乗って、Mと2人で山道をドライブした。
東京と山梨の境界あたり。
この辺には、小さな車一台がようやく通れるほどの林道が毛細血管のように走っている。
本来、山仕事の為の道なのだけれど、邪魔にならないようにそっと通らせてもらう。
もっとも、対向車になど一台も会わなかったけれど。
デコボコ道だから普通の車は入って来ないし、四駆でも大きな車では身動きが出来ない。
そんな、チョロQ号でこそ楽しい道を、紅葉に感嘆しながら走り回る嬉しさったらない。
この辺の山が、僕は大好きなんだ。
コンビニで買ったオニギリを食べるためにエンジンを切れば、人工の音など何一つ聞えない。
日頃、何か得体の知れないモノに追われるような生活をしていると、こんな時間が本当に貴重なんだ。
静けさと暖かな陽光を充分に楽しんだ。
こんな所で食べる120円のオニギリは、1万円の和食コースより美味しい。
峠から遠くを見れば山の峰々。
この山の半分はまだ東京都。
こんな景色を見ていると、いろいろな事がどうでも良くなってくる。
帰りは、ここの温泉で仕上げた。
気持ちが良くて、湯船の中で居眠りをしてしまった。
そして帰り道、東の空に素晴らしい満月を見た。
19時半、母の住む場所へ帰る。
やはり1人で食事をしていなかった。
朝、今日は夕飯を1人で食べてくれと言っておいたのに。
僕の顔を見て、作りかけの食事を温める母。
それを見て、暗い気持ちになる。
僕の帰りを待って居たんだ。
やはりまだ、母と食卓を共にする必要があるのだろうか。
母と食事をするのが嫌なのではないけれど、このままずっと職場から直帰するような生活を続ける事もできないよ。
でもこうして、僕の帰りを待っていただろう母の事を思うと、堪らない気持ちになる。
20時半、ワンコと散歩。
帰宅後風呂に入り、洗濯。
そして酒を温め、焼き海苔と練りウニを準備し、読書の時間。
明日は仕事を中抜けし銀行。
午後は学生相手の講義。
また、現実世界に戻るんだ。
08/11/12 (水) 飽和する
今日もまた雲の厚い暗い1日。
冷たい北風。
昼過ぎから小雨ふる。
父の死による相続税申告の準備やら、凍結された口座の処理やら、賃貸物件の管理やら、諸々の手続きが遅々として進まない。
銀行も税理士も不動産関係の会社も、平日昼間でないと連絡が取れない。
だから、仕事中に携帯電話を駆使して方々と連絡を取る事になる。
それがとても負担なんだ。
直ぐに連絡が欲しい時に限って電話は入らず、今は絶対手が放せない、と言う時に限って面倒な連絡が入り、
バイブが震えたと思って開いて見ると着信は無く、かと思えば気付かないうちに数件の着信履歴が残っていたり。
イライラして、携帯電話など投げ捨てたくなってしまう。
仕事だけで精一杯の時に、こんな事を並行してやらなければいけない事が辛い。
もう頭の中が飽和して、それがまた気持ちを落ち込ませ体調を悪くさせる。
そんな様子を見ていたのか、ある人がアドバイスをくれた。
もっとペースを落としなさい。
自分を労わる事を第一に考えるんだ。
今はまだ気が張っていて自分自身が受けたダメージを自覚しきれて居ないんだ。
少し落ち着きなさいと。
ああ、そうかもしれない。
思えばまだ、父が逝ってから2ヵ月しかたっていないんだ。
2ヶ月前、まだ僕には父が居た。
たった2ヶ月の間に色々な事が変わってしまった。
焦っていろいろな事を処理する必要は無いかもしれない。
でも、凍結された銀行関係だけでも何とかしないと母の生活費にすら窮しているんだ。
晩飯にはまた大根を煮た。
他にキャベツ辛味噌炒め、ホウレンソウのサラダ。
母との食事を済ませ、また少し父の遺品を整理し、今日が命日の先代の犬の写真にビーフジャーキーを置く。
犬の待つ自分の場所へ帰り、風呂に入り、洗濯をし、酒を温め、肴に練りウニと焼き海苔を準備する。
これでやっと読書の時間。
明日は休みだから、夜更かしして一冊読んでしまおう。
08/11/11 (火) モツ煮を食べた
立冬も過ぎ、そろそろ暖房が欲しくなってきた。
今朝起きた時の外気は9度。
犬と散歩へ出るにも、それなりに服を着込まなければならない。
予報では、午後から雨。
早い時間に出勤し、会議用レポートの作成。
昨夜自宅で仕上げようと思っていたレポートだけれど、どうにも不調で気力が湧かなかったんだ。
まだ火曜日だと言うのに、体が重い。
どうも元気が出なくていけない。
昼過ぎから夕方まで会議。
長時間会議室に幽閉されるのは負担だ。
結論の出ない堂々巡りに飽いて、ずっと窓の外の曇り空を見ていた。
仕事帰り、携帯電話の機種交換。
電源落ちの持病が有った端末に嫌気が刺したからだ。
1人で酒を呑みながら、父が倒れてから葬儀が済む頃までのメール履歴をボンヤリ読み返す事が多かったので、
新しい端末で気分も変えたかった。
と言っても、そのメールはPCに保存したけれど。
DoCoMoなのだけれど、いつの間にか料金プランが変わっていて、新しいプランでは最安基本料金980円。
10数年前に携帯電話をもち始めた頃から思えば信じ難いほど身近になったものだ。
携帯で生活は豊かになる訳では無かったけれど。
暗く寒い道をとぼとぼ帰宅。
燗酒が呑みたくて、その肴にとレトルトのモツ煮を買って来た。
先日畑から取って来た大根、下仁田葱、白菜、ゴボウ、そしてこの頃やっと食べられる様になったニンジンを加えて煮込む。
生姜を搾って出来上がり。
燗酒と温かなモツ煮が美味い。
これをチビチビやりながら、今夜もまた本を読むんだ。
08/11/9 (日) 体調を崩した
雲の厚い寒い朝。
父が倒れたのは、二ヶ月前の今日。
それを思い出し母に落ち込まれても困るので、畑を借りている埼玉の農協収穫祭へ連れだした。
目の前でつかれる餅やせいろの赤飯。
焼きだんご、甘酒、芋煮。即売される沢山の野菜。
母はそれらをとても楽しんだようだ。
持ちきれないほどの買い物をし、近所へも配るのだと嬉しそうにしていた。
しかし、その人混みで僕が体調を崩した。
朝から嫌な予感は有ったのだけれど。
一連の僕の経過や症状を知らない母に悟られないように、何とか車を運転し帰宅。
家に着いたときには冷や汗で服はべっとりと濡れ、その後も暫くの間、動悸と焦燥感に苦しんだ。
午後、久しぶりにMと映画に行く約束をしていたのだけれど、全く動けず。
迎えに来てくれたMの車の中で、夕方までの数時間ラジオを聞いて過ごした。
忘れた頃に突然不調になると酷く落ち込む。
これは治らないな。
この先もずっと共存していかなければならないだろう。
この頃、喘息の発作も頻繁だし、気をつけなければ一気に総崩れになりそうな不安がある。
でも、何に気をつければ良いのかが解からない。
08/11/7 (金) 夢を見た
親父の運転で畑へ行き、沢山の大根を抜いた。
親父はおでんの大根が好物だから、煮ると美味しい聖護院大根ばっかり抜いている。
どうせそれをツマミに呑む燗酒の事でも考えているんだろ。
それにしても収穫は楽しい。
あっと言う間に積み上げられた大根を見ながら大満足。
さあ帰ろうと思ったら、スーっと親父の車が走り去って行く。
おーい、俺と大根置いてどこ行くんだよ。
冗談止めろよー。
と言うところで目が覚めた。
また、遊びに来てくれ。
時計を見ると5時。
立冬の東京の霧雨の朝。
窓を少し開けたまま眠ったから、部屋中に雨の匂い。
ベッドの下では犬が丸まって眠っている。
遠くで朝刊を配るスーパーカブのエンジンの音。
シャワーを浴び、紅茶をいれていると犬も起きてくる。
雨でも散歩は欠かさないのだ。
出勤前の30分の散歩は心地良い。
チョロQで出勤。
病棟出張、看護学生の相手、職場検診の準備。
新しく導入予定の機器の説明会。
昼食は時間無し。
職場に学生が溢れている。
看護学生だけではなく、他職種を目指す専門学校の実習時期が重なったようだ。
それぞれに色がある。
と言うか、挨拶も出来ぬ、売店裏でタバコを吸って苦情が出る、昼休みの時間も守れない。
それが全て同じ某専門学校の生徒なのだ。
正直言ってこういう学生を相手にする時間など無い。
まあ、来年からウチの職場であの学校の生徒を実習させる事は無いだろうけれど。
えええ・・
Yahooブリーフケース、有料化するのか。
ちょっとした仕事ファイルを自宅で書いたり、出先から見たりする時に便利だったのに。
Yahoo/SOFTBANK系列の値上げや有料化が目立つな。
経営、大丈夫なんだろうか。
このサイトもYahooの有料スペースを使っている。
もし他に引越しを余儀なくされたら、面倒だからいっそブログに移行しようか。
仕事帰り、伊勢丹をフラフラしていたら良い感じの備前焼きが金箔、銀箔ペアで4千6百円。
毎晩、オヤジの写真に酒をあげているんだ。
今夜からオヤジは銀を、僕は金を使い酒を呑む。
今夜の酒は「鳳凰美田」の純米吟醸無濾過生。
肴の代わりにフキノトウ味噌を塗った焼きオニギリを作った。
08/11/6 (木) 今夜の読書
疲れて帰宅。
母と食事、犬と散歩、父の部屋整理。
そして、やっと自分だけの時間。
温めたお酒を呑みながら、今夜はコレを読む。
眠るまでの数時間、誰も邪魔をしてくれるな。
08/11/5 (水) メロンパン美味し
いつもより遅い時間に自転車で出勤。
8時に職場入り。
寒い。
気温は9度。
なるほど、季節は順調に進んでいる。
このままどんどん突き進み、早く暑い夏が来れば良いのに。
昨日の朝のメロンパンが美味しくて、途中のコンビニでまた買ってみた。
外皮のカリカリ部分が好きなんだ。
職場の自室の散らかった机で、インスタントのコーンスープと共に朝食。
メロンパンとコーンスープは合わないな・・
また一つ賢くなった。
仕事は相変わらず。
もしかしたら年内にもう一度講習会の講師を押し付けられるかもしれない。
今日のところは、やんわりと断ったけれど。
外来出張とルーチンワーク、学生の相手、試薬の発注。
昼、植木屋をしている幼馴染がやってきて一緒に昼食。
この近所で作業をしていた様で、作業服姿が中々に凛々しい。
チャンポンを食べながら、最近知り合った女性の相談など受ける。
午後は病棟出張とデータ集計。
父に菊の切り花を買って帰宅。
池の濾過器の手入れ。
先日買って来たビオラ20鉢を花壇に植え付け。
シイタケの原木の手入れ。
暗い中、500ワットのハロゲン照明を2つ点けて作業をしていると、冬になったのだという実感が湧いてくる。
外に居る事が好きだから、暗い時でも作業を出来る照明機器は工事現場並みに揃えてあるんだ。
母が先日受けた大腸がん検査の病理結果が良性と出た。
その場にへたり込むほど安堵。
母にこれ以上辛い思いをさせたくない。
平穏で静かな生活を送ってもらいたい。
父が逝って50日が過ぎた。
そろそろ何とか再生しなければ。
08/11/4 (火) 大根を炊く
5時半起床。
外の気温は10度。
東の空に低い雲。
また一段と日の出の時間が遅くなった。
東京の日の出は6時4分。
今の時期、それは毎日1分ずつ遅くなる。
日没もどんどん早くなり、今日10時間36分ある昼時間は月末には9時間台にまで短くなる。
暗いのは嫌だ。
寒いのも嫌だ。
長い夜はもっと嫌だ。
自転車で出勤。
途中のコンビニでメロンパンを買い、職場で紅茶をいれて朝食。
仕事を始める前に何かを食べると、確かに体が良く動く。
でも普段、胃袋がそれを受け付けないんだ。
久しぶりに朝食をとり、体調が良いのかと思えばそうでもない。
午前、頭痛に耐えながらルーチンワーク。
昼に緑のたぬき。
午後、胃痛。
14時、予定されていた会議が延期になっている事に気付く。
そう言えば、職場のエライ人達が何人も休んでいる。
?と思い聞いて見ると、職員旅行第一班が出発したらしい。
そう言えば出欠を書き込む回覧が周っていた気もする。
中国に職員旅行とは。
そう言えば毎年行き先は海外だな。
ウチの職場、そんなに儲かっているのか。
福利厚生に掛かるお金以前に、みんな良くそれだけまとまった休みがとれるものだ。
何だかやる気を無くした午後。
別にひがんでいる訳では無いけれど。
夜、先日畑から抜いて来た「聖護院大根」を食べた。
仕事から帰ってすぐに作れるように、昨晩のうちから下茹でしておいたもの。
これを薄味で炊いたものが大好物なんだ。
今年もまた大根の美味い季節がやって来た。
Mに笑われるほど大根好きな僕は、これからの季節を大根と共に過ごす。
畑では、畝3本分の各種大根が時間差蒔きでスクスクと育っている。
母との夕飯を済ませ、これから1人で読書の時間。
今夜は何を読もうかな。
08/11/3 (月) 航空祭
曇った。
年に一度のお楽しみ、某自衛隊基地のお祭りだというのに。
でも良いんだ。
青空をバックにしていなくても、飛行機は充分に美しい。
時速数百キロで乱舞するジェット機たち。
ここには、小さな子供の頃から父に連れて来てもらっていた。
混雑する滑走路で肩車をしてもらい見た飛行機。
トイレに並ぶ列に我慢できず、木陰で立ちショ(以下略)、
ファントムのプラモデルを買ってもらい、ヤキソバを食べ、腹に響く戦闘機のエンジン音に恐怖した。
楽しい思い出。
その航空祭に、職場関係のコネで胸にリボンを付け招待席に座って見ている。
屋台のヤキソバで無く、祝賀会の立食パーティー。
プラモデルじゃなくて、記念品を貰って。
でも、ジェット燃料の匂いを嗅げば、
あのエンジンの轟音を聞けば、
素晴らしい加速上昇を見れば思い出す。
子供の頃に、将来は飛行機乗りになりたいと願った事を。
心地良く疲れ、夜帰宅。
C-1の機動性を、CH-47の力強さを、息を呑むT-4の編隊飛行を、
今日見てきたものを、飛行機好きだった父と語りたかった。
08/11/1 (土) 木枯らしがふいた
起床時の気温は8度。
寒い朝。
ああ、今日から11月なんだ。
晴天に誘われバイクで出勤したものの、強い風にあおられる。
それもそのはず、昨年より17日も早い木枯らし一番だったようだ。
もう季節は秋と言うより冬。
立冬も近い。
月初めの土曜日の慌しさ。
今はそんな忙しさに身を任せているのも心地よい。
どうもこの頃、父を亡くした寂しさに沈み込んでしまっていけない。
忙しければ、何も考えずに済む。
スーパーに並ぶ「いいちこ」を見たり、新聞に草津の紅葉が載っていたり、深夜のラジオでベルリオーズが流れたり、
シメサバを食べたり、栗のイガイガが落ちていたり、2ストロークエンジンの排気臭を嗅いだり。
そんな日常の事の全てが父の思い出に結びついてしまい、堪らない気持ちになるんだ。
子供と真剣に遊ぶ父だったから、楽しい思い出には古い記憶が多い。
そんな海馬に刻み付けられた記憶は消える事が無い。
宝物のような記憶を絶対に忘れない。
だから今は、波が去るのを静かに待つしかない。
寂しさと共存しながら、穏やかに暮らす事が出来れば良いんだ。
晩飯はニラ入り肉豆腐。
ナデシコを育てている花壇の外周に植えてあるニラが美味そうだったので、ササッと刈り取ったもの。
ちょっとニラを植えておくと本当に便利だ。
数年間にわたり年に6回は収穫でき、しかも摘みたてのニラは柔らかくとても美味い。
母は今日、市の収穫祭へ出かけて行き芋掘りを楽しんだようだ。
それがとても楽しかったようで、抜いて来た芋を蒸かして食べていた。
だいぶ笑うようになってきたな。
食欲を無くし、やつれた母を見るのは辛かった。
少しずつで良いから、元気になって欲しい。
明日の午前はチョロQ号を整備入庫。
午後は畑に行こう。
大根もコマツナもホウレンソウも収穫を待っている。
今夜は今から酒を呑みながら本を読む。
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