2007/112007年11月30日




07/11/30 (金)  二日酔い

朝7時、頭痛で目が覚める。
気温は8度。
雲の多い暗い朝。

二日酔いだ。
昨夜、映画を見ながらついついウイスキーを飲みすぎたからだ。
昨日は休みで、Mと2人で映画館へ行き、「続三丁目の夕日」を見てきた。
そのアオリで前作をもう一度見たくなり、深夜にDVDを引っ張り出し1人で見ていたんだ。
きっと以前の僕なら興味を持たなかっただろうこの映画。
こんな映画が身に沁みる年齢になったと言う事か。

二日酔いの苦しさは二日酔いになった事の有る人でなければ解らないけれど、
これだけ酒を呑んできても未だにそれを回避出来ない僕は、どこか精神的にモンダイが有るのじゃないか。
二日酔いになる度に、もうああいう呑み方は止めようと神に誓うのに、また夜になれば同じように酒を呑んでいるのだから。

うな垂れて出勤。
自室に入り、久里浜式などやって見る。
頭痛は酷くなるばかり。
こんな時に限って火災報知器の誤作動で何度もベルが鳴り、頭に響く。

11月最後の日。
そして金曜日。
忙しさ、慌しさが加速する。
唸りながら目の前の仕事をこなした。

昼に緑のたぬき。
オヤツの時間に栄養課のフジコが季節限定の「冬のくちどけポッキー」を差し入れてくれた。



今まで自宅でDVDを見るときはSONYの5.1CHホームシアターセットを使っていたのだけれど、
あの6本のスピーカーを十分に鳴らせるほど山中の一軒家に住んでいる訳でもなし。
深夜に映画を観る事が多い事もあり、音響面で不満を持っていた。

職場の人にそんな話しをしたら、密閉型のヘッドホンを使う事を提案され、Amazonで買った物が昨夜届いた。
エージングもせず使ってみたのだけれど、その音の良さに仰け反った。

今までヘッドホンと言うとiPoD用の玩具の用なものか、昔持っていた安物しか経験が無いだけに、
そこそこのヘッドホンがこれほど良い音を出す事を知らなかったんだ。

僕は音響オタクじゃ無いから詳しい事は解らないけれど、これを使って見る映画は臨場感がまるで違う。
迫力のある低音と爽快な高音は、アクション系の映画にも良いだろうし、装着感が良く周囲の音も気にならない密閉式ヘッドホンの良さを知ってしまったら、
今までのように気兼ねして小さな音で映画を観る事は出来なくなってしまうだろう。
これは良い買い物だったかもしれない。


    

夕方からまた熱発。
ここ数日くすぶっていた風邪をぶり返したのかも知れない。
食欲は無く、先日温泉へ行った時に買ってきたワサビの葉と小松菜でオヒタシを作ったのみ。
薬の代わりに温めた酒を1合。
あとはもう寝るだけだ。

明日は早朝出勤。
そしてああ、今年もまた12月がやって来るのか。




 

07/11/27 (火)  風邪気味

朝5時、夢と覚醒の間で人の話し声を聞く。
眠る時に点けっ放しにしていたFMラジオだ。
TFMで朝5時から放送しているDJを聴いているうちに目が冴えてきて
結局そのまま起きてしまった。

この時期の朝5時は早朝というより深夜の趣き。
気温は8度。
空一面の低い雲。  かすかに雨の匂い。

昨日午後より風邪のひき始めの様な症状がある。
軽い咽頭痛と熱感。
これからの時期、風邪で休む訳にはいかない。
大事を取って車で出勤。
昼間の間に数度体温を計り、場合によっては服薬しよう。

職場の自室に加湿器をセットする。
今回の治療にはならなくても、今後の予防に冬の間の加湿を怠らないようにしよう。

木曜日は公休なので、今月の出勤は今日を入れてあと3回。
今月中にするべき仕事を並べ、それを3で割って予定を組む。
この月末もまた乗り切る事が出来そうだ。

昼にコンビニのオデンとおにぎり。
オデンの大根がホクホクと美味い。



先日、温泉行きの途中で見つけた畑の管理者へ電話を入れて少し話した。
気の良い人で、東京で畑を探す事の難しさの愚痴を聞いてくれ、同情してくれる。
こちらでは畑を借りたいと言う人など余り居ないから、焦る事は無いよと言ってくれた。

来年の春もし地元で畑を確保できなければ、やはりあの畑を借りる事にしようか。
たとえ片道2時間掛かろうが、耕作地の無い生活よりはずっとマシだ。
それに、あの里山の一員となってみたい気持ちも膨らんできている。
あの日当たりの良い斜面と広い空を自分の物にして見たいんだ。
冬場はイノシシが出るよと言う、そんな場所を耕してみたい。



   

仕事を終え、消耗して帰る。
駐車場でポツンと待っていてくれるチョロQが可愛い。

帰り道、髪を切ろうと店へ行くも勇気が出ずにそのまま帰宅。
髪を切っている間、椅子に拘束されることが苦手になってしまい散髪するのにも苦労する。
バリカンでも買ってMに切ってもらおうかしら。

夕飯には鶏手羽を焼き、柚子コショウを付けて食べた。
酒は澤の井・薄にごり。
風邪の症状は悪化もせず治癒もせず。
今夜は早くに寝よう。

 

 


 

07/11/26 (月)  Mの娘のこと

朝6時に起きたときの外気温は4度。 風は無し。
11月最後の月曜日が、東に低く流れる雲をオレンジに染めて明ける。

日の出は6時26分。 日没は16時29分。 昼の時間は10時間と3分。
月末になれば昼は9時間台にまで短くなり、冬至までには更に15分を失う。
陽が力を無くし、闇が濃くなる。




チョロQで出勤。
早い時間からルーチンワーク。
数件のイレギュラー。
朝食用に買って来たパンは食べる時間なし。

毎年の事だけれど、どうにもこの時期は心身共に調子が悪い。
意欲はわかず、俯いて歩き、出勤しても朝の挨拶すら億劫だ。
そして年末へ向けて仕事量は増えるばかり。
今の時点で12月の予定表は8割がた埋まってしまった。
その殆どは胃の痛くなるような緊張を強いられるものばかり。

僕はそれを乗り切れる事を知っているはずなのに、自信が無い。
得体の知れない重圧に潰れそうになる。
全て投げ出して逃げだしたい。
栄養士のオネーサンに駆け落ちしようか、などと冗談を言えるのだからウツでは無いのだろうけれど。



Mの娘が僕の携帯に電話を掛けてくる事が有る。
勉強の解らない所やレポートの相談だ。
それが普通の事になってきている。
でも、ここへ来るまでの道程を思えば感慨深いものが有る。
あの頃3歳だった娘がいつの間にか大きくなり、僕の薦めで看護婦の道を選び、専門的な質問をして来るなんて。

とても長い時を、Mやその子供達と共に過ごしてきたのだな、と思う。
Mとその元夫との不和や、僕とMとの関係、僕とMの元夫との確執やら。
そんなものの中で、Mの子供達と何とか良い関係を築けていると言う事が、僕とMとの間を繋ぎ止めて来た様に思う。
子供達抜きの付き合いだったら、遥か昔にその関係は消滅していただろう。

   


スーパーで子持ちカレイの美味そうなのが有ったので生姜と煮てみる。
他に湯豆腐、ハヤトウリの漬物、焼き海苔。
犬には牛スジを煮た。

大腿骨、膝蓋骨、脛骨、腓骨。
夜、電話でMの娘に骨名称を教えながら酒を呑んだ。
これから学年が上がり実習が始まれば、もっと質問の内容も難しくなってくるだろうと思う。
それが嬉しいような怖いような。
子供の成長って凄いや。

 

 


 

07/11/23 (金)  撤収

二十四節季の小雪。
良く晴れた冬の日。
ガラス越しに浴びる陽は暖かいけれど、北風は冷たい。
7時に起きた時の気温は5度しかなかった。




メインの畑の賃貸契約が切れる。
賃貸契約などと言うと立派なものに聞えるけれど、一方通告的に畑を取り上げられた気分だ。
3年後まで使える予定が1年間になり、そして唐突に11月下旬で引き渡してくれと言われたのだから。
相続が発生した結果、畑ではなくマンションとなる事が決まった土地に、
趣味でその場所を借りている僕の意思など反映されるはずも無いけれど。

撤収だ。
畑で育っている全ての作物を抜き、農具を引き上げ、耕し尽くした黒土にお別れをするんだ。
重い気分で畑へ向かった。
まだ育っていない作物を抜きに行くのだから。
まさか、こんな時期に畑を引き渡す事になるとは思わずに、そこには大量の冬野菜を植えていたんだ。



   

トマトやキュウリなどより、落花生。
僕の一番好きな作物だ。
それは、他の野菜と違い自分で作らなければ手に入らない貴重な作物。
僕は生の落花生を塩茹でして食べるのが大好きなんだ。

掘り上げる度に溜息しか出ない。
半分以上はまだ収穫には早く、食べる事ができない。
まさか、あれほど精魂込めた野菜をこんな形で引き抜くなんて。
こんな虚しい作業が有るだろうか。

そこで育っている全ての野菜が、収穫まであと一ヶ月は必要な状態。
いったい何故、こんな事になってしまったんだろう。
悔しくて、鼻の奥がツンとなる。

それでも、全ての野菜を持ち帰った。
ここで重機に踏み潰させるなんて出来ない。
せめて、自宅のコンポストで堆肥にし、来年どこかの畑を借りられたら土に返してやりたいんだ。


   

 

夜、今日の野菜で酒を呑む。
収穫には早くても、なんとか食用になりそうな部分を選別した野菜たち。
里芋煮、白菜と豆腐の鍋、大量の大根の葉は干し海老と共に佃煮風に炒り煮してみた。
そして塩茹で落花生。
これは落花生の産地である母の実家へ遊びに行った時にいつも食べていた懐かしい味なんだ。
酒は「一の蔵」をぬるい燗で。

今こうして呑んでいても、あの未熟な野菜たちを抜く嫌な感じがザラリと蘇る。
あんな事はもうしたくない。
そのためにも、安心して耕せる畑を探さなければ。
僕の存在には、どうしても土が必要だ。

 

 


 

07/11/22 (木)  畑の妄想

高速ブッ飛ばして、いつもの温泉。
お疲れのMと冷え性の僕にとって、日帰り温泉は無くてはならないこの世の極楽。
月に一度は足を伸ばしたいところだ。

最寄のICで下り、気に入りの道を良いペースで流す。
里山と言う言葉がピッタリと合う気持ちの良い場所。
南向きの日当りの良い斜面。
落ち葉焚きの煙、たわわに実った柚子の木、農業用水の小さな流れ。
すべてが素晴らしい。

僕らは車を停め、少し散歩する事にした。
そして、その集落の農産物直販所で信じがたい事を知った。
耕す人の居ない畑を格安で貸してくれると言うんだ。


僕が今借りている三箇所の畑。
それぞれの理由で賃貸更新することが出来ず、この冬で全て失うことになる。
畑中心の生活をしていた僕にはどうしても受け入れ難いその事実に動揺し、
ちょっと前には土地を買ってしまおうと思うほど追い詰められていた。

その後も事態は好転せず、畑探しの日々が続いている。
それが、温泉へ行く途中に立ち寄った場所で唐突に、畑を貸してくれるという話が舞い込むなんて。
もう、これは何かの縁としか思えなかった。


   


写真の場所。
耕運機も自由に使って良いと言う。
そして、殆どタダのような値段。
1人では耕しきれないほどのこの畑を、1年に2万円弱で借りれると言うんだ。




僕は興奮し、地元のオジサンと話しをする。
これだけの面積が有ればスイカも作れる、メロンも作れる。
連作障害を気にする事もなくトマトもナスも作れるだろう。
周りを気にせず焼き芋を焼き、腐葉土や堆肥を自分で作り、夏にカブトムシを追い、
ゴザを敷いて昼寝をし、静かで豊かな時間を送れるだろう。
この土地があれば、楽しい事ばかりやって来る。  そんな気がした。

そこでMがストップを掛ける。
自宅から2時間掛かる場所に畑を借りてどうするのよ、と。
その一言でハッと我にかえった。
そんな事すら解らないほどに興奮していたんだ。

夏野菜など週に2度は手入れが必要だ。
芋や根菜を作るにしても、週に1度は必ず来なければならないだろう。
他にも草むしりや消毒、大風や大雨の時にも駆けつけなければならない。
畑とはとても手間の掛かるモノだという事を忘れていた。

それだけの回数を、往復4時間掛けてこの場所に来るほどの時間はきっと作れない。
そして、手間を掛けられずに畑が荒れれば、それでまた苦しむ事になるだろう。
荒れた畑ほど哀しいものは無いから。



温泉に入りながらも、そこからの帰り道もずっと上の空だった気がする。
あの畑に立つ事ばかり考えていたと思う。
そして今でもそれを妄想している。

今はまだそれは無理でも、いつかきっと南に開けた里山の畑を自分のモノにしよう。
自分で食べる野菜を自分で作る。
そんな生活が出来たら。
妄想はいつまでも続く。




 


 

07/11/20 (火)  ダメ人間の歌

   

庭先に、ママゴトのような畑のスペースを作ってある。
普段耕している賃貸の畑とは比較にならない小さな面積だけれど、
自宅で出勤前に毎朝様子を見られるのは楽しいものだ。

今そこでは大根、カブ、水菜、ホウレンソウ、エンドウ、ネギ、ニラが育っている。
特にカブや大根はこれからの時期、鍋や汁モノに活躍するだろう。
賃貸の畑が今後借りられなくなるような情勢になったら、この自宅の畑を少しずつ拡大していくつもりだ。




寒い日が続く。
また誘惑に負けて車で出勤。
車外温度計は4度。 
夜のうちに通り雨でも有ったのか、空気がしっとりと湿気を含む朝。

早い時間に職場へ入り、事務仕事をサッサと終えて現場へ出ようと思っていたのに、次々と入る雑用に押しつぶされる。
その全てを上手く流す事が出来ず、自室に篭って頭を抱えながら、オレは駄目な奴だ、オレは駄目な奴だ、オレは駄目な奴だ、と
呪文のように繰り返して居たら、何だか本当に駄目な気分になってしまい溜息を数十回。
いいかげん、自分で自分を追い込む遊びに飽き、やっと今日の仕事を始める事が出来た。

今月の残り出勤数は今日を入れて8回。
まだ検診の仕事も終わっていない。

昼はコンビニのオニギリとオデンを車の中で食べた。
日向に停めた車の中はポカポカと暖かく、ガラス越しに空を見ていたら眠くなってしまった。

午後は明日の検診準備。
オヤツにルパン三世に出てくるアノ人そっくりの通称「フジコ」がお茶をいれてくれた。



職場を出る頃、Mから着信。  今夜もまた徹夜勤務だという。
体調が悪く、胃の痛みで食事が出来ず、それでも休めないと言う。
それを聞いていたら何故か不良になりたい気分になり、ジョギングもせず、体育館にも行かず、筋肉少女帯の「ダメ人間の歌」を
CDにあわせ大声で歌いながら車で街を流す。

ツタヤで「デジャヴ」と「ブラッドダイアモンド」(どちらも映画館で見たが秀作)を借り、酒屋で燗酒用に「枯山水」を買い、
惣菜屋でアジフライとサバの味噌煮を包んでもらった。
犬にササミを土産にし、ハイオクを60リッター給油し、帰宅。
不良なんだから風呂なんか入らず、買ってきた惣菜を犬とつまみ、温めた酒をアオリつつ映画を見る。

秋の夜はまだまだ長い。

 

 


 

07/11/18 (日)  柿

   

樹によじ登り、柿の実の収穫。
以前、祖母の住んでいた跡地に残る大きな樹。
池も井戸も埋め、古い日本家屋を取り壊し、後にはワンルームマンションが建っている。
そしてそこには、この柿の樹だけが辛うじて残っているんだ。

子供の頃からその収穫を楽しみにしていた、とても美味しい実のなる樹。
今年もまた、バケツ4杯もの大きな実を僕に与えてくれた。

熟したこの色を照柿色と言うのだと祖母に教わったのは、もう30年も前のこと。
そのオレンジ色はあの頃と変わらないはずなのに、記憶の中の柿の色はもっと濃かった気がしてならない。
柿の色に限らず、印象に残った色は遥かな時を経ても鮮やかに海馬の底に刻まれる。
色は変わらない。
変わったのは、きっと自分のほうなのだ。



 


 

07/11/17 (土)  寒い

今年一番の寒い朝。
7時の外気温は5度。
ここ数日で棚の葡萄が葉を落とした。
まだ、その巨峰の実は完熟していないというのに。

寒さに負け、チョロQで出勤。
数年前に車通勤を止めてから職場に自分の駐車場は無いのだけれど、
土曜日は出勤者が少ない事もあり、軽自動車を隅に置かせて貰っているんだ。
いや、現場の人間は普段よりむしろ多い位だけれど、土曜日にエライ人達は誰一人出勤して来ない。
こんな時に何か問題が起きたら誰が責任を負うのだろう。

早い時間から良く働く。
数件の予約をこなし、時間の遅れにも文句を言わず、呼ばれれば走り、
求められた以上の事を施し、揉め事の仲裁までもした。

昼、大勝軒。
土曜日は特に理由が無い限り大勝軒の日なんだ。
座敷の一番奥で文庫片手に40分ほど逃避。
窓の外は雲の多い初冬の陽気。

昼食からの帰り路、何か良い香りがすると思ったら歩道の植え込みに咲く菊の香りだった。
午後も黙々と作業。



いつの間にか、予定表が黒々と埋まっている。
毎年の事だけれど、やはり年末は仕事量が多いのだ。
ホワイトボードの僕の出勤日に、色々な人が色々な仕事を入れていく。
いや、仕事だけじゃない。
忘年会やら懇親会やらの出席予定までが、勝手に組まれて居るじゃないか。

仕事は仕方が無いとして、飲み会の予定は伺いをたてろよ。
勝手に人の夜の予定まで組みやがって・・

季節が年末に向け加速してゆく。
毎年この時期は、うかうか体調も崩せないんだ。




   

夕飯は作る気力なく、スーパーで鶏だんごを買い簡単な鍋にした。
酒は出羽桜を燗で。

夜、不肖の兄が持ち込んだ面倒事で苛々する。
自分の兄ながら、毎度の情けなさで泣きそうになった。
そんな夜、偶然Mが差し入れを持って来てくれる。
有り難し。
差し入れも、愚痴を聞いてくれることも。

明日は今日よりも暖かな日曜日になりそう。
荒川に釣りにでも行こうかな。

 


 

07/11/15 (木)  芋を掘る

晴天は続く。
しかし、予報によれば明日から前線の影響で雲の多い肌寒い日が続くという。
その後、秋らしく変わりやすい天気が続きそう。

朝起きた時の気温は9.5度。
空の色の濃さが、小春日和を楽しむには絶好の日だと告げる。
午前の早い時間、遣り残した仕事を片付けに職場へ出、そそくさと帰ってくる。
こんな晴天を1分でも無駄にしたくない。
午前11時には、Mと2人で畑に立っていた。




   

借りている埼玉の畑に相続問題が発生し、そこがマンションになると決まったのは数ヶ月前。
慈しみ耕してきた畑がコンクリートに覆われるなど、信じる事が出来ない。
しかし、開発は物凄い勢いで進み、すでに隣接する原っぱには重機が入り、土を蹂躙している。
誰が種を蒔いたのか、コスモスの乱れ咲く原っぱは、たった数日で固められ、命を感じない場所になってしまった。

それは僕の畑から僅かに10メートル。
賃貸契約の切れる今月末を待ちきれないかのように、黄色い巨大なパワーシャベルが僕の畑を狙い佇んでいる。

堆肥を漉き込んだ黒土は、掘り返すのに道具などいらない。
軍手をはめた手を畝に差し入れれば、そこで大きく育った沢山のサツマイモに触れることが出来る。
柔らかい土からゴロゴロと芋が出てくるあの楽しさ。
大きな芋を掘り上げる度に歓声を上げ、小さな芋を探り当てる度に笑ってしまう。
コウロギが、ハサミムシが、ミミズが飛び出てくるその土は、頬摺りしたくなるほどに良い匂いがするんだ。

スーツ姿の不動産屋、道具を携えた測量士、ヘルメットを被った重機オペレーター。
そんな人たちが目の前を歩く場所で、Mと一緒に最後の芋掘りを楽しんだ。
意地でも、今はまだ今場所に彼らを入れる訳にはいかない。
今月一杯は、ここはまだ僕の畑なんだ。




残りの作物は里芋、落花生、ゴボウ。
あと半月のうちに落花生が収穫可能になるかは微妙な状況。

この畑を何とか保全できないかと動いたけれど、全ては無駄だった。
市政が開発を望んでいる事を強く感じた。
畑を残したいのなら、自分でその土地を買うしかない。

あと2週間で掘り返されてしまう僕の畑に、なんと言って詫びればいいのか。
悔しい。




夜、生牡蠣と「ちりめん山椒」で燗酒を飲む。
ちりめん山椒は、Mがどこかで探してきてくれた京都のもの。
以前行った和食屋で出されたちりめん山椒が気に入り、随分捜し求めたのだけれどあの味に出会うことが出来なかった。
やっとこの味に再開することが出来た。
やはり京都か。

高そうな漆器に入ったそれを大事にツマミながら温かい酒を呑む。
明日はまた多忙だけれど、まだ数時間は僕1人だけのものだ。
この時間は、誰にも邪魔されたくは無い。

 


 

07/11/13 (火) バーボン

   

雲ひとつ無い完璧な空。
起きた時の気温は10度。
体も気持ちも引き締まるような朝。

自転車でゆっくり走っても良いように、早い時間に家を出た。
少しだけ遠回りして河川敷の小道経由で出勤。
水辺でムチムチ肥った鴨の群れが遊ぶ。
それを見ていたら鴨南蛮が食べたくなった。

職場へ入るも、富士山がとても綺麗に見えているので屋上へ逃避。
仕事を始める前に、日光浴をしながら新聞を読んだ。
この強い光が視床下部へ伝わり松果体を活性化させ、15時間後にメラトニンの分泌を促すのだ。
分泌されたメラトニンは僕の交感神経を抑制し、毛細血管を拡張させ、深部体温を低下させて僕に睡眠をもたらすだろう。
もう、今夜の快眠は約束されたようなものだ。




午前中、ポータブル機器を引き摺りながら建物から建物へと歩き回る。
万歩計を付けていたら、かなりの歩数が記録されるだろう。
昨日の二日酔いで先送りになった仕事の全てを午前中のうちに片付ける事が出来た。

昼、鴨南蛮を出す店は無いので、仕方なく職場近所のラーメン屋。
薦められるままにトンコツラーメンを喰らう。
美味しく食べる事が出来たのだけれど、その後腹痛。
やはりトンコツラーメンは体に合わないのだ。
何がいけないのか解らないけれど、7割位の確率で腹痛を起こすんだ。
午後、ずっとこの腹痛に苦しんだ。


仕事帰りに酒屋でワイルドターキー12年を買う。
バーボンウイスキーを買うのは久しぶり。
深いコクのある強い蒸留酒が呑みたかったんだ。

学生の頃は日本酒はむしろ苦手で、バーボンばかり飲んでいたっけ。
ウイスキー通に言わせると、歳をとるに従い重いバーボンより口当たりの良いスコッチを好む様になるというけれど、
僕は未だにバーボン党。
トロリとした琥珀の液体を美しいと思う。

日光浴の効果が現れれば、今夜は早くに眠くなるはずだ。
明日もまた良く晴れるらしい。

 

 

 


 

07/11/11 (日)  高校へ

昨日から降り続く雨の日曜日。
肌寒く、暗い日。
先日蒔いたミズナの種は雨に洗われ流れてしまった。
柿がハラハラと葉を落とし、冬支度を始める。

9時、点検のためチョロQをディーラーへ持ち込む。
購入後2ヵ月半で4000キロを走り、やっとナラシも終わり。
油脂類を全て交換、下回りの増し締め、ブレーキの点検、タイヤローテーション。
全て異常無しのお墨付きを貰い、あとは日常の足としてトコトン働いて貰おう。
コイツのお陰で主力のファルコン号は遠出任務が活躍の主となり、エンジン内のカーボンが焼けたのか非常に調子が良い。
それもまた嬉しい。




昼、Mの長男を高校見学へ連れて行く。
娘の受験から一息ついたら今度は長男の受験だ。
子供の成長ってホントに早い。

正直に言うとMの3人の子の中で、どうもこの子と僕の相性は良くない。
この子に苦手意識が有るんだ。
Mの元夫と仲が良く、その父親寄りの言動を僕が嫌うという身勝手な理由だけれど
母親の彼氏と言う僕の存在は、中学生のこの子にとってもどう接して良いのか解らないものなんだろうと思う。

互いに何となく避けている関係の僕に、高校見学へ連れて行ってくれとこの子が言った事にまず驚いた。
そして更に驚いたのは、その見学先が僕の出身高校だった事だ。

Mから伝え聞いていたこの子の志望校に、僕の出身校など無かったはずだ。
長男に聞いて見ても、受験の予定は無いと言う。
色々な高校を見てみたいと言うのは解るけれど、日曜日を半日潰して僕の出身校を、それも僕と見に行きたいと言うなんて。

チョロQに長男を乗せ、久しぶりに自分の出身校へ行く。
新宿と言う嫌いな街に有る、とうとう卒業まで馴染めなかった高校だ。
僕はこの高校が好きではなかった。
自分が望んだ高校ではなかったから。 滑り止めに受験した高校だったから。
茶色の校舎も、グレーの制服も、クラスの同級生も嫌いだった。

Mの長男とその高校の前に立って、何だか言い様のない居心地の悪さを感じた。





   

保護者同伴の見学会では無かったため2時間待った。
その間に、自宅で使っているHDDレコーダーの分解清掃を始める。
HDDに録画は出来ても、それをDVDに焼く事が出来なくなってしまったんだ。

車の中で工具を振り回し機械を分解している様子は、誰が見ても不審だろう。
通報されたのか、たまたま通り掛かったのか、警官に職務質問され説明するのに苦労した。
息子を高校見学に連れて来たと言う自分が可笑しい。
でも、他に何と言えば良いのか解らない。



見学から帰った長男はいつに無く饒舌で、校内の様子を僕に語ってくれた。
図書館、グラウンド、学食からトイレの事まで話す最近声変わりしたこの子を、何だか不思議な気持ちで眺めた。
この子、なぜ僕の出身校を見に行きたいなんて言ったんだろう。
もしかたら、僕と話しをしたかったんだろうか?

いや、今日はこれほど話してくれても、また次ぎの時には部屋に篭って全く話してくれないかも知れない。
でも、こうして車の中で会話をして見て、なんだか普通に話せる自分にも驚いた。
しかし、そんな事は当然か。
Mが僕の職場に居た頃、この子は2歳。
毎日、職場の託児所にやってくるこの子を膝に抱いて一緒におやつを食べた。
僕らはそれ程長い付き合いなんだから。

今この子は子供から大人になる、あの難しい時期に居るんだ。
僕も経験した不安と苛立ちと色々な感情が入り混じるあの頃。
上手く扱える訳など無い。
上手く扱えなくても、近くで見守っていればそれで良いのじゃないのか。
そんな当たり前の事に気付いただけ、この高校見学は意味があったのかもしれない。




夜、ウイスキーで泥酔。
そのせいで、翌日半日苦しむ事になる。

 


 

07/11/10 (土)  寒い

   

冷たい雨の落ちる暗い朝。
7時の気温は12度。
やっと咲き始めた小菊が雨に打たれて揺れている。

昨夜ベッドに入ってから夜明けの気配を感じるまでに、いったい何度の寝返りを打ったろう。
夢と現実の境界の様な場所で、眠りも出来ず、覚醒も出来ず、ただ朝を待っていた気がする。
夏の時期にはあまり無かった、あの眠れない周期がまたやって来るのだろうか。
夜が一際長く感じる。

唯一の救いは、少し開けた窓から僅かに聞こえた雨の音。
夜の雨は良い。




チョロQで出勤。
それなりに良いペースで仕事が進む。
時折、窓の外の雨模様を眺めながら機器の操作を続けた。

昼、久しぶりに大勝軒へ出張。
あそこでラーメンを食べた時の「麺喰ったぁ」感は、ちょっと他のラーメン屋では味わえないものだ。
満足。

午後、昨夜の寝不足と満腹の影響で酷い眠気。
誰も使わない本館一階の応接室で30分ほど昏睡した。
たった30分でこれほどまでに頭が良くなるかと感激するほどの著効あり。
昼寝の効果は認めざるをえない。




仕事帰りに本屋、DIY店、ATM。
スーパーで豆腐、ヨーグルト、紅茶、桃屋の穂先メンマ。
和菓子屋でドラ焼きを買った。

夕飯には先日冷凍しておいた餃子を焼いた。
他に冷奴、焼き海苔、オニオンスライス。
酒はエビスを1本、初孫・二年熟成純米酒を燗で。

明日は午前中まで雨の予報。
畑へ行きたいところだけれど、泥濘と化した畑で作業は出来ないだろう。
埼玉の畑使用期限が迫っていると言うのに、休日の雨は恨めしい。



 

 


 

07/11/8 (木)  サボテンの花

立冬。
暦の上では、今日から2月はじめの立春までが冬。
東京の日の出は6時9分、日没は16時41分、昼の時間は10時間半。
昼の時間は、月末には9時間台にまで短くなる。
寒さと、夜の暗さが街を覆う。

チョイノリで出勤。
朝の気温は11度。
今年初めて、陸軍払い下げのウインドブレーカーを着込んだ。
古いバイクのエンジンが掛かりにくくなる季節。
しかし、先日キャブとプラグの整備をしたためか一発で始動し、調子良く走ってくれた。

8時過ぎ、職場着。
手袋をせずにバイクに乗って冷えた手をカップスープで温める。
午前中に済ませておきたい事務仕事を早い時間から始めた。
今週中に有る程度まとめてしまいたい資料を積み上げる。
来週から職員検診が始まり、忙しくなるからだ。

昼はコンビニのカツ重弁当。
見た目は小さかったのだけれど、脂が悪いのか胃もたれして午後苦しむ事になる。
歳のせいか、脂が苦手になりつつあるようだ。

午後、中材担当の人とアレやコレや物品の発注方法を協議。
出入りの業者を絞ったは良いが、その弊害について話しあう。
夕方、セキュリティー関係の業者デモ。


   

幾つかある趣味の中でもっとも長続きしているのがサボテンだ。
初めてサボテン専門店へ行ったのは小学校4年の時。
今ほど実生の技術がなく、原産地からの輸入に頼っていた当時、サボテンと言う趣味も一般的な物ではなかった。

数多あるサボテンの中でもボタン類という種類に魅入られた僕は、
子供の小遣いでは手の出ないような個体を祖母にねだり、これまた親にねだって作って貰った温室に並べていた。
思えばあの頃の僕は、随分と甘やかされていたのかもしれない。

およそサボテンと言う名からは想像できないようなボタン類というサボテンは棘の無い原始的な種類で、成長遅く気難しく栽培の難しい種類と言われていた。
あの頃から今までに、いったい幾鉢のボタン類を育てたろう。
そして今日、初めて完璧な花を咲かせる事が出来た。
派手な花の多いサボテンの中では地味は開花だけれど、それがボタン類の花となれば話しは違う。
30年のサボテン暦で最大の、その見事な花に暫く見入っていた。



帰宅後、近所を4キロほどジョギング。
冷たい空気に喉が刺激され、軽い喘息様発作。
これからの季節、外を走る時はマスクが必須なのだけれど、マスクをつけて走る鬱陶しさは耐え難い
やはり屋内の体育館で過ごす事が多くなりそう。
スポーツクラブに所属しない久しぶりの冬が来る。

夕飯は湯豆腐。
薬味に柚子コショウを使い美味。
酒は純米酒を人肌燗で。
燗酒特有の優しい酔いが心地よい。

明日は高気圧が北へ抜け天気は下り坂。
週末には雨の予報が出ている。

 

 



07/11/7 (水)  昼寝

Mと昼酒。
そして昏々と昼寝。
夕方、澄み切った西の空に落ちる太陽を2人で見た。

夜、心身ともに不調。
早くに寝た。


07/11/6 (火)  春菊 里芋

5時、咳き込んで目が覚める。
もともと呼吸器系が弱いのだけれど、春と秋は特にいけない。
いつもヒューヒューと喘鳴をつき、咳き込むと動けなくなる。
春のアレルギー元は特定済みだけれど、秋の症状の原因も検索する必要が有るかも知れない。

チョロQで出勤。
低い灰色の雲から霧が降る。
気温は13度。 
街は晩秋の趣き。 もう、立冬も近い。

会議。
しかし、その間に度々呼び出しを喰らう。
いや、呼び出される方が本来の仕事で、僕のような現場作業者が1日中会議室に居る事が間違っているんだ。
現場仕事だけで過ごす事は出来ないものか考えているが、この小さな職場でそれは叶わないだろう。
小さな職場にはそれなりの良さも有るので、功罪相半ばだけれど。

昼に緑のたぬき。
午後もずっと会議室で不毛の時を過ごした。


   


仕事帰りに公営体育館へ行こうと思っていたのに、つい4割引きセールに釣られ冷凍食品を大量購入。
冷凍のさぬきうどんが美味いんだ。
仕方なく自宅直帰し、久しぶりに早い時間から飲み始めた。

食の好みとは変わるもので、子供の頃嫌いだった豆腐は今や僕の主食になっている。
また、あの頃食べる事の出来なかった春菊の美味さに目覚め、旬の春菊を好んで食べる。
そんな訳で、今夜は豆腐、春菊、鱈の鍋。
去年買った卓上コンロに小さな土鍋を乗せ、燗酒を飲みながら鍋をつつく。
大量の大根おろしと自家製ポン酢で最高に美味し。

さらに、日曜日に畑から掘りあげた里芋を茹でてみる。
芋の中でも最も好きな里芋の子。
ちょっと皮を剥いて指で搾れば、口の中にヌルッと入ってくる感触がたまらない。
質素だけれど、満足の夕飯。



数年前に買ったHDDレコーダーの調子が悪い。
HDDに録画は出来るのだけれど、それをDVDに焼く事が出来ないのだ。
買うときに入った5年保障はまだ有効だけれど、聞けば修理に6週間(!)掛かるという。
普段使うものの修理にそれほど掛かるのなら、、長期保障など意味が無いじゃないか。

テレビを殆ど観ないけれど、DVDで映画を観られなくては困ってしまう。
かといって、DVD再生専用機ではやはり不自由だ。
ネットでHDD・DVDレコーダーの相場を調べて見て困惑した。
ブルーレイ、ハイビジョン、2層ディスク対応、アナログ、デジタル、コピーワンス・・
VHSとβの争いが可愛くすら思えるこの混迷っぷり。
こんな世の中に誰がした。 

もう少し待てばコピーワンスも緩和されるらしい。 それとも今は安いモデルを買って茶を濁すか。
そういえば自宅のテレビはまだデジタル化すらしていないのだ。
2台の車では地デジ放送を受信しているというのに。

明日は仕事休み。
Mと出掛けるか、それとも昼寝でもするか。

 

 

 

 


 

07/11/4 (日)  柿

   

透きとおるような秋の日。
柿が色付いてきたなと見上げていたら、祖母がこの柿を好きだったことを思い出した。
美味しいんだ、この柿。

久しぶりに祖母の墓参りへ行く。
供えてきたのは花ではなく、庭の柿の実。

 


 

07/11/3 (土)  飛行機を見に

大好きな飛行機、C-1とブルーインパルスを見に入間基地まで出かけた。
たいした距離では無いのに、チョイノリで行くそこは地の果てのように遠い。
でも、辿り着いてしまえば、年に一度のお祭り会場。
飛行機マニアの巣窟だ。

デジカメ2台、ビデオカメラ1台、無線機1台を首から下げた僕は、これではどこから見てもオタクだなと少し恥ずかしさも感じながら基地の門を潜る。
でも、恥ずかしいのはそこまで。
その先は、どちらを向いても飛行機オタクの世界。
僕の装備などママゴトに見えるほど、奴らの装備には金が掛かっているぞ。

そして、航空祭の始まり。
それからの数時間、ただ感嘆しながら上空を仰いだ。


C-1輸送機。
日本が世界に誇る国産輸送機
全長:29.0 m、全幅:30.6 m、全高:9.99 。 
輸送機のくせに、その機動力には瞠目をする。
あれほど巨大な輸送機が、まるで戦闘機の様に俊敏に空を飛ぶ。

     

で、こちらは説明不要のブルー。

     

滑走路を走り回り、400枚の写真を撮り、楽しい時間がすぎてゆく。
でも、その楽しさの後には毎年繰り返される苦難が待つ。

先日の観閲式のように、招待客だけを対象に開催される催しと違い広く一般に開放される航空祭。
毎年の人出は20万人以上だ。

なにより人混みの苦手な僕は、正門前のこんな混雑に1日の疲れのトドメを刺され、一気に体調を崩した。
  
   

今、21時。
今夜はもう、寝ようっと。

 

 


 

07/11/2 (金)  からすみ

昨夜はずっと夢にうなされていた気がする。
内容を殆ど覚えて居ないのだけれど、何かオカルト的な怖い夢だったと思う。
後を振り向いたらいけないと思いながら、走って逃げるような夢。
小学校の頃の友達が一緒だった気がする。
街並みもその頃のものだった気がする。

自分ではずっとうなされていた気がしていても、夢を見ていた時間などそれほど長くは無いのだろう。
それでも朝、熟睡感は全く無く呆然とベッドから出る。
曇った、今にも降り出しそうな空を見て溜息をついた。
少し頭が痛く、胃がムカムカする。
まぁそれは仕事を始めれば気にならなくなるだろう。




チョロQで出勤。
明日の休日のアオリで忙しい1日になるかと思ったが空振り。
PCで事務仕事などしながら、ゆっくり過ごした。
月始めの週末にこれほど暇だなんて、何だか不気味だ。
来週明けに酷い事にならなければ良いけれど。

昼、植木屋の友人が電話をよこした。
僕の職場の近所で仕事をしているので、一緒にヒルメシを喰おうというのだ。
和食屋の座敷で1時間。 仕事中だと言う事も忘れて大笑いしながら食事をした。
午後、至急の仕事が二件。
それを1時間半でやっつけ、早めに職場を出た。


仕事帰りに公営体育館。
この頃サボり気味で緩んだ体を苛める。
休日前夜の体育館は閑散としていて、広いスペースにポツリポツリと人が居るだけ。
マシンの上で荒くなった自分の息が、天井にこだまするようだ。

   

帰宅後、いそいそと酒の準備をする。
良い酒器を出し、丁寧に燗をつけた。
なぜって、今日職場の人にからすみを頂いたからだ。
こいつこそ、僕が最も愛する日本酒の肴。
薄くスライスして、少しずつ大切に楽しもう。
これで暫くはまた、旨い酒を呑むことが出来る。

明日は年に一度のお楽しみ、入間基地での航空祭。
基地としてもっとも交通の便が良い入間基地の航空祭は例年大勢の人で賑わい、去年の入場者は20万人を越えたという。

子供の頃から親しんでいるこの航空祭だけれど、人混みが苦手になってから行くか行くまいか、毎年悩んでいる。
それでも出掛けていくのだから、やっぱり飛行機が好きなんだろな。

電車になんか乗れないし、車など置く場所が無い。
だから今年もチョイノリで出掛けて行こう。
最高時速35キロのスクーター・チョイノリで入間まで行くのはちょっとした冒険気分だ。