2008/32008年03月30日


 


08/3/31 (月)  雨降り

   

冷たい雨の朝。
前線を伴った低気圧が南岸を抜けてゆくからだ。
出勤時の気温は6度。
風は北風。
花散らしの雨になるのか。

NHK朝のニュースの顔ぶれが変わっていたり、いつも聞いているFM東京の番組が最終回だったり。
引越しのトラックがアチコチに停まっていたり、道路工事が多かったり。
世間はすっかり年度末。
僕は何も変わらず黙々と仕事。
変わらないのは良い事なのか、悪い事なのか。

それでも職場内には少し変化があった。
かなり脱力するような人事もあり、文句も言わず働いているのが馬鹿らしくなるような気分。
怒る気も萎えた午前。
色々な事が面倒になる。

昼はコンビ二のパスタ。
オヤツにうまい棒(テリヤキバーガー味)
午後はずっと新人研修用資料作り。



かなり頑張ったせいで、今月もなんとか終わる。
そうだ、今月も僕なりに頑張った。

17時。
立場上、出席せざるを得ない飲み会を強行キャンセル。
何となくイジケた気分で定時に職場を出た。

文教堂で数冊の文庫、Jマートで睡蓮鉢、オートバックスで耕運機用のオイル、ツタヤで数枚のCD、ヨーカドーで食材。
今、19時半。
牛肉と春野菜を煮込みながらビールを飲んでいる。
まだ月曜日だと言うのに、1人宴会の準備は進む。
腰を据えて呑みたい気分なんだ。

明日の天気は回復し、晴れる予報。
東に抜けた低気圧の影響で風が強くなりそう。

明日に予定されている新歓の飲み会はさすがにキャンセルできず。
って言うか、4月初日から飲み会をやる職場ってどうなんだろう。

 


08/3/30 (日) ジャガイモ

   

一週間ぶり、埼玉に借りている畑。
おぉ、この一週間のうちにホウレンソウも小松菜もカブもミズナも、そしてジャガイモも発芽しているじゃないか。
なんて嬉しいんだろう。
今日は良い日だ。

その芽生えを触ってみようかなと思うけれど、壊してしまいそうで触れることが出来ない。
今は写真を撮るだけにしよう。
あの無愛想な種や芋から、こんなに可憐な葉が顔を出すなんて。
あぁ、なんて素晴らしいんだ。

みんな、畑を耕せば良いのに。
そして発芽の喜びを味わえばいいのに。

サトイモの植え付け、キャベツの施肥、ニンジンの播種、レタスの水やり。
畑で過ごす時間はあっという間。
職場で過ごす時間の体感10倍で過ぎてゆく。


   

午後、予報通りに雨が降る。
マックでポテトとコーヒーをテイクアウトし、いつもの河川敷。
僕はこの場所が大好きなんだ。

雨降りの今日は釣り人も居ない。
小さな車を包み込む雨の音が心地良い。
チョロQのシートをフルフラットにし、ゴロゴロしながら読みかけの文庫を読み、少し泣いた。

 


08/3/29 (土)  SPAM

朝、コーヒーを飲みながらNHKの天気予報を見た。
この時期らしく見る度に変わるその予報は、日~月に雨が降ると言う。
明日はゆっくり畑で過ごそうと思っていたのに。
少し機嫌を悪くしながら出勤。

信号待ちで隣に並んだのは新型ポルシェ911ターボ。
4WDで480馬力。 僕の次期主力戦闘機候補だ。
おなじ4WDターボのチョロQ号で信号グランプリを挑んで見ると、あっけなく抜き去ってしまった。
さすがダイハツ製3気筒64馬力。
ポルシェなんか敵じゃない。 (相手にしてもらえない)


8時半、一仕事終えて自室へ帰りメールチェック。
プライベート用と仕事用合わせて3つのアドレスに届いていたのは400通のSPAMだ。
1日休んだだけで400通。
その中で、必要なメールは一つもなし。
自動振り分けされるSPAMフォルダまではジックリ確認していない。
いちいち400通ものメールを確認するのは無理と言うものだ。

誰かも書いていたけれど、SPAMにより、メール文化は葬られた。
大量のSPAMに混じり削除されてしまう恐れのあるPCメールなど、アテにはできない。
携帯メールが主流になるのも当然だ。

ニフティーでパソ通をしていた10数年前はこんなでは無かった。
メールボックスに新着メールが届くとワクワクしたものだ。
毎日数百の迷惑メールを削除する日が来るなんて、想像も出来なかった。
根本的な対策は難しいかもしれないけれど、1日も早くSPAM業者に厳しい罰則を課す事が出来るように願う。


    

昼食は大勝軒。
午後、誰も居ない会議室に篭り、ひたすらPC入力。
17時半に一階へ下りたら、もう廊下の照明も消え、誰一人残っていなかった。
凄い職場だ。

夜、ワンコと散歩。
上を見上げれば、一面の桜色。

 

 


08/3/28 (金)  着物を見に

   

薄く霞のかかった朝。
風は北より。
午後から天気は下り坂の予報。

M、Mの娘の3人で都心の呉服店へ行く。
来年成人式を迎えるMの娘の着物を選ぶためだ。
成人式って1月だろ?といぶかる僕に、良い柄の物はもう予約で一杯なのだと言う。
着物はレンタルで良いと言うので一安心だったけれど、着付け・写真込みパックで25万円と言う値段も、
来月にはもう写真だけ撮ってしまうのだと言う段取りも、まったく僕の知らない世界だ。

呉服店など初めて入る僕は全ての物が目に新しく、凄い庭園に驚き、着物の値段に慄き、出された抹茶の美味さに仰天した。
そして、綺麗な着物に次々と袖を通させてもらい、その姿を僕に見せてくれるMの娘の可愛さにも参った。
150センチに満たない身長で童顔だから、見様によっては七五三に見えてしまうのだけれど、それでも立派な19歳。
初めて会った時まだ3歳のチビだったのに、いつの間にこんなに綺麗になったんだろう。

成人式には父親がやってくるだろう。
だから、僕がこの子の着物姿を見る事が出来るのは今日だけかもしれない。
初めて着物を着せてもらい嬉しそうにしている娘の姿を、瞬きする間も惜しくじっと見た。
もう、目尻の下がるただのオヤジだ。


   

午後、娘の誕生日に何もしていなかったので和食を食べに行った。
個室をとってもらい、座椅子に伸びて寛いだ。
庭の桜は満開、流れに散る椿が美しい。

運転はMがするから僕は酒。
旬のアイナメや桜鯛も美味しかったけれど、一番の肴は母娘の会話だ。
娘が母と同じ路を志し病院実習も始まったこの頃、母娘の会話は益々弾みいつまでも続く。
当初、娘が看護を職とする事に反対だったMも、今ではとても嬉しそう。

そんな会話を聞いていたら眠くなってしまい、個室を良い事にゴロリと、やがて降り出した大粒の雨の音に気付くまで眠った。
それはとても気持ちの良い昼寝だった。

 


08/3/27 (木) 発芽

   

気付かなかったけれど、夜のうちに少し雨が降ったようだ。
朝、空気がしっとり濡れている。
プランターで作った菜花は今が盛り。
何処かから、ミツバチが花の黄色に誘われ集まっている。
冬の間忘れていた、甘い香りと羽の音。

今期最初の発芽は大根。
何年やっていても、発芽を見つけた瞬間はハシャイでしまう。
ああ、なんて楽しいんだろう。



出勤時の気温は7度。
明日は休むので、今月の出勤は今日を入れてあと3回。
気ばかりが焦る。

7時半から仕事。
今月の大きな作業はこれで最後となる(ように願いたい)
全ての試薬が減りつつあり、時間を作って在庫管理をしなければ痛い目にあいそうだ。

今月の仕事量はかなり多い。
相手の居る僕の仕事は、残業すれば片が付くと言うものでも無く、
朝の早出と、昼間出来なかった事務仕事を持ち帰り深夜まで自宅のPCの前に座る事が続く。
畑に割く時間を削る訳にもいかぬから休日はしっかり取るし。
そんな訳で、平日の多忙はまだ暫く続く。

昼食を抜いて夕方まで全力。
それなりの成果を得、明日の休みは一安心か。
久しぶりに仕事を持ち帰らない日。
今夜はゆっくり本が読めるかもしれない。



仕事帰りにオートバックスでチョロのオイル交換。
イトーヨーカドーで食材の買出し。
酒屋さんで日本酒を1本。

高・低・高・低と周期的に気圧配置が変化する。
暖気と寒気の喧嘩する春の天気は荒れる事が多いと言われるけれど、そんな不安定な頃は嫌いではない。
いや、むしろ大風よ吹け、雷よ轟け。

今日、西日本は雷を伴った雨が降ったと言う。
その荒天は気流に流され、明日は関東を覆うだろう。
今日、東京の桜は満開。
明日の雨は花を散らすかもしれない。

 

 


08/3/24 (月)  雨

低い雲と雨と桜色。
この季節らしい薄ボンヤリとした朝。
春雨に濡れる僕の畑を想像しながら、雑踏の中を出勤。
憂鬱な月曜の朝。

せっかく早く出勤したのに、鍵を忘れて部屋へ入れず時間を無駄にする。
コンビニで昼食用にオニギリを買って来たのを忘れ、仕出し弁当を注文してしまう。
4月1日が第一火曜だと言う事を知らず、うっかり予約を入れてしまう。(第一火曜は会議日だ)
そして、シュレッダーはクリップが付いたままだった書類を噛み込み止まってしまった。

午前の短い時間にこれだけのミスをし、早くもウンザリ。
今日の駄目化は約束されたようなものだ。

午後、結局復活できず。
オヤツにうまい棒。
18時、仕事を残し逃げるように帰る。
帰り道、ホームセンターで熊手、ガムテープ、犬のオヤツを購入。
並木の桜は朝よりはっきりと色を増している。


   

夕飯にはキンキの干物を焼いた。
他に豆腐、めかぶ、朝買ったコンビニのオニギリ(夕方で賞味期限切れ)
酒は南部美人。

少し喉が痛く、風邪をひいたかもしれない。
このところずっと続いている不眠の傾向は一向に良くならない。
風邪薬は風邪に効いたためしがないけれど、今夜は眠剤の代わりに飲んでみようか。

 


08/3/22 (土)  朧月

低気圧が東へ抜けて、3日振りの晴れ。
7時出勤。
気温は7度。 北よりの風が冷たい朝。

昨日、仕事の組み立てをして帰ったのにイレギュラーばかりで走りまわる。
午前に予定した仕事の全ては午後まわし。
今日を入れて今月の出勤日は6回しか無いと言うのに、まだ先の見通しが立たない。
だったら、もっと出勤すれば良いのだけれど、まあそれはまた別の話し。

昼はカップ麺。
オヤツに頂き物のアイスクリーム。



職場で不幸事が続き、気持ちがふさぐ。
人の生なんて空しいものだ。
だから、もっとしっかり生きなければと思うけれど、結局この日常が僕にとっての精一杯なのかもしれない。

「あなたが空しく生きた今日は、昨日死んでいった人が、あれほど生きたいと願った明日」
そんな言葉を思い出す。

自分に出来る事をする意志の強さと、出来ない事を認める勇気と、それらを見極める賢さが欲しい。



帰り道、東の空に満月が浮かぶ。
この時期特有の、おぼろ月。
月の光は優しいな。

Mも夜勤の窓から見ているだろうか。
東向きの病棟だから、きっとその光に気付くだろう。

   

夕飯に、好物のアスパラを茹でた。
他に手羽焼き、冷奴。
酒はエビスを1リットル。
後に、昨日専門店から買って来た「南部美人・純米吟醸無濾過生原酒」
濃厚芳醇な旨み。
僕はこういう酒が好きなんだ。

明日は早起きして畑と墓参り。

 

 


08/3/20 (木)  雨降り

   

春分。
今日、昼と夜の時間は等しく、太陽は真東から登り真西へ沈む。
そして昔から、春彼岸はその年の農耕の始まりを意味する。

淡く色付き始めた桜の蕾も震えるような冷たい雨の一日。
本州南にある低気圧の動きは遅く、そこに北から風が流れ込む。
三寒四温と言うほどでもないけれど、暖かな日が続いた後の冷たい雨は嫌なものだ。

オシッコ漏れちゃうよ、とのワンコの催促に負けて雨の中を散歩。
以前、祖母の住んでいた家の跡地に残る椿の大木が風雨に揺れている。
子供の頃、よくこの木に登って遊んでいた。
椿の花の蜜を吸うのが好きだったんだ。

古い家を壊しアパートにしてしまった場所で、昔の思い出を残すのはこの椿だけ。


午前中は雑事。
昼過ぎ、チョロQ号で家を出てホームセンターへ。
ホームセンター好きの僕の欲求を全て満たす巨大な店がこれだ。
自宅から1時間以上の道程を通う価値があるその店は、あまりの広さにゆっくり見たら1日有っても足りないほどだ。

様々な工具の陳列、膨大な資材、畑関係では本職の植木屋さんも仕入れに来るという。
耕運機の実演に身を乗り出し、新しい地下足袋を試履きし、展示されているログハウスに涎を流し、電動工具を振り回す。
野菜売り場でレタスの苗を20株買い、鍬を1本新調し、地下足袋とゴムコーティングの軍手、寒冷紗、種を数袋買い店を後にする。
いつ来ても楽しくて仕方ない。
ホームセンターで過ごす時間はあっという間だ。

その後、本屋で北方水滸伝・第18巻、KFCのドライブスルーでチキンとサラダ、コーヒーを買い、いつもの河川敷へ。
増水し風雨に荒れる河のすぐ脇で、チョロQのシートをフルフラットにしゴロゴロしながら本を読む。
時折の強風は車を揺らすほどで、それがまた面白い。
広大な、空の広いこの河川敷は、どんな季節、そんな時間に来ても気持ちの良い場所だ。
そこに停めた車の中で本を読み、コーヒーを飲む時間は至福。
誰にも邪魔されたくない時間だ。
結局、暗くなるまで本を読んでいた。

夕飯はアサリの酒蒸しとカツオ刺身。
酒は黒糖焼酎をロックで。
明日は連休後の仕事が山積している。
でも、それは明日考えれば良いことだ。

今夜は少し夜更かしして本を読もう。


08/3/19 (水)  面倒事

厚い雲に覆われた、にび色の朝。
7時の気温は9度。
今が盛りの沈丁花の濃厚な香りが、窓の下から漂ってくる。

仕事は休み。
13時からMの長男の高校説明会なので、それまでに畑関係の作業を済ませておきたい。
西から迫った雨が、すぐそこまで来ている。
きっと昼には降り出すだろう。
一刻も無駄には出来ないぞ。

そんな時、また兄の妻関係の面倒事が持ち上がる。
いったい、何故これほどまでにトラブルを起すのか。
以前はコミュニケーションをとろうと努力していたけれど、もうそんな甘い考えは捨てている。
もちろん義姉などとも思っていない。

3人の子供の世話を全て僕の両親に押し付け、自分のやりたい事だけをして暮らしているあのヒトの事を考えるだけで胃が痛む。
非常識と言う言葉では片付けられない理解不能なヒト。
職を持っている訳でもない狭い世界の中で、周りの全ての人と争いを起こすヒト。
もしかしたら治療が必要なのではないのか。 そんな思いすら頭を過ぎる。

しかし、兄が(詳細は書かないけれど)鹿児島へ行ってしまった今、あのヒト関係の災厄は今まで以上に僕に降りかかる。
それを思うと、ワナワナと震えが走るのが解るほど不愉快だ。



事態の収拾を半ばで投げ出し、予定より大幅に遅れて畑着。
小カブ、小松菜、ホウレンソウ、ミズナの播種。
キャベツの手入れ。
夏大根の畝立て。

新しく借りた畑の隣人には、まるでセミプロの様な人が多い。
僕の使うような小さい耕耘機では無く、大きく重い鉄の塊のような機械を使い、グワングワンと土を掻き回している。
ビニールハウスの中でトマトの種を蒔く人、深く掘った室で種芋を管理する人、畑にバーベキューセットを常設し野外宴会専門の人。
間違いなく僕が最年少、他の人はもう引退し、畑作業を楽しんでいる人たちばかりだ。

そんな人たちとの会話は面白い。
なんと言っても、この僕が人見知りせずに話せるのだから。
仕事も利害も関係なく、同好の友としての気安さがある。

作業後、畑の隅に置いたビールケースにでんと座り、コンビニのオニギリを食べた。
朝の悶着など、とうに忘れてしまった。
空からは、今にも雨粒が落ちてきそうだ。



高校説明会も終わり、買い物をしているうちに本降り。
カーラジオのニュースでは、明日に掛けて相当量の雨、そして風も強くなると言う。
朝の予報ではそんな事言って無かったよなあ。
今日蒔いた種が発芽前の状態で、そんな雨が降ったら種ごと流されてしまうだろ。
参ったな・・

   

夕飯は、昨日作った残りの切干大根。
他に、焼き油揚げ、サンマの開き。
珍しく日本酒を切らしていて、酒はエビスを1リットル、後に奄美の黒糖焼酎をロックで。

明日は1日雨の予報。
盛りを過ぎた椿の花も散ってしまうだろう。


08/3/17 (月)  メバルを煮る

6時20分、携帯電話のアラームで目が覚めた。
これは寝過ごした時の為にセットしてあるもので、いつもは世話にならず5時半には自力で目覚めるんだ。
久しぶりの熟睡感。
きっと昨日、畑で存分に陽を浴び肉体労働をしたお陰だ。

仕事中、外界から遮断された窓の無いシールドルームに座っている事の不自然さを改めて思う。
弱い室内の照明では脳内の松果体からメラトニンが分泌されないんだ。
快眠の為には昼間、強い陽光の下に身を晒す必要がある。



自転車で出勤。
冬用の上着しかなく、汗を滲ませながらペダルを漕ぐ。
春彼岸入りの今朝。 気温は10度、春特有のボンヤリとした空。
いつもの高台から富士山は見えず。

午前中の仕事は順調。
昼にとった550円の仕出し弁当は鶏の味噌から揚げで美味。
午後、事務のOちゃんが半ベソで来室し、その解決に2時間。
すこし消耗し、元のペースに戻れぬままタイムアウト。

夕方、突発の徹夜勤務に入るとMから着信。
いったい、貴方はいつ眠っているんだい?



昨夜、キッチンのテレビが突然死。
ポンッと言う音と共に映像も音も消え、以来何をしても反応なし。 
症状からして、電解コンデンサが逝ったか。

これは僕が19歳の時に長期入院していた時の暇つぶしとして買ったテレビ。
だからもう、20年以上も働いている骨董品だけれど、
今時珍しい14in.はキッチンの食器棚の脇に収まり、料理中にニュースを見るのに重宝していた。

このテレビを買った(買ってもらった)ときの事を良く覚えている。
腕の粉砕骨折は重症で、主治医に関節は一生動かないと言われヒドク落ち込んでいた時だ。
ベッド上で寝返りもうてない状態で、テレビだけが気晴らしだった。
そして、それからまだ半年間も入院は続いたんだ。

デジタル移行まであと数年というこの時期に、これを修理して使う事は現実的じゃない。
愛着の有るテレビだけれど、引退してもらおう。
でも、ビックComで液晶テレビを調べても、今の場所にちょうど入る小さなモノなどあまり無い。
いつの間にか、AV機器はまるでプロが使う様な高級品ばかりになってしまった。

   

仕事帰りのスーパーで、春告げ魚・赤メバルが3匹780円。
僕はメバルの煮付けが大好物なんだ。
酒はエビスビールを1本、冷やした純米酒「海鳴り」を2合。

明日の東京は雲の多い日。
最高気温は15度。
早く春物の服を出さないと、厳寒用のダウンで出勤する事になる。







08/3/16 (日)  畑

心地よく疲れた夜、エビスビールをあおる。
グイグイと1リットル。
この、体中の細胞がわななく一瞬のため、畑でアレだけ肉体労働をしながらも水分を控えていたんだ。
こんな時の冷えたビールの美味さは、とても形容できるものではない。




   

畑関係覚書。

石灰、堆肥散布・耕運機による土起し終わり。
畝立て6本。
黒マルチ1本。
寒冷紗トンネル1本。

キャベツ植え付け第一弾は寒冷紗トンネル内に14株。
ゴボウ、小松菜、小カブ播種準備終わり。
里芋、長芋植え付け準備終わり。

春まき大根は次回。
ニンジン、チンゲンサイは温度待ち。




08/3/15 (土)  暖かい

昨夜からの雨もあがり、暖かな朝。
起床時の気温は10度もあり、雨がもたらした湿気を吸収した世界が一気に春の盛りへと歩を進める。
霜を避けて玄関内へ避難させていた鉢植えを野外へ出し、活動を始めた睡蓮鉢のメダカに餌をやる。
椿の花は今が満開。
急速に世界が色付いて来た。

8時出勤。
花粉症なのか風邪なのか解らないけれど、ここ数日微熱と咳に悩まされている。
昨日からそれに加えての頭痛。
それでも仕事を始めてしまえば、不調を忘れ没頭できる。
雑用を片付けたおかげで、ようやくホントの仕事に集中できるようになったんだ。
糊の効いた白衣と、静かなシールドルームが心地良い。
昼に大勝軒。

午後はずっと病棟。
自分の専門にだけ集中していれば良いことの心地よさ。
こんな普通の事が、とても有り難く思える。


明日はお楽しみ、畑の日。
朝すぐに家を出られるように、夜にうちに準備を済ませておこう。
帰り道のホームセンター。
苦土石灰と肥料、黒マルチに支柱。
必要なものをカートに入れた後も、すぐに店を出ることが出来ない。
僕はホームセンターをウロツク事が大好きなんだ。

電動工具に涎を流し、農具を物色し、ケージに入れられた犬と遊び、地下足袋を試しに履いてみる。
技能職人の世界に憧れ、素人のクセにプロが使うような工具を見て廻ったり。
本屋とホームセンターが有れば、僕はいつまでも妄想の世界に住む事が出来るだろう。

帰宅後、耕運機他、明日の機材をチョロQに満載する。
明日は寒冷紗のトンネルを作り、そこにキャベツの苗を植え、小松菜の種を蒔く。
まだ土起しの終わっていない部分に石灰と牛糞を入れ、耕運。
里芋用の畝を起し、ゴボウ用には地下80センチまで土を耕そう。

   

夕飯には厚切りのブリを照り焼きにした。
他に、豆腐、菜の花辛し和え。
酒は山形の「海鳴り」
初めて飲む生もと作りの純米酒だけれど、生もと臭くない佳酒。
明日、間違っても二日酔いなどと言う事にならないように、酒量は控えよう。
普段、仕事を前にしてこんな事は思ったことも無いけれど。

          



08/3/13 (木)  温泉

   

自宅から2時間半。
Mと、山梨の山の中にある温泉へ行った。
標高が高いからか途中の峠道の路肩には、まだ雪。
そんな時期だからなのか、平日昼間の温泉には地元のお爺さんが数人寛いでいるだけだ。

帰りはMの運転にて、遠慮なくビール。
そしてタケノコの天麩羅、煮崩れたカボチャが美味いホウトウ、山菜の煮物。
露天湯も、畳の座敷も居心地よし。
満足の1日。

でも、そんな温泉施設より、付近を散歩して見たこんな光景に憧れる。
小松菜が芽を出し始めた畑、遠くで聞える長閑な耕耘機の音、峰が重なる山の景色。
いつかこんな所で暮らせたら、そんな妄想が頭をもたげる。
帰り道もずっとそんな事を考えていた。

明日はまた早出。






08/3/12 (水)  忙

   

次の日曜日に植え付け予定のキャベツの苗。
これからの時期アオムシによる虫害は酷いもので、一週間後に畑へ行くと葉脈だけ残して食べ尽くされていたりする。
寒冷紗と呼ばれるメッシュでトンネルを作り虫害を防げば、無農薬で栽培可能。

いっぺんに植えると収穫も一気にやってくるので、時間差を付け少しずつ植え付け。
今週はキャベツを10株とチンゲンサイの播種。
来週はミズナかな。

そんな事ばかりやって暮らせていけたら。



月、火、水と仕事が忙しくてガンジガラメ。
忙しくなると7時過ぎには早出する分、職場からは早くに帰る。
でもそれは、自宅でこなす作業を大量に持ち帰っての事なので、仕事の終わりは意味しない。
深夜まで自分のPCを使い、やっと眠っても仕事の夢を見て飛び起きたり。
それが4時だったりするとそのまま起きてしまい、また作業を始めたり。
それは睡眠ではなく仮眠だ。

原稿書きやら会議の資料やらデータ整理やら。
目の前に山積のそれらを見て溜息をつく。
忙しい時と暇な時の差が大きすぎるんだ。
まあ、集団の中で労働をしているのだから、自分のペースなど守れるはずは無いけれど。

19時帰宅。
簡単な食事の後、今夜も遅くまで新人研修の資料作り。
いったい何時に眠れるのやら。

ちょっとだけ疲れたかな。
もともと予定は無かったけれど、明日は休みにしよう。
作りあげた資料をサーバーにアップしたら、もうそれで金曜日まで仕事はしない。
それがまた、自分を追い詰める事になるかもしれないけれど。

Mも久しぶりに公休日だから、どこかでゆっくり過ごしたい。
静かな場所に行きたいな。






08/3/10 (月)  雨

起きた時、空気に優しさを感じた。
暖かい朝、まるで両生類のように体中で湿気を感じる。
乾燥に晒された喉にも畑の土にも恵みとなる雨が、目前まで迫ってきている。

出勤時、小雨。
濃厚な雨の匂い。
僕はこの、降り出しの時の匂いが好きだ。
大きく深呼吸をしたくなる。

   


昨日、庭先の僅かな菜園スペースにまで耕運機をかけておいた。
その柔らかな土が雨に濡れ、みるみる黒く染まってゆく。
もう少ししたら、ここにはミズナと小カブの種を蒔こう。
遅く帰った時にでも簡単に料理できるそんな野菜は便利だ。

それにしても耕運機の威力は凄い。
安楽という意味でもスバラシイのだけれど、耕された土の細かさが手作業とは全く違う。
その、空気を沢山含みフカフカに耕された土を見ると、思わず手を差し入れたくなってしまう。
野菜の根も、この土なら喜んでくれるだろう。

仕事はまるでサーカスのよう。
同時に幾つもの機器を1人で操作し、無理かと思われた午前のピークも乗り越える。
よく大きなミスが無いモノだと、我ながら感心してしまう。
昼食の時間は無くても、残業はあまりせず、集計作業は持ち帰りでこなす。
そんな事の繰り返し。

夕飯は湯豆腐。
あまり食欲は無し。
Mは連日の夜勤。
数行の短いメールから、彼女の疲労が滲み出る。

 

 


08/3/9 (日)  日曜日

   

ワンコと落ち葉の匂いをかいだり


   

グワングワンと畑を耕したり


   

ジャガイモを植えつけてニンマリしたり


   

トンチンカンカンと耕運機君の黄色い家を作ったり


   

畑から摘んできた菜の花をつまみながらエビスビールをウグウグ呑んだり。

そんな事をしていると、日曜日なんてアッと言う間に飛んでゆく。
そして明日は月曜日。
昨日、全ての仕事を先送りした報いを受ける日だ。

でも、まだ数時間ある。
楽しかった1人遊びの休日の〆に、大好きな日本酒「開花」を口開けしよう。

 


08/3/8 (土)  ダメ化

朝5時半に起きた時の外気温は1度。
日の出まで、あと30分。 
そんな静かな時間が好きだ。

ラジオの交通ニュースが、スキー場に向う車で関越道が渋滞している事を伝えている。
今日は良い天気だから、遠出も楽しいだろうな。
学生時代、車を連ねて皆で遊びに行く時は渋滞すら楽しかった。
ナビも携帯電話も無かったけど、
助手席の女子に地図を見てもらって、当時流行ったパーソナル無線で車同士を繋げて・・・ 回想終わり。



早い時間に出勤。
自室へ入る前、廊下で面倒なヒトに捕まり朝一で厄介事を抱え込む。
その顛末で30分の浪費。

その後、急に腹痛を起こしトイレに篭ってまた時間を無駄にし、
一緒に仕事をする筈の薬剤師はなぜか休みで、
回覧が回ったのを忘れていたエアコンの点検でシールドルームは使えず、
そしてここには書けないある事情にトドメを刺され、
急速にダメ化する。

家を出たときはそれなりにヤル気が有ったのに。
今日の成果に弾みを付けて、週明けから一気に山を崩そうと思っていたのに。
全ての仕事を放棄し、職場内引き篭もりと化し、PCを弄りながら怠惰な時間を過ごす。

昼に久しぶりに大勝軒。
以前は細麺が好きだったのに、ここを知ってから太麺の虜。

午後、事務のOちゃんのグチなど聞きながらお茶。
穏やかに晴れた初春の日。
最高気温は13度。
中庭で紅梅が散り始めた。



   

明るいうちに帰宅。
ダメ人間らしくあろうと、日の名残りのあるうちに急いで晩酌を始める。
島根の銘酒・開春。
いつ呑んでも旨いなあ。

先日見学に行った醤油醸造元で分けてもらった「醤油しぼりかす」を味醂でのばしたもので作った漬物がツマミ。
他に、豆腐(この頃好んで食べている男前豆腐)、鯛の刺身、ワカメ酢。
今夜はこのまま、このペースで呑み続けよう。
泥酔するで無く、覚めるでもなく。
そして、明日の朝目覚めれば、日曜大工と畑の休日が待っている。


お知らせ。
今月に入ってから2人の方にmixiをやってないのか?と問い合わせを頂きました。
細々と出入りしています。
お問い合わせいただければ幸いです。

 


08/3/6 (木)  日曜大工の材料を買い込む

   

自宅のフェンスに這わせ作っているキヌサヤが花を付け始めた。
これから随分長い間、1人で食べるにはちょうど良い位の収穫をさせてくれるだろう。

チョロQで出勤。
今日は黄砂は飛んでいないのかな?
職場の屋上から西の山がくっきりと見える。
所々雪を被った峰が綺麗だな。

東京の最高気温は12度。
日当りと眺めの良い職場の屋上に逃避するのに良い季節になって来た。

仕事は一段落。
土曜日からヒドイ事になりそうなので、それに備えて明日は休もう。
今の時点で、今月中に済ませたい依頼が100件を越えている。
うーん、唸ってしまいそうだ。

Mの長男君の受験も終わり。
一勝一敗で、公立へ進む事になった。
結果はどうあれ、進路が決まって安心した。
何だか自分の事のように心配していたので、肩からホッと力が抜ける。

午前中の空き時間に、PCを使って設計図書き。
昨日届いた耕耘機を入れる箱と言うか、物入れの様な物を作りたい。
合板と2×4材で頑丈に作ろう。
色は赤に塗ろうかな。
日曜大工は大好きだ。

仕事返り、Jマートでコンパネ、材木、蝶番、ペンキなどを買い込み、チョロQに満載して帰る。
今度の日曜日は、日曜大工とジャガイモの植え付け、そして耕運機の仕事始め。
楽しい日になりそうだな。

夕飯は珍しく豚の生姜焼きなど作る。
アッというまに出来て、美味し。
酒はエビスを1リットル、後に麦焼酎をお湯割り。





08/3/5 (水)  ホンダの真っ赤な新車を買った

   

啓蟄の日。
注文してあったHONDAの耕運機「プチ菜」君が届く。

若く無分別な頃の失敗で、酷く壊した腕で鍬を持ってきたけれど、そろそろ機械の助けが欲しい。
僕の腕は1日畑で使うと、翌日痺れて使い物にならなくなるんだ。
ハンドルを折リ畳むとこんなに小さい耕耘機だけれど、きっと逞しく僕を助けてくれる。
もう10年も、ずっとマイ耕運機が欲しかったんだ。

赤いピカピカの耕運機。
今夜は抱いて眠ります。

 


08/3/4 (火) 沈丁花

   

黄砂のせいなのか、淡く滲む朝。
弱い北風。

庭の隅から、摘んでも摘んでもフキノトウが顔を出す。
去年に腐葉土を沢山入れたのが良かったのかもしれない。
これを少しアク抜きし、サッと茹でて味噌と少しの砂糖を入れて叩けばフキノトウミソ。
今の時期、これほど嬉しい酒の肴はない。



出勤時の気温は3度。
家の裏に置いてあった黄色い自転車を引っ張り出す。
冬の間惰眠を貪ぼり丸くなった自分の体を、そろそろ起こさなければならない。
先日の軽い農作業でも筋肉痛となるほど軟弱となった足腰に、活を入れよう。
まずは往復15キロの自転車通勤から。
そして夜のジョギングだ。

月初めだと言うのに、会議が4つ。合計4時間。
大体が会議に出てくる連中など、暇な管理職だ。
話しは長く雑談へと流れ、結局何一つ決まらない。
そんなユックリと流れる会議室の時間と、ササクレ立った現場の空気との間を行き来し、グッタリと疲れる。
資料作りから進行まで任され、苛立ち、時計ばかり見る1日。

昼は仕出し弁当。
冷えた揚げ物にげんなり。
オヤツは食べる時間なし。


どうしてこれほど沈丁花が好きなんだろう。
卒業や入学と言ったイベントと匂いの記憶がリンクしているからなのか。
長い冬を越えた先の、春の香りだからなのか。
その香りが漂うだけで嬉しくなってしまう。

空気が柔らかくなり、少しづつ風景が色を取り戻す季節だけれど、香りで冬の終わりを感じさせてくれるこの花は素晴らしい。
そして、その香りは夜になると一際に濃くなるというのは気のせいだろうか。
まるで夜の散歩が楽しい季節がやってきた事を教えてくれるようだ。

昔、祖母の住んでいた家には沢山の沈丁花が植えられていた。
それを懐かしんで植えた小さな苗木だけれど、僕の家の玄関の脇で白花の沈丁花が香り出した。
ああ、春だなあ。

夕飯はフキノトウミソを舐めながら冷やした「たてのい」純米吟醸生を呑んだ。
極めて美味し。



 

08/3/2 (日)  畑日

朝から畑。
今年初めての本格的な作業に、早くも筋肉痛。
でも、とても楽し。
陽の下で、1日土いじりをしていると生き返る気がする。
心地よく疲れ、今夜はもう寝よう。




   

ところで、幼馴染の働く造園屋さんの畑から宝物を発掘。
積み上げられた堆肥の中から、ムッチリ肥ったカブトムシの幼虫がこんなに沢山。
あまりに嬉しくなってしまい、呼吸が苦しくなるほど笑い転げながら捕獲。
張り紙をして、近所の子供に分けてやろう。
残ったら、大切に育て成虫になったらどこかの山へ放ってやろうか。

 


08/3/1 (土) 空っぽ

今日から3月。
気象学上の冬は昨日で終わった。

穏やかな朝。
出勤時の気温は3度。
もうそろそろ、自転車での通勤も苦ではなくなるだろう。
明日にでもタイヤに空気を入れ、手入れをしておこう。

仕事はそれなり。
月初めの土曜日と言う割には平和な方か。
必要な事を必要なだけこなし、可も無く不可も無い。

何となくやる気が出ず、何となく不機嫌で、もしかしたら体調が悪いのかもしれない。
体調と言うより、気持ちが落ちていると言うほうが正しいか。
理由は特に無いのだけれど。

まあ、そんなものは明日畑へ行けばすっ飛ぶだろう。
明日は冬の間持ち帰っていた畑資材を搬入し、来週に予定したジャガイモ植え付け用の畝立てをするんだ。



   


結局、どうにも自分が使い物にならず定時で職場を出た。
夕方から北風が強くなる。
土曜日の渋滞の中でボンヤリとFMを聞いた。
この番組、もう随分と長く続いているな。

腹が減ったと思ったら、昼食を食べていなかった事に気付く。
焼きトン屋さんに寄り、タン塩を数本、レバーを数本焼いてもらった。
酒は美田の素晴らしい吟醸が有るし、喜界島の黒糖焼酎もある。
読みかけの本も有るし、犬は足元で眠っている。
それなりに不満のない生活かもしれないけれど、なんだか今夜は満ち足りない。

寂しいのとも違う、辛くも哀しくとも無い。厭世観なんてものでもないし。
何となく空っぽなんだ。
あと何が有れば満足できるのかは自分でも解らない。
こんな夜は酔って眠ってしまおう。