新しい年が来た2013年01月02日

夜勤が明けたら僕の家に来てグッスリ休む予定だったM。
ところが昼になっても現れない。
午後になって届いたメールには、そのまま連続勤務になってます、と。

病み上がりの人が、徹夜勤務の後に休まず日勤をこなす職場なのだ。
深い深いため息が出る。
東京の最高気温は16度。
街は正月のお祭り騒ぎ。

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埼玉に借りている畑の契約が終わった。
5年間耕した畑を綺麗に馴らし、地主へ返却するのだ。
この5年の間、自宅からの往復25キロを何度通ったろうか。
いざこの場を去ろうとしても、次の日曜日もまたここに来てしまう気がする。
大切な場所を無くして、喪失感にも近い感情が湧いてきた。

またどこかに必ず畑を借りよう。
どうしても僕には必要な場所なのだ。

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三日間の休暇が終わろうとしている。
また、日常が始まるのだ。
でも僕はその日常の中にいるほうが心地よい。
それはきっと、Mや自分の職場で今も働く人たちに罪悪感に近いものを感じるからだ。
まあ当事者には余計なお世話だろうが。

あけましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いいたします。


帰った2013年01月05日



4日から泊まりに来ていたMの娘を寮まで送り、誰もいない自宅へと帰ってきた。
火の気の無い室内の寒さと、キッチンに溜まった洗い物と、空になった酒瓶と。
英才教育が利いたのかすっかり酒飲みになった娘と、昨夜は痛飲したのだ。

圧力鍋で煮込んだモツ煮、「角上」の寿司、実家から持ってきたローストビーフ。
以前はワインを好んで飲んだ娘が、いつの間にかウイスキーを舐めるようになった。
なんだか、すっかりオトナになったように見える。
それは素振りだけじゃない。 仕事で荒れた痛々しい手を見ても解る。
もうお年玉を要らないと言う一人前の社会人なのだ。

多忙を極める中こうしてやって来てくれるけれど、それも何時まで続くやら。
あの頃まだ幼児だった娘も、今ではもう23歳なのだ。
彼でも出来たらこんなオッサンの家へなど寄り付かなくなるだろう。
寂しいけれど、それもまた良し。

年末年始に沸き立っていた世間も、その祭りの残滓を僅かに残し落ち着きを取り戻してきた。
僕もまた、寒い季節を淡々と過ごす日々に戻るのだ。
1月5日小寒の日、最高気温はたったの5度。
それでも東京の昼時間は9時間51分で、冬至の頃より6分長くなったようだ。


カメラの修理が出来たこと2013年01月07日

クリスマス直前に買ったデジタル一眼のNikon D7000。
多忙を理由に放置していたのだけれど、年が明けてようやく本格稼動し500枚ほど撮ってみた。
操作は9年間使ってきたD70と大差ないから違和感は無い。
新しく学んだのはフォーカスポイントの使い分けやライブビューなど僅かなものだ。

さて、問題は今まで使ってきたD70をどうするかだ。
このままではドライボックスの肥やしになるのは解りきっている。
Mが欲しいと言ったが、そもそもカメラを買い換えたのはコイツに時折出るCFカード周りのエラーのせいで撮影不能になる事があるからだ。
そのエラーさえ出なければ、まだ暫くは使えるのだが。


という訳で分解してみた。
調べてみるとそのエラーはこの機種特有のモノで、自分で治したという記事も見つけたからだ。
矢印部分の接触不良がモンダイで、ソケットに薄型ケーブルを押し付けてからスポンジで固定。 そのスポンジを押しつぶすように筐体を組み直して修理は完了。
なんだ、そんな簡単な事だったのか。

難しいのはネジをナメずに分解する事くらいで、修理自体は一瞬で終わる。
その後100枚ほど撮ってみたけれどエラーは再発せず機嫌よく動いている。
総レリーズはまだ1万程度だしバッテリーのスペアもある。
18-70のニッコールとSIGMAの28-200を付けて嫁に出すことにしよう。

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画素数の違う二台の比較に意味が有るか知らないけれど、なるべく同条件で撮り比べてみた。
D7000の高感度の良さを見比べたかったからだ。
上が今までのD70のISO1600で撮ったもの。 下が新しいD7000のISO12800で撮ったものだ。
ブログサイズでは比較しようも無いが、PC画面等倍で見てもこの二枚に大きな差がないと思う。

今までだったらISO640ほどでザラツキが目立ったのに、D7000なら大事な写真でも1600、普段使いなら3200、ブレる位なら多少のノイズも覚悟と言うなら12800も使えるかもしれない。
さすがに最高感度の25600は荒いけれど、あの時コイツが有ったならと薄暗い会場で行われたMの娘の卒業式を思い出した。
その写真の殆どがブレていたからだ。



走っていない2013年01月08日

朝5時の気温は0度。
平年並みの寒さだけれど、ここ数日の冷え込みに慣れた体には暖かな朝にすら感じる。
今朝は庭の水道から水も出た。
冷え込んだ朝は水道も凍りつき、朝の散歩から帰ったワンコに水を飲ます事が出来ないのだ。

東京の日の出は6時51分、日没は16時44分。
出勤時も帰宅時も日が出ていないから、勤務が続くと自宅の明るい情景を見る事が出来ない。
でも明日はようやく休み。 庭の畑のホウレン草を収穫しなければ。

仕事は今週になってようやく加速が付き始めた。
早くいつものペースに戻したい。

昼食は緑のたぬき。
午後はずっと会議。

年末年始で乱れた生活もまた、いつものペースに戻したいのだ。
すなわち、平日は休肝日。 そして10キロのジョギング。
でも、正月用に買った酒もまだまだ有るし、帰宅後の寒い屋外へ走り出す気力も無い。
そんな言い訳を自分にしながら、怠惰に酒を呑む日が続いている。
呑まなければ、そして走ればそれだけで気分が良くなるのは解っているのに。



レ・ミゼラブル2013年01月10日

もう大昔。
19の時にバイクで大きな事故を起こし、7ヶ月間の入院生活をする事となる。
自分の引き起こしたその事態は進路にも生活にも大きな軌道修正を要するもので、ただ単独事故だった事だけが不幸中の幸いだった。
気持ちの整理がつかないまま突然始まった寝たきりの入院生活。
当初は起き上がる事も寝返りも出来ず、日々の食事すら苦痛だった。

数度の手術を経ても粉砕した関節は元には戻らず、医師は障害が残ると言った。
左肘は動かないだろう。掌は上を向かないだろう。筋力も弱いままだろうと。
勉強以前に自分で自分を壊してしまい、もう希望の職になど就けないだろう。
漠然と技術者になりたいなどと思いながらも勉強もぜず、予備校生と称してフラフラしていた自分の怠惰なそれまでを呪った。

そんな時、幼馴染の妹が何度も見舞いに来てくれていた。
彼女は都心の私立中学へ通っており、皇居近くのその病院は学校の帰り道に有ったんだ。
備え付けのテレビなど煩いだけで、でも誰かと話すのも億劫でいつも呆然としていた。
そんな僕にある時買って来てくれた本が、岩波だったかの「レ・ミゼラブル」。
子供の頃、教会の日曜学校で読んだ事のある本だった。

残酷なほど時間だけは余っており、その長編を入院中に何度も何度も読み返した。
今の自分は世界で一番哀れなのだ、など滑稽な事を思っていた僕はその世界にのめり込んだ。
あの時ほど本を読んで心を動かされた経験は無い。
僕はそれを読んで、神は本当に居るのではないか、とも思ったのだ。

その入院生活で自分の新しい進路を見つける事になるのだから事の良否など解らないものだ。
ただ今でもあの時の事を思い出すと、上手く説明できない感情が湧き上がって来る。
この先もずっと上手く説明できないままだろうと思う。

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昨夜、Mと待ち合わせて映画「レ・ミゼラブル」を見た。
ミュージカル映画だから、それが合わない人にはきっと評価されないと思う。
でも僕にとってこの映画は、いつまでも忘れないものになると思う。
昨夜は隣にMが居たから泣かなかった。
だから、今度は一人で見に行こうと思う。



ホットウイスキー2013年01月11日

22時、しんと冷えた暗い家へ帰る。
微熱と喉の痛みを感じながら朝7時から働いて、疲れて寒くて空腹だ。
夕飯は冷凍パスタとマスタードを山盛りつけたフランクフルトでプレミアムモルツを2本。
食べている間に風呂に湯を張る。

洗濯中の23時過ぎ、今仕事から帰ったとMより着電。 
彼女もまた、数日前からの風邪を引きずりキツイ1日だったよう。
急いで家事をしてから急いで眠り、また急いで出勤するのだろう。

24時、洗濯物を干し、メールに目を通し、Amazonで幾つかの買い物をする。
職場で荷物を受け取るようになってから、Amazon依存は益々加速。
本屋で好みの文庫を漁る事が少なくなってから、すっかり流行の本しか読まなくなってしまった。


1時。
ようやく全ての雑事から開放される。
冬には欠かせない、砂糖少しとシナモンスティックを入れたホットウイスキー。
いつものFMを聞いて、今夜は本を読まずに寝るつもり。
4時間半眠ったら、また出勤。



獺祭2013年01月12日

自転車で出勤しようとベッドを出たけれど、朝5時半の野外はマイナス2度。
あっけなく尻尾を巻いて車で出勤。
一年のうちで一番寒い時期だ。 もう少しだけ自分に車通勤を許してやろう。

仕事はそれなり。
昼過ぎ、少し気分を変えたくて公園に停めた車の中でコンビニ弁当を食べた。
しかしその後ウッカリ眠りこんでしまい、慌てて職場へ帰る。
なんだかこの頃いつも眠い。
そのくせ夜は熟睡感無く、疲れているのに朝までに何度も目が覚めるのだ。

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14日は沿岸を通過する低気圧が爆弾化し、瞬間最大風速30m超の北風。
上空の気温によっては東京でも雪の可能性大、との事。
Mの長男の成人式だけれど、まあオトコだからそれでも何とかなるだろう。
着物の女子は大変だろうな。

それにしてもオトコの成人式って、やっぱり地味だ。
娘の時のような、あのハレの日の華やかさがないもの。
本人も面倒だけど式にだけ顔を出して、そのままバイトに行くなんて言っているし。
僕のときは式にすら出なかったから、それに比べればまだ良いのだけれど。

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海老。
カリッと焼いて、殻ごとバリバリ食べる。
出汁巻き卵も焼いたし、鯛の刺身は切ったし、白菜の漬物もある。
酒は獺祭・純米大吟醸寒造早槽しぼりたて生。 
最高の酒だ。



昨日の雪と今夜の肴2013年01月15日



昨日、東京に初雪。
それも、この地方としては大雪と言っても良い降り方だ。
Mの長男を成人式会場まで送る事になっていた僕は冷や汗をかきながら運転をした。
この程度の雪でも電車は止まるはバスは来ないわで、会場付近は自家用車で大混雑だ。
無事に任務を終えた時にはもうグッタリの様相だった。

それにしても成人式か。
会場の彼らを見ていてその若さが羨ましい反面、もう一度ハタチからやり直せと言われても何だか面倒だな、なんて思う。
別に今に満足している訳でも、早く年寄りになりたい訳でも無いけれど。

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15日の朝は凍結の恐怖と共に明けた。
朝5時の気温は2度。 
夜明けにはまだ遠い静かな街を、カリカリとタイヤが凍結路を走る音だけが響く。 
普段の倍の時間を掛け、車で出勤。
スタッドレスだろうが四駆だろうが、滑るときは滑るのだ。

仕事はそれなり。
もう今月も半分過ぎたのだし、いい加減いつものペースに戻さなければ。
仕事上の今年の抱負は「過ぎない」事。
頑張り過ぎない、口出し過ぎない、期待し過ぎない、手出し過ぎない、そして聞き過ぎない。
なんだか自室が他部署の愚痴吐き場と化していて、聞きたくも無い話を聞きすぎてしまうのだ。

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そろそろまた平日は休肝日にしようなど思っているのに、つい夕飯が酒の肴になってしまう。
刺身は魚屋さんで買ったカンパチ、本マグロすき身、あぶりタコ。
酒が好きだった祖母を思いながら呑む。
今日は12回目の命日だからだ。




吉祥寺を散歩した2013年01月16日




数日前は自分の誕生日で、なんとなく自転車で吉祥寺へ出た。
でも、焼き鳥の「いせや」は改築中だし馴染みだった開花屋もアルハンブラもとうに無い。
ハモニカ横丁はすでに知っている場所ではなく、かつての近鉄裏も明るい通りになってしまった。
吉祥寺は大好きな街だけれど、もう自分に居場所は無いのかもしれない。
大昔の学生時代を過ごしたそこは今、現代の学生達の場所なのだ。

それでも良い街には違いない。
ただ歩いていても、新宿や渋谷とはちがう空気が確かにある。
文化なのか風俗なのか、この街に特有のそれが有るうちは出掛ける価値があるんだ。

寿司屋でちょっと飲んで、自転車を押して散歩をした。
井の頭公園の近くで、十代の終わりに通ったオトナのホテルがまだ健在なのを眺めたりもした。
苦学生だった友人が住んでいた風呂無しアパートは白亜のマンションになった。
バイトをしていた建築模型事務所のビルには、なんと吉祥寺大勝軒が入っている。
溜まり場だったボガは場所すら忘れてしまった。

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巨大なカメラ屋で、レンズを一本衝動買いして帰宅。
こんなやつ
とても小さな標準焦点のマクロレンズで、これだけを付けたカメラを持って出掛けるのも楽しそう。
ほとんどレンズに触れてしまう程まで寄れるし、遠景もキリッと撮れる。
ワンコの鼻頭など撮って遊ぶにも良し。



寒くてなにも出来ない2013年01月18日



大寒までもう少し。
日陰ではまだ先日の雪が溶けることなく、氷の結晶を見せている。
一番寒い季節だから仕方がないとは言え、その厳しさに心身ともに萎縮してしまう。
朝6時に家を出たときの気温は0度。 
昼過ぎ、職場の売店へ買い物に出たら中庭の温度計は5度。
三ヶ月予報では今年の冬は暖かいと言っていたのに、それを信じ安堵した自分が愚かだった。

寒いと何も出来ず、色々な事を先送りしてしまう。
特に個人的な雑事は全て春まで待ちの状態だ。
今はただ身をすくめ、冬が緩むのを待つのみ。
自転車通勤も夜のジョギングも、もう少しだけお休みしよう。

しかし地上の寒さをよそに、天上ではすでに冬のピークを越えている。
東京の日没は一時期より30分近くも遅くなっているし、日の出も早い時間へと転じてきた。
そして太陽の南中高度も再び高くなり始めたのだ。
もう少しの辛抱。

仕事は特記事項なし。
流行っていたノロはほぼ収束。
今年はインフルエンザの発生が少なく、その点だけは有り難い。