梅干し2016年06月20日



2年ぶりの梅仕事。
数年前、僕の家を建てるため梅の大木を切り倒してしまった。
だから今では予約して梅を買うのだ。
素晴らしい芳香を放つ完熟南高梅。

楊枝を使ってヘタを取ろう。
梅に傷を付けないように、慎重に。
その後、度数の高い甲類焼酎を霧吹きに入れ、梅の表面に吹き付ける。
消毒と、塩が良く馴染むようにするためだ。

塩は15パーセントにした。
昔のしょっぱい梅干で20パーセント程度。 
最近の減塩ブームで塩分量は減らす傾向にある。
でも13パーセントより低いとカビが出やすいので注意。

樽に漬物仕込み用のビニール袋を入れ、塩をまぶしながら梅を詰めてゆく。
梅と同量から倍程度の消毒した重石を置き、重石ごとビニール袋で包み密閉。
数日で梅酢が上がる。
この梅酢が上がるまでの間にカビが出やすいので要注意。
梅が隠れるまで梅酢が上がったら、アクを抜いた赤シソを乗せよう。
時折、カビの発生をチェックしながら梅雨明けまで安置。

梅雨が明けたら土用干しだ。
梅酢から梅を取り出し、大きなザルに並べて干す。
色々なやり方が有るけれど、僕は直射日光にはあてず陰干しだ。
雨が降らない限り、夜も取り込まない。
赤シソも一緒に干そう。 これを粉にしたのがユカリだ。

三日間干して、梅干しが出来上がる。
乾いたまま保存しても良いし、梅酢に戻しても良い。
僕は乾いた梅干を広口瓶に入れ、上からオタマ数杯分の梅酢を掛ける。
残った梅酢は漉して料理に使う。 
冷奴なんかにかけると抜群に美味い。

梅干しはすぐに食べても良いけれど、暫く寝かせると俄然と美味くなる。
床下にでも置いて、暫くの間は存在を忘れてしまおう。
来年の今頃にはきっと、熟成した美味いものになっている。

実家には10数年以上も前からの梅干しが保存されているはずだ。
それはきっと、素晴らしく美味いだろう。
母が漬けたもの、父が漬けたもの、もしかしたら祖母が漬けたものも。
今はもう居なくなってしまった家族が漬けた、そんな梅干しが寝ているだろう。
床下点検口から懐中電灯で照らさないと見えないベタ基礎の上。
普段は邪魔だからと、僕がそこに仕舞いこんだんだ。
それはきっとこの先も、誰にも知られずそこにある。
ずっとずっと眠り続けるんだろう。


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