都心散歩2017年02月15日

都心にて仕事と私用を少し。
思いがけずそれらが早くに終わり、さてどうしようかと思案する。
穏やかな気持ちのいい晴れの日。
たまには散歩でもしようかと、車を置いて歩き出す。

とても久しぶりに新宿御苑に入ってみる。
新宿駅からすぐとは思えない広大な庭園だ。
もともと皇室御料地だったものが、戦後一般解放された場所。
昭和天皇の大喪の礼が行われた場所でもある。


温室や庭園も良いけれど、その背景になるビル群も好きだ。
普段はなんとも思わない高層ビルが、とても素敵に見える。
芝生のベンチが心地よく、しばらくボケーっと座った。
透明度の高い空が爽快だ。


池の辺にある御涼亭。
昭和天皇ご成婚記念に台湾在住日本人から贈られたもの。
大正末期の建物で内部も公開されているけれど、少し痛みが進んでいるように思えた。
高校時代、授業をサボってここに来たことがある。
あの頃はもう少し綺麗だったと思い出していたら、それはもう30年以上も前の事だった。


梅林にメジロが来て蜜を吸っていた。
梅とか水仙とか、園内はもう春の香り。

さて、これからどうしよう。
腰痛対策も兼ね、もう少し歩いてみようか。
慶応大学病院の脇から南下してJRを渡り、外苑に出る。
よく外苑と言うけれど、正式には明治神宮外苑。
明治天皇を奉る神宮で内苑、外苑があるうちの外苑だ。
一帯には神宮球場、ラグビー場、国立競技場なんかがある。
東京オリンピックに向けて工事が進んでいて、景観が大きく変わりつつある場所。


そんな中にあって、この絵画館は変わらない。
美術館としても一流だけれど、青山通りからこの絵画館へと続く銀杏並木も素晴らしい。
紅葉の季節になるたび行きたくなる場所だ。


その外苑に隣接するのが赤坂御用地。
敷地沿いに歩いて明治記念館、東宮御所正門、鮫が橋門と見て学習院の角を曲がる。
すると見えてくるのが迎賓館。
前庭くらい入れるだろうと期待したけれど、今日は閉館日。
その巨大な門は閉じていた。


そしてこれが明治末期に作られた迎賓館本館。
国賓を迎える日本の建築物として、このバロック調の佇まいはどうなのかなとも思う。
でも当時の日本では、やっぱりこういうものが欲しかったんだろう。
事前に申し込みすれば見学できるのではなかったかな。
機会があったら是非見てみたい。

どうせここまで来たのだからと、三宅坂から内堀通りに出て皇居沿いに歩く。
この近くには、19歳の頃のバイク事故で半年以上入院していた病院がある。
上半身への受傷だったので、入院後半は退屈していつも散歩した道だ。
あの頃を思い出しながら歩く。

最高裁判所、半蔵門、イギリス大使館、千鳥ヶ淵から北の丸へ抜けて九段。
実に良く歩いたし、これだけ歩いて腰痛が出なかったのが嬉しい。
そしてこの辺は緑が多く、街がとても綺麗だ。
人混みも渋滞も嫌いだけれど、こんな散歩も良いものだなと思った。
今度は上野辺りを歩いてみたい。
山歩きも良いけれど、街歩きも楽しいや。