2009/22009年02月28日


 


 

09/2/28 (土) ゆずりはの詩

   



夜の間に雨は止み、車の周りは一面の落椿。
食用に植えた菜花も今が満開。
湿気を含んだ初春の空気に、梅香が漂う。

月末、土曜日、某所の健診。
忙しくなる要素が幾つも重なった1日。
何も考える暇なく、あっと言う間に時間だけが過ぎていく。
気付けば夕方。
昼食の事など全く忘れていた。


家の門の脇にある、樹齢100年のユズリハの樹が枯れようとしている。
80年前、この地に祖父が家を建てたとき門柱の代わりに植えた樹だ。

近所の軍需施設を狙った空襲に耐え、まだ子供だった父の彫刻刀遊びの標的になり、僕達の樹上基地を支えた大木。
子供の頃から常にそこに有り、見上げていた樹が枯れようとしているのは寂しい。
樹と共に、宝物のような自分の過去も失う気がするんだ。

倒木を避けるため、やがて切り倒さなければならないだろう。
出来ればそれは僕の手でやりたい。
思い入れの有る樹の伐採を、業者に任せたくない。

国語の教科書に出ていた「ゆずりはの詩
こんな詩を読むと、逝ったオヤジを思い出し泣いてしまいそうだ。

 

 


 

09/2/27 (金) 大腸ファイバー検査を受けた

    

昼前から降り出した雪は、夕方雨に変わった、
最高気温は2度。
凍えるような1日。

懸案だった大腸ファイバー検査が終わる。
結果、いくつかの憩室が見つかった以外は異常なし。
安堵する。

先週は上部内視鏡検査。 今日は下部内視鏡検査。
一週間のうちに二度もの内視鏡検査を受ければもう充分だ。
この頃の消化器系の不調は、ストレスによるものと結論付けよう。

それにしても、下部消化管内視鏡検査はもう当分ごめんだ。
検査前に2リットル(!)の下剤を飲むのも苦痛だし、腸内に空気を入れられるのもキツイ。

検査後、暫く休むようにとの指示を守らず銀行巡り。
父名義の銀行口座の解約を目論むも上手くいかず。
こんな事では消化器症状など治まるはずは無い。

 


 

09/2/26 (木)  おからで燗酒

二・二六事件の日。
祖母から聞く当時の話しは臨場感ありワクワクしたな。
1901年に生まれ100歳で逝った祖母は、太平洋戦争も満州事変も、
関東大震災や第一次世界大戦すら昨日の事のように語ったものだ。

霧のような雨の降る木曜日。
朝の気温は7度。
まだ風邪は全快しない。

出勤し着替えもしないうちに今日1日がどんな日になるか予想が付いた。
起動を拒否している他部署のPCを見てくれと懇願されたからだ。
まだ新しいPCで油断していたのか、バックアップを取っていなかったと言う。
そんな事知らんわ、と切り捨てる訳にも行かず試行錯誤。

HDDは動いているようだ。
とりあえずドキュメントだけでも救ってくれと言われ、渋々作業。
パーツ屋まで出掛け安物の外付けBOXを買い、HDDを取り出し、USBで繋いで中を見る。

こんな事をして居るうちに昼。
貴重な月末の時間が溜息と共に昇華してゆく。

昼食は緑のたぬき。
小麦の値段が下がるというニュースを見たけれど、カップ麺も値下がりするだろうか。
僕の生活の中で、カップ麺の値段は重要関心事項だ。

午後、相変わらずの霧雨。
そして、気温が下がり始めた。
もしかしたら明日、名残りの雪が見られるかもしれない。


   

夜、あまり食欲無し。
昨夜炊いた「おから」で燗酒を呑んだ。
おからは大好物だけれど目を離したすきに焦がしてしまい、上層の無事だった場所を採取したものだ。

明日は腸の検査。
今夜は程々にして寝なければ。





09/2/25 (水)  いいちこ

小雨の朝。
出勤時の気温は5度。
ワイパーを軋ませながら、チョロQで出勤。

仕事は相変わらずだけれど、昼前後にポカンと時間空く。
なんだか久しぶりにゆっくりと仕出し弁当の昼食。
食後にお茶を飲み、更に新聞までめくる余裕の昼休み。
昼に1時間の休憩を取るなんて、とても贅沢をした気分だ。

気の早い菜種梅雨なのか、東京は連日の春雨。
強い陽光が待ち遠しいけれど、今は待つ時か。
冬もいよいよ尽きようとしている。
もうすぐ春。

体調不良もあり、この頃色々なことから逃避している。
なんだか弱っている気がするんだ。
もう少しだけ、このまま流されていたい。
全てを片付けて春を迎えたいと思うけれど、今はまだ気力が湧いてこないんだ。

でも、来週は税理士事務所へ数度の予約を入れてある。
来週といえばもう3月。
それを足掛かりに、また頑張れるかもしれない。


   

あんなに嫌ったこの焼酎を、何だか好きになってきた。
オヤジがこの世に残した数本を飲み切ってしまった後も、お店でこの瓶を見るたびに買ってしまう。
お湯割り、ロック、ストレート。
日本酒の後の仕上げに、毎晩少しずつ飲んでいる。

共に飲みたい時には父は無し。

 



09/2/23 (月)  海苔の炊き込みご飯

長い夢の果ての朝。
眠りと覚醒の間でふと沈丁花の香りを感じたのは気のせいか。
空気清浄機の発する微かな気配と犬の寝息、朝刊を配るスーパーカブの音。
寝汗をシャワーで流しても新しい一週間に立ち向う勇気の出ない、物憂い朝。

冷たい雨降る月曜日。
頭痛と発熱、倦怠感。
鏡の中に充血した自分の目を見て、更にウンザリとする。
辛い1日。

昼食の代わりに温かいココア。
午後、風邪薬の影響か機器の前で少し居眠り。



   

帰宅後、空腹を感じた。
しめしめ、食欲が出てくれば風邪なんてへっちゃらだ。
さっそく先日頂いた海苔で炊き込みご飯を作った。
クックパッドのレシピ通り、塩と顆粒だしで味付けして炊くだけ。
美味し。

明日は仕事休み。
風邪薬を飲んでM宅でゴロゴロする予定。




 

09/2/22 (日)  また風邪をひいた

   

午前、チョロQ号に耕運機と堆肥120キロを積み込み、畑行き。
地下足袋、作業服、頭にタオル。
穏やかな南風、柔らかな日差し、唄を歌いたくなる。

午後、ファルコン号に書類鞄を積んで都心の不動産屋。
革靴、ネクタイ、メタルの眼鏡。
空調の利きすぎた熱い部屋、不味いコーヒー、不愉快な会話。

高層ビルの応接室で、ずっと畑の事を思っていた。
時間が無くて、最後まで耕しきれなかったからだ。
土を耕しフカフカにする楽しさを知っているだろうか。
その土が、とても良い香りがすることを知っているだろうか。
書類を前に抵当権の説明をする担当者に、そんな事を聞いてみたくなった。

そしたまた、体調を崩して帰宅。
頭痛と熱感。 少し喉も痛い。 食事をするのも億劫だ。
もう、燗酒をあおって寝てしまおうか。

 



09/2/21 (土)  内視鏡検査を受けた

憂鬱な朝。
上部消化管内視鏡検査を受ける日だからだ。
毎年の事だけれど気が重い。
うな垂れて、自転車にて吉祥寺。

嘔吐反射の強い僕にとっては、歯医者ですら苦行だ。
口の中に何かを入れられるだけでウェとなってしまうんだ。
その僕が内視鏡検査を決意するほど、この頃の僕の胃痛は酷かった。

結果はいつも通り。
爛れた胃の写真を前に、ストレスと胃粘膜の関係について有り難い講釈を聞かされることになる。
でも仕方ないじゃないか。
ストレスから逃げられない時もあるんだ。

大量の薬を貰い帰宅。

昼食は自宅にてレトルトの粥。
別に具合が悪いわけじゃなく、ただ粥が好きなだけだ。
でも、これを食べるとまるで病人になった気持ちになってくる。


午後、Mの娘と買い物へ行った。
パールのイヤリングを付けた彼女は大人びて見える。
そんな急いで大人にならなくても良いよ。

数件の店を周り、最後のスーパーで何やら得体の知れない食材を大量に買い込む。
塩の入っていないバター? 何とかパウダー? 何とかチョコ?
明日、ケーキだかクッキーだかを焼き、月曜日に学校へ持っていくのだという。

バレンタインの友チョコ?のお返しなのだという。
病院実習に没頭していたこの子は、ここ3週間ばかり寝る時間も無いほど多忙だったんだ。
やっと、お返しを作る余裕が出来たんだな。

毎日12時間を病院と学校での実習にあて、帰宅後大量のレポートを深夜まで書く過酷な日常を見ていて、
看護婦への道を勧めた事がこの子にとって負担になっているのではないかと恐れていた。
でも、その生活をとても楽しんでいるのだという事を本人から聞いて、僕は心底嬉しくなり目を細めてしまう。
そうだ。 学生時代って、辛くてもそれを楽しみながら何でも吸収する事が出来るんだ。
それがどんなにキツくても、皆と一緒なら出来てしまうんだよな。

看護学生の君達とは随分違うけれど、僕も学生時代はやはり一生懸命だったよ。
何日も泊り込みで電子顕微鏡に張り付いたあの頃の事を、まるで昨日の頃の事の様に思い出す。


   

夕飯は友達が送ってくれた四万十川の海苔。
それを使った玉子焼きと酢の物を肴に燗酒を呑んだ。
特に、海苔の酢の物は初めて食べたな。
荒れた胃袋に染み入るような優しい味。
ありがとう。 大切に頂きます。

明日は早朝から畑で耕運機かけ。
でも、長居は出来ない。
午後はまた都心の銀行と不動産屋で溜息の出る作業だ。

 



09/2/20 (金) 胃が痛い

朝から氷雨。
膨らみ始めたソラマメの蕾も、また固く閉じてしまうだろう。
もうさっさと春になってしまえば良いのに。
冬の頑張りなど、僕はちっとも嬉しくない。

どうも今月は忙しいと思ったら2月だったのか。
子供の頃は1ヵ月の小遣いを28日間で使って良いなどと喜んだけれど、
今はただ仕事の1日量が多くなるだけの月。
今日も1日走り回る。

インフルエンザはまだ猛威を振るっている。
もう少しだけ頑張れば。
早く気温と湿度が上がるのを願いながら、今日も数件の陽性を見る。

昼食はコンビニの納豆巻きと味噌汁。
午後はずっとPCの前。



胃が痛い。
5ヵ月前、父の危篤から葬儀の頃に数回吐血したけれど、また出血しているのかもしれない。
持病の出血性胃炎は悪くなるばかりだ。
これは、色々な面倒事が解決するまでは我慢するしかないのかも知れない。
でも、いったい何時になったら解決するのか。

仕方ない。
また、内視鏡の苦痛に耐えて、胃袋を検査してもらおう。
今はまだ原因を取り除く事は出来ないけれど、対症療法的に対策を講じてもらうんだ。
それにしても、何度やってもあの検査には慣れる事が出来ない。



   

夕方起きたトラブルの対処に終われ、疲れて帰宅。
明日の朝一からの内視鏡検査に備えて、今夜はもう何も食べることが出来ない。
久しぶりに酒も呑まずに眠ってしまおう。

幼馴染がくれたバスルーム用のポスター。
銭湯画家の作品だそうだ。
赤富士を見ながらドップリと湯に浸かるのは、毎晩のちょっとした楽しみだ。
湯で胃を温めて、明日の検査に備えよう。


 

 


 

09/2/18 (水)  家計簿をつける

厳しく冷え込んだ朝。
出勤時の気温は-1度。

砂埃と花粉で汚れ疲れた様子のチョロQ号で出勤。
コイツ、ちょっとバッテリーが弱ってきてるな。
冷えた朝の始動音が心細い。
まだ買って1年半なのだけれど、少し容量の大きなバッテリーに替えた方が良いかもしれない。

朝早くからトラブルばかり。
溜息やら愚痴やら罵声やらを吐きながら走り回る。
その上、花粉症の影響か頭が痛い。
頭痛がイライラを更に加速させる。

そんな時、携帯に税理士から着電。
夕方、事務所への出頭を命じられる。
またあの部屋で重い時間を過ごさなければならないのか。
こんな調子では、胃炎が良くなるはずもない。


   

昼に仕出し弁当。
部屋まで配達されるのは助かるけれど、肉や揚げ物が多いのが難点だ。
でも、美味し。



夜、税理士事務所から疲れて帰宅。
そして、酒を呑みながら自分自身の経済状態を整理して見る。
それは先日、税理士に出された宿題だ。

固定支出と変動支出をエクセルに入れ、簡単な家計簿を作りながらウンザリとする。
収入が少ないのか、出費が多いのか。 
その両方なのだろうけれど、こんな状態でこれから来るだろう事態を乗り切れるのか。

自分の生活をもう一度組み立て直さなければならない。
外呑みを含め、一ヶ月の酒代が5万円とかあり得んだろう。

 



 

09/2/17 (火) 鎌倉ドライブ

   

早春の1日、Mと2人でドライブをした。

甲州街道、八王子バイパス、129号線。 相模川を越えれば、段々と山影が濃くなりはじめる。
厚木、平塚、134号線。 ここで目の前一杯に広がる相模湾の風景がたまらなく好きだ。

その慢性的な渋滞すらも愛しい134号線は学生時代の思い出の道。
茅ヶ崎、江ノ島、江ノ電・鎌倉高校前。 ここでは道路沿いの海を見ながらゆっくり走ろう。

稲村ヶ崎で左に折れて長谷寺、大仏、豊島屋の鳩サブレ。 それは祖母も父も大好きだったお菓子だ。
鶴岡八幡宮、建長寺、杉本寺。 坂東三十三箇所巡りの一番札所でご朱印を頂く。 僕はまた新しい札所巡りを始めてしまった。

逗子、葉山、三崎口。 広大な畑では三浦大根が直売されている。
油壷、三崎港、城ヶ島。 海沿いを散歩し、猫と遊び、マグロづくし定食を食べた。
三浦縦貫道、横横道路、第三京浜。 高速に乗ってしまえば現実世界まではひとっ飛び。

非日常な時間は素晴らしい。
仕事の話も、僕が抱えている問題も、そんなツマラナイ話は全くしない。
12時間、250キロを楽しんだ。

そして、オイルとプラグを変えたばかりのファルコン号は絶好調。
はやりこの車は最高だ。
「ハレ」の日には、こんな車が良く似合う。



09/2/16 (月) バイクで出勤した

暖かな朝。
酒の肴になる事を免れた菜花が黄色の花を見せ始める。

このまま春になってしまえば良いものを、また真冬の冷え込みが帰ってくるらしい。
寒暖の差の激しい春先特有の気候に、この時期はいつも体調が悪い。
こんな時ばかりは、自分が喘息もちだという事を強く自覚する。

冬眠していたバイクのセルを押すと一発でエンジン始動した事に気を良くし、そのまま出勤。
しかし、全身に濃厚な花粉を浴び、クシャミを連発。
ヘルメットを脱ぐ事も出来ず、水っ鼻を垂らしながら出勤だ。

いつもにも増して雑事多し。
誰よりも早く出勤し、邪魔の入る前にある程度の作業に没頭するしかない。
本来の出勤時間よりずっと早い時間に出るようになって随分と経つ。

いっそ、勤務時間を変更しようか。
定時という概念の希薄な職場だけれど、2時間ほど勤務時間を前にずらせば仕事の少ない日に
大手を振って早い時間に帰宅する事も出来るだろう。



   

午後、監査対策の作業。
作らなければならない書類が多く、気付けば夕暮れ。
冷たい北風の影響で、急速に気温が下がり始める。
PCがフリーズしたところで退勤。

明日は仕事休み。
久しぶりにMと出掛ける事が出来るかもしれない。
早い春を見つけにドライブしようか。
釣りにでも行こうか。
美味しいモノを食べに行こうか。
それとも部屋に篭ろうか。
Mと一緒なら、どこへ行っても楽しいだろう。


夜、酒を呑みながら税理士に出された宿題をする。

あと1ヶ月。 3月下旬を目処に、色々な事を決めなければならない。
日々強まる有形無形の圧力に胃痛が止まらない。
その意思や努力を他に発揮してくれたら、アイツも根本から違う生活が出来るはずなのに。

歩み寄れるもの、譲歩するもの 守りたいもの。
そんなものを紙に書き出してみても、譲歩するものばかりが増えていく。
僕はもう、どうでも良くなってしまって居るのかもしれない。
最後には守りたいものは一つだけしか残らないだろう。

 



09/2/14 (土)  練りウニで酒を呑む

昨日東京に春一番を吹かせた低気圧は、発達しながら日本海を抜けた。
それは台風並みの突風と共に南からの暖気を運び、生暖かい夜気が春そのものを思わせる。

朝5時前に出勤した時の気温は何と18度。
夜明け前の空を雲が千切れ飛ぶのを見ながら、上空の乱流を想像する。


土曜日。
来週末は私用で休みを取っているので前倒しの作業が多い。
その為の早朝出勤だけれど、夜勤の人達と挨拶を交わしながら暗いうちから働いた。
この職場は24時間、いつも誰かが走り回っている。

数日前からの顕微鏡の不調は治らない。代替機を準備してもらい、修理に出す事にしよう。
行方不明になった白衣も戻らない。クリーニング業者が紛失したようだ。
使い始めたばかりなのに劣化の激しい仕事用PHSのバッテリーも手配しなければ。
相変わらず仕事を邪魔する雑事が多い。

昼はラーメン屋まで出張。
美味し。

午後もずっと現場作業。


   

夜、良い酒が手に入り晩酌の準備。
ところが今夜準備した食材は麻婆豆腐用の物で、とても日本酒の肴向きじゃない。
こんな時は瓶の練りウニ。
これと豆腐さえあれば、僕は一升でも酒が呑めるんだ。

明日は畑に行けるだろうか。
前回の日曜は終日新宿、先日の祝日は風邪に臥していたので、久しぶりにゆっくり畑で過ごしたい。


 


09/2/13 (金)  色々に腹を立てる

5時に起きた時の気温は3度。
空一面の雲。 しかし、雨の気配は無し。
東京の日の出は6時半。
冬至の頃に比べて、昼時間は1時間以上も長くなっている。
気のせいか、桜並木に少し生気がかえって来た気がする。

仕事はいつものペースを取り戻してきた。
相変わらず余裕無く、いつも何かを試されている気がする。
昼食は出勤途中に買っておいたオニギリとワカメスープ。

午後、エアコンの点検が入り僕の居る建物全ての空調が止まる。
寒さなど我慢できるけれど、シールドルームには当然窓が無く空調が止まると息苦しくなるんだ。
そんな作業、休日にやってくれないか。
仕事を邪魔されて不機嫌になる。

どうもこの頃、すぐに機嫌を悪くするクセが付いてしまった。
自分に余裕が無いのが原因なのは解っているけれど。
エアコンの件で腹を立て、
和真で作ったばかりのメガネレンズに傷を付けては腹を立て、
顕微鏡酔いして腹を立て、
シュレッダーが詰まっては腹を立て、
オマケにこんなニュースに腹を立てる→ ドラクエⅨ発売延期のお知らせ

腹を立てていたらまた腹痛が始まってしまった。



   

今夜の晩酌は、「平成二十一年二月四日」
毎年立春の日に酒蔵で神官によるお払いの後搾られる、おめでたい酒。
肴は黒カレイの刺身、焼き海苔、煮奴。

明日は超早出。
まだ深夜と言っても良い時間から走り回っていると思う。




09/2/12 (木)  昔は兄と仲が良かった

出勤時の気温は1度。
昨夜の雨が車を真っ白に凍らせている。
熱と倦怠を引きずって出勤。

風邪はまだ回復しない。
しかし、突然休んだ報いで仕事は山積だ。
内線電話と機器のアラーム音に急かされて、気弱になり冷や汗をかく。

昼食は腹痛の悪化を恐れてとらず。
午後もずっと自室に篭り、目の前の仕事と格闘した。
こんな時、助手となる人が居てくれたらどんなに助かるだろう。
無いものねだりをしても仕方無いけれど、この職場の労働力は薄すぎる。



   

病み上がりにて、早くに帰宅。
2日半ほど真っ当な食事をしていないので、さすがに腹が減ってきたな。
トウガンを煮、ガンモを焼き、お粥を炊いてワンコと食べた。

トウガンは夏の野菜だけれど、冬まで保存がきく事から冬瓜と書くらしい。
これも夏に僕の畑から採れたもの。
カツオ出汁で煮ると、笑ってしまうほどに美味しい。


夜、兄とまた今後の事を話しあい。
基本的な部分から全く意見は合わず。
何だか他人と話しているような気さえする。
僕も自分の主張が全て正しいと思っている訳ではないけれど、なぜここまで考え方が違うのか。

少し腹をたてて自分の場所に戻った。
そしてネットを徘徊し、いつも拝見している方の日記にラジオ・オーストラリアの記載を見つけた。
ああ、懐かしいWaltzing Matilda

あの頃、大ブームだったBCLという趣味に、やはり兄もはまっていた。
5歳年上の兄が手に入れたSONYの短波ラジオは、僕にとって羨ましさを通り越して宝物のように見えたんだ。
そのラジオから雑音混じりに聞こえてくるラジオ・オーストラリア。
遥か遠くの国の音が聞こえるだけで僕は興奮し、放送中に流れるワライカワセミの声やWaltzing Matildaという曲を兄と真似して遊んだんだ。

あの頃、僕らは仲の良い兄弟だった。
なぜ、こんな事になってしまったんだろう。





09/2/11 (水) まだ回復せず

   

朝、熱は少し下がったか。
でもまた夜になると上がるかもしれない。
腹痛は変わらず。
いい加減、消耗してきた。

ベッドでゴロゴロしていると、窓から庭の金柑の木が見える。
小さな実が可愛いな。
その香りを思っていたら、甘露煮が食べたくなってしまった。
即席で作った金柑の甘露煮は砂糖のしみ込みは今一だけれど、やっぱり美味しいや。
喉にとても優しい味。

夜、やはりまた少し熱上がる。
Mからスープとリンゴジュースの差し入れ有り。
温めた酒を少し呑んだのは秘密にしよう。

明日はどうしても仕事休めず。
辛い1日になりそう。



09/2/10 (火) 熱と腹痛

昨夜から発熱。
深夜、会議用レポートを作りながら熱を計れば38度。
結局、今日は仕事を休み苦労したレポートは役に立たず。

インフルエンザかと自分で検査してみたけれど結果はマイナス。
腹痛が酷いので、よく言う「胃腸にくる風邪」ってやつだろう。

それにしても具合の悪い時に1人で臥せっているのは不安なものだ。
ワンコは居るけれど、この子がコンビニへ行ってスポーツドリンクを買ってきてくれるでも無し。
失われた水分と電解質を補うために、塩を舐めながら酒でも飲もうかしら。

 


09/2/9 (月)  トコブシを煮た

雲の厚い月曜日。
出勤時の気温は0度。
寒い朝。

昨日の強風に吹き飛ばされたのか、杉花粉が舞い始めたようだ。
今年もまた、アレに苦しむ季節がやってきた。
でもそれは、確実に春がそこまでやって来ている証拠でもある。

機器が不調になったり、イレギュラーが出たり、あちこちへと走り回ったり。
そんな、いつも通りの1日。
明日の会議用資料は作りきれず持ち帰り。
自宅の方が、誰にも邪魔されず良いレポートを作る事が出来る。

昼はカップ麺。
飽きたな。
普通に考えれば職員食堂で昼食をとる方が良いのかもしれない。
格安でバランスの取れた食事が提供されているのだから。
でも、あの混雑する食堂で食事をする事を思うと気が滅入る。
自室でカップ麺の気楽さは、僕にとっては大きなものだ。

午後、大きな仕事を一つ。
夕方、事務長と密談。


      

仕事帰りに寄ったヨーカドーで、トコブシを見つけた。
僕が子供の頃は、今ほど漁業権が厳しくなかったのかな?
母の実家へ遊びに行くたび、海に潜ってトコブシやシッタカ、運が良ければサザエなんかを採ったものだ。
バケツに入れて持ち帰るとオバアちゃんが喜ぶのが嬉しくて、岩場で擦りむきながらも一生懸命採ったっけ。

甘辛の濃い味で煮る事が多かったけれど、カレーの中に入っていた事もあったな。
サザエやトコブシ入りのカレーなんて、考えて見れば贅沢なものだ。

今夜は醤油、酒、みりんでサッと煮てみた。
懐かしい味と香り。
あの海は、今も澄んでいるだろうか。

 


09/2/8 (日) 新宿にて

   

風の日。
終日、都心にて相続関係の作業。
この街は嫌いだ。
長く居ると息が詰まる。

クラクラするほどの駐車料金を払い、甲州街道を一目散に帰宅。
明日はまた、月曜日。

 


 

09/2/6 (金)  今の状況に愚痴がでる

北風は強いけれど、よく晴れた1日。
陽射しに少しだけ力強さが感じられるようになってきた。
もう少しすれば、懐かしい沈丁花の香りも漂うだろう。

仕事は変わりなし。
昼食はカップ麺。
相変わらず雑用多し。


今、僕が住んでいる家が出来たのは約6年前。
多世帯住宅として作ったその家には、僕も少なからぬ資金を投下した。
その家を出る事になるかもしれない事情に納得など出来る筈も無いけれど、どう考えても僕が引くしかない気がする。
相続関係の恥をここに書く気は無いけれど、今回の騒動には怒りを通り越し哀れみすら感じる。

たった6年住んだだけの、終の棲家になるはずだった家。
大切にしてきたその家を渡すのは悔しい。
植えた果樹、作った葡萄棚、掘った池、張った芝生、掛けた巣箱、沢山のスイレン鉢、犬の運動場・・
休日の度に少しずつ手を入れてきた庭。
まあ、まだ渡すと決まった話ではないのだけれど。

先日尋ねた不動産屋から電話が入る。
自分の居所を他に見つけないといけない状況になった時に備え、分譲マンションの相談をしたからだ。
売れ残りのマンションだから、値引きもあるし良い話しかもしれない。
ただ、どうしても僕の気持ちが乗らない。
マンションの良さは解っているけれど、野人の様な育ち方をしてきた僕には、どうしても地面が必要だ。
土をいじっていないと落ち着かないから。
高層マンションに住んだら、僕はきっと変調してしまう。

いっそまた家を建てようかと言う衝動を感じる。
でも、実家関係での借金や保証人も被っている僕に、融資をしてくれる銀行など有るだろうか。
そして、返済することができるだろうか。
無理だろうな。

色々な事を決めるまで、あと数ヶ月。



   

疲れて帰って、夕飯を作る気力なし。
味噌で握ったオニギリをレンジで焼いて酒の肴にした。
焦げた味噌って美味い。

酒は今夜も枯山水。
明日は早いから、呑み過ぎないように気をつけないと。

 


 

09/2/5 (木) ギャートルズのお肉

雲の低い灰色の朝。
出勤時の気温は4度。
昨夜は考え事をしていて朝方になってようやく入眠。
おかげで寝坊をし、自宅を出たのは8時を過ぎてからだった。

相変わらずインフルエンザ関係の作業多し。
気温と湿度が上がりだす今月下旬頃まで踏ん張りれば、今年のピークも終わるだろう。
なんとか大流行にならないまま終息して欲しい。

昼は職場近所の定食屋まで歩いて行き、焼き魚定食。
美味し。
午後は他部署と共同で研修作業。


昨日、「はやぶさ」がイオンエンジンの再点火に成功した。
あまり報道されないけれど僕はこの探査機が大好きで、打ち上げからずっと挙動を追っていたんだ。
イオンエンジンを使った惑星間飛行も、月以外の天体に離着陸したもの世界初。
このプロジェクトは小惑星に着陸しサンプルを採取後また地球へ帰ると言う壮大なもので、
某科学雑誌の世界で最も興味深い計画ベスト20に入った事もある。

小惑星着陸時に満身創痍になり一時は通信すら途絶え、
3億キロかなたの極寒の宇宙を慣性飛行していた日本の探査機のエンジンが再始動し地球へと飛行を始めた。
不況だ派遣切りだと連呼するばかりじゃなく、こんな楽しいニュースを何故もっと伝えないのか解らない。
こんなニュースを聞いた子供達はきっと、こんな仕事をしてみたいと言う夢を持つに違いないのに。


   

夕飯には好物のラムを焼いた。
こういう形状を見ると、「ギャートルズのお肉」を思い出してしまう。

 


09/2/4 (水)  マンマ・ミーア!を観た

立春。
しかし、空気の冷たさが春まだ遠い事を知らせる。
東京の最高気温は8度。

Mの下の子の受験対策をしてから、彼女と2人で出かけた。
この頃ストレスが溜まるばかりで、何か発散したい気分だったんだ。
で、今話題の映画「マンマ・ミーア!」を見に行った。

これが大当たり。
劇団四季のミュージカル版も観たけれど、映画版もやっぱり凄く楽しい。
僕らの年代の人なら誰もが知ってるヒット曲が流れれば、踊り出したくなる気持ちを抑えるのに精一杯。
平均年齢の高い(40歳以上か?)観客層の人たちが、みんな楽しそうに笑っていたのが印象的だった。
僕らも幸せな気分になって映画館を出た。

午後、不動産屋巡り。
相続の行方次第では、今住んでいる家を出なければならないかも知れないからだ。
家にも丹精した庭にも深い愛着が有るので、引越しなどと言う事にならなければ良いのだけれど。
人の気持ちばっかりは仕方が無い。
協議が上手くいかなければ、僕が引こうと思う。


   

夕方。
Mを送り届けて自宅へ帰り、晩酌の準備。
昨日蒔き残した節分の豆を、朝から水に漬けておいたんだ。
それを味醂で伸ばした味噌、フキノトウ、ゴマで炒り煮にしたものは僕の好物だ。
他に、いつもの地酒屋で貰った吟醸酒粕と味噌に3日間漬けた鮭を焼き、練りウニを出し、豆腐を切った。
酒は今夜も枯山水の燗。
暦の上では春でも、まだまだ燗酒が美味い。



 


09/2/3 (火) 遺産分割協議

   

うすく煙ったような空。
これも浅間山から流れてきた火山灰の影響か。
最高気温は13度。
フキノトウが次々と顔をのぞかせる。
空気にも柔らかさが出てきた。

それもそのはず、今日は節分だ。
節分は「季節を分ける」の意味だから、冬は今日まで。
明日はもう立春だ。
僕にとって、今年の冬は辛く厳しいものだった。
だから、春の気配を見つけるとホッとするんだ。



いつもより遅い時間に出勤し、何となくボンヤリしながら仕事。
頭痛と熱感があり、また風邪をひいたのかもしれない。
この頃の運動不足が、体力を衰えさせているんだろう。
運動したい気持ちは強く有るのだけれど、目の前に山積しているモンダイを片付ける事を優先してしまう。

昼にコンビニの焼きうどん。
信じ難いほど脂っこく、食後また暫く苦しんだ。
もう少し生活に余裕が出来たら、職場に弁当を持参する事も考えてみようかな。
でも、夕飯は酒の肴しか作らないから、残り物を詰める僕の弁当は練りウニとか焼き海苔とか刺身とかになってしまうだろう。

夜、遺産分割協議。
兄弟間でも、その考えの違いに超えられない障壁を感じる。
僕はただ、母に家を残したいだけなのに。
どうすれば良いのか、途方に暮れてしまう。
もう全てが面倒だ。

明日は休み。
Mの下の子の第一志望校の受験日だ。



 

09/2/2 (月)  山椿の花が落ちはじめる

北風の冷たい朝。
その風に乗って、東京に火山灰が降る。
夏にMと行った軽井沢から見上げたあの山を思う。

日の出の時間が少しずつ早くなってきている事が、出勤途中の光景から解る。
昨日は自宅でフキノトウを見つけた。
祖母の好きだったマンサクも満開だ。
春まで、もう少し。

月初めの月曜日。
今日もまた忙しい。
走り回っているうちに、あっという間に時間が過ぎる。
昼食は食べる時間が無かったのだけれど、午後看護婦さんが焼き餅を差し入れてくれた。

税理士との約束有り、定時に退勤。
子供時代から親しんだ吉祥寺の街は、税理士事務所へ通うようになって、そのネオンも色あせて見える。
ビルを出るときはいつも溜息。
でも、いつまでも逃げている訳には行かない。
父の納骨が終わったら一気に片付けてしまおうと思っていたんだ。
その結果がどうなるにしろ、早く決着を付けたい。


   

夜、帰宅し車から降りると駐車場に山椿の花がいくつか落ちていた。
かつて祖母が住んでいた家の跡地に立つ木。
毎年、色に乏しい冬の時期に真っ赤な花を見せてくれるこの木は、戦争中からあった大木だ。
僕はこの木が好きで、子供時代はいつも花の蜜を吸って遊んだものだ。

もしかしたらこの椿も、そして柿も、夏蜜柑も、百日紅も、山椒も切る事になるかもしれない。
この家は、誰かが逝くたびに木を切り、狭く息苦しくなってゆく。
やりきれない思いだ。