05/92005年09月30日


 

05/9/30 (金)  彼岸花

急速に秋が深まる。
気付けば9月も今日で終わりか。 
季節の変化に体も気持ちも付いていく事が出来ず、それでも留まる事は出来ない。
このままユラユラと流れていくのが一番良いんだろうか。

ついこの前に彼岸花の群生を見に行ったと思っていたのに、今年もまたこの季節。
1年という時間の流れに驚きながらまた今年、Mと2人ここに来られた事に感謝しよう。

   

恐ろしいほどの赤。 この世じゃ無いのではないかと錯覚させる光景。
この花には、なにか不思議な魅力がある。
じっと見ていると何処か知らない所へ引き込まれそうな気持ちになってくる。



群生地を目指すため、普段なら使わないだろう高速道路に乗る。
先日付けたETCを使ってみたかったからだ。
関越・所沢インター。
自分で付けた装置が上手く働いてゲートが開くのか、ちょっとドキドキとする。
後ろに車間を取らずに迫ってくる10トン車。
ゲートでトラブれば追突されるのではないかと怯えながらも、目の前でまるで手品のように開いたゲート
をノンストップで通過する。
いや、その快適なこと。
停車時間や料金面での優遇よりも、ノンストップの快適さだけでETCは付ける価値が有るだろう。
これからきっと有料道路を走ることが増えるだろう。
もっと早く付ければ良かった。

彼岸花の後、国道299号をドライブした。
この道は適度にウネった楽しい道で、ダンプに阻まれさえしなければ気持ちよく車を走らせることが出来る。
天を目指す峠と書く天目指峠を超え、名栗村、有間湖、青梅と抜けた。
隣ではいつもの様に熟睡するM。
彼女は車に乗るとほぼ間違いなく眠る。

立川で話題のラーメン屋「鏡花」。 鳥の滋味がよく出た美味しいスープ。
その後ビックカメラでMicrosoftの無線マウス4500円也を買い、4階のマッサージ椅子コーナーで2人して惚ける。
45万円のマッサージ椅子はさすがに素晴らしく、いつかは買おうと決心した。

夜、Mが運動会で撮ってきた100枚ほどのデジカメ写真を整理。
デジカメの一番良いところは数打てば当たる式に沢山撮って、良いのだけを残せる事だ。
フィルムのカメラではこうは行かない。
必要なものはトリミングなどしてプリントしてやろう。
運動会に限らず、こういう場でいつも同じ女の子と写っている末っ子君。
そういう事が恥ずかしいはずの年頃なのに、それがこの子の素直な所なのか。
よく撮れている2人の写真が、良い思い出になってくれると良いけれど。

ジンライムを飲みながらチーズを齧る。
でも、そろそろ燗酒が恋しくなってきた。


 


 

05/9/29 (木)  赤とんぼ

   

秋らしい日。
半袖でバイクに乗ると肌寒くさえある。
フェンスの朝顔もそろそろ終わり、可愛い形の種が沢山ついている。

出勤日数のツジツマ合わせのため、昼で職場から帰る。
文庫を持って、ぶらりとラーメン屋、買い物、すっかり汚れたままの車を洗う。
思いがけずポカンと空いた数時間だけれど、一人で好きなように使える時間は心地いい。

畑で大根、カブ、ホウレンソウ、水菜の間引きと施肥作業。
赤とんぼ飛ぶ畑はすっかり秋の色。

夜、間引き菜のオヒタシと塩鯖で酒を飲む。
明日は休みだから、地図でも見ながらどこへ出かけるかジックリと考えよう。
Mと二人で秋らしい景色でも見に行こうかな。

 


 

05/9/27 (火)  コンビニのおでん

雲の多い日。
気温23度。 もうすっかり秋。
良く行く温泉の有る小菅村の蕎麦畑には、去年のこの時期、蕎麦の実が豊かに実っていたな。
今年の蕎麦の出来はどうだろう。
そんな事を考えながら自転車で出勤。

何の花粉が飛んでいるのか、くしゃみと鼻水に悩みながら仕事。
それでも何とか今月も目処がたった。
毎月繰り返される月末の慌しさ。
夜中に仕事の夢で目を覚ましたりして、自分のペースで良いようにやっているようで、どうして結構プレッシャーも感じているんだ。
それはどんな仕事でもそうなんだけど。

昼にコンビニのおにぎりとおでん。
おでんなんて今まで余り食べなかったのに、コンビニで扱うようになってから味噌汁代わりに大根や昆布を買う事が多い。
温かいおでんがとても美味しく感じる。
職場の目の前にコンビニが出来てから、ちょっと余裕が有れば昼に買いものに行ける様になった。
カップ麺ばかり食べていた頃より少しはマシになったような。
本当は職場の食堂で食べるのが値段的にも栄養的にも一番良いのだろうけど、どうも他の職員と一緒に食事する事が居心地悪く、
自室で食べられるモノになってしまう。
食堂で糖尿食なんか食べたらダイエットになるんだろうけれど。

ちょっとした機械のトラブルは有ったものの、きりのいい所で職場を出、暗くなった畑を見回る。
もう6時には暗くなるから、平日の農作業は全く不可だな。
朝2時間早く起きて畑に行っていた頃も有ったけれど、さすがにそれをすると昼間がシンドイ。
大根の順調な成長に気を良くし、地酒屋さんでちょっと贅沢な酒を買って帰宅。
さくらを風呂に入れ、やっと一息をつく。

   

先日行った陶器市で買った備前の皿を使いたくて油揚げを焼く。
スライスし、水にさらしたタマネギと鰹節。
3分で出来る最高の肴。
ビールは黒ラベルを一本、後に日本酒は佐賀の天吹・雄町無濾過。
これは全く素晴らしい酒で、この酒の素晴らしさはまた今度書くかもしれない。

夜、その酒をTシャツでは少し寒い位の縁側で飲んだ。
まだ蚊がいるな。電子式では無い渦巻きの蚊取り線香と足にはビーサン。
季節と格好があっていないけれど、往った季節を懐かしんで飲む秋あがりの酒も美味い。
買って数年経つこのビーサンもそろそろ洗ってしまっておこう。
足の甲についた日焼けの跡も段々と薄くなっていく。



 


 

05/9/26 (月) ニガウリ塩もみ

深夜3時、柴犬のさくらが鳴く。
どうやら、お腹が痛かったようで、外へ連れ出すと急いで用を足していた。
さくらは女の子。
そんな場面を見ては悪いと目を反らし、ふと空を見る。
夜明け前の一番暗い時間。
台風の抜けた東京の空は素晴らしく澄んでいて星が綺麗だ。

かに座に土星、おうし座に火星、オリオン座のリゲルの青とベテルギウスの赤。
そしてシリウス。
東京では、ちょっと珍しいほどの夜空を見て感嘆する。
夜空はもうすっかりと冬。
月齢22の月が青く光っている。

朝、やはりいい天気。
秋の時期特有の清清しい青空だ。
そんな天気なのに、何故か不調でやる気無し。
ここしばらく続く呼吸器系の不調に疲れたんだろう。
出勤するも部屋に篭り殆ど何もせず。
今月もあと数日で終わるというのに、貴重な一日を無駄にする。
昼にコンビニの鮭おにぎりと根菜サラダ。
おやつにプリングルスを少々。

   

ニガウリが好きで毎年作っている。
かき揚げやチャンプルで美味し。
そしてこれはニガウリの塩もみ。  かなり苦味が強いので人に薦めないが、スライスして水にさらしたニガウリを塩もみにして醤油と鰹節でたべる。
シャリシャリした歯触りとさっぱりした味。
ダメな人は食べられないだろうけれど、僕は大好きで良く食べる。
酒の合間の口直しにとても良い。
今夜は他にシメサバとアジのたたき。
酒は阿部勘の3年古酒を飲んだ。

夜、とても疲れていて気力無し。
何とか今夜はぐっすりと眠りたいのだけれど。
電話口でMも疲れたを連発する。
みんな、疲れているんだね。
みんな、今夜はぐっすりと眠ろう。
何にも邪魔されずに、昏々と眠ろう。
 

 


 

05/9/25 (日)  また月曜が来る

台風は東に反れたものの、風雨は強く畑仕事はできないだろう。
開けた窓から外の様子を感じ、夜明け前ベッドの中でそう思う。
畑に立つ事があんなに好きなのになぜかホッとし、ふたたび眠る。
久しぶりにゆっくりと朝寝する日曜日。

と言っても8時には起きる。
カフェインレスのコーヒーとトースト、茹卵で朝食。
窓の外は強い風。 送電線がビュウと鳴く。

午前中、とても無気力でゴロゴロしながらHDDレコーダーのメンテ。
便利で、とりあえず何でも録画する癖がついてしまった。
もう、ビデオの頃には戻れ無いな。
DVDに保存する物は焼き、必要ないものは削除し。
100Gほどの容量を空け、10枚ほどのDVDが増える。
日曜の午前、こんなにゆっくりと過ごしたのはいつ以来だろう。
台風さまさまだ。

   

午後、幼馴染が遊びに来て買い物へ行く。
蒸留酒には何があうのか。そんなお題で輸入食材店をウロウロ。
それぞれ、自分好みの酒の肴をカートへ放り込み散財する。
今夜、奴もきっと贅沢なツマミを食べながら濃い蒸留酒を飲んでいるんだろう。
あいつも明日の週明けを思って、憂鬱な気持ちを酒で昇華させているんだろう。

日曜日のこの時間。
ベッドへ入ればすぐにまた新しい週が始まる。
この月末を乗り切れる事は解っているのに、それでも自信は無い。
だから、眠くなってもまだベッドへは行かずにちびちびと飲み続けているんだ。


そうだね。
終わったね、電車男。
久々にテレビドラマをじっくりと見たよ。

僕も思い出す。  自分がネットを始めた10数年前の事を。
まだ、パソコン通信と言っていたあの頃。
ダイアルアップ回線の向こうにいる人に会いたくて積極的にオフ会と言うものに出ていたな。
自衛隊やヒモやパンクロッカーや医師や、色々な人と出会った当時の事は今でも楽しい思い出。
彼らは今、どこで何をしているのかな。
きっと、もう会う事も無いんだろうな。

オフ会に出る事は無くなったけれど、ネットの知り合いは今も大事な人たち。
一度も会った事が無くたって、もしかしたら日記を通じて身近な知り合いよりも僕の事を良く解っていてくれる人たち。
あなた達と知り合えて本当に良かった。

だから解る、電車男のあの世界。
ちょっと恥ずかしいドラマだったけれど、ずっと昔の映画「ハル」よりもリアルに楽しむ事ができた。
あの掲示板のログを、もう一度読み直して見ようかな。

今夜はバーボン。
ターキーライだ。
酔って、すこし体が熱くなっている。
寝ようかな。それとももう少しだけ飲んでいようか。
窓の外は雲が切れ、その合間から星が見えている。
明日はきっと晴れるだろう。



 

 

 


 

05/9/24 (土)  八丈島

台風17号が南からやってくる。
風はまだ強く無いものの、時折のパラパラと降る雨がやはり嵐が近い事を思わせる。

台風が来るたびにテレビの中継で必ずと言って良いほど写る八丈島。
かつて、あの島が好きで10回以上は行っている。
海に潜れば、まるで養殖しているのかと錯覚するほどの魚。
街路樹にフェニックスが植えられた車の少ない道。
海岸から湯の湧き出す潮間温泉。
八重根の浜から見た泣きたくなるような夕日や、海が藍色に光る藍ヶ江港。
まだ学生で若くて、貸し別荘を拠点に疲れる事無しに遊んだっけ。
ちょっとした理由で封印しもう行かなくなってしまったけれど、今でも台風が来るたびにテレビにあの島を探す。
そしてその中継を見ると、未だにザラリとリアルにあの頃を思い出す。



呼吸器系が弱くて、一度体調を崩すと中々元に戻らない。
今日も微熱と気管支の閉塞感を感じながら出勤。
台風に備えて久しぶりの車通勤だ。

仕事は順調に捗り今月もどうやら目処がつく。
が、他部署で仕事中の僕がコワイ、生意気であるとの話しが有ると小耳に挟み機嫌が悪くなる。
思い当たる事が有る。
その人に、ある件でちょっと強めに注意したのだ。
それを、コワイって・・
何十年も前に免許を取ったままで勉強会も学会も行かず、知識も向上心も無い人とどう接すればいいんだろう。
仕事が忙しい事は全く構わないが、こういう事の腹立ちは酷く精神を疲れさせる。
まったく馬鹿らしい。

気力を無くして小雨の中を帰宅。

   

微熱で気だるく自炊の気力無し。
本当に久しぶりに弁当屋で親子丼を買う。
美味い。
弁当屋の弁当がこんなに美味かったなんて知らなかった。
酒は限定の美田。 沁み入る程に美味い。

薬のせいで今夜も眠い。
この天気では明日は畑には行かないだろう。
久しぶりに自宅でゆっくりしているかもしれない。

今夜はラジオを聞きながらベッドに本を持ち込もう。
枕元の明かりだけでつらつらと本を読みながら、そのまま眠ってしまおう。

 


 


 

05/9/23 (金)  秋分

ここ数日続く秋雨前線による天候の不順は、なんだか気持ちまで暗くさせる。
久しぶりに起こした喘息の発作は、そのまま上気道炎となり微熱が続く。
風邪薬の影響で夜は眠く、お陰で久しぶりに熟睡感を感じるも体調が復活するでもなくダルイ日々。

秋分の日。
とても好きだった従兄弟が逝って今日で一年。
秋分の日に逝ったんだ。
去年の今日感じた寂しさは、一年経っても少しも癒えない。
あの防波堤で釣りをした、あの時の彼の横顔をつい昨日の事のように思い出す。

人は居なくなっても花は同じ。
あの時と同じ真っ赤な彼岸花が、今年もまた満開になる。



車にETCを付けてみた。
高速道路は余り使わないけれどETC車載器も安くなり、通行料の割引もあるためその気になったのだ。
と言うのはまぁ言い訳で、元々の機械好き。 新しい機械を手に入れてそれを自分で付けるのが好きなんだ。
パナソニック製の車載器は量販店では1万6千円程度。
それを価格com最安のお店から9000円程で手に入れる。
装着は勿論自分でするので、ナビ連動で9000円だと言う工賃はかからない。

   

朝から車の内装外し。
ナビはリアトランク部、ETCアンテナはフロントグラス、
ETC本体は外から見えない場所に付けたかった為、グロブボックスの中へ埋め込むんだ。
そのため、リアからフロントにかけての内装全てを外し、配線していく。
こんな事が大好きで、なぜこんな仕事に就かなかったのだろうと未だに思う。
2時間程で装着が済み、その時点ですでにETCに対する興味の半分は満たしていたから、結局工作が好きなだけなのだ。

昼過ぎ、Mを迎えにいく。
子供は父親と出かけているらしく、そのせいかMは機嫌が悪い。
いつもの店でラーメン、車屋でETCのセットアップ、その後スーパーで買い物。
チンゲンサイの種を一袋買う。

畑へ二人で行きモロヘイヤとオクラの収穫。
大根、カブは非常に順調。 また、先日植えた白菜は驚異的に成長していた。
これから畑は秋ものの野菜で賑わう事になる。
真夏の頃に比べ、畑作業が楽なのは確かだ。


夕食は買ってきたスペアリブ、冷奴、ウリのヌカヅケ。
酒は純米を2合ほど。

夜、台風予報を見る。
明日の土曜日はMの末っ子君の運動会なのだ。
そのためにデジタル一眼も貸したけれど、どうやら天気は下り坂。
小学校最後の運動会は延期になりそうだ。
開けてある窓からすでに生暖かい風が吹き込んできている。

 




 

05/9/20 (火)  喘息の朝

秋彼岸。
霧の朝、体の不調で目が覚める。
春よりむしろ、この時期にアレルギーが出やすいのだけれど、今朝は喘息と目の腫れと微熱。
飼っている子犬とゆっくり遊ぶ事もできない。
アレルギーが服を着て歩いているような自分の体質に溜息が出る。

一日中不調。
気持ちの悪い微熱と昨夜の喘息発作による寝不足。
目は真っ赤で、すこし体を動かすと喉がヒーヒーと鳴く。
そんな日に限って酷く忙しく、少し働いては椅子に座り込み、また走り回ってはベッドに突っ伏す。
肩で息をする、そんな今日の一日がとても長く感じた。



仕事帰りの道、追い討ちを掛けるように雨。
傘も無く、痛いほどの大粒の雨に打たれながら自転車で帰宅する。
長い上り坂、墓地沿いの暗い路地、いつまでも開かないJRの踏み切り。
微熱で火照った体が雨で冷えていく。
疲れ、うな垂れて帰宅。
体に張り付く服がとても不快だ。

門を入れば、暗くなると灯る庭の照明が見える。
その照明の影、萩の木の下に雨に打たれボンヤリと赤の提灯が並ぶ。
ホオズキだ。


   

昼の光を残しているのか、暗いはずのその一角が薄く赤くボンヤリと見える。
ホオズキは漢字で鬼灯。
その実を提灯に見立てたのだろう。

暗い庭に灯るホオズキの赤い提灯。
疲れ雨に濡れていても息を呑むほどに美しい。
昼の姿と違い、夜の暗闇に一際映える赤が素晴らしい。
今日一日良い事なんか何も無かったけれど、この瞬間は思わず笑っていた。

明日は職場のエライ理事連中と食事に行かなくてはいけない。
きっと美味しい料理も酒も楽しめないだろう。
何万円の食事や酒よりも、僕は一人でホオズキを眺めている時が百倍も幸せだ。
居心地の悪い座敷で曖昧な相槌を打ちながら、早く家へ帰ってホオズキを眺めながら飲むビールを思うだろう。





 

05/9/19 (月)  ずっと畑

穏やかな連休。
天気は良く気温も上がるが、光も影も夏のそれとは違う。
いつまでも往ってしまった夏を思っていても仕方が無い。
秋野菜を育てよう。

日、月と畑以外の事は殆どしていない。
手袋をしていても、鍬を持つ手に血豆ができる。
首筋が太陽に炙られてヒリヒリとする。
でも、自分の好きな事だから苦にならないんだ。

持ち込んだ小さなラジオの交通情報で高速の渋滞何十キロ、なんて聞きながら畑で一人、土を触っているのは小気味いい。
ひたすら耕した畑はフカフカで、そこを素足で歩くと何て気持ちが良いんだろう。
忘れかけていた土の匂いを思い出す。

今度は忘れずに、クールボックスにビールを持ってこよう。  
長芋のツルの作る日陰で飲むビールはきっと美味いだろう。



 

   

東京の畑に一週間前に蒔いた畝二本分の大根は全て発芽。
一回目の間引きをする。
カブも順調。 これは何度かに分けて蒔くため、とりあえず畝半分だけ。
下仁田ネギは冬の鍋用にこれまた順調に太ってきている。

埼玉の畑に植えた白菜にトンネルを掛ける。
ホウレンソウとミズナの播種。
沖縄料理店へ行くたびに必ず食べる「島ラッキョウ」。 生で味噌をつけて食べるのだけれど、これの苗を60本ほど入手。
早速、一畝をこれ用に作り植える。
収穫は来年6月だ。
ゴボウの収穫は今日で終わり。
10本ほどのゴボウを病院まで運び、休日出勤しているMの自転車カゴへ放り込んでくる。

だいぶ陽が短くなったな。
夕方5時。 影が長くなる頃家へ帰る。


   

昼間畑で間引きした大根の芽をさっと茹でて鰹節と醤油。
美味い。
他に、700円で買った痩せたタラバガニ、鮪の赤身。
一日ヘトヘトになるまで体を使って、ビールが美味いなぁ。
その後、安部勘の3年古酒。
まったりと旨みの深い酒.。

Mは先日、富士に行った日から微熱が下がらず喉が痛いと言う。
それでも仕事に、子供の少年野球のお茶当番にと忙しい。
昨日は末っ子君のチームが大事な試合に勝ったとかでグラウンドで泣いてきたらしい。
ずっと体育会系だった彼女らしいな。
ずっと文科系、体を動かしても一人で黙々と走る長距離走の好きだった僕には、その辺は良く解らない世界。
でも、声を枯らして応援するMを想像するだけで嬉しくなる。
ストレスを大声出して解消しておいで。

明日はどんな日になるかな。
忙しい事だけは確かだ。
また、一時間早く出勤しよう。
一日、一日とこなして行けば、また畑で放心できる日がやって来る。
そんな休日が有るから、ササクレた日常も我慢できるんだ。

月の光は青くなり、柿の実は色づき、彼岸花の蕾が赤みを帯びる。
やがて秋彼岸、そして秋分の日。
去年、大好きだった従兄弟が逝ったあの日がまた来る。

 

 

 

 

 


 

 05/9/18 (日)  満月

   

中秋の名月。
コオロギがコロコロと鳴く夜、満月が綺麗に見える。

ただし、ススキに見えるのは庭に植えてあるパンパスグラス。
アルゼンチン原産の巨大ススキだ。

この月の夜には古くから、収穫物を供える習慣が有るそうだ。
お供えと言うわけでは無いけれど、今夜は昼間収穫したゴボウのキンピラを食べながら酒を飲もう。

 


 

05/9/16 (金)  富士で霧にまかれる

晴れと言う天気予報を信じてMと富士山へ遊びにいく。
そして、酷い天気に逃げ帰ってきた。

中央道の調布から乗り都留あたりまでは道も天気も平穏で、良い気分でドライブをしていた。
目的地は富士スカイラインの新五合目。 そこから徒歩で新六合目、そして宝永火口へと向かうつもりなのだ。
宝永火口は江戸時代に富士山が噴火した火口。
「宝永火口」で検索すればきっと行って見たくなる。
それは富士の頂上ではなく六合目付近にあり、巨大な火口が三つも連なる雄大な光景を見ることが出来るのだ。
天気さえ良ければ。

東富士五湖道路の須走。
トンネルを抜けたその瞬間から周囲は真っ白で、100メートルほど前を走る車のテールランプがボンヤリと見えるだけ。
霧だ。 それも特大級の濃霧で、高速を降り富士に登りだすと益々濃くなるばかり。
富士五湖地方は晴れ、と言うFM富士の天気予報を空しく聞きながら、急勾配の富士登山道をフォグランプが照らす
路肩の反射光を頼りに登っていく。

その時は楽観していた。
五合目まで上れば雲海の上に出、晴天になるのではないかと。
やがて五合目。
下界から買ってきたポテトチップスの袋が気圧の関係でパンパンに膨れている。

一時より霧は晴れたものの周囲には雲が巻き、風が強い。
Mの髪の毛の先端は結露した水滴が雫となっている。
寒い。 車の車外温度計は10度で、風が強い分体感はそれよりはるかに低いはずだ。

それでも登山道にはシーズンを過ぎた山とは思えぬほどの人が居て、軽装で登っていく。
僕らはトレッキングシューズとウインドブレーカー。
Mの作ってくれたお弁当とお菓子をザックに詰め、行ける所まで行ってみようと歩き出した。

20分も歩けば、聞こえるのは自分達の足音だけ。
時折ヌッと霧の中から人が現れ、コンニチハと言い合いまた霧の中へ消えていく。
整備された登山道だから迷う心配は無いものの、これが荒れた山だったら間違いなく迷うだろう。
そんな中、真っ白な霧の中を歩く不思議な浮遊感を楽しみながら2時間も歩いた。

   


弁当も霧の中。 
じっとして居ると寒く、体を温めるのは愛用のフラスクに入れたウイスキーだけ。
この頃になってやっと少し晴れた霧の合間から、巨大な火口を見ることが出来た。
これが晴天だったらどれだけ素晴らしいだろう。
きっとまた、ここに来よう。

帰り道、山中湖近くの路はススキの穂に被い尽くされている。
いつの間にか回復した天気。
西日に照らされたススキがとても綺麗だ。

倒した助手席で眠るMにその光景を見せようと手を伸ばす。
頬に触ると、何だか熱いじゃないか。
いつの間にか熱発していたんだ。

僕と違って丈夫なMが熱を出す事は珍しい。
ちょっと思い出せ無いほど珍しい事だ。
ケロッとしている本人と対照になんだか僕は狼狽してしまって、中央道をぶっ飛ばして帰ってくる。
彼女の少ない休みをこんな形で使ってしまった事に少し後悔しながら。



夜はポテトチップスを齧りながらビール。
Mと電話。そしてとても早くに眠った。

 


05/9/15 (木)  秋が来た

   

でっかいスクーターで出勤。
今日は忙しくなる予感がして、いつもより一時間早く家を出る。
が、綺麗な雲。 心地良い風。
一晩あけたら、東京は秋になっていた。
このまま職場へ直行するのが勿体無くて川沿いにスクーターを停め、少し草の上を歩く。

川沿いの風の通り道。
すれ違う人たちは犬を連れ、カメラを持ち、楽器を片手に、または絵筆を持って。
朝のこの時間、出勤を急ぐ人などここには居ない。
皆、自分の時間を楽しんでいるんだ。

ボンヤリと川を見ていると、知らない人がオハヨウと言ってくれたり。
川の溜まりをバシャバシャと長毛種の洋犬が走っていたり。
少し向こうの鉄橋を走り抜ける満員電車と、この心地のいい場所との時間の流れの違いに少し戸惑う。
なんだか仕事に行きたくなくなってしまった。



それでも今日は頑張ったぞ。
今日の僕の働きっぷりを見たら、僕をナマケモノだと思っているヒトは豚に喰われるだろう。
あまりの完璧な仕事っぷりに、昼に奮発して中華屋でラーメン餃子ライスを食べてしまったほどだ。
朝ので出しの良さは夕方まで続き、明るいうちに畑へ行く用事が有った為、17時半に職場を出るまでずっとHiになっていた。

薄暮の畑で先日蒔いた大根とカブの発芽を確認。
播種直後に大雨が降ったため種が流されていないかと心配したが杞憂に終わる。
白菜の苗はやや元気なし。昨日、一昨日の暑さにやられたのだろう。
オクラは収穫最盛期で、毎回食べ切れないほどの量が採れる。
今度の日曜にはホウレンソウとミズナの種も蒔かなくては。

閉店間際のカーディーラーで昨日預けた車を受け取る。
6ヵ月点検。特に異常なし。
預けるとき、確信犯的にミッションの入りが悪いと申告した所、思惑通りにミッションオイルを無償で交換してくれる。
自腹だと5千円ほどの負担になるので有りがたし。

夜は久しぶりにウイスキー。 マッカランの18年だ。
カキピーをツマミながら飲んでいたら、なんだかお腹一杯になってしまった。
キチンとした食事の無いままに、今夜はこのまま眠ってしまってもいいな。

明日は移動性高気圧に覆われて穏やかに晴れる予報。
仕事は休みだし、Mとどこかへ出かけるかもしれない。


          

 


05/9/14 (水)  デジカメ復活

一日の仕事をほぼ終えて、一息つきたくてジュースを買いに職場を出る。
素晴らしい夕焼け。
アスファルトはまだ日中の熱気の余韻を残していて、今日という日が貴重な夏の名残りだった事を思わせる。
一日中、空調の利いた窓の無いシールドルームに篭っていた事を後悔させる夕方の空気。

沈みかける太陽に向かって長大な飛行機雲。
あぁ、修理に出ている手のひらサイズのデジカメ、IXY-Lが有れば写真に撮れたのに。
一眼レフを背負って自転車で通勤するわけにもいかず、この一ヶ月ほどはカメラ無しで行動する事が多くなった。
この夕方の空気感は写真なんかでは絶対に伝わらないけれど、それでもここでシャッターを押せない事がもどかしい。

朝は100均で買ったパン。
昼はカップ焼きそばと職場内の売店で買ったコロッケパン。
仕事はやや上向きか。 それでもまだ、今月中の仕事を出勤日で割って作った自分なりの計画には届かず。
相変わらず雑用多し。


    

帰宅し犬と遊んでいると宅急便が届く。
おぉ、修理のあがったデジカメじゃないか。
立川まで取りに行くはずだったのに、誰が気を利かせてくれたのか発送してくれたんだ。

この前も書いたが、ビックカメラ立川店の対応の良さには驚いた。
修理に出したデジカメの修理経過を連絡してくれ、長引きそうなので代替のデジカメを貸し出してくれると提案し(断った)
挙句、遅くなったからと送料先方持ちで発送までしてくれる。
そして修理金額 3万2千円は購入時に入った長期保障ですべてフォローされた。
素晴らしいじゃないか。
ポイント3万以上貯めている(最近だけでも30万円以上の買い物をしている)上客っぷりに恐れおののいたのだろうか。
こういう事が有ると、小さな買い物でも通ってしまうだろうな。
そしてまた、本来買うはずも無かった商品を衝動買いしてくるんだろう。
衝動買いの癖は未だ治らず。

夜は茄子のカレー。
エビスビール一本と日本酒は美田を2合。
何人かの友達と電話で話しているうちに眠くなってしまった。

明日は忙しくなりそうだ。
牛乳を温めて飲んだら、今夜はもう眠ろう。
月齢10の月明かりがフローリングの床を青く照らす。
静かな良い夜。
 

 


 

05/9/13 (火)  葡萄大好き

葡萄が好きでこの時期は良く食べる。
お酒を飲みながらでも、本を読みながらでも机の上に葡萄を置いて食べている事が多い。
香味も勿論好きだけれど、何よりあの形が良い。
美味しい食べ物は何でも美しいものだけれど、葡萄の完成された形は奇跡のようにも思う。

   

以前住んでいた古い家に有った葡萄棚を懐かしんで、3メートル×5メートルの棚を作って、デラ、巨峰、マスカットベリーAの三本を植えた。
今年、小さな苗だった他の二本は実らなかったけれど、デラは15房ほど収穫をする事が出来た。
暑い夏のお陰か、とても甘みが強い。
甥や姪とも分けて、あっという間に食べてしまった。
きっと、来年は巨峰も、マスカットベリーA も収穫できるだろう。
葡萄棚の作る優しい木陰で子犬のブラッシングなんかしているとき、この棚を作って本当に正解だったなと感じる。


良い天気の夏日。
忙しい一日。
昼にカップラーメンを食べた以外はずっと動き回っていた。
良くエアコンの利いている部屋だけれど、仕事で着る白衣が鬱陶しく肘まで腕まくり。
昨日調子の悪かった測定器は、メーカーからの代替機で復活しやっと本来のペースに戻る事ができた。
バリバリと山積みの仕事を片づけていく気持ち良さ。

疲れて職場を出、自転車で帰る。
今日、ずっと頭に有ったのは良く冷えた美味しい葡萄の事。
家の葡萄などとっくに食べてしまっているから、今日は買って帰ろうか。
スーパーいなげや。そこの果物コーナーでしばし品定めだ。
今日は甲斐路にしよう。

   

高いなぁ、と思いながら一房600円の甲斐路を買う。
独特の香り。 皮と実が分離しにくいから皮ごと食べちゃう。
美味そうだなぁ、たまんないよなぁ、と自転車を漕ぎながらカゴの葡萄に手を伸ばし一粒、また一粒と食べていく。
家までの30分。 写真に写っている裏側のほぼ全面を食べてしまった。

ここ数日急に秋の虫が鳴くようになる。
夜、開けた窓のカーテン越しに虫の声を聞きながら酒を飲むのは良いものだ。
過ぎる時間の早さに戸惑いながら、真夏の日焼けの火照りをまだ感じながら、今年もまた秋が来た。
去年の秋は嫌な事が多かったっけ。
今年はどんな秋を過ごすのだろう。

 

 

 

 

 


 

05/9/12 (月)

抜けるような青空。
おそらく、この夏最後の輝きのような一日。
朝、職場へ自転車を漕ぎながら道よりもむしろ空を見る。
遠く、南西の方向に丹沢の山々がくっきりと見える。
気持ちのいい朝。

しかし、低調な日。
機器の不調や段取り不足で全くやる気の起きない日。
それに加え、全く身に覚えの無い誹謗まで喰らい、不愉快やら落ち込むやら。
朝食は無し。昼に仕出しのイカフライ弁当(不味し)。
おやつにはミルクティーを飲んだ。

   

とっとと退勤し、またギーコギーコと自転車を漕ぎ家に帰る。
何故かとても疲れていて、30分の通勤路の途中でしばし休む。
後は特に何もなし。
夕飯は作る気力も無くインスタントの沖縄そば。
これにはやはり、沖縄の超辛調味料、コーレーグスが欠かせない。
この、島唐辛子を泡盛に漬けた調味料は万能で、刺身や炒め物などにも重宝する。
酒は美田の純米吟醸を二合飲んだ。

無気力な一日がまた終わる。
今夜は早くに寝るつもり。


 

05/9/11 (日)  たねまき

   

薄曇。 やや風が強く、しかし蒸し暑い。
朝も早くから畑へ立つ。

先週軽く耕し、石灰をまいておいた畑に鍬を入れ、秋野菜の種をまき白菜の苗を植える。
薄い雲のお陰で直射日光は当たらないものの湿度が高く、少し動いただけで汗が出る。
埼玉と東京と、二箇所の畑を5時間掛けて耕し終わったときにはもうフラフラだ。
盛夏の頃に比べ、無理が出来てしまうだけ気をつけないと熱中症になりやすい。

それでも頑張った甲斐あって、今日するべき畑作業は午前のうちに終わる。
特に大根は沢山まいたので、今年はタクワンも漬けてみよう。

午後遅く、少年野球のお茶当番から帰ったMを迎えに行く。
疲れた顔。 髪が伸びたせいか、また痩せたように見える。
余り時間が無いとの事で買い物の後、目の前の中華屋で一緒に醤油ラーメンをすすり帰ってきた。

夜、「いとかわ」の映像を見て鳥肌が立つ。
二年数ヶ月を掛けて、糸川英夫の名をつけた小惑星へ飛び、サンプルを地球へ持ち帰るなんて、何て素晴らしい事だろう。
三億キロ離れた、たった直径500メートルの小惑星を想像したら、昔読んだ星の王子様の挿絵を思い出した。






 

05/9/9 (金)  汁ビーフン

眠い一日。
気温27度、さわさわと風の吹く穏やかな日。
ダラダラと職場に居ただけで、少しの進展も無く家へ帰る。
随分日が短くなったな。
自転車を漕ぎながら全身で秋の気配を感じる。
黄色い女郎花の花が、荒れた駐車場の隅で咲いている。



10月に絶対に出たいお酒の会がある。
その場でしか飲めない秘蔵の酒や、自分のお金では絶対に飲まないだろう高価な酒。
蔵元の人の話も聞きたいし、いつも利き酒会で一緒になる知り合いにも会いたい。
でも、会場は都心のホテル。 それも土曜日の夜だ。

どこへ行くにも車を使う。
運転が好きだからという事もあるけれど、もう一つの理由は電車に乗れないからだ。
もう二年前になるけれど、人身事故でラッシュの電車に閉じ込められ体調を崩しパニックを起こしてから
電車に乗る事ができない。
いや、空いている電車なら何とかなるだろうが、週末に都心へ電車で行く事は今の僕には難しい。
不安神経症という以前の自分なら到底考えられない病名を付けられてから、随分と僕の生活は変わってしまった。
薬を使わずに生活していても、こういう事がある度に思い知らされ酷く落ち込む。
いつまでも電車に乗らずに生活する訳にも行かないだろう。
少しづつ慣らさなければ。
それは解っているのだけれど、週末の混んだ電車で都心へ出る。 これを思っただけで動悸がする。

あぁもうウンザリだ。
そう思いながら欠席の連絡をする。
本当に、もうウンザリだ。
自転車で行ける吉祥寺の利き酒会には行きますから。



   


夕飯はCOOKPADのピックアップレシピに出ていた汁ビーフンを少し自分好みにアレンジして作ったみた。
チキンスープに大目の酢とラー油、醤油、ナンプラー、レモングラス、ゴマを入れたすっぱ辛いスープ。
モヤシと鶏肉、シイタケ、たけのこ、きくらげ、さっと茹でたモロヘイヤ、中華街で買った缶詰めの貝柱。 そして固ゆでしたビーフン。
サッパリして美味し。

夜、Mから電話が掛かるも酷く疲れているようで殆ど話す事が出来ず。
仕事が忙しいのは解るけれど、まるで燃え尽きているようで心配だ。
どうにかして少しでも助けたいと思ってはいるのだけど、なかなか上手く出来ない。
せめて今度会ったときにまた腰を揉んでやろう。

夜はまた遅くまで本を読んだ。

 


 

05/9/8 (木)  肉じゃが

台風一過。
気温33度。 ジリジリと痛いほどの日差し。
台風の風で散った百日紅の花が庭一面に広がっている。

仕事中、立川のビックカメラから電話が来る。
修理に出しているデジカメ、IXY-Lの修理に手間取り、まだ暫く時間がかかるとの事。
写真に小さな黒点が入る不具合なのだけど、CCDにゴミでも付いたのかと思ったが基盤交換が
必要なほど重症だったらしい。
デジカメはもう1台、NIKONの一眼レフを持っている。
それでも、あの小さなデジカメが無いと、お店で食べるラーメンや居酒屋の光景などを撮る時に困るな。
だって、ラーメン屋のカウンターで大きな一眼レフを取り出す訳にいかないじゃないか。

それにしても、ビックカメラの対応はとても良いと思う。
まだ修理に時間がかかると連絡をくれ、しかも代替カメラを貸してくれると言うのだ。
代車は普通だけれど、代カメと言うのは聞いたことが無い。
その提案は断ったけれど、やはりこういう事があると次もこのお店で、と思う。
修理費も購入時に入ったビックカメラオリジナルの長期保障でフォローされるし。


   

夕方、いつもの地酒屋さんで素晴らしい冷やおろしの酒を買う。
自転車に空気の補充、池の濾過機の修理、犬のさくらのお風呂。
夜は肉じゃがを作った。



 



05/9/7 (水)  本牧で映画

低く黒い雲が千切れ飛んでいく。
重く湿気を含んだ南風。 
底をついた四国のダムを満水にする程の雨を降らせた台風が日本海に沿って北上中。
台風から遠く離れた東京に吹く突風の強さに、この台風の勢力を垣間見る。



   

野菜を色々作ってみてそれなりに美味しいものを作る自信はあるけれど、スイカの味だけはプロに遠く及ばない。
それでも、大きなスイカがゴロゴロと出来る様子が楽しくて毎年植えている。
今年は畑ではなく自宅に。
それも家の外周フェンスに蔓を這わせてみた。

緑のスイカがフェンスになっている光景は見るだけで笑ってしまう。
道行く人も珍しそうに見ていく。
中にはこっそりと実を持っていってしまう人も居て数個のスイカを失ったけれど、それもまぁ良いか。
あと10日ほどで収穫。
鉛筆ほどの苗を植えて、水の管理から蔓の誘引から花粉の受粉、そしてもうすぐ来る収穫。
味はプロにかなわなくたって、作物を育てる楽しさを充分に味わった。
来年はスイカに並べてメロンも作ってみようか。


時折、大粒の雨が叩きつける第三京浜を走って横浜・本牧まで映画を見に行く。
隣には早朝から職場に呼び出され、一仕事終えてきたM。
オービスやら覆面やらをやり過ごし、アクセルをグイグイと踏んでいたら予定より遥か早くに着いてしまった。
風雨は一段と強まり、濃厚な海の匂い。
マックで買い物、本牧埠頭で荒れる海を見ながらお茶を飲む。
赤錆だらけの巨大な貨物船までもがゆったりと揺れている。

映画は日本公開にあたり70分もカットされたという事で細切れの印象あり。
それでも、あの小さな女性の偉大さには心底感動した。
インドか。 出来れば一度行ってみたいな。

映画が終わり、腹がへったな。
映画館から横浜中華街まではすぐ。そこにあり風雨を避けて食べ歩きの出来るココへ行く。
目当ての店は三階、上海人家で、ここの激辛麻婆豆腐を食べる。
美味い。 そして辛さにひどくむせる。
他に上海蟹の味噌とえび入りスープ餃子、ネギそば、エビチリや杏仁豆腐など。
色々な店の料理を気軽に食べられるのが良い。
ちょっとした舞台で楽器の演奏なども見られて楽しいのだけれど、換気が悪いのかいつも熱気が篭っていて
長く居る気がしないのが難点か。

また第三京浜から多摩堤通りで二子多摩川を抜け狛江に出て帰る。
天気は急速に回復し、刷毛で書いたようなすじ雲が空を覆う。
風はいぜんとして強し。

多忙なMは夕方からまた仕事だ。
ふと見ると素晴らしい夕焼け。
三日月と、横で光っているのは金星か。
刻々と変わる夕焼けの情景をMと見たかったけれど、時間の無い彼女は職場の建物へ走って消えていった。
仕方が無い。 駐車場に車を停めたままで暫くその場にしゃがみ込んでいた。

夜は冷や奴。
お酒は山口の銘酒・獺祭を2合ほど。
少し疲れてベッドでゴロゴロしていたら、そのまま眠ってしまった。




 

 


 

05/9/6 (火)

台風14号から流れこむ湿気を含んだ空気。
時折パラパラと大粒の雨。
気温は高く無いものの、職場まで自転車を漕いで汗ビッショリになる。

朝食は無し。
昼にコンビニのおでん(大根と厚揚げ)と梅のおにぎり。
久しぶりに食べるコンビニのおでんがとても美味しく感じる。
おやつは時間無し。

午後に会議が四つ。
ずっと会議室に篭る。
この頃大人しくしていたけれど、久しぶりに上層の無知無能に切れ、そして吼えた。
結局、嫌な思いをするのは自分で、会議の間に「フリスク」をボリボリと一箱喰らう。
こんな時は禁煙した事を後悔する。
もう8年も吸っていないのに。 

とても嫌な気分で会議室を出、自室で椅子を蹴飛ばし冷蔵庫から出したガリガリ君をガリガリと齧る。
その後、仕事をする気力無し。




   

夕方、疲れ果て胃のムカつきに耐えかねて定時でサッサと職場を出る。
帰りにスーパーで刺身盛り合わせを買い、帰宅後「さくら」を風呂に入れてから海鮮丼を作る。
酒は最高の吟醸・山口の獺祭を怒りに任せて開ける事にしよう。

今夜はきっと遅くまで飲みながらテレビの台風情報を見ていると思う。

 


 

05/9/4 (日)  夏野菜おしまい

やや二日酔いの日曜日。
昨夜熟睡する事が出来ず、寝不足と酒呆けの頭を抱えてベッドを出る。

    

気温31度。
低い雲。 湿度が高い。
午後から天気下り坂の予報を見、午前の早いうちから畑へ出る。
秋野菜の播種を控え、畑をあけなくてはいけないからだ。
秋茄子を期待できるナスの苗以外、トマトもキュウリもシシトウも全て抜く。
トマトは最後の収穫。
4種作った今年のトマトは、どれも素晴らしい出来だった。
写真はアイコという楕円小玉の品種。

丹精した苗を抜くのは寂しいもので、それが夏の終わりを予感させるものなら尚の事だ。
トンボが飛び、コオロギの声のする畑で夏野菜を抜いているとなんだか鼻の奥がツンとしてくる。
また来年、真っ赤な素晴らしいトマトを沢山作ろう。
今年は良い夏だった。

深く耕し石灰を入れて畑を整地する。
ちょっとだけ中休みをして、また秋の野菜たちをここに蒔くのだ。



昼に幼馴染とラーメン。
その後、園芸屋へ行き菜花、ほうれん草、大根、ソラマメ、カブの種と白菜の苗10株を買う。
自分の部屋に置く観葉植物と肥料、新しいシャベルも購入。
真っ黒な雲が迫るのを見ながら帰宅した。

   

夕飯は畑から抜いてきたゴボウで唐辛子を利かせたキンピラ。
同じく畑のモロヘイヤをマグロ赤身とあえた物。
トマトサラダにナス焼き。
瓶の底に少しずつ残っている酒をみな空けてしまった。

夜、この世の終わりのような雨が降る。
窓のシャッターを閉めてもウルサイほどの雨の音。
外を見ると、街頭の灯りが白く煙っている。
やがて地響きを伴うほどの雷鳴。
犬のさくらがキャンと鳴く。
雷サージ対策のタップを使っているとは言え、近所に落雷でもしたらひとたまりも無いだろう。
コンセントとモジュラーケーブルを抜いて久しぶりにコンピュータの無い夜を過ごす。
お陰でまた本の世界に没頭する事が出来た。

台風と前線の影響で明日から暫く雨の予報。
やがて秋の長雨の季節がやってくる。



 

05/9/3 (土) 肉豆腐を煮る

   

 

晴れ。
湿度は低く気持ちの良い日。
しかし、天気は下り坂。

仕事帰りにダイエーで買い物。
暑いのに肉豆腐など煮込んでみる。
酒は奈良の白滴。
今夜は酒のペースが速い。

体調が悪いわけでも無いのに、なんとなく元気なし。
風呂上り、鏡に写った自分の顔を見て歳をとったなと溜息をつく。

古いCDなど引っ張り出して聞いてみる。
中森明菜「DESIRE」 
自分で買ったものじゃない。
当時仲の良かった誰かのCDなのだろう。 
もう、20年近く前のものじゃ無いか。
1986年。 ハレー彗星が回帰し、チャレンジャー号が爆発し、チェルノブイリで大惨事が起きた年だ。
なんて遠い昔だろう。
あの年の春、僕は前年初秋から続く長い入院に飽き飽きし病棟を抜け出して強制退院になりかけていた。

開けた窓からコオロギの声。
少し風が出てきたか。
熟睡できれば明日も元気に畑に立てるだろう。
ぐっすり眠る事さえ出来れば。



 



05/9/2 (金)  鶏頭

夏の最後の名残りのような暑さ。
それでも盛夏の頃に比べ、その凶暴さは無い。
木陰に居ると吹き抜けて行く風が気持ち良い。

   

庭の隅でケイトウが咲く。
陽に照らされて余りに鮮やかなこの花を見ると、その色を自分の狂う兆しとみた岡本かの子の歌を思い出す。
大人になってから、学生時代に暗記した歌を思い出す事が多い。
あの頃の教科書を捨てずに取って置けばよかったか。 
もう一度読んだら、きっと面白いだろう。






バイクでM宅へ行く。
以前、Mのマンションで来客用駐車スペースに車を停めてトラブってから車で行く気がしない。
6月にプレゼントしたVAIOのメンテ。 ソフトの設定やアップデートなど。
子供達も随分とこのノートパソコンを使っているようで、Yahooの検索履歴は子供達が興味を持ちそうな言葉で埋まっている。
これも以前プレゼントしたデジカメを「新しいハードウエア」に登録。
管理者アカウントをパスワード保護しているので、そんな些細な事でも僕が出向く必要があるんだ。

昼に最近急速に増殖し、M宅から徒歩圏内にも出来たラーメンチェーン「幸楽苑」へ行ってみる。
僕の食べたものは魚系の苦味が出ていたり、チャーシューに独特の匂いが有ったりするものの、値段の割にはマトモなラーメン。
駐車場が広く車で行くには良いかもしれない。

宮脇書店で季刊誌「野菜畑」、スーパーいなげやでお菓子を買う。
その後、Mは一時職場へ。 僕はM宅で末っ子君と留守番だ。
Mが帰り次第、末っ子君を病院へ連れて行くためだ。

5月の30日にマンションの二、三階の間から転落し、一時は集中治療室へ入った末っ子君。
今日の診察で完治と見なされ放免となった。
3時間待って1分の診察だったけれど、あの時の事を思えばナンでも無い。
だって、目の前で夜はタマゴチャーハンが良いと笑うこの子は、あの転落事故で死んでしまってもおかしく無かったのだから。
あとは定期的に脳波をとるだけで、今のところ後遺症も無く両腕の骨折も綺麗についた。
安心して、何か気が抜けてしう。
野球グラウンドで見つけたモグラの話をするこの子の坊主頭をグリグリと触ってしまった。


夜はまた「きぬかつぎ」
他に秋刀魚塩焼きとガンモドキを生姜醤油で。
ビール一本、大阪の春鹿を2合。

珍しく夜は早くに寝た。




 

05/9/1 (木) 衣被ぎ

9月。

朝、遠くの救急車の音で目が覚めたのが4時少し前だったか。
明るくなる直前の、一日で最も暗く静かな時間。
窓越しに見た東の低空に明るい星が二つ。
それが冬の星座、オリオンのベテルギウスとリゲルである事に気付く。
その上には赤いアルデバラン、そして青白い昴。
あぁ、明けの空は秋を通り越してもう冬になっている。
やがて数ヵ月すれば地上にもやってくる冬の厳しさを思い、少しだけ気落ちする。
容赦なく季節が巡る。


自転車で出勤。
雲は多いものの晴れた一日。
やや湿度が高く急いで自転車を漕ぐと汗がにじむ。

朝にコンビニのサラダパン。
昼はチキンカツの仕出し弁当。
月初めの割には平穏な一日。
おやつに軽井沢土産の山葵煎餅を食べる余裕も有る。

今日から職場に入職した9人の方々が僕の部屋に挨拶に見える。
その人たちの若い事。
緊張しているさまが手に取るように解り、それがまた微笑ましかったり。
僕にもあんな時が有ったのだけど、それは遥か100万光年の彼方だ。
夢も希望も捨てたわけじゃ無いけれど、なんとなく体力気力の衰えも感じるこの頃。
何とかしてもっと元気にならなくっちゃと焦ってはいるのだけれど。

暗くなった畑でトマトの収穫。
本屋で文庫を数冊。
酒屋でビールを20本。
ツタヤでCDを物色。

   

夜は大好物の「きぬかつぎ」
茹でた里芋の小芋を温かいうちに醤油を付けて食べる。
ツルン、ねっとりとした食感と若い芋の香り。
醤油にほんの少しだけ砂糖を溶かして食べるのが好きだ。

他に鮪中落ちと茄子のシギ焼き。
酒は大阪の春鹿・純米吟醸。

風が出てきたのか、軒に吊るした風鈴がチンと鳴る。
そして今夜は近所の犬たちが良く鳴いている。