2004/92004年09月30日


 

04/9/30 (木) 明日は休むぞ

黙々と仕事。
朝にカップスープ、昼にオタフクソース焼きそば、おやつにバナナ。
10月は後半に仕事のピークが有りそうで、しかも大勢の前で話す講演まで引き受けてしまい今から憂鬱。
でも、ここ数日はかなり仕事が捗り上機嫌。
特に昨日、今日は我ながら凄い集中力だったな。 エライエライ。

職場の窓から見る外の景色は台風一過。
空気が洗われて透明度が高い。
夕方、Yahoo天気を何となくチェックすると、明日も良い天気らしい。
ここ暫くバイクに乗っていないな。
明日休んでバイクでどこかに行こうかな。

そんな事を考えたらとまらなくなって、各部署に電話。
明日休むからね、って。
一人部署のコレは良い面。 逆に仕事が立て込んでいると40度の熱があっても休めない。(経験アリ)



バイクは単騎で行動できるのが良いな。
以前は良くバイクショップのツーリングに参加して10台、20台という大人数で伊豆や箱根あたりに行ったものだけど
この頃、バイクはいつも一人。
一人で行動できるだけ大人になったのかな。
体力の無い僕は、遠出するのは車以外考えられないけれど、日帰り圏で一人出かけるならバイクに限る。
ちょっと郊外に行って、好きな場所で休憩して、峠道で汗流して、どこかで美味しいものでも食べて。
そんな軟派なバイク乗りだけれど、バイクの無い生活は考えられない。
って言っても、一年半前に衝動買いした大きなスクーターがあまりに安楽で、この頃はそればかりだけれど。

明日の朝起きて、体調が悪くなかったら奥多摩にでも行こう。
どこかで美味しい蕎麦でも食べて、景色の良い所で放心してこよう。
きっと楽しいぞ。


   


今夜はそろそろ旬も終わりのジュンサイ(スイレンの仲間の若芽・僕の大好物)と、生湯葉、焼きアブラゲ。
酒は阿部勘の純米吟醸。
夕飯にご飯を食べる事は稀で、大抵はこんな居酒屋メニューでお酒を飲んでオシマイ。
秋の健康診断が楽しみ(怖い)

Mは仕事が忙しく、特に10月前半はいつ休めるか未定だという。
そんな日々が続くと電話の声でも気持ちがササクレているのが良く解る。
この多忙な人が、その日一日を無事に乗り切る事を毎日願い祈っている。

 


04/9/28 (火) 中秋の月

フキ、シソ、ミョウガ。
そんなものが子供の頃から好きで、みんな自分で作っている。
作ると言っても、これらはとても強い植物で、特に手入れする事も無く毎年必要な量を
充分に収穫できている。
ミョウガは木の陰で半日陰、少しジメジメした所がお気に入り。
そんな所に植えておけば、雨の次の日など面白いように収穫できる。
食べる部分は花穂で、大きくなりすぎると可憐な花を咲かせてしまい食用には出来ない。
でも、出勤前に時間が無かったり、仕事の帰りが遅かったりするとあっという間に花になってしまう。

   

そろそろミョウガの旬は終わり。
でも、ここ数日の雨に反応したのか土の中からたくさんのミョウガが顔を出している。
半分近くは花を付けてしまっていたけれど、残りは抜き採って美味しくいただこう。
カツオのたたきや刺身の薬味、味噌汁にも入れるし梅酢漬けでも美味しい。

今日は仕事から早く帰れたので、ミョウガを収穫しマグロ腹身とタタキに。
厚揚げも焼いて生姜醤油。
それを肴に月見酒を洒落ようと待っているのだけど、今は雲に遮られて見えないな。
スズムシやコオロギも鳴いているし、ススキ(ただし、アルゼンチン原産のパンパスグラスという品種)の穂
も出ているし、あとは月を待つだけなんだけどな。
月見には色々な意味があるけれど、中秋月齢15の月見は農耕豊作祈願の意味が強いみたいだから
是非とも月を見ながらお酒を飲みたいものだ。




04/9/27 (月) 麺家うえだ

何となく気分を変えたくてMを誘いラーメンを食べに行く。
埼玉の志木駅南口の「麺家うえだ」(新座市東北2-12-7)
最近リニューアルして店名が変わったが、元の名は「鬼火山」
知る人ぞ知る、パワフルなオバサンが切り盛りするラーメン店だ。

このオバサンの作るラーメンは美味い。
3~4年前に牛骨ラーメンで行列店になり、例の狂牛病事件で軍鶏スープのラーメンに変身し
その後も塩ラーメンや鯛骨ラーメン、味噌つけめんなどの新作を次々と出す。
その全てを食べているが、どれも素晴らしく美味しくて、そのセンスの良さに参っていた。
今回、増えすぎたメニューを整理して、特濃豚骨とあっさり魚介の二種類のスープとなり
店名も代えて心機一転。




鰹出汁醤油スープに目の無い僕は、モチロンあっさり魚介ラーメン(写真左)
Mは特濃豚骨ラーメン(同右)

豚骨はドロっと濃厚な(まるで天下一品のような)スープにやや太目の麺。
茹でキャベツとネギ、ネギの上に熱い油をジュっと垂らして香ばしい香り。
魚介ラーメンは黒い醤油色のスープに細麺、刻んだタマネギ、チャーシューと海苔で見た目もサッパリ。

豚骨は想像どおりの濃厚な味でガツンと来るけれど、飽きることなく最後まで食べられる。
途中で机の上の辛味噌を加えるとさらにいい感じ。
でも、ニンニクの苦手な僕は味見程度。

魚介ラーメンは、こんな系統のラーメンが好きでアチコチ食べ歩くけれど、今の所僕のBestかもしれない。
スープがかなり黒いけれどそれ程醤油の味が濃くなくて、節の苦味やエグミも無い上品なスープは
吉祥寺の一二三にも似るかもしれない。
固めの細麺もスープに良くあって、とにかく美味しい。

一杯の温かく美味しいラーメンを啜る幸せ。
小さいけれど、そんな温かさが嬉しい。


月曜。
出勤すると、まさに仕事の山。
金曜の昼前に帰った事の苦情が数件。
だから、忌引きだって言ってんだろ馬鹿。 ちょっと切れる。

早く出勤した朝にインスタントのコーンスープ。
昼に緑のたぬき。

終日雨の東京。
仕事の合間に空を見上げ溜息を付く。
すっきり晴れないかな。
なにか良いこと無いかな・・

 


04/9/26 (日) 

昨夜遅く、疲労困憊して帰宅。
従兄弟の通夜と葬式だ。

従兄弟が住んでいた地域では告別、納骨、初七日まで同日中に行ってしまう。
たった2日前まで元気だった彼がもう土の中。
その現実がまだうまく理解できないでいる。

余りにも突然の事で、集まった全ての人が戸惑い呆然としている。
秋分の日、友達と遊び帰宅してビールを飲み布団に入ってそのまま逝ってしまった。
早くに夫を亡くし、今息子が逝った叔母は憔悴しきっていて掛ける言葉も無い。

僕にとっては一番仲の良い従兄弟。
子供の頃、毎年の夏休みを過した母の実家で彼と遊ぶことが楽しみだった。
楽しい思い出が多すぎて、それを思い出すことが今は辛い。
あの若さで逝ってしまうなんて。


     

彼の傍らで線香を灯し続けた、すごい雷雨の夜はいつまでも忘れない。
人前で泣くことができなくて、僕はただ線香を焚く事しかできなかった。

翌日、以前の夏の夜に彼と大きな懐中電灯を持ってカニを採りに行った海岸を一人で見に行った。
そこでやっと泣くことができた。

 


04/9/23 (木)

昨夜、地元で幼馴染のTと飲み二日酔い気味。
午前中、Mの長男が出る少年野球の試合を観戦し、昼過ぎからファミレスでMの子供達と食事。

食事を終えて、車に帰り、携帯をフト見ると着信が三件も。
それも、全て自宅から。
何となく嫌な予感を感じながら家へ掛けなおす。


母親の甥にあたる従兄弟が急逝したという。
僕が一番仲の良かった、なんでも話せる数少ない人物だ。
途切れがちの電話で、最初良く理解できなかった。
だって、余りにも突然で。それにまだ若くて突然亡くなるなんて。大好きだった従兄弟が。

あまりのことでポカンとしてしまって、何も考えられず、すぐに帰る事もせず、Mの子供達と買い物に行ったりして。
喉がカラカラになって指先が冷たくなって、でも何故か子供達の前で笑ってた。

埼玉のM宅に送って、家に帰ったのは電話から3時間後。
母親の実家からの連絡。
聞くと、朝起きてこないので様子を見に行くと、すでに布団の中で冷たくなっていたらしい。
死因が解らないので病理解剖されると。


夜。
結局死因は心臓らしい。
先天的に心臓病を持っていたんだ。
推定で、今朝の5時頃に亡くなったらしい。
そして、苦しんだらしい痕跡があるという。

5時って、だんだん明るくなり始める頃か。
その時間に一人ぼっちで逝ったのか。
そういえば、昨夜飲み過ぎて喉の渇きで目が覚めて、その時間に僕は起きていた。
ノートPCで欲しいデジカメの情報なんかを探していたんだ。
あの時に逝ったのか。

今、夜の9時前。
なんで今、お酒を飲んでるんだろ。
そして気持ちを整理したくて、こうして日記を書いている。
本当に数少ない、仲の良い従兄弟が死んだというのに。
飛んでいって顔を見たい。 線香を灯したい。
なんでしないんだ。
なんでって、明日の午前の仕事がどうしても外せないからだ。
僕が居ないとどうしようもない仕事が朝の9時から3時間。

どうしようもなくて、イライラする。
辛くて体が震える。
そして、まだ実感は湧かないけどジワジワと寂しくなって来た。
涙が出てくる。 一度流れ始めると、止まらない。
こんなに涙って出るのかな。
やっと泣けて少しだけ楽になる。
泣きたかったんだ。

とにかく明日仕事に行かなくちゃ。
そして昼過ぎに職場を出て高速道路を300キロ走ろう。

この数日だけは安定剤を飲んで乗り切ろう。
薬を飲まないと多分過呼吸になってしまう。
そして、親戚連中でそんな僕の体調の話を出来るのは親を含めて唯一亡くなった彼だけだったんだ。

 

 


04/9/21 (火) 北の友達


連休明けの火曜日。

昨夜、眠れず深夜2時過ぎに悶々としていた。
適度にエアコンをかけ、寝酒をあおり、部屋を暗くして気に入っている固めのベッドに身を沈めても
いつまでも眠くならない。
今夜はダメかな、朝まで本でも読もうかな、そんな風に考えていた。
実際、月に何度かはそういう夜があるんだ。

と、サイドボードに放り投げてある携帯の照明が灯り、mail着信を告げる音がする。
函館の女友達、Kだ。
ほんの数行の、何ていうことの無いmailだったけれど、月も落ちた暗い晩、
北の親友がまだ起きていることが嬉しくって、速攻で返事を返す。
それからmailチャット状態になって、いったい何本のmailを打ったか。
そんななら電話すれば良いものの、mailのやり取りが嬉しくて、携帯の小さなキーを親指で打ち続ける。
最後のつもりでオヤスミを打ってもまた返事が来て、それに答えて・・

僕は、コイツが好きだな。
女の友達だけど好きって、愛情とは違うと思う。たぶん。
学生時代に一緒に苦労して同じ仕事をしている仲だから、ヘンな連帯感があるんだよな。
戦友みたいなものか。
彼女のアパートにいつも出入りしていたけれど、結局そういう関係にはならなかった。
今、どんな力が働いたのか、2人とも未だ独身でどちらもちょっと複雑な関係の恋人を持っている僕らは
少しの危うさを持ちつつも得難い親友になっている。
彼女もきっと今朝は目をコスリながら出勤したことだろう。

いつかまた、函館に彼女を訪ねたい。
そして浴びるほどに酒を飲むんだ。



南から湿った温かい空気が流れ込んだ東京は朝から暑く、そして湿度が高い。
そんな中、この頃グングンと増えた体重を気にして駅から職場まで歩く。
汗でTシャツに染みを作りながら、歩く歩く。
結局、腰につけた万歩計は、夜家に帰るまでに1万5千歩。
今日はやや多いけれど、でも普段でも1万歩は歩いている。
結構歩くよなぁ。
でも、体重落ちないな。
やっぱりジムへ行かないとダメなんだろうか。


   

職場を定時で飛び出して、素晴らしい夕暮れの雲の造形を見ながら月に一度の心療内科へ急ぐ。
薬はdoで、変化なし。
この1ヵ月の生活を主治医に話す。
驚いた事に、温泉マニアの主治医は、先日僕が行った那須の宿にかつて行った事が有ると。
まだ患者の待つ心療内科で、その温泉の話に花が咲き一人長く診察室を占領する。
僕よりもよっぽどストレス発散が上手いですよ。主治医にヘンに褒められて帰宅。
帰り際、杉の大木越しに半月。

夕飯は面倒になってスーパーのお寿司、700円。
昼間暑かったお陰でビールが卒倒するほどに旨い。

 



04/9/20 (月) 連休おしまい

部屋の掃除をして、DVDの整理をして、犬と遊び、芝を刈り、畑を耕す。
そんな事をしていると連休なんてあっという間だ。
通常、土曜日は仕事をしている僕にとって、連休は貴重なのだけど、
今回の休みはどこへも行かず、贅沢に、怠惰に消化した。

生命力に満ち満ちた夏が往き、秋野菜の植え付けの時期が来る。
トンボとコオロギ、空にコウモリ。
トマトやナスなどの無くなった畑は少し寂しく、暑かった今年の夏を懐かしむようにシンとしている。
午前の早い時間から鍬を片手に土の手入れ。
柔らかくフカフカに耕した土に、カブと大根の種を蒔いていく。
コレを収穫するのは年末か。
先日収穫した鷹の爪を使おうと、白菜も植える。
上手くいけば正月の白菜漬けになるだろう。

大きなエンマコオロギを数匹捕まえ、鈴虫の水槽に並べて玄関に置いた。
秋の虫の代表としてお店でも売られているスズムシよりもむしろ、僕はこのコオロギの声が好きだ。
コロコロと寂しげに優しく鳴くコオロギの声を聞きながら、深夜に酒を飲むのは良いものだ。



   

まだまだ気温は高いけれど、星も地上もすっかり秋。
秋の空の南のうお座でポツンと一つ、冷たく光るフォーマルハウト。
風に揺れる萩とススキ、旨みを増す秋上がりの酒。
そしてなにより、つるべ落としの秋の夕暮れ。

 


04/9/17 (金) 彼岸花の群生を見に

彼岸花が好きで家にも植えている。
その元となった株は僕が物心ついた頃から祖母が育てていたもので、
祖母の家を壊すときに掘り出した幾つかの球根だ。
毒があるから触ったらいけないと祖母に言われても、その不思議な花に魅かれていつも手に触れていたっけ。
曼珠沙華という仏教に由来する別名を持つこの花は死者の魂を宿す花とも言われ、僕にとっては亡き祖母との
思い出の花でもある。

今年は天気の具合が良かったのか、群生している場所では例年に無く素晴らしい光景が見られると聞いた。
Mとこの時期、いつもこの花を見に行く場所があって、今年もまた行ってきた。
去年、ココに来てからもう一年が経つのか。
時間の早さに怖さを感じつついつもの道を歩いた。

   

確かに今年の彼岸花は美しく、雑木林を埋め尽くすその群生を見ていると、この世なのかあの世なのか解らなくなる。
何だか不思議な気分。
この花が好きだった祖母がこの光景を見たらなんて言うのだろう。

秋の蝉が力無く鳴く林を二人で長い事散歩した。





遅い昼、ちょっとご無沙汰だったラーメンにしようよ。
今居る場所から遠くなくて、僕の好きな魚系出汁の店・・ あっそうだ、川越の頑者(がんじゃ)にしようか。
川越という地理的なものも有って、好みのラーメンらしい事は解っていたけれどまだ食べた事が無かったんだ。
詳しい住所は解らないけれど、有名店かつ行列店らしいので、行けばきっと判るだろ。
って訳で川越へ。

案の定、コインパークに車を停めて駅の方へ歩いていくと数人の行列。
良かった、目立たない店だから行列が無かったら見過ごしたに違いない。

   

Mはラーメン、僕はつけ麺を頼んで半分コにする。
麺は真っ白な太麺で凄い腰!アゴが疲れるくらい。
ラーメンのスープ、つけ麺のつけだれ共にかなり濃厚な魚系で、こってりとした風味もあり僕の好みど真ん中。
東大和の狼煙屋に似た味だけれど、こっちの方が鰹が濃いかな。
美味ーい。
もうこうなったら話もせずに黙々と麺を手繰りスープを啜る。
たまにこう言う美味しいラーメンに当たるから、ラーメン屋巡りはやめられない。

店を出たらもう午後3時。
Mは休みだというのに、5時過ぎから職場の会議に出ないといけない(それって休みじゃ無いじゃん)という。
もう、この時間じゃ今からどこかへ行く事は出来ないな。
Mの職場近くまで帰り、裏通りに車を停めて時間までいちゃついていた。



父親が車を買い換えたらしい。
車が、それも大きな車が好きで、今も3000ccの車に乗っているが、それを軽に代えたという。
確かにもう70だし、遠乗りもしなくなったし、近所の買い物位にしか使わないので大きな車なんか
不要というのは解る。
でも、父親が自ら軽自動車に買い代えるというのは想像もしなかった。
以前乗っていた大きなバイクも手放してしまったし、なんとなく親父の衰えを見ているようで寂しい気分もある。
軽というだけでどんな車か解らないけれど、明日にでも見せてもらおう。

日、月と連休か。
Mはずーっと仕事。 僕は畑で秋野菜の植え付けの予定。




04/9/16 (木) 彼岸花咲く

   

庭の一角が赤く燃える。
ホオズキと、僕の大好きな彼岸花だ。
不思議な花で、この時期には葉が無い。 ただ地中から茎だけが伸び、その先に鮮やかな紅い花。
今年は気候のせいか、秋の花は皆鮮やかで素晴らしいと聞く。
それを聞いたら止まらない。
明日の休み、彼岸花の群生を見に行こう。
Mと2人で見に行こう。
仕事のピークを一つ乗り越えて、明日は休みでMとどこに行こうか。
そんな事を考えている時が一番幸せなのかも知れない。
ビールが美味い。

那須3日目を更新しました。
9/12日の日記を宜しければどうぞ。


04/9/15 (水)

何とか一日を終わらせて帰宅。
お腹はへっているのに、食事する気力なし。
でも、昼前にポカンとあいた一時間で那須2日目を書いたので、それをアップ。
9/11日の日記をお読みください。

今夜はもう寝よう。
明日一日行けば金曜は休みだ。




04/9/14 (火)

疲れて22時半に帰宅。

自分の休日明けと15、16日ピークの大きな仕事が重なっててんてこ舞い。
思うように仕事がはかどらず、気持ちがササクレているのが良く解る。
こんな時に、職場のエライ人たちとの食事会。
まぁ大きな仕事が入るより先に有った予定だから仕方が無いが、仕事をすべて放り出して
タクシーで食事会場へ向かう馬鹿らしさよ。
沢山の仕事を持ち帰っているので、お酒はホドホド。
でも、高級店のシャブシャブはトロケルように美味し。

今から酔いを醒まして、また仕事。
明日一日乗り切ればだいぶ楽になるはず。
そんな訳で、那須の話しの続きはまた今度。

 


04/9/12 (日) 那須、3日目。


    


朝起きて、この旅行中始めての青空を見る。
川原の湯で朝風呂。 その後部屋でボケッとしているうちに朝食が運ばれてくる。
食事を終えたらもう帰るだけだ。
古いとか暗いとか寒いとか文句を言いながら、でもこの部屋を引き払うのが少し寂しい。

会計を終えて、急な坂を歩きながら何度も振り返る。
また来る事があるだろうか。 さようなら。



車を停めて、那須岳の威容を眺めながら帰り道を考える。
高速に乗ってしまうのは勿体無いな。
時間はあるし、ゆっくりと寄り道しながら東京へ向かおう。
さてと、帰ろうか。

矢坂那須線から400号へ出て塩原方面へ。
途中でキノコとワインをMの土産に買う。
キノコを帰りに持っていくからキノコ汁の準備でもしておいてね。
日曜だというのに仕事中のMにmailする。

塩原。
喉が渇いて、温泉街の自販機で烏龍茶を買い、車の中で飲む。
ボンヤリと見ていたその景色に見覚えのあることを思い出す。
そうだ、ここは僕が21歳の頃、手に入れたばかりの車と彼女とを連れて旅行に来た街だ。
学生の分際で、背伸びしてかなり良い旅館に泊まったんだ。
もう、16年も前の話。

あれはどこだったのか・・
決して大きくは無い温泉街を、あの時泊まった旅館を探して歩く。
この川には覚えがある、この橋にも見覚えがある。
確か、あの時はこの道を夜散歩して・・
そこまで覚えているのに、肝心の旅館が解らない。

その旅行から数年して、その人にはひどい振られ方をした。
あれは辛かったな。 
もう決して誰とも付き合わない。
そんなふうに思った。

でも、それからも僕は何人もの女性と付き合い、今こうして、あの人と泊まった旅館すら解らなくなっっている。
時間の流れに人は無力だし、そうでなければ思い出に潰されてしまうだろう。


気を取り直して日塩もみじライン。
実に気持ちの良い道で、素晴らしいコーナーがいつまでも続く。
FRの後輪に加重をかけてグゥっと加速していく作業が楽しくってしかたない。
汗をかきながら運転に没頭する。

鬼怒川から日光杉並木へ抜け宇都宮を目指す。
最近評判の「宇都宮餃子」を食べたいんだ。
この辺まで来ると、車も多く空はよどみ排気ガスのにおい。 窓を開け放って走る楽しみは無くなる。
再びエアコンとステレオの世界。
少しずつ日常へ帰ってゆく。

   

宇都宮は思ったよりも都会で、白河や黒磯のような散策の楽しい街を勝手に想像していた僕は面食らう。
駅の周りには確かに餃子の店が沢山あって、そのうちの一件に入り餃子定食を頼む。
もう午後3時で、腹ペコだった僕は、出てきた餃子を貪り喰らう。
焼き、揚げ、蒸し、水の四種の餃子がつく定食が千円。
たしかに餃子はみんな美味しくって、名物として売り出すだけあるなあ、と納得。
満足して店を出た。

ココまで来ればあとは一っ飛び。
鹿沼から高速に乗って、東京を目指す・・はずが、忘れていたアレがやってきて。
高速に乗ったとたんに、冷や汗と動悸、どうしようもない不安感。
佐野SAに逃げ込んで車の中でうずくまる。



この旅行に出る時、いちばん心配だったのは体調だ。
車を乗り捨てて山道を歩いていくような宿で、もしも具合が悪くなったらどうしよう、という事だ。
日記には書いていなかったが、そんな心配で幾つもの誘いを断ってきている。
海外、国内問わず、旅行に誘ってくれる友達に言葉を濁して、または都合が悪いと言い捨てて。
一年前に不安神経症を発症してから、すべてに消極的になった自分に一番イラツイているのは僕なんだ。

この旅行をキッカケに少しずつリハビリをしようと思っていた。
いや、充分にリハビリ第一歩にはなったかな。
だって、SAでうずくまっても30分で回復したし、薬は結局使わなかったし、
その後も何度も休憩しながら、でも、しっかり運転して帰ってきたんだから。
なにより、山奥の宿に一人で泊まって来たんだから。
ちょっとだけ、自信がつく。


Mがいつも仕事帰りに寄るスーパー「いなげや」
そこからMに電話をしようと駐車場に車を入れる。
と、ちょうどそこに自転車を漕いでいる小柄な女性。 Mだ。

何百キロも走ってきて、駐車場に乗り入れたちょうどその時に逢うなんて。
そんなことが嬉しい。
たった3日逢わなかっただけ。
そんなのは普段では普通のことだ。
でも、短くても一人での旅行から帰って見るMはなんだかいつもより綺麗に見える。
とても長い事離れていたような気持ちになる。

ただいま、と言ったらお帰りなさい、と言ってくれる。
そんな事がとても嬉しい。
ただいま、M。






04/9/11 (土) 那須、2日目。

    

昨夜は風呂から帰って部屋で一人、遅くまで飲みながら本を読んでいた。
持ち込んだ漬物を齧り、日本酒の杯を傾けながら読む池波正太郎の「鬼平犯科帳」
窓の外は深い霧で、聞こえるのは脇を流れる川の音のみ。

左の部屋は空き部屋で、右の部屋の人は早くに眠ってしまったようだ。
人気のしない古く大きな木造建築は、一人で遅くまで起きているには少し怖いけれど、
そんな雰囲気が鬼平の世界にぴったりで、今にも目の前の障子が開いて、
長谷川平蔵がヌッと現れそうな気がする。
深夜に怖いもの見たさで天狗の湯に行って見ようかとも思っていたが、本に没頭し、そしていつの間にか眠っていた。


朝、座敷でまた昨夜の京都の人と隣り合う。
一泊のこの人は、朝食後京都に帰る。
この人と話すのは楽しい。 ニコニコと今まで行った色々な温泉の話をしてくれる。
楽しくって、普段朝食の習慣の無い僕がご飯をお代わりする。

座敷を出る時、深く頭を下げて挨拶。
またいつか、どこかの温泉でお会いしましょう。
名前も聞かなかった京都のオジサン。 楽しかったです。

そしてまた一人になった。



昼前、車まで山道を戻りドライブする事にする。
エアコン、皮シート、ステレオ、ナビ。 現代の清潔な車内の空間。

酒飲みの癖に甘い物も好きな僕は、柏屋の薄皮饅頭が好きで、ドライブがてら白河まで買いに行く事にする。
ボルケーノハイウェイから那須甲子有料道路、289号線と素晴らしい道を景色を楽しみながら流していく。
初めて行った白河の街はこじんまりと良い感じの佇まい、道を丁寧に教えてくれたオバサンの方言が優しい。
酒飲みの師匠・朝寝、朝酒、朝湯が大好きな小原庄助さんの墓を詣でたり、
ちょっとビックリするほど美味しい蕎麦を昼食に食べたり、駅前のベンチに座ってボンヤリしたり。
もし引っ越す事があったらこんな街もいいかもしれない。

車で流して気持ちの良い道ばかり。
天気は今ひとつだけど、窓もサンルーフも開けて走る。
いい加減な英語でQUEENかなんか歌いながら走る。
白河街道、トラピスチヌ修道院、りんどう湖、黒田街道、南ヶ丘牧場。
凄く自由な気分で、走り、ソフトクリームを食べ、眠たくなってシートを倒して昼寝、目覚めてまた走る。



薄暗くなる頃、宿に戻る。
また霧の様な雨。 気温が低い。

土曜日の今日の宿は昨日より幾分ニギヤカで、僕の部屋の両隣にも宿泊客が入ったようだ。
食事用の座敷はたくさんの人が入れないため、夕飯は部屋まで持ってきてくれた。
これはゆっくり呑めて良いぞ、と思ったものの、いざ一人で食べ始めると、昨夜座敷で皆で食べた食事が懐かしい。
京都のオジサン、無事に帰れたかな。
そんな時、奇跡のように携帯が鳴る。

宿は圏外と圏内を行ったり来たりの状態で、着信はあきらめていた。
仕事から帰って夕飯を食べているMから。
ほんの数分の会話で猛烈にMに逢いたくなる。 一人で部屋に居る事が出来ない。 
寂しい。


誰かと話したくて部屋を出る。
女性専用の一つを除いた六つの風呂に順番に入る。
そこに居合わせた人に話しかける。 この人見知りの激しい僕が、知らない人に自分から話しかける。
それがとても楽しいことに気付く。 

天狗様に睨まれながらの天狗の湯、ヌル湯、川原湯、家族風呂・・
うたせ湯は源泉そのもので46度。熱い湯を事故の後遺症で未だに痛む肘に当てる。
みんな良い湯だ。

でも、なんと言ってもこの宿自慢の巨大な露天風呂が良い。
すでに深夜2時。
霧で視界が利かず、気温も下がった静かな夜、ちょうど良い湯加減の露天にゆっくり浸かる。
そこで気付いたのだけど、僕のいる対岸に一組のアベック。
その人たちのキスが逆光の灯りに照らされて美しいシルエットを作る。
それが決してイヤラシイ感じじゃなくって、僕はまたMに逢いたくなる。
今、ここにMが居てくれたら僕はどれだけ優しくなれるだろう。

 

 


04/9/10 (金) 那須へ


   

大泉から外環、川口JCTから東北道へと出る。
宇都宮を過ぎた頃から景色がそれらしくなってくる。 田んぼ、畑、遠くに見える山。
一人での2泊3日、だんだんと気分が高揚してくる。
このまま目的地まで行ってしまうのが勿体無くて、西那須野塩原で高速を降りてみた。

矢坂那須線、板室街道、深山湖、沼原池、那須街道・・
東京を出るとき30度だった車外温度計は21度。
幹線道路からちょっと入るとススキと萩が風にゆれ、窓を開けると牛糞の香ばしい香り。
気持ちの良い道をドンドン走る。

昼過ぎにジンギスカンラーメンと言うものを食べる。
おもいがけず美味い麺をすすりながら、Mの娘は無事にテストを終えただろうか、なんて思う。



   

宿は直接車では行けない。
山道を車でいけるところまで行き、2泊分の荷物を背負って歩く。
切れると困る酒と本を大量に運び込むのでその荷物の重い事。
目も眩むようなV字型の谷沿いの道をドンドン降りていくと、谷底に黒く大きな建物が見えてくる。
今夜の宿だ。

1200年前に発見された(ホントかよ?)という源泉のすぐ脇に建つ建物は江戸時代に建てられた本館に
明治、昭和と増築を繰り返した、とても複雑怪奇な構造の木造三階建て。
昼でも暗い建物の中は時間が止まったかのような空間で、
帳場には殆ど言葉を発しない七代目の館主が座っている。

ぶっきらぼうなオバサンに案内されたのは、予約したとおり建物の最も古い江戸安政時代の部分の部屋で
6畳間に机が一つ、暗い裸電球の想像通りの部屋。
こんな部屋に泊まってみたかったんだ。
まさに旅籠ってやつだ。

荷物を置いてさっそく館内を探検に出る。
迷路のように複雑に入り組んだ建物はとても部屋数が多く、そこここに古い農具や家具が置いてある。
古く、暗く、ボロイ。
歩きながら、ちょっと後悔する。 
僕は自分で言うのもヘンだけど綺麗好きなのだ。 
自分から泊まりに来ておいて、一番古い部屋を予約しておいて今更だけれど。

探検の結果解ったのは、ここには7つの風呂があり、その内4つまでは混浴だと言う事。
天狗の湯と言われるお風呂は子宝の湯として結構有名らしい事。
でも、そのランプに照らされた天狗の湯は恐ろしげな雰囲気で、夜なんか絶対入れないだろう事。
源泉は建物のまさに脇に噴出しており、滝のように流れ出ている事。
部屋は鍵が掛からず、外出するときはかなり不安な事。
自炊で長逗留している人も多い事。
・・・ディープだ。

夕食は座敷で食べた。
思ったよりも一人旅の人が多くて少し安心。
そこで隣り合った京都から一人で来たオジサンと意気投合し楽しい時間を過す。
  
  「これだけ古い湯治場の雰囲気を残す宿は少ないよ。
   源泉をそのまま贅沢に掛け流しにしているところも貴重だよ。
   楽しまないと損だよ。」

おじさんの言葉で、ちょっとだけ後悔していた気持ちが優しくなって行く。
そりゃそうだ、楽しもう。
おじさんの奢りの酒を呑みながら、色々な事を話す。
人見知りする僕には信じがたい行動だけれど、やっぱり一日目にしてすでに人恋しかったんだろう。
自室に帰りたくなくて、そのおじさんとずっと呑んでいた。

深夜、一人で露天に浸かる。
眼下の川の音以外、何も聞こえない。
霧の様な雨、または雲か? そんなものの中で温かいお湯に浮いているのは至福だ。
これこそ湯治ってやつだ。


 


04/9/9 (木) 前夜

   

往く夏を惜しんで花屋で向日葵を買う。
自宅の玄関がその場だけポっと明るくなる。
たった500円で気持ちまで明るくなる。




Mと映画「LOVERS」 (チャン・イーモウ、チャン・ツィイー、金城 武)を見に行く。
僕はチャンをMは金城を凝視する。 お話自体はオイオイと思う部分も有ったけれど
好きな監督、好きな出演者だとそんな事はどうでも良く楽しめてしまう。
そして、僕にとっては苦手(暗く狭くすぐに外に出られない空間)になっていた映画館で映画を
見るという行為がまた楽しめた、と言う事が嬉しい。
少しずつ慣れていこう。

明日、那須へ行く僕は東北道へのアクセスの良いM宅に泊まる。
スーパーでたくさん買ってきた焼き鳥を食べながら、旅行へ持っていこうと大量に買ったお酒の一本を開け、
Mと良いペースで飲んでいく。
が、本来あまり酒に強くない彼女は早々にツブレテしまった。
息子たちも今夜は早寝で、娘は自室で勉強中。 明日は漢詩のテストがあるのだ。
静かになってしまったM宅の居間でグラス片手に新聞を読んでいると娘が隣に来た。
手に鉛筆とノート。

おいおい勉強を見てくれって、それは無理が有るよ。
僕は理系だし漢詩なんて遙か昔にやっただけだ。 高校生の勉強なんて教えられない。
でも、なんとなく嬉しくて2人で一緒に勉強する事にする。
これはレ点、一二点が有るからこっちを先に、とか2人でブツブツ。
そのうち僕の高校時代の話しなんかし始めたら笑いが止まらなくなってしまい、とても楽しい時間になった。
早く寝ようと思っていたが結局1時過ぎまで2人で勉強していた。
その後もゴロゴロしていた僕にタオルケットを持って来てくれたり、なんだかこの子とは良い関係を作れたと思う。

そんな事を考えながら飲んでいたら殆ど眠る時間無く朝になってしまった。

 

 


04/9/8 (水) ちょっと遅い夏休み 温泉へ

   


日本海を北上した大型の台風18号の影響で街全体が軋んだ夜。
局地的に降る大粒の雨と凶暴な風。
PrinceのPurple Rainを聴きながら車の運転席からガラス越しに見る夜の嵐。

朝、窓のシャッターを持ち上げて庭を見ると、芝の上は見るも無残。
小枝、葉、コンビニの袋、転がってきたバジルを植えた鉢植え、自転車のカバー。
まもなく開花だった彼岸花数本と池のガマの穂を折って、それでも台風一過の朝は素晴らしい。

吹き返しの強風に負けて電車とバスで通勤。
・・・混んだバスに車酔い。 朝からどっと疲労する。



木曜から日曜まで4日間の夏休みを取る為に月、火、水の3日は酷い事になった。
一人の部署だから、休暇を取るとそのすべてが自分に跳ね返ってくるんだ。
帰宅があまり遅くならないのは幸いだけど、朝は早くに出勤し昼食も取らずにずっと仕事していると
疲れがたまる。
家に帰って、でも気持ちが張っているのか良く眠れずに深夜の台風情報や地震速報を
見るとは無しにボンヤリ眺め、ただ酒の量だけが増える。

でも良いんだ。 明日から4連休。
4連休なんて僕にとっては異例の大型連休だ。
今夜から来週月曜の朝まで、僕は完全に自由だ。

そんな開放感に浸りつつ、「さぼてん」でヒレかつとエビフライをテイクアウト。
専門店のとんかつはやっぱり美味しい。
美味しいのは良いけれど、ちょっと気持ちに余裕がなくなると自炊をサボってしまっていけないな。
だって、昨日はサブウェイのターキーサンド、その前はモスのマスタードチキンバーガーだもの。
カロリー高いってば。



明日の木曜は1日Mと一緒。
夜もM宅泊。

金曜から2泊3日で一人、那須の山奥に篭る。
湯治宿で一人、酒を飲みながら本を読みふけるんだ。
本は池波正太郎の鬼平と北方版の三国志という最強の組み合わせ。
酒はスコッチがマッカランと日本酒が南部美人という素晴らしさ。

昼間は天気が良ければ周囲を散策するだろうが、雨もまた良し。
なにしろ、車を乗り捨てて歩いていく湯宿だから遠出なんかする訳もなし。
江戸時代に建築された建物に泊まって、鬼平を読む。
良い感じかもしれない。

行って来ます。

 

 


04/9/5 (日) なか卯

   

日曜日だと言うのに朝早くから畑に立つ。
霧のような小雨、気温は低いが蒸し暑くおまけにヤブ蚊の襲来に耐えつつ土を耕す。
一通り夏野菜の収穫が終って、ちょっと放置しただけで信じ難いほどの雑草に覆われてしまった。
いや、雑草なんて言い方は無いな。
オヒシバとエノコログサ、オオバコたちだ。
大根とカブの種を蒔く為に抜かせてもらうよ。
彼らの根の強さを素手を通して実感する。

雨と汗でドロドロになって昼前帰宅。
旨いと言われる秋茄子と鷹の爪を収穫。
鷹の爪は暫く干すと辛味が増す。
あまりに鮮やかな赤が愛しくて、部屋のテレビの上、南の島で飼ったサメの歯の隣に吊るす。


関西圏で育ったMは出汁の味にウルサイ。
特に丼モノやウドンの汁を語らせたら、もう止まらない。

この頃都内にも増えてきた関西系和風ファーストフード「なか卯」のウドンや親子丼が旨いとの
ウワサを聞き、早速Mと2人で試しに行く。
webで検索して一番近い練馬・大泉学園店。
親子丼ときつねウドンを注文する。

実は僕は親子丼と言うものを今までに食べた事が無く、コレが始めて。
だから他のモノと比べる事が出来ないけれど、なか卯の親子丼、なかなか旨い。
牛丼で言う「ツユダク」的に汁気の多い丼を片手で持ってワシワシと喰い進んでいく旨さ。
普段あまりお米を食べない僕も、こうして丼にかじり付いていると妙な多幸感に包まれる。
丼には空腹を満たす有無を言わせぬ迫力がある。
きつねウドンも出汁の香り味ともに中々で、総じて安い割りにたいへん満足だった。
Mもご機嫌だ。
次は、これも都内進出してきた「はなまるうどん」かな。

夕方、Mの長男も合流して和光のイトーヨーカドー。
3人で仲良く買い物。
そんなこんなであっという間に日曜が往く。

今週は週の後半に夏休みを取る事もあり忙しくなりそう。
月・火・水の三日をやり過ごせば温泉が僕を待っている。





04/9/4 (土) ボリショイサーカスを見に

珍しく土曜日に仕事休み。
土日の連休だと気持ちの余裕が違う。

家から車で10分ほどの所に借りている畑。 
そのすぐ近くにノボリが立っていて見ると「ボリショイサーカス」。
古くからあるスケートリンクを会場としているようだ。
ボリショイサーカスって言ったら昔は大イベントで、友達と大騒ぎしながら行った覚えが有るな。
最近は下火なのかな? 随分と会場も小さいし、人出もあまり多くは無いように見えた。

早速Mを誘って行って見る。
難なく4000円也の当日券が買えて入場。土曜日なのに7割ほどの客入り。
スケートリンクの氷の上に板を張って会場としているので恐ろしく寒い。
いつもの癖で買った缶ビールどころじゃない。

それにしても久々に見るサーカス。
とても楽しくて、期待していなかっただけに上機嫌。
ふたりして犬の行進や熊の芸に手拍子あわせ、空中ブランコに歓声あげ、マジックショーに息を詰めた。
何年も使っているんだろう古びた舞台装置がまた、ちょっとレトロなサーカス的世界の良い演出となっている。
小さな子供たちは勿論、僕らの隣に座っていた80歳位のおばぁさんも大喜びで
(このおばぁさん、サーカスを見ながら、なぜかずっとチーズを食べていたなぁ)
ボリショイサーカス健在を見てなんだか嬉しかった。
こんなに楽しいならMの子達も連れてくれば良かったな。


   

せっかく駐車場に車を入れたのだから、と周辺を散歩する。
武蔵関公園には子供の頃、悪友といつも遊んだ池がある。
ボートに乗り、池の中の小さな人工島に上陸するのは大冒険だった。
なぜって、ボート乗り場のオジサンに発見されると大目玉を喰らうからだ。
まるで特殊部隊のようにホフク前進して島の中を見て廻ったっけ。
他にも何台かのボートに分乗してぶつけ合いをしたり、挙句オールを折ってしまったりと
苦楽しい思い出一杯の公園をMと歩く。

Mの漕ぐボートは左右の力が違いすぎて真っ直ぐ進まない。
でも、後ろに座って必死に慣れないオールを使うMを見ているのは楽しい。
曇った空から雨が落ちてきて、それでも池にかかる橋の下で雨宿りをしながら
水遊びを薄暗くなるまでしていた。
こんな事をしていると、中学生の頃と何も変わらないな、と思う。
実際はもう37歳だけれど、あの頃とちっとも変わらない池やボートに乗っていると
自分まで変わらないでいられたように錯覚してしまう。 
こんなに変わったのに。




04/9/2 (木) 万歩計を買う

   

ハンバーグと餃子だけは自分で作ったモノが美味しい。
今夜は仕事帰りにイトーヨーカドーで材料を買い物。
牛肉100%のハンバーグと茹でジャガイモを作った。
安物の赤ワインをドブドブと使ったソース美味し。
大量のエビスビール、その後ウイスキー。



職場の回覧板で交通費の申請は正確に!と言うのが廻って、一応気にして今日から電車で通勤。
なんたって、月2万数千円の交通費を貰っておいて自転車通勤をしていたのだから。
電車といっても二駅で、しかも下りだからラッシュとは無縁。
JR、私鉄どちらでも通勤できるが、いつも空いている長閑な私鉄を使う。
駅から職場までは2キロ、その道程は歩く。
最近太ってきたからちょうど良い運動になるだろう。

一日どのくらい歩くのかが知りたくて万歩計も買ってみた。
説明書によると一日一万歩を目標に歩け、とある。
さて、どのくらい達成できるか楽しみだな。

それにしても自転車が無いのは不便なもので、今日はラーメン欲に負けて昼に外出したが
ラーメン店までの往復1キロ以上を歩く事になった。
まぁ、これも健康的で良いかぁ。


夜、Mといつもの様に電話。
婦長というのは典型的な中間管理職で、日々ストレスの塊りのようだ。
家に帰ると疲れて横になると起き上がれないと言う。
義務のように子供達に食事を作り、とりあえず暫く横になる。
時にはそのまま、食事も風呂もせずに眠ってしまうのだと言う。

たいへんだなぁ。
足くらいマッサージしてやりたいけどさ、僕も家に帰って食事をしたらボケッと放心しないと
明日に立ち向かえないよ。
楽な仕事なんか決して無いんだよねぇ。

そんな事をポツポツと話して電話を切る。
明日行ったらやっと休み。
今週は疲れた。