2006/102006年10月30日


 

 

06/10/30 (月)  Music Store

穏やかな秋の日。
東京の最高気温は22度。
はらはらと、山茶花が散りはじめる。
花弁を散らせても尚、良い香りを漂わせるこの樹が好きだ。

隠していた兄の愚行が耳に入り、すっかり鬱状態となってしまった母を食事へ連れ出す。
高速に乗って1時間ほど。
多摩の山並みはまだ紅葉に早いけれど、リュウマチによる足の痛みで普段あまり外出しない母は、
窓の外を熱心に見ている。

食事をしながら愚痴を聞く。
話しても解決にはならないけれど、少しは楽になるだろう。
日常、殆ど母と会話をしない僕は改めて自分の母が随分と歳をとり、すっかり弱気になっている事に気付く。
70歳になろうとしている母をもっと大切にしなければ、と思う。

   

写真はコースに追加して頼んだアワビの炭火焼。
スダチを搾って美味。


 

自他共に認める泣き上戸で、ある一線を越えて酔うと悲しくなる。
もちろん唐突に泣く訳では無く、歌だったり映画だったり、あるいは本だったり、何かキッカケが必要なのだけど。

男の癖にと笑われようが軽蔑されようが、止まらないものはどうしようもない。
だからその一線を越えないように、酒量をコントロールし、泣き出すきっかけを避け、ただボンヤリと酒を呑む。
そうして呑んでいるうちは気分良く、楽しい酒だ。

深夜、久々にやってしまった。
ずっと以前から、ふと頭に浮かぶフレーズがあり、その文字をググッて見る。
すると、それは「少女隊」という、今に思えば赤面するほどに恥ずかしいアイドルグループの20年ほど前の歌の詩だった。
iTunesのMusic Storeでその歌を検索する。
あった。 150円で早速落として聞いてみた。

PCから流れた歌を聞いた瞬間に思い出した。
この歌は、あの年の冬に当時の彼女が歌ってくれた曲だ。
バブルの頃だった。
学生の分際で泊まりに行ったシティホテルで僕に歌ってくれたんだ。
「FROM SANTA CLAUS VILLAGE」という歌だ。

20年後の僕は、酔った頭であの時の事を思い出す。
車を持っていたはずなのに、何故かバイクで乗りつけたホテル。
暖房で肌が乾燥するからと、バスタブにお湯を張って扉を開けておいた事。
持ち込んだケンタッキーが冷えてパサパサしていた事。

で、ほろほろ泣く。
気持ちの良いほどに涙が出てくる。
懐かしさなのか、後悔なのか、痛みなのか解らないけれど。
泣き上戸の面目躍如だ。
参った。

しかし、便利な世の中だなと思う。
PCのキーを幾つか叩くだけで、昔聞いた歌の名前からダウンロードまで出来てしまうんだ。
夜な夜な酔う度に同じ事を繰り返しそうで少し怖い。
泣いているうちは良いけれど、翌朝の自己嫌悪は相当なものだからだ。




 

06/10/29 (日)  横須賀で駆逐艦に乗る

早朝まだ暗い時間、高速で横須賀へ行く。
曇り時々霧雨。
しかし風は無い。

目指すのは海上自衛隊・横須賀地方総監部。
受付と持ち物チェックを済ませ、しばらく散歩。
軍港独特の雰囲気を楽しんだ。
出航まであと1時間。
緊張してきた。

子供の頃から機械が好きで、プラモデルから工場見学まで機械に関するあらゆる事にワクワクする。
その究極の形である軍備に興味を持つのは、ある意味当然の事だろう。
そして今日は縁あって駆逐艦に乗る。
海上自衛隊が訓練の成果を示す訓練展示が行われるからだ。




   

これに乗った。
DDH「ひえい」
第四護衛隊群の旗艦で5050トン。
5in.速射砲×2、CIWS×2、アスロックランチャー×1、シースパローランチャー×1、
そしてSH-60J型ヘリコプター3機を搭載する主力の大型駆逐艦(自衛隊の呼び方では護衛艦)。

現場となる相模沖まで片道3時間。
スタビライザーが効いているのか、揺れは全くと言って良いほど無い。
また、ディーゼル艦と違い現代のタービンエンジンは音も振動も匂いも感じない。
船は揺れずに静かに、まさに滑っていくように航行していく。

それにしても東京湾は狭く浅い。
そこを大型商船やプレジャーボートなどがひしめき合い、レーダーにはまさに無数の船が写っている。
僕は出航からしばらくの間、ブリッジを見学していたのだけれど、浦賀水道を抜けるまでは気が抜けません、と艦長が言う。
事実、次から次へ飛び交う命令と伝令に、ブリッジの空気は緊張している。

   

 

下の写真は、我々の前を行くイージス艦「ちょうかい」だけれど、大きな碇を半分ぶら下げているのが良く見える。
万が一の時、スクリューを後進させたのでは巨大な船はすぐに止まることが出来ない。
そこで、あの碇を海底へ打ち込み急ブレーキをかけるのだ。
碇の周囲には沢山の要員が整列し、その緊張がこちらにまで伝わってきそうに思った。   

   




緊張のブリッジを出て、デジカメ片手に艦内を見て歩く。

     トイレ。綺麗に清掃されている。

    医務兼オペ室。 うーん、ここで手術されたくないな。

    廊下のいたる所に材木。 戦闘で艦に穴が開いたときにこれで防水するらしい。

    食事が出ると聞いて、有名な海軍カレーかと期待したけれど普通の仕出し弁当で残念。美味しかった。




そんな事をしているうちに相模沖へ着く。
乗り心地の良い船に、船酔いの心配など少しも無い。
首相も官邸からヘリで到着。
いよいよ本番だ。

視界不良で航空機の参加が無かったのが残念だ。
P-3Cの対潜攻撃を是非見てみたかったのに。
それでも、参加艦船約50。
それらが一直線に並んだ姿が美しい。
水平の彼方まで、護衛艦が並んでいるんだ。

   



     早射砲。

    敵ミサイルを欺瞞するためのIRフレア。

    ボフォースの発射。爆発の衝撃が艦を揺らす。

    潜水艦の急速浮上。

核戦対応の甲板散水、洋上補給の実演、哨戒ヘリの発艦、ミサイル艇の高速航行。
海上保安庁の巡視艇「やしま」まで合流して、あっと言う間に時間が過ぎていく。

望遠レンズを付けたデジタル一眼を振り回していた僕は、やがてファインダー越しに見るのが馬鹿らしくなってカメラを下ろす。
肉眼でしっかりと見ていたい。



西日が海をオレンジに染める頃、横須賀港へ帰る。
貸し出された毛布を甲板に敷いて海と空を見る。
いつの間にこんな良い天気になったのか、それにすら気付かず演習に没頭していたのか。
久里浜の三本煙突が見えれば、もうすぐ横須賀だ。
たった8時間を過ごしただけなのに、この船に愛着を持ち始めている自分に気付く。

何かと批判の対象にされがちな自衛隊だけれど、それは国の事情で軍隊と認められない事に起因する。
彼ら一人一人は極めて有能に、与えられた仕事を遂行しているのだ。
彼等が自分達の仕事に誇りを持ちこの国を愛している事が、こういう場に身をおくと良く解る。
それは弛緩した時代に、ともすれば異質なものと思えるかもしれないけれど。
自衛隊の存在を議論する事はとても大切だけれど、その議論の材料として彼らの任務に接する機会が更に増えるべきだと思う。




 


 

06/10/27 (金)

肌寒い朝。
霧のような雨がしっとりと地面を濡らす。
春先にしまったフリースを引っ張り出して羽織る。
その温かさが嬉しい季節。



   

いつもの部屋でMと昼酒。
そして昼寝。
気付けば、いつの間にか雨の上がった西の空に陽が沈む。

夜、それぞれの家へ帰宅。
体が気だるいのは昼間飲んだホット・バタード・ラムだけのせいでは無いだろう。

明日は早朝に出勤。



 

 


 

06/10/25 (水)  給料日

一日の仕事をほぼ終えて、職場の窓から外を見る。
風は強かったけれど、気持ちよく晴れた秋の陽が落ちる。
薄暮のとき。
剃刀のように細い、月齢3の上弦の月が南西の地平へ落ちてゆく。
この時期、夕まずめは長く続かない。
みるみると色の消えていく空は見飽きる事は無いけれど、そろそろ仕事を切り上げ職場を出よう。


ATMへ寄り、新生銀行口座から5万円を下ろす。
今日は給料日なのだ。
新生銀行はコンビニ、都市銀行、郵便局などどこのATMで下ろしても手数料無料で使い勝手が極めて良い。
もう、自分のお金を下ろすために手数料を払う生活には戻れない。

「いなげや」で買い物をする。
ちりめん山椒の瓶詰め、木綿豆腐、プレーンヨーグルトとソルトクラッカー。

スポーツジムへ行く。
クロストレーナーとトレッドミル、ロータリートーソ。
腹筋負荷はついに最大の62キロに達した。
汗を絞り尽くして退場。

酒屋で試飲。
酸味の利いた山形の純米吟醸を一本購入。
3300円也。

本屋で立ち読み。
昔読んだJ・アーヴィングのホテル・ニューハンプシャーを再読したくなり上下巻購入。

そして帰宅。



   

先日、温泉に行ったときに買ってきたコンニャクを炒め煮にする。
濃い味付け。
ゴマと鷹の爪、仕上げに更に柚子七味を振り掛ける。
他に冷奴、しめさば、シシトウ焼き。

今、22時。
これら酒肴を並べ、今から呑みはじめる。
これからの数時間は僕にとって、とても大事で誰にも邪魔されたくない時間だ。
まずはエビス、その後に冷えた純米吟醸だ。

明日は南海上低気圧の影響で曇りがち。
夜から金曜にかけて弱い雨が降るかもしれない。
金曜は仕事休み。
Mと2人、どこかの窓から雨を見るのも良いかもしれない。

 

 

 


 

06/10/23 (月)  芋を煮る

霜降。
その二十四節気そのもののような朝。
霧のような冷たい雨が、しっとりと全てのものを濡らしてゆく。
空気の密度が高い。
秋が往き、冬がやって来る。

ウインドブレーカを羽織ってスクーターで出勤。
忙しい午前はあっと言う間に終わり、昼に仕出しのトンカツ弁当。
そのトンカツは体積の80%が脂身と言う素敵なシロモノだった。
午後は飛び込みの仕事が数件重なり、一日の予定を大きく崩したまま気力を失い18時に職場を出た。
そしてまた、小糠雨の中をスクーターで突破。
以前乗っていた250ccの大きなスクーターと違い、今の「チョイノリ」はスクリーンが無く少々の雨でも全身が濡れる。
いや、それ以前にあまりに非力で小さな車体ゆえ、悪天候のときに乗りたいものではないのだけれど。




   
   

夕飯に里芋を煮る。
昨日収穫した石川早生の小芋だ。
僕は里芋の小芋を茹でた「きぬかつぎ」と言うものが大好物なんだ。
熱々の、ぬるっとした小芋を次々と口へ運びながら燗酒を呑む幸せ。
醤油やごま塩が本当なのかもしれないけれど、僕は少し甘めの麺つゆで食べるのが好きだ。

梅雨明けの頃に植えつけた、あんなに小さかった里芋が今こうして沢山の小芋をもたらしてくれる。
サツマイモもゴボウも長芋も、柔らかい土の中でぬくぬくと成長をし、僕に食べられるのを待っている。
野菜作りって本当に楽しい。

明日は上空に入る寒気の影響で荒天。
突風と雷、そして終日の雨が予報されている。
一雨ごとに冬が近づき、もうすぐそこまでやって来ている。
足の甲に残ったビーチサンダルの日焼けの跡に、暑く短かった夏を思い出し溜息をつく。
あの海はもう、鉛色に沈んでいるだろうか。

 


 

06/10/22 (日)  イワシ梅干し煮

雲の多い日。
東京の最高気温は22度。

朝6時に起き、しばらくベッドの中でゴロゴロしたあとチョロQで家を出る。
昨夜の電話で消耗している様子だったMの顔を見るため、通勤路で待ち伏せだ。
やがて自転車を漕いで来た日曜出勤のMは疲れて酷い顔。
毎晩遅くまで持ち帰った仕事をしているからだ。
少しだけ立ち話をし、Mは職場へ、僕は畑へ。

大根の土寄せと追肥。
カブの間引きとブロッコリーの害虫駆除。
サツマイモと落花生は特に作業無し。
   
   

里芋を一株だけ試し掘りした。
品種は石川早生。
ヤツガシラなどと違い大玉にならない「きぬかつぎ」向きの品種だ。
小芋は上出来。
先日作ったウッドデッキの上でちょっと干しておき、明日はきぬかつぎで一杯やろう。

昼は機械いじり。
工具を沢山並べ、2台の車と1台のスクーターを整備する。
オイルと冷却水の補充。
各部の増し締め、プラグ清掃、グリスさし。
アイドリングの調整、パッド残量の確認、そして洗車。
機械いじりの好きな物にとって、もしかしたら運転よりも整備の方が楽しい時間なのかもしれない。
そして、自分で仕上げた車やバイクが調子よく走る事に何よりも満足感を感じる。
いつかきっと、設備の整った自分専用のガレージを作るんだ。

夕方、チョロQで食材の買出し。
魚屋で美味しそうなイワシと銀だらの粕漬け、八百屋で大根(自分の大根は収穫までにまだ日がかかるからだ)、
惣菜屋で揚げたてのさつま揚げ、肉屋でコロッケを一つ買い食べながら入ったお茶屋で焼き海苔。
このところ疎かだった自炊を存分に出来るだけの各種調味料。
商店街で散財し、満足して帰宅。
そして、夕方まだ明るいうちからイワシの梅干煮を作りはじめる。

   

夜、開けた窓から濃厚な雨の匂い。
これから火曜にかけて、久しぶりにまとまった雨となりそうだ。

ぬるく燗をした酒と、イワシの梅干煮。
他にはさつま揚げ焼き、タラ白子ポン酢、焼き海苔。

読みかけの本は山積だし、犬は満腹で眠っているし、そのうえ外は雨降りだ。
今から出勤までの10時間、それは完全に僕だけのもの。
机上のスタンドの他に照明を落とした部屋で、酒を呑みながら本を読むこと心地よさ。
こんな静かな夜は、眠る事すら惜しく感じる。

 

 


 

06/10/某日  

不肖の兄の借金問題に奔走する。
何度も繰り返される愚行に嫌気がさし、安易に闇金にまで手を出した奴が許せない。
情け無さと怒りで、ここ数日は何をしていたのか良く覚えていない。
もう縁を切ってしまおうか、とさえ思った。

でも、子供の頃の事を思い出すと、どうしても断罪する事が出来ない。
よく2人で釣りに行った多摩川、打ち上げ花火で蜂の巣を攻撃した竹薮、もんじゃ焼きを作った駄菓子屋の軒先。
そんな兄との思い出が頭を過ぎり、辛くなる。
今ここで見捨ててしまえば、本当に兄は浮き上がれなくなるのではないのか。
もう一度だけ、信じてみても良いのではないのか。
それで駄目なら仕方が無い。

20日(金)、Mと温泉へ行く。
その途中の峠道で携帯に着信し、借金の件でシビアな話しをした後、なんだか少し気が楽になった。
今回を最後に、もう一度だけ力になろうと決めたからだ。
決めてしまったらここ数日のドンヨリとした気持ちが晴れ、多弁になる。
紅葉にはまだ早い奥多摩の山間を走りながら、Mとたくさん話しをした。

   

露天風呂で放心し、座敷で昼寝をし、目が覚めてまた風呂で放心する。
帰り道はMの運転なので、今日は酒も呑めるぞ。
キノコの天麩羅をもらい、冷えた生酒を味わう。
良い気分だ。

   

この村は蕎麦作りが盛んで今日は新蕎麦を期待したのだけれど、まだ少し早かったな。
収穫された蕎麦は今、畑で天日干しになっているところだ。

温泉を出て周囲を散歩する。
車の殆ど通らない村の小道は、シーンという音が聞こえそうなほどに静かだ。
ワサビ田と蕎麦畑と段々の大根畑。
漂う焚き火の懐かしい匂いと、遠くに聞こえる川の音。

Mと付き合い始める以前からもう何度来たか解らないこの村が、僕はとても気に入っている。
いつか歳を取って隠居するなら、こんな場所が良い。
畑を耕し、好きな料理でも作って静かに暮らすのだ。
その隣にMが居てくれたら、僕はそれ以上は何も望まない。



21日(土)。
早朝出勤。
午前、午後ともそれなりに忙しく仕事。
しかし、全ての仕事が時間通りにはこび気分が良い。
昼に大勝軒。
仕事帰りには久しぶりにスポーツジムへ行き、自分を苛めぬいた。

少しだけペースを乱された僕の生活を、また元に戻そう。
仕事とジムと畑の静かな日々を取り戻そう。
帰宅して犬を膝に抱き、少しの酒と少しの肴に満足し、寝る前に本を読み、窓を開けて眠るいつもの生活を取り戻そう。
そしてぐっすりと眠りたい。

明日は早朝から畑の予定。
そろそろカブと大根が収穫できるだろう。



 

06/10/17 (火)



Mとドライブへ行く。

M宅最寄りの所沢ICから関越道に乗り、北を目指した。
特に目的地は決めて居ないけれど、どこかで紅葉でも見られたら良いな、と思う。
予報では快晴との事だったのに、空には低い雲。
天気が回復しなければ温泉にでも入って帰ってこよう。

高速に乗ると、用も無いのにサービスエリアへ立ち寄ってしまう。
今回は焼きたてのパンが美味しい上里SAへ立ち寄り、クロワッサンなど齧りつつサービスカウンターで情報を集める。
有る程度標高が高くなれば紅葉もはじまっていそうだ。
じゃ、白根・浅間あたりをうろついて見ようか。
SAを出、また走り始める頃には雲も切れ、抜けるような青い空が見えてきた。




伊香保で高速を降り、ロマンチック街道と言う恥ずかしい名前の付けられた気持ちの良い道を走る。
道端には道祖神が点在し、昔から街道として使われていた道なんだろう。
コスモスとサルビアとセイタカアワダチソウにススキ。
道端の花がとても綺麗。
稲刈りの終わった田の間を走る道を草津へ向かった。

   

草津で僕らは珍しく観光客となって温泉街を歩いた。
湯の華を採取するための「湯畑」、西の河原、公共の入浴施設、足湯の池。
街を歩いているうちに気付けば温泉饅頭の試食を持たされいたり、Mに至ってはお茶と漬物まで渡されていた。
活気のある温泉街。
泊まりに来る事は無いだろうけれど、たまにこうして歩くのは楽しかった。

   

白根のお釜。
標高2000メートル。
その濃さを増した空の青に、ポッカリと開いた火口の湖はエメラルドグリーンだ。
綺麗だけれどこれはpH1.2。 世界でもっとも酸性度の高い死の湖だ。
残念な事に湖水へ近づく事は出来ない。
過去に硫化水素による死亡事故が有ったためだ。

白根山頂からの景色は素晴らしい。
遠くに見える槍ヶ岳には早くも雪が白く積もっていた。


   

白根から軽井沢へ下る。
万座ハイウエイから鬼押しハイウエイ。
途中、鬼押出しで荒涼とした溶岩流の跡を見、紅葉の道をゆっくり走る。
この辺は真っ赤に染まる樹は少ないけれど、カラマツの黄に染まった山を見ながら走るのはとても気持ちが良い。
ステレオを止めて、窓を開けて走ろう。

活発な活動を続ける浅間山がモクモクと白い煙を吐き、雄大な姿を見せる。
道の脇に車を止めて、Mと写真を撮った。
とても楽しい。
このまま2人で、もっと遠くへ行ってしまいたい。



12時間、450キロ走って帰宅。
撮影した150枚ほどの写真を整理しながら酒を呑む。
Mも僕も良く笑って写っている。
10数年付き合って、その間には色々有ったけれど、Mとこういう関係になれた事を感謝している。


しかし、そんな優しい時間にまた爆弾が落ちてきた。
それも今回は巨大な爆弾だ。
もちろん兄の事でだ。

怒りと情けなさに絶望しそうになる。
まさか、そこまで落ちているとは思わなかった。
本人には、もうどうする事も出来ない所まで来ている。
兄の妻はまったく役に立たないばかりか、関係ないと言い切った。
年老いた両親の耳になど絶対に入れる事は出来ない。

僕は目の前に広がる暗い闇を、どう受け止めれば良いのか解らない。
もう、どうにでもなれば良い。
考えるのも面倒だ。

 

 


 

06/10/16 (月)  イモガラ酢味噌

長雨の時期が終わってからの、秋の日々は良いものだ。
生き物達はまだ夏の勢いを覚えており、高い空からは明るい陽がさし、畑はふかふかと柔らかく作物を育てる。
そんな今年の東京の秋は、いつもにも増して美しい気がする。

安定した気圧配置がもたらす穏やかな日々は、これから厳しく暗い冬が来る事など忘れてしまったかのようだ。
でも、いつまでも長閑には暮らせない。
もうそこまで来ているんだ。
僕を沈ませ俯かせる季節が。



先日兄に落とされた爆弾がジクジクと気持ちを腐らせているところに、第二第三の手酷い追い討ちを受ける。
血の繋がった兄弟だから、信じたいし幸せにもなってもらいたい。
それでも、再三裏切られ嘘をつかれると正直つらい。
ギャンブルと借金は病気のようなもので一生直らないと言うけれど、だからと言って可愛い姪や甥の事を考えると知らぬふりも出来ない。

二日の間に、二件の消費者金融の担当者がやってきて、兄への伝言を託される。
他に何社から借りているのやら。
いままで何度も繰り返された事なんだ。
数年前、毎晩のように僕のところに電話がかかったあの悪夢が蘇る。

いったい兄は何度同じ事を繰り返せば気付くのか。
その度に必死に援助して来た事が兄にとって良くなかったのかもしれない。
かといって、あの時他に方法があったろうか。

僕は傍から見たら呑気な身分に見えるかも知れないけれど、こういう時になると途端に無力になる。
楽して遊んでいるように見えるかもしれないけれど、僕なりにギリギリの生活を細々と送っているんだ。

どうすれば良いのか、何が出来るのか、全く解らない。




昨日、ボンヤリと缶コーヒーを飲みながら自分の畑を見ていた。
サツマイモ、落花生、大根、カブ、ゴボウ・・・
そして一際大きく張り出している里芋の葉。
この葉柄はたしか「イモガラ」とか「ずいき」とか言って食べられるんだったなあ、と思う。
そして数本切って持ち帰ってきた。
こんなやつ↓

   


今夜、仕事から帰って料理法を検索する。
もちろんココでだ。

酢味噌和えが美味そうで、早速作ってみる。
皮をむいて、茹でて、酢味噌をかけるだけ。
こんな感じ↓

   

シャキシャキとして、とても美味いぞ。
この食感は他ではちょっと思いつかない。
肉や刺身も良いけれど、先日作ってみたサツマイモのツルのキンピラと言い、こんなものをツマミながら呑む酒はしみじみと美味い。
明日はアブラゲと共に煮てみよう。

好きな肴を自分で作り、酒を呑みながら犬と共にゴロゴロして夜の時間を過ごす。
こんな静かな時間がいつまでも続けば良いと願う。




明日は仕事休み。
天気が良ければどこか遠くへ行ってみようか。
沢山走って良い景色でも見たら、少し気が晴れるかもしれない。
良い考えが浮かぶかもしれない。




          

 


06/10/14 (土)  ミツバ芥子あえ

晴れ。
東京の最高気温は22度。
朝早くに目が覚めて、そのままベッドから出る。
昨夜は眠りが浅く、寝返りばかりしていた気がする。

早い時間に車で出勤。
自室に入ると、すでに内線が鳴っている。
忙しい一日になりそうな予感。
ANAの大きなマグでカフェインレスコーヒーを飲んでいるうちに次々と他部署の人が来室し、
新しい仕事が増えていく。
慌てて着替え、今日の仕事を始めることにした。

久しぶりに昼食をとって、午後。
眠い。
確かに昨夜の睡眠は足りていないが、そんな事は関係ないだろう。
僕の体質なのか悪癖なのか、お腹が満たされると発作的に眠くなる事があるんだ。
今日の眠気は、もう自分が使い物にならないほどに強く、人と話していても機器を操作していても、PCを使っていても、
抵抗できない程の眠気が襲ってくる。

本館二階の東端に普段誰も使わない応接室がある。
そこの大きなソファが心地よく、眠気に耐えかねて倒れこむ事がある。
午後3時。
全ての仕事を放棄し、そのソファに倒れこみ、あっと言う間に意識を失った。
それからの1時間は、僕の名を呼ぶ全館放送に目を覚まして内線で用件を済まし、
また意識を失っては、次の全館放送に目を覚まされの繰り返し。
まったく酷い職員だけれど、あのまま仕事を続けミスをするよりは良いだろう。



   

スポーツジムでフルメニューをこなし、遅い時間に帰宅。
酒の肴に何かサッパリとしたものが欲しくてミツバを摘む。

このミツバは種を蒔いてから何も手入れせず放置していたものだ。
本来は直射日光を避けて育て、もっと早い時期に収穫しなくてはいけないのだけれど、
日当たりの良い場所で大きく育ったこのミツバは緑濃く大きく硬い。
でも市販のミツバなどでは決して望めないほどに香りが強いんだ。

溶き芥子であえたオヒタシにしたのだけれど、その香りの良さが好ましくてとても良い肴になった。
これからミツバを作るときは日当たりの良い場所で大きく育てることにしよう。

他の肴はキンメの干物、ちりめん山椒、焼き海苔。
酒は澤の井を燗で。
呑みながらDVDで藤沢周平原作の映画「蝉しぐれ」を見た。

南海上の台風18号は東へ向け転進。
東京へはやって来ないようだ。
本州上空は高気圧に覆われ、しばらくは安定した天気が続きそう。
窓は開けたままで、気に入りの羊毛掛布に包まって眠るのが気持ち良い季節になった。

 

 


 

06/10/13 (金)

水、木、金と昼食の時間を取れない日が続く。
溜まった有給を少し消化して欲しいと乞われ、多めに休みを入れたシワ寄せがこんな所にやってくる。
休んでもその分の仕事がそっくり残っている訳だから、有給を取っても嬉しくは無い。
人手不足は最早限界だ。

仲の良い事務のOちゃんが色々話したいと言って来る。
中間管理職的な立場の彼女は31歳。
下から上から挟まれて典型的なストレスを溜め込んでおり、その愚痴を昇華したいんだろう。

ああ良いねえ、食事にでも行こうか。
オレも飽和していたところだよ。



電話で予約して気に入りの店へ行く。
職場から高速と国道を使って1時間半。
この店は、東京の西の端の山間部にあり、川沿いに広がる6000坪の敷地に手入れをし尽くされた庭が広がる。
客室は全て離れで、酔客や子供の声などに邪魔される事無く話す事が出来る。
四季がとても美しく、僕の大好きな店なんだ。

ゆっくり食事をして、ゆっくり話しをして、ゆっくり庭を見た。
真っ暗な山を背景に、無数のかがり火が焚かれた庭がとても美しく溜息が出る。
いつもここへ来るのは昼の時間帯なので、夜の美しさを知らなかったんだ。
デジカメを忘れてきた事を悔やみつつ、とても満足した3時間だった。

深夜0時帰宅。
Mからの留守電を聞きこちらから掛けなおす。
Mの妹が具合悪く、週明けから入院との事。
また心配事が一つ増えてしまった。

寝酒に燗酒を1合呑み、すこし本を読んでから眠った。


 

 

 


 

06/10/10 (火)  愚痴

今日も良い天気。
東京の最高気温は26度。
穏やかな日。
収穫残しの葡萄の実をスズメが突付くのを、犬が悔しそうに見上げている。

昨夜から今日の昼に掛けて、兄とその一家の事でウンザリするほど嫌な思いをし不愉快になる。
殆ど顔を合わす事も無い兄だけれど、忘れた頃に爆弾を落としてくれる。
もうずっと以前から繰り返されて来た事で、ある程度の耐性は出来ているけれどやはり惨めな気分だ。
昨日の僕の日記に有るように僕自身褒められる生活はしていないけれど、兄のだらしの無さには呆れるしかない。

僕はただ静かに暮らしたいだけなんだ。
僕の質素でささやかな生活に土足で踏み込まれるような経験をする度に、ただ溜息をつく。
昼、その件で某所に金を届け帰宅。

もうこの時間からでは遅い。
気持ちの良い秋の日を、あの温泉で過ごそうと思っていたのに。




    

気晴らしがしたくなって、自宅から1時間ほどの峠道へ行く。
この道は、かつて僕がバイク小僧だった頃、「ヒザすり」の練習をした場所だ。
軽いレーサーレプリカの奴らに僕の4stバイクではどうしても追いつけず、いつも悔しい思いをしていたっけ。

平日の今日は他に車も少なく、窓を開けてゆっくり流す。
でも、そのうちに忘れていた怒りがまた湧きあがり、両手両足を駆使して何往復も飛ばす。
緊張が続かず、これ以上走ったら事故を起こすと自覚するまで走っていた。


夜、スポーツジムから帰って氷水を飲みながらMと電話。
2人の都合を合わせ、webからミュージカル「キャッツ」の予約を入れる。

僕がキャッツを初めて見たのは19歳のときだ。
当時、新宿南口の高島屋は無くて、あの場所は空き地だった。
そこに期間限定で巨大なテントが建ち、まだ余り知名度の高くなかった劇団四季がキャッツの公演をはじめたんだ。
あの頃、目的も無いのにいつも新宿をふら付いていた僕は、
当時仲の良かったオカマのケンイチと決して安くは無かったチケットを買い、初めてのミュージカルを見に行った。
そして、その世界に魅入られ以後何度もあのテントを訪れる事になる。

あれから20年経ってあらためて見るキャッツに、当時のように感動する事が出来るだろうか。
11月1日、S席を2枚。
なんだか少しだけ、機嫌が良くなってきた。

明日は気圧の谷の通過に伴い天気は下り坂。
しかし明後日以降はまた安定した天気が続く。
柿の実もますます色を濃くし、季節は晩秋。


 


 

06/10/9 (月)  酒の会で酔う

体育の日。
長雨の季節も終わり、秋晴れが続く。
雲ひとつ無い青空。
気持ちの良い日。

昨日からのデッキ作業を終わらせて畑行き。
大根もブロッコリも機嫌良く成長している。
背に当たる陽が温かくて汗をかきそうなほどだ。
里芋の根元で、エンマコオロギが盛んに鳴いている。



   

午後は日本酒利き酒会。
ビルの高層階から快晴の東京の街を見下ろし、良い気分で昼酒を呑む。
全国から集まった蔵元が持ち込んだ自慢の酒を呑みながら、作り手の話を興味深く聞く。
特に自分が日頃愛飲している蔵元との話は楽しく、ついつい飲み過ぎてしまった。

これは利き酒会。
本来、口に含んだ酒は飲み下さずに吐き出さなければいけないんだ。
もちろんそんな勿体無い事は出来ず。
そして、会が終わる時には立派な酔っ払いになっていた。

その後、繁華街に出て友人と何軒も飲み歩き、大騒ぎ、大酔っ払い。
今、これを書いているのは翌朝なのだけれど、酷い二日酔いでどこで何を飲んだのか殆ど覚えていない。
でも、デジカメにはこんな証拠写真が残っていた。

 

グルクンのカラアゲ? 沖縄料理屋だな。泡盛で一気に加速したんだろう。

 

これはあの居酒屋だ。キンメの刺身を食べたの覚えてる。

 

地下のBAR。行ったのは覚えてるけどウイスキー飲んでるな。

 

やっぱりやってますな。仕上げのラーメン。

 



心配して車で迎えに来てくれたMには会えず。
携帯が鳴るのにも気づかず、僕がどこかで居眠りをしていたからだ。
品の良い酔っ払への道はまだまだ遠い。





 

06/10/8 (日)  ウッドデッキを拡張する

今日の東京は、風速20メートルの風。
太平洋上を北上した低気圧の影響によるものだ。
しかし、天気は素晴らしい。
青い空に羊雲が流れてゆく。
そして地上には、散り始めた金木犀がオレンジの雪となって舞っている。

今日から3連休。
有給消化のためにやむを得ず取った休みだけれど、急に決まった休みの為に遠出の予定は立たず。

朝起きて、埼玉の畑へ行く。
途中、Mの通勤路に車を停めて缶コーヒーを飲みながら彼女を待った。
やがてやって来た日曜出勤のMは、また昨夜も遅くまで持ち帰った仕事をしていたようで朝から疲れた顔。
なんとかもう少し楽な生活を送らせてあげたいけれど、僕に出来きる事は限られている。
1分ほど話しをして、彼女は彼女の職場へ僕は僕の畑へと向かう。


 

   

今の時期、畑作業はあまり無い。
大根もサツマイモも落花生もゴボウも長芋も、ただ成長を見守るだけなんだ。
根菜は病虫害も少ないし、肥料もあまり必要としない。
それでも、畑の空気が好きで作業も少ないというのに休みの度にここへ来るんだ。

良い香りの風。
作物の上をアキアカネが乱舞する。
草むしりを終えた後、強風で落ちたムカゴを拾って帰宅した。
今夜はこれでまたムカゴ飯を炊くんだ。


遅い朝食を食べてからチョロQ号でDIY店へ行く。
3年前に作ったウッドデッキの拡張をするための材料を買い出すためだ。
僕は季節を問わず外に居るのが好きだ。
だから、自宅のウッドデッキは昼は読書、夜は酒飲みの場として僕にとって欠く事のできない場所となっている。
そのウッドデッキをもう少し広くしたいんだ。

   

後部と助手席を倒しフラットにしたチョロQ号の積載力は素晴らしい。
セメントの大袋、砂利の袋、デッキの基礎に使う鉄製のアンカー、そして幅14センチ厚さ4センチ長さ180センチの木材10数本を全て積み込んでしまった。
軽トラを借りる手間も無く、昼には帰宅。
まったく良い車だ。

午後はひたすらお楽しみの時間。
日曜大工が大好きな僕は、電動工具や水準器、メジャーやらレンチやら刷毛やらを振り回しデッキを作っていく。

   


僕がデッキを作るときいつも使うのがこれ(黄色の矢印)
商品名ヘキササポートというものだ。
本来、住宅用の床束(床を支える部分)として使われるものなのだけれど、住宅用だから強度はこれ以上望めないほどあるし
ねじ式で高さを調節出来るという長所もある。
水準器を当てながらクルクルとボルトを廻わし、調節出来るので失敗が無い。
そしてこんな物で頑丈に作ったウッドデッキは、大人が上で跳ねてもミシリともしないんだ。

好きな事をしている時、なぜこれほどに時間の経つのが早いんだろう。
気付けば周囲は薄暗い。
まだ全工程の半分ほどしか出来ていないけれど、明日も明後日も時間はある。
ゆっくりと楽しもう。

昼のあいだ荒れ狂っていた風はいつの間にか止んでいた。
玄関の脇で終わり間近のコスモスが揺れる。
綺麗に焼けた西の空にコウモリがハタハタと舞う。
気持ちの良い秋の日が暮れていく。

   

夕飯にはもち米で炊いたムカゴ飯。
そして、大根、にんじん、ニラ、豆腐入りのモツ煮を作った。
喉がカラカラで、エビスの大瓶をグラスに注ぎ七味をふったモツ煮をつまむ。
一仕事終え、心地よく疲れて呑むビールの美味さはちょっと形容しがたい。
濃い味に作ったモツ煮と共に、とても満足のいく夕飯となった。

明日は日本酒利き酒会。
夏を越して旨みの乗った日本酒を沢山呑めるお楽しみ会だ。
昼間から夜遅くまで、ずっとずっと呑んでいると思う。
きっと楽しい会になるだろう。






 


 

 

06/10/6 (金) 雨

旧暦八月十五日。
月見の日。
と言っても今夜の月は月齢14。
厳密には満月ではない。

早朝、開けたままだった窓からの雨の気配で目が覚める。
昨日から降り始めた雨は更に勢いを増し、記録的な大雨が予言されている。
今日は仕事休み。
雨なんてもっともっと降れば良いと思いつつ二度寝しようとするも、オシッコを我慢できない犬の悲鳴に起こされる。
でも、この雨の中散歩は無理だろう。
仕方が無いので温室内に犬を放し、オシッコでもなんでも自由にさせてやる。
その間に僕は風呂だ。
昨夜は少し呑みすぎた。
風呂で体に溜まった老廃物を搾り出さなくては。

その後も、まるで4400年前のあの日のように雨は降り続き、地上のすべてのものを洗い流してゆく。
台風に刺激された低気圧の影響で、東日本はずぶ濡れだ。
これは駄目だな。
今日はMといつもの温泉に行こうと思っていたのに。




自宅から車で2時間ほど。
馴染みの温泉は、険しい峠のその先にある。
いつもは程好いドライブコースとなるのだけれど、その道は連続雨量150ミリで通行止めになる山道なんだ。
そして、今日の東京は一日で250ミリの雨量が予想されている。
たとえ温泉に行く事は出来ても、夕方にはあの湯は陸の孤島になっているだろう。
今日は無理だな。
地元で映画でも見ようか。

Mのマンションでお茶を飲んでから朝マック。
その後、ワーナーマイカルにて映画を見る
元気の出る、とても良い映画だった。

その後、最近出来た巨大なホームセンターへ向かう。
チョロQ号のバッテリーを交換するためだ。
激烈は風雨で軽のチョロQはハンドルをしっかり持っていてもフラフラと進路が定まらない。
悪天候には弱いチョロQ号だ。

バッテリーは2980円。
先日はオイル交換もしたのだけれど、それに要した金額は1650円。
ちなみに、もう一台の車のオイル交換には1万円以上かかり、バッテリーは2万円。
タイヤはチョロQのものが一本4500円、もう一台の方は一本が25000円。
チョロQの維持費はとことん安い。

遅い昼に「なか卯」で親子丼を食べ、スーパーで買い物をし、Mをマンションへ送り届ける。
益々凶暴化する風雨。
こんな雨は久しぶりな気がする。
車のヘッドライトが反射して路面がキラキラと光る。
綺麗だね、とMが言う。


   

夕方、いつものクリニック受診。
あっち系の薬は無し。
胃薬のパリエットを28錠出してもらい帰宅。

夜、油揚げを焼いて、八丁味噌ダレをかけたものを肴に燗酒を呑んだ。
今日一日、風雨の中に居て冷えた体に燗酒が染入る快感。

明日は天気も回復し、気温もすこし上がるだろう。
雨上がりの朝独特の良い匂いを嗅げるだろうか。





 


 

06/10/3 (火)  ブリ大根を煮る

曇り時々小糠雨。
東京の最高気温は26度。
やや蒸し暑い。

チョイノリで出勤。
長い長い会議と某学会の準備に忙殺される。
昼食はコンビニで偶然見つけた「チリトマトヌードル」を5分で食べておしまい。

このチリトマトヌードルは僕の好物なのだけれど、この頃売っている店が少なく入手困難な状況だ。
先日は自宅でチリトマトヌードル欲に駆られ、買い出しに行くもどこにも売っておらず代わりにカップヌードルを買って帰宅。
湯の代わりに沸かしたトマトジュースとタバスコで作ると、チリトマトヌードルに少しだけ似た味になるんだ。
そんな変態料理をしている所は誰にも見せられないけれど、見ているのは犬だけなので良しとする。


ここの職場は年度が11月で変わる。
つまり今月中に消化できなかった有給は消滅する訳だ。
年間40日ある有給のうち、現在残っているのが34日。
別にこれが消える事は何とも思わないし、それ以前に有給とは別にある夏休みも消化しきれて居ない有様なんだ。

でも、事務方はそれが気に入らないらしい。
有給消化率が悪いと何か不都合でもあるのだろう。
休め休めと職場内メールが届く。
それなら休める体制を作って貰いたいものだ。
今朝も休めメールを見て憂鬱な気持ちになる。

そんな事情もあり、今月はそれなりに休みを入れて見た。
といっても、仕事量は変わらない訳で、その分を普段の残業としてこなす事になる。
残業手当を一切申請していない僕としては、何だか理不尽な気もするけれど。
それでも普段より多い休みを楽しもうと思う。
懸案のウッドデッキ拡張計画でも始動させようか。




夜、スポーツジムを出ていつもの地酒屋さんで酒の試飲。
抜群だった一本を買って帰る。
来週に迫った試飲会の相談の後、スーパーへ。
安くなっていたエビスビール、カロリなどを買い込む。
他にヌカミソカラシ、ラー油、レバーペースト、味付けもやし。
ブリのアラが半額になっていたのでそれも買って帰る。

   

大根とブリのアラ、昆布と先日畑で間引きした大根の葉の煮物。

煮上がった時には夕飯と言うより夜食と言う時間だったけれど美味し。
刺身も良いけれど、燗酒にはやはりこういう物が欲しい。
鍋に一杯作ってしまったので、暫くはこれを食べる事になるだろう。

明日はまた雨の予報。
この秋の東日本は春に引き続き日照不足が続く。
停滞する前線。
そして南海上からは二つの台風が北上して来ている。
週末はこの台風の進路しだいで荒れるかもしれない。









 

06/10/2 (月)  

雨。
Mと山へドライブにでも行きたかったけれど、大粒の雨と霧に意欲を削がれ昼寝する。
デリバリーの中華を食べながら昼からビール。
これはこれでまた良し。

夕方、2人で買い物へ行く。
そして、駅前商店街のお茶屋さんで売っていた焼き海苔の値段に驚く。
僕が普段食べているものの5倍はしたからだ。
酒の肴で好きな物を挙げろと言われれば、厚揚げやシラスなどと共に焼き海苔は欠かせないだろう。
でも、海苔は海苔であり、その品質など考えた事も無かったんだ。
お茶屋さんで試食させてくれたその海苔の香りと甘みを伴う味の良さに度肝を抜かれ、早速購入する。
これからの季節、燗酒をチビチビやる時に、これは良い肴になるだろう。

それにしても、商店街を歩くのは楽しい。
大型店が進出しないせいもあるだろうが、ここの商店街は活気がある。
魚屋さんでマグロの赤身を、パン屋さんで大きな食パンを、惣菜屋さんでは四川風麻婆豆腐と言うのを買った。
果物屋さんで買った梨を公園の水道で洗い、それを齧りながら2人で歩いた。


   

夕飯は、帰宅途中に畑で摘んできたモロヘイヤとマグロをあわせた物。
モロヘイヤは数年前に初めて作って見て、その美味しさに仰け反った。
それから毎年、畑の隅で作っているけれど、夏の時期には欠かせないモノとなっている。

他には例の焼き海苔、四川風麻婆豆腐に更に山椒を入れて辛くしたもの、糠漬のキャベツ。
酒は埼玉の銘酒・神亀を呑んだ。

金木犀も彼岸花もそろそろ終わり。
ホオズキの実も萩の花も色を無くしつつある。
柿の実は日に日に橙色を増し、畑では大根と白菜が大きくなってくる。
秋が急速に深まって行く。