2004/82004年08月30日


 

04/8/31 (火) 晩夏

晩夏。
間もなく今年もまた、夏が往く。
幾つになってもこの時期はなんとなく寂しいものだ。

夕方の畑で一人ボンヤリしているとアブラゼミが死んでいたり、
あれだけ旺盛に這っていたスイカのツルが枯れてきたりアキアカネが飛んでいたり。
積乱雲も盛夏の力強さはなく高層の風になびいている。
太陽の力は衰え、だんだんと月の光が青さを増してくる。

今年は夏らしい良い夏だった。
暑い暑いと文句を言い、時には体調を壊しながらもそんな夏が大好きで、
それはまるで幼馴染の悪友のように愛しい。
また来年会える事を楽しみにしているよ。
沢山の恵みをくれた今年の夏、さようなら。

夏野菜の収穫が大方終わった畑で、エンマコウロギの声を聞きながらちょっとだけ感傷的になる。






この暑かった夏に作った野菜たち。

ニガウリ、万願寺トウガラシ、ナス2種、トマト3種、キュウリ、スイカ2種、枝豆、ジャガイモ(男爵)
モロヘイヤ、タマネギ、鷹の爪、カボチャ。

みんな、美味しゅうございました。



大型の台風16号が日本海を抜けた昨夜。
風の音で目が覚める。
あわてて庭に飛び出し、植木鉢を玄関にいれバイクを固定し、犬のご機嫌伺いをし、倒れた自転車を起こす。

生暖かい南風。
電線が不気味な音をたて、金木犀の大木が風にしなって形を変える。
昔読んだ宮沢賢治の「風の又三郎」を思い出す。

朝、職場に向けて必死に自転車を漕ぐ。
向かい風でまったく進まず、風にあおられて転びそうになったり。
職場に着いたときは汗びっしょり。
出勤だけでグッタリつかれる。  

お昼にコンビニの海苔弁。 
なにげなく見たラベルに記載されているそのカロリー(940kcal.)に驚愕する。
午後、やや不調。 ひどくダルクて動悸もする。
服薬はせず。

9月上旬に可能なら夏休みを取りたいな。
長い連休は職種柄無理だけれど、土日を挟んで4日位なら取れそうな気配。
休みを合わせてくれる友達は、まぁ居なくは無いが今回は一人で旅行がしたい。
一人になってじっくり考えたい事がある。
体調に不安はあるけれど、無人島に行くわけじゃ無し。
薬と保険証を持って一人で温泉にでも行こうか。

 

 


04/8/30 (月) KFC

   

親父からケンタッキーフライドチキンの差し入れ。
もう良い年の親父は最近ケンタに目覚めて、週に何度も駅前のお店まで買いに行っているようだ。
横文字がニガテの70代、チキンなんて言葉は絶対使わない。
フライドチキンを差し出して「揚げトリ」である。
でも、フト思う。
店頭でなんと言って注文しているんだろう。
まさか、ケンタでニワトリとか揚げトリとか言って店のオネェサンを困らせているんじゃないだろうな。

有り難くビールと共に頂きます。


ちょっと遊びすぎて疲れが溜まった昨日の日曜日は久々に家でゆっくり。
最近遊んでいなかった犬とじゃれたり、スズムシの世話をしたり。
その後写真を現像に出しに行く。
火力演習の写真はフィルムで撮ったのだけど、現像の時にphoto-CDにしてもらうと便利だ。
一枚500円(現像代別)だから決して高くは無い。

現像待ちの間にDVDを物色。
以前映画館でMと観てとても良かったマスターアンドコマンダー(MASTER and COMMANDER)が
出ていたので早速購入。 4000円ナリ。
帰宅して姪と遊んだり、昼寝したり。

夕方、子供達が親戚の家に泊まりに行って留守のM宅へ行き一緒に食事。
海老の天丼とアスパラ肉巻き。
少しイチャついて深夜に帰る。



月曜日。
自転車で出勤途中にいきなりの雨。
傘が無く濡れて出勤。 朝から不機嫌ナリ。

仕事は来る仕事来る仕事良くコナシて、オレって仕事できるじゃん、と一人悦に入る。
お昼に「チリトマトヌードル」
それなりに忙しい時間を送るとあっという間に一日が過ぎていく。
10月にちょっとした講演の依頼あり。
人前で話すのが大の苦手なのに受けてしまった・・ ちょっと憂鬱。

夜はDVDを見て過そうか。
ゆっくりとお酒を呑みながら一人で過す事の贅沢さに気付きつつある今日この頃。







04/8/28 (土) 富士総合火力演習

車でほとんど眠れずに朝。
朝5時半、御殿場に向けて出発する。
面食らったのは、Mの2人の息子達が一緒に行くと言って付いてきた事だ。
子供に実弾演習なんて見せて良いのか?
反面、僕と出かけたくて朝5時に起きた子供を連れて行ってやりたい気持ちも有る。
チケット一枚で4人まで入場できるし。

中央道・小仏トンネルの常態化した渋滞以外は順調で、富士裾野の演習地に難なく着いた。
どんよりと曇っているが、なんとか天気は持ちそうだ。
見学者は2万2千人、参加自衛官は2千人、使われる弾薬は35トンという大実弾演習が始まる。

演習の詳細はその道の詳しい人のページに譲るけれど、
天候の影響でファントムの航空支援が無かった事、空挺降下が無かった事を除けば見所満載で、
そう言っちゃいけないんだろうがやはり楽しい。
Mたちも凄い凄いを連発している。
OH-1やCH-47ヘリの機動性に驚き、155ミリ砲や203ミリ砲に度肝を抜かれ、
偵察用バイクのテクニックに驚きそしてやはり真打は90式戦車。
その120ミリ滑空砲の凄まじさといったら、もうマイッタ!って位だ。
発射された時の、あの全身で感じる衝撃波。 もうホントにマイッタよ。


   



帰り道。
御殿場周辺は大渋滞。
1時間で2キロしか進まない。
子供達の前で具合悪くなりたくなかった僕は前もって安定剤を飲んでいたんだけれど
前夜の寝不足と今日の疲れも有って眠気は最高潮。
このまま高速に乗ったら事故を起こしそうだ。

子供達が一度も食べたこと無いと言うホウトウを食べに河口湖方面へ進路変更する。
僕とMがいつも行く「不動ほうとう」というお店。
子供達とMが食べている間、僕は車の中で眠ることにする。
昨夜に引き続き今日も車のシートを倒す。
今、この状態で食事なんかしたら絶対居眠り運転するよ・・

で、たった40分熟睡したらウソのように復活して中央道をぶっ飛ばして帰ってきた。
疲れたけれど楽しかったね。
またみんなで遊びに行こう。

夜は疲れて泥のように眠った。
珍しく一度も目を覚まさなかった。




04/8/27 (金) 夕顔咲く

   

花が好きで、できるものは自分で育てるようにしている。
種から、あるいは苗から自分で育てた花の可愛さはひとしお。

これは朝顔じゃ無くって「夕顔」
夏の暮れ、夕方から夜にかけてひっそりと咲く。
ほのかに香るこの白い花は、夜の闇にボンヤリと溶け込む。
夜咲く花は、妖しげな雰囲気が良いものだ。



Mの長男の誕生会をするために夜はM宅。
明日は出かけるのでそのまま泊まるつもりで。

たくさんの料理とケーキ、僕の土産のフライドチキンを囲んで皆で食事。
相変わらず子供達は元気で活発(うるさい、とも言う)
テレビを見ながら踊ったり歌ったり、クワガタを持ってきたり僕があげたスズムシで遊んだり。
そんな様子を見ながら僕は一眼レフの防水加工をする。

明日は陸上自衛隊の富士総合火力演習を見に行くのだ。
ノーテンキに軍事モノが好きだなどと言うと怒られてしまうけれど、飛行機、船、車、戦車・・
子供の頃から惹かれていたモノが未だに好きなんだ。
今回は世界3強の一つと言われる「90式戦車」をどうしても見たくて、無理してチケットを手に入れたんだ。

デジカメばかりで最近使っていなかった一眼レフを出して300ミリ望遠レンズを装着。
フィルムはフジカラーSUPERIA Venus 800、電池も新品に換えて厚いビニールとテープで完全密封。
これで雨の中でも撮れるぞ。

そんな事をしている時も子供達は容赦なくジャレてくる。
慣れていない事も有るけれど、子供達のpowerに段々と疲れてくる。
好いてくれるのはとっても嬉しいし、僕もMの子供達が大好きだ。
でも、今日は長男の誕生日と言う事もあって何時もにも増して大騒ぎで・・

夜の12時。
子供達はまだ寝ない。
僕が居るからハイになってしまっているらしい。
それを叱るMも段々疲れてくる。
僕は軽い喘息と頭痛で静かに横になりたいが、専用の寝室の無いM宅に逃げ場は無い。
かといって、お酒を呑んでいて今更運転して帰れないし。



ちょっと逃げてくる、と言ってマンション裏の広場の陰に停めてある車に逃げ込む。
窓とサンルーフを開けてシートを倒して空を見る。
あぁ、なんて静かなんだろう。
今夜は気温も高くないし、風も適度にあって気持ちが良い。
このまま車の中で寝よう、そう思って目を閉じる。

Mと僕はうまくいっている。
子供たちとも今のところ上手に付き合えていると思う。
でも、僕にはどうしても一人の時間と場所が必要だ。
Mと一緒に住むにはどうしたら良いだろう。
子供達を転校させるのは可愛そうだ。
では僕が2年前に家族と作った武蔵野の多世帯住宅を捨てて、こっちに越すのか?
少なくとも、このマンションに一緒に住むのはスペース的に無理がある・・
では、どうしたら・・

そんな事を考えて、また蚊の大群にも襲われて結局朝まで熟睡は出来ず。
かといってM宅に帰らないのは、ぼくが意固地だからだ。

 


04/8/25 (水) スパイダーマン2

映画が好きで、ジャンルを問わず何でも見る。
映画館に行くと一言一句、一挙手一投足漏らすまいとスクリーンを食い入るように見る。
2、3時間の間ストーリーに入り込み、たとえ隣で見ている人に話しかけられても返事も出来ない。
それ程に好きなのに、体調を崩してから映画館が苦手になって。
具合が悪くなってもすぐに出られない暗い空間や大きな音、人混みなどが嫌で映画館で映画を楽しめなかった。

仕事休みの水曜日、Mと「スパイダーマン2」を見に行く。
スパイダーマン、なんて言うと所謂映画オタクは馬鹿にするかも知れないけれど、コミック時代から僕はこの
蜘蛛男が大好きなんだ。
だからどうしてもコレは映画館の大画面で見たかった。

具合なんて悪くなったって良いや。
具合悪くなったら逃げ出してくれば良いんだ。
一緒に居る人は看護婦なんだ、大丈夫。

たかが映画でオーバーだけれど、そんな気負いと悟りの入り混じった気分でいつもの映画館。
結果とても楽しむことが出来て、今の自分からは映画を見ながら具合の悪くなる自分なんて想像できない位。
これからも映画館や人混みで具合の悪くなる事は多々有るだろうけれど、今日の僕はまるでスパイダーマンの
ように強かった。
映画館で見る映画の楽しさをまた味わえて、たったそれだけの事と思われるだろうが僕にとっては素晴らしい日。
それほどまでに、この不安神経症って奴は日常生活に影を落とすんだ。



   

新星堂でDVDを2枚買う。
大昔見たものと、ちょっと前に見たものと。
夜、大昔に見た方のDVDを見て、面白さのあまり当時の色々な事まで思い出す。
公開は86年?
僕はまだ10代じゃないか・・うぅむ。

 


04/8/24 (火) ハモ美味し

   

早々に仕事を終えて事務所の女性と懐石を食べに行く。
八王子の「うかい亭」というお店。
梅肉で食べるハモ、湯葉豆腐、天麩羅、じゅんさい。
出てくるもの全てが美味く、酒がすすむ。
今夜は車で送って貰っているので心置きなく呑む事が出来る。

彼女は職場でまったく職種は違うけれど協力関係にある人で、とても魅力ある29歳、独身だ。
その彼女の昔の失恋話などポツリポツリと聞きながら、僕も酔いも手伝ってMの事を話したり。
酒は宮城の浦霞が素晴らしく美味く、青竹の容器に入れられクラッシュアイスで冷やされたものを
何本も呑む。
幾つもの小部屋に分かれた店内は、ほとんど個室の状態で、大きなガラス越しに良く手入れされた
広い庭がみえる。
ライトアップされた池がとても綺麗で、Mにも見せてあげたいな、と思う。
静かで居心地の良い店。
仕上げに鯛茶漬けを濃い出汁で流し込み、白玉ぜんざいは僕の分も彼女にあげてお開き。
美味しかったね、また今度。


深夜、職場に置いた自転車で帰宅。
途中から大粒の雨。
雨の中、もう寝ようとしていたMとずっと電話しながらワッセワッセとペダルをこぐ。

呑んだり食事したりの帰り道、こうしてMに電話しながら家に帰るのが恒例だ。
心配してるかもしれないから仕方なく、と言うのが僕の言い分だけれど、
ホントは呑んだあとMの声を聞きたいのは僕のほうなんだろう。
そうして声を聞いてその日を締めくくるんだ。




04/8/23 (月) 閑寂夜

   

金曜日以来、自宅で食事。

Mやその子たちと遊ぶのは楽しい。
職場で飲みに行くのもメンバーによっては楽しみだ。
でも、僕は一人で静かに本でも読みながら酒を飲んでいる時が一番すきなんだ。
部屋の照明を少し落として、デスクライトの灯りで文庫を読んで、好きな酒とちょっとのツマミ。
テレビも電話も無しで、呑みながら本の世界に没頭している時ほどリラックスできる時間は無い。

いま、この家はとても静かで聞こえるのは除湿機の僅かな音とスズムシの声。
酒は吟醸・桜川で文庫は「ホテル・ニューハンプシャー」
Mとの生活を夢見ながら一人の時間も捨てたくない。
要するにただの駄々っ子だ。


明晩は職場仲良しと懐石。

 


04/8/22 (日) フレンドシップデイ04

日曜日。
やや二日酔い気味に目が覚める。
アクビを一つしてイソイソとバイクに跨る。
今日は年に一度の米空軍横田基地のフレンドシップデイなのだ。


飛行機好きには外せないイベントが幾つかあるが、この横田は別格。
単純に楽しいのだ。
航空自衛隊の入間航空祭なんかは、確かにブルーインパルスが来たりと華やかではあるけれど
祭りと言うには程遠い殺伐とした雰囲気があって。
でも、横田は違う。
アメリカ人ってホントに遊び好きなんだとおもう。
そこいらじゅうでステーキ、ハンバーガー、巨大なジュースやパイなんかを売っていて、バンドライブも大盛り上がり、
その上、飛行機の操縦席や機内も開放していて、自衛隊のイベントでは考えられない事ばかり。
フェンスの向こうはまさに異国だ。

福生の横田基地までバイクを飛ばして30分。
第五ゲートで入念なボディーチェックを受けて基地に入る。
暑いが雲が多く風もある日。
滑走路の照り返しもそれ程気にならない。

うわぁ、憧れの飛行機たちがいるよお。
ホーネットが! ファルコンが! イーグルが!
サンダーボルト、C-130、KC-135R、あっT-4じゃん、おぉ何だ?あのハデなファントムは・・・ 
この辺で目が血走りデジカメ振り回し、立派なオタク状態。
パイロットが気さくに談笑していて、英語がちゃんと話せたら聞きたい事がたくさんあるのになぁ。
こんな時だけはキチンと英会話習おうと思うんだけど、どうにも億劫でな。

米基地のお祭りだけど、一番目立っていたのは百里基地から飛来した自衛隊の特別塗装のファントムだよな。 
自衛隊らしく周りを囲って触らせてはくれなかったけれど、あの鮮やかなブルーには目を奪われた。
やっぱりファントムはカッコ良いよな。
  

巨大なTボーンステーキとパン、ビールを買って、空中給油機の翼の下でガツガツと食べる。
思いがけず柔らかい肉で、味付けはまぁアメリカ式のアレだけど美味しく食べる。
ビールを飲みながら翼を見上げているとなんだか不思議な気分。
外人さんがいきなり話しかけてきて、部隊のステッカーを一枚くれた。
眠くなって、その場で少し昼寝してしまった。


夕食はM宅。
少年野球の合宿から帰ってきた子供たちが凄くハイで、元気が良いのは良いことだけど居心地わるし。
泊まらず自転車で帰宅。

 

 


04/8/21 (土) 怨・Yahoo gourmet 

仕事の後、職場の飲み会。
初めての店をネットで探し予約したのだけれど、思いっきりハズス。
昔の民宿みたいにかび臭い畳敷きの個室、破れた障子、真ん中に古びたテーブル。
湿った座布団と大昔のカラオケ、オマケに料理が生焼けだったり髪の毛入っていたりして・・・
串焼き屋となってたけれど、場末の焼き鳥やじゃん。
僕が予約した店だけに皆に申し訳く、場を盛り上げようと騒ぎすぎた。
お陰で喉をつぶしたよ。

会がハネた後、ホントはM宅に行こうかと思ったが、なんだか放心してしまい一人で
呑みたくなっていつものバーでバーボンを浴びるほど。
その後にラーメンという黄金の(ダイエットしようと思っているので最低の)パターン。
深夜、泥酔して帰る。


04/8/20 (金) ANA見学

Mと羽田空港に隣接する「ANA機体メンテナンスセンター」の見学に行く。

物凄くいい天気で、エアコン全開にしても車内は直射日光で日干し状態。
その上、幹線、抜け道ともに大渋滞で武蔵野の家から羽田まで3時間かかる異常な事態。
メンテナンスセンターに駐車場は無く、羽田に駐車しタクシーで向かう(5分程度)事になるが、
肝心の羽田駐車場が満車で90分待ち!
他に停める場所も無く、大鳥居まで帰ってホテルの駐車場に車を入れ、タクシーで駆けつけた
時にはかなりグッタリしていた。
それでも、イザ見学が始まると面白くって上機嫌なのだからゲンキンなものだ。


   

90分の見学で、半分は講義、半分が現場。
講義なんかいいから早く整備の現場を見たいと思ったのは最初だけ。
この講義が楽しくて大笑いしながら話が進む。
夏休み中とあって子供が多かったため、講義の内容は道具を使って「飛行機はなぜ飛ぶか」を
簡単に解説するもの。
さすがにこんな見学に参加する子供だけあって、小学校低学年くらいの子が
講師である温厚な整備士の方の質問に手を挙げて答えていく。
中には飛行機博士みたいな子もいて、実に微笑ましい。
子供時代のこんな経験が、将来こういう関係の仕事につくキッカケになったりするんだろうな。

    

ヘルメットをかぶって、さあ格納庫へ。
世界第二位の大きさを誇るという格納庫は大きすぎて遠近感が良く解らないほど。
大型機が一度に5機入る事が出来る大きさらしい。
今日は旅客用の747-400と貨物専用の747の二機を整備中。

知っているつもりではいたけれど、間近に見る747のデカイ事!
こんなものが空を飛ぶなんて・・と改めて思う。
貨物機の方は、主脚の交換やエンジンの脱着までする重整備のようだったけど、高度に訓練された
整備士の方の動きを見ているだけでワクワクしてくる。
こういう仕事、憧れるな。

エンジンのファンブレードに惚れ惚れし、真下から見上げる主翼の力強さに溜息をつき
機体外板の薄さにビックリする。
普段見る事の出来ない工場見学の醍醐味を凝縮したような時間だった。

帰り道はまた渋滞。
あんな飛行機を飛ばす技術があるのに、今だに渋滞でこんなに時間をロスするなんて。
ナビにビーコンによるVICS渋滞情報が表示されるが、もう少し上手く使いこなす事は出来ないものか。
現状では、ナビに渋滞回避させても結局はたいして時間短縮にはならず、抜け道を知っているタクシー
にでもついて行った方がよほど効率的だ。


夜はM宅泊。 息子達は野球の合宿で留守だ。

ちょっと不調で二週間ぶりでsolanax0.4㎎頓服。
それでも、母親が疲れて先に寝てしまった後も熱心に部活やテレビの事を話してくれる娘が可愛い。
部活や宿題で一日30時間位欲しいほど忙しいらしい。
事実、翌朝も5時に起きて他校とのバレーボール練習試合に出かけて行った。
青春だね。

 


04/8/19 (木) 情けなや

   

昨夜は頭痛で良く眠れなかったが、残り少ない夏の風に揺れるロシアヒマワリを見たら元気が出る。
ヒマワリは大好きな花だ。




世間の夏休み中出勤して唯一良い事は道が空いていること。
JRの踏み切りも渡りやすいので、ここ数日は車で出勤していた。
そんな夏休もそろそろ終って、車も今日までが限度かな、とか思いながら出勤。

踏み切り待ち先頭。
電車が目の前に停車したまま動かない。 最寄駅で人身事故だ。
僕の車の後ろにはすでに何台もの車が踏み切り待ちをしており、今更Uターンも出来ず。
半分諦めてじっと事態の収拾を待つ。

そのまま20分。
僕の車の前5メートル程のところに停車している電車は動かない。
何となく電車内を見ると、朝の中央線特有の殺人的ラッシュ。
みんな身動き一つ出来ない状況で、押し潰されそうになりながら長い時間足止めされているんだ。
電車のガラスは曇りつつあり、中が蒸し暑いだろう事が想像できる。
もし、僕があの中にいたらパニックだな。
具合が悪くなっても逃げ場も無く、うずくまる事すらできない。
ただアブラ汗を流しながら苦しむ事になるんだろうな・・

そんな事を考えていたらホントに具合が悪くなっちゃって。
今は電車じゃなくって自分の車にいるんだ。
ゆったり椅子に座ってエアコンの効いた静かな車内でFMを聞いているんだ。
落ち着け、大丈夫。
そう言い聞かせながらも、動悸と不安感で朝から思いっきり体調を崩す。

具合が悪くなるのは仕方が無い。
でも、具合の悪くなり方が気に喰わない。
自分が、あの電車内に居て不安発作を起こすなら解る。でも、なんで外から見ているだけの今の状態で
不安にならなくっちゃいけないんだ。

元気でバリバリと色々な事をこなしいのに。
また、マラソンレースに出たり、一人で旅行に行ったりしたいのに。
どんどん消極的になって行く自分が嫌だ。
あ、そういえばちょうど去年の今日、最初の不安発作を起こしたんだった。
ちょうど一年。
情けなくって車の中ですこし泣いた。頓服はせず。


   
金曜は休み。
なんとか体調を持ち直して出かける予定。

 


04/8/18  (水) 初秋刀魚

もともと喘息が有るせいで風邪をひくとダメージが大きい。
今回の風邪も苦戦中。
熱とダルさ、軽い喘息発作の為の不眠でクタクタ。
でも、仕事は休めず。

長い夏休みをとった人たちが次々と出勤しバリバリと仕事をしている。
そりゃ、1週間も10日も休めば元気だろうよ・・ついイヂワルな目で見てしまう。
こっちは一人部署で連休なんて不可で、おまけにあなた達が休んでいる間の
シワヨセ仕事までこなして疲れたよ。

まったく・・ブツブツ愚痴りながら仕事。
しっかし、体調悪いな。




すこし食欲も出てきたので夜は新秋刀魚。
今年の秋刀魚高いぞ!の1本400円。
でも、旨いなぁ。 冷凍モノだとワタが美味しくないんだよねぇ。
この秋刀魚とカツオの酒盗で今夜も日本酒。

昼間は蒸し暑かったが、夜になって風が出てきたせいか少しは過しやすい。
たくさん孵化したスズムシが昨夜から鳴きはじめている。
まだ鳴き下手なスズムシたちの声を聞きながら酒を飲んでいる。
あと一ヶ月もしたら、信楽焼きの酒器を出そうかな。
なんて思いながら飲んでいたらMが来た。

Mの生まれ育ったのは鳥取・倉吉なのだけど、そこは果物が良くできる。
スイカ、梨、ブドウ。
今夜は実家から貰ったブドウを持って埼玉から来てくれた。
といっても、子供達が留守番しているしって事で10分ほど車の中で話しただけで帰っていく。
何となく鬱々としていた気分がその10分で見事に晴れる。
やっぱり僕の存在にはこの人が必要だ。
別れ際、軽くキス。
酒の〆はブドウになった。

今夜はうまく眠れるかな。
喘息さえ出なければ疲れているから眠れるはずなんだけれど。
夢と寝汗と枕を抱いて遠い朝を待つ時間は疲れるものだ。



04/8/16 (月) REBECCA

風邪でだるい体をひきずって車で出勤。
だというのに、清掃業者が入っていて仕事にならず。
年に2回の大掛かりな作業で居場所無し。
回覧くらい廻してくれれば今日は休みにしたのに・・

昨夜ヤフオクで落札したブツの代金振込み。
是非一度行きたかった自衛隊・富士総合火力演習の入場券だ。
世界三強の一つとも言われる90式戦車を間近に見たくて。
軍事オタクって訳でも無いんだけれど。

昼にチリトマトヌードル、おやつに「うまい棒」
明日からはまた通常業務。


   

終戦記念日の昨日に降った雨で今年の夏は終わった気がする。
勿論これからも暑い日が続くだろうが、それは夏の名残りでホントの夏じゃない。
これからどんどん気圧配置が代わり、やがて夏が逝く。
暑い暑いと文句を言っておきながら、暑かった夏を懐かしむ季節がまたやってくる。

昨夜部屋をゴソゴソとしていて、傷だらけの古いCDを見つけた。
17年前に発売になったREBECCAのPOISONというアルバムで、自分で買ったものじゃない。
きっと誰かが僕の車にでも忘れていってそのままになったんだろう。
なんとなくMDに落として車で聞いてみた。

なんでだろ。
べつにREBECCAなんて好きでも無かったのに、面白いように歌詞が浮かんでくる。
いったいコレを誰と聞いていたんだっけな。
なんでこんなに懐かしいのかな。
なんだかあの頃みたいだ。
甲州街道の並木も夏が終る気配もあの頃のままだ。
もちろん今はあの頃じゃない。
僕はすっかり疲れてしまった。

 

 


04/8/15 (日) 雨の日

   

雨の日曜日。
僕にしては珍しく朝9時過ぎまで眠る。
昨夜遅かった事も有るが、雨によるところが大きい。
動物は雨の日、無駄なエネルギーを使わないよう眠たくなるように出来ているんだ。

久しぶりに生き返るような雨。
庭の隅では秋の花、宮城野萩が雨にうたれながら咲き始めている。
南部鉄の風鈴がリンと鳴る。
そんなモノを見ながら昼過ぎまでボンヤリと過す。

午後、雨の合間に畑行き。
スイカ4個、モロヘイヤ、トマトを収穫。
家に帰って保存ビデオのDVD化作業。
甥っ子と近所に出来たクワガタ専門店。
その後読書。

夕方、病院前でMを待ち伏せ。
看護婦に日曜、盆暮れ関係なく今日も仕事をしていたMにモロヘイヤを手渡す。
その後、スーパーで一緒に買い物、それぞれの家に帰宅。

どうやら風邪をひいたようで、喉の痛みと熱感、倦怠感。
夕食にカレーを食べて総合感冒薬を飲む。
このまま眠ってしまいたいが、ヤフオク入札中で今はまだ眠れぬ。
そんな一日。
明日はまた仕事だ。



         

04/8/14 (土) 屋台ラーメン

土曜日。
世間は夏休み真っ最中で、出勤したものの仕事はあまり無し。
こんな事ならチョッと無理して休みにすればよかったか。
でもまぁ、いつもと違うマッタリした雰囲気も良い物ではあった。


夜はM宅へ自転車で行った。
途中でお酒を仕入れ、Mと子供達みんなでお寿司の夕食。
普段、一人で映画を見たり本を読んだりして夜の時間を過している僕には
あまりにニギヤカで落ち着かないが、それはそれで体調が許せば楽しくもある。

卵から孵化した数百匹のスズムシから何匹かを小さな水槽に入れてお土産。
きっともうすぐ、いい声で鳴いてくれると思うぞ。
スズムシの世話の仕方や、僕があげたPS2のゲーム「ぼくのなつやすみ」(楽しいよ!お勧め)の
攻略、キャンプの話なんかをゴロゴロしながら話していると、自分の子供のような錯覚を覚える。
もちろん、ただの錯覚。


   

楽しかったけれど、泊まらず深夜に帰る。
その為に自転車で行ったんだ。
埼玉のM宅から武蔵野の自宅までは遠い。
でも、酔いの勢いでペダルを漕ぐ。
ながい登り坂をウォーとか意味不明の叫び声を出しながら立ち漕ぎする。

地元駅前に赤い提灯。
あ、おじさんの屋台じゃないか。(写真は去年のモノ)
体調を崩して休みがちのおじさんと僕のタイミングが合わず数ヶ月ぶりのラーメン。

箱庭のように凝縮された屋台。
あっちから麺、こっちから海苔、あそこからシナチク・・
一杯のラーメンを作る、その流れるようなおじさんの手技を見ているとまったく飽きない。
丁寧に作られたラーメンは決して行列が出来るような味ではないけれど、
思わず微笑んでしまうような幸せな気分にさせてくれる。

思いつくことをポツポツと話しながら屋台の前に長居する。
空気に濃厚な雨の匂いがする。 
やがて一粒二粒と雨粒が落ちてくる。
それでも、ビールを飲みながらずっとおじさんと話をしていた。






04/8/12 (木) 鱒仕舞い

   

マス三昧も今日で終わり。
今夜は、三枚に下ろした鱒をバターで焼き、ガラムマサラとレモンで。
それだけじゃ寂しいので、自家製のトマトとバジルのオムレツも。
バジルは強く、全くの手間いらずで食べきれないほど出来る。
乾燥モノでは味わえない香味。

今朝、出勤前にスイカを収穫(写真は後日)
今年の異常気候で実が完熟する前に、株が夏バテ。
ツルが枯れてきてしまったので急遽の収穫となった。
ホントならもう少しジックリ熟させたかったが天気には勝てず。

自分で野菜を作るとホントに良く解る。
天候、病気、害虫、連作障害・・
様々な要因が影響し、完全な収穫を得る事の難しさ。
小学生時代から野菜作りを趣味としてきたけれど、お店に並ぶ商品に匹敵する収穫を得られる
ようになったのはつい最近のこと。
それも、少量のモノを我が子を可愛がるように過保護に育ててやっと出来ること。
だから、僕は買った野菜を決して粗末に出来ない。
それを作る苦労の、ほんの一旦を知っているから。
そして、野菜売り場の前に立つたびに、その商品の素晴らしさに感嘆することになる。
アレはまさに職人芸だ。



御巣鷹の日。
もうあれから19年か。
そういえば、こんな暑い時期だった。
あの山に登ったのは去年の初秋だったな。





04/8/11 (水) ペルセウスの夜

   

朝、何となく早く起きて近所を散歩。
庭の朝顔は数え切れないほどの花を付け、あまりに綺麗で摘んできた。
水を張った器に浮かべ、それを見ながらリミットの8時までボンヤリと過す。
仕事、行きたくないな。


勿論そんな訳にはいかず自転車で出勤。
記憶に残らない一日。
昼に緑のたぬき、おやつにガリガリ君アイス。

帰宅してスズムシの世話。
シャンプーも電動歯ブラシ用歯磨きも無くなりかけている。

今夜と明日の夜はペルセウス流星群の極大日だが、今年は条件悪く日本での大出現は望み薄。
大昔、小金井公園で見た長く尾を引くペルセウス群の流れ星を思い出す。


04/8/10 (火) 奥多摩へ鱒を釣りに

好き嫌いの多いMの子供たちが喜んで食べるものがあって、それが何故か鱒だという。
なんでマスなんて渋いモノを子供が好きなのか解らないけれど、それなら美味しいマスを
食べさせてやろう。
そんな訳でMを連れて鱒釣りに行く。

僕の家から青梅街道を西に2時間も走れば奥多摩駅に着く。
そこからさらに20キロ程も山道を走れば、険しい山と綺麗な渓谷が楽しめる。
平日と言う事もあって、夏休みでも中々ココまで来る人は少ないようで、すれ違う車もまばらだ。

霧だか、低い雲だか区別はつかないけれどそんな中を走る。
車の車外温度計は22度。 
霧霞や雨が多いのか。
そんな事を連想させる地名の山道を楽しみながら、やがて目的地に着く。

    




遊漁料3000円也。
釣りをした事の無いMに基本を教えながら、足場の悪い渓谷をポイント探してあっちこっち。
エサはイクラだ。
僕はココで、今まで知らなかったMの狩猟本能を発見する事になる。
飽きもせず筋肉痛になるほど竿を振るい、浮きの動きを凝視する彼女はとても釣りを楽しんでいる。
魚なんて持てない普段のMとは別人のようだ。

煩いほどの蝉の声。
太陽が翳ると肌寒くすら感じる山の気候。
週に一回医者が来るという診療所の回りでは90度も腰の曲がったお年寄りが歓談している。
道端のコスモス。
長閑な時間。

    「Mの釣った30cm級の鱒」

結局12匹の鱒を釣った。


昼食の時間も惜しんで竿を振るっていたので腹が減った。
水に浸かって体が濡れた事もあって暖かいものが喰いたいじゃないか。
そうなったら、「のんきや」しかない。
そこは奥多摩で知る人ぞ知るラーメンの美味しい店だ。
峠道を10キロ走って、湖畔の「のんきや」に3時に着いた。


    「手打ち山菜中華蕎麦」


目の前の大きなダム湖に掛かる雲を見ながら冷えた体でラーメンを待つ。
とっても空腹で、ダシと醤油の良い香りに面白いほどお腹が鳴く。
やがて目の前に出された暖かな丼に、2人で笑いあう。



帰り道に小澤酒造で蔵の敷地内限定の原酒を買い、それぞれの家に帰る。
M宅で夕食とも思ったけれど、ゆっくり風呂に入りたかったし、
遠出しても珍しく一日中具合が良かったので無難に夜をおくりたかった。

クレイジーソルトとオリーブオイルで焼いた鱒は絶品で、ビールと共に贅沢な夕食。
夜は疲れてぐっすり眠った。

 

 


04/8/8 (日) 花火

   


土曜夜、雨中の花火大会。
アスファルトに反射する街燈の青色と花火の橙色。
小雨にしっとりと濡れる街路樹、自動販売機、車、
そして鉄柵にもたれて、何も話さずただ見上げる僕ら。


夜はM宅泊。



日曜日。
畑、友達、ラーメン、酒屋、ちびまるこ。
寝不足の気だるい休日はあっという間に過ぎていく。

 


04/8/7 (土) セミの羽化

   

ようこそ、地上の世界へ。

6年も7年も、ずっと土の中で木の根の汁を吸っていたんだろ。
地中から這い出して、たった2週間で燃え尽きるんだろ。
この時のためにじっと暗い所で力を蓄えていたんだよな。
だんだんと衰えていく人生よりも、キミのように派手に最後を飾る生き方に憧れる。

短い夏を楽め。
頑張れ!アブラゼミ。


眠い。
なぜって昨夜、庭でセミの羽化を見つけてしまいずっと応援していたからだ。
(詳細はこちら)
蚊に襲われながら、椅子を持ち出してずっと見ていた。
セミに限らず、昆虫の羽化って奴は何度見ても驚くほか無い。
背中が割れて、まったく違う形態の生物が出てくるなんて。
ビールを飲みながら、その様子を飽きることなく見ていた。

今日の職場はとても平和な雰囲気。
そろそろ世間ではお盆体制なのかな。
ラジオでは高速道路の渋滞を伝えている。

昼にいつもの大勝軒。
おやつに事務のIちゃんの新婚旅行土産クッキー。



Mの娘は親戚の家にお泊まり。
今夜はMと二人で板橋・戸田花火大会を見る予定。
でも、この頃の体調じゃ会場付近の混雑は論外だな。
暑い野外の混雑、逃げ場の無い花火会場。
そんなものを想像しただけで動悸がしてくる。
遠く離れた川原から見る事にしよう。
何キロも離れた小さな花火を。

ホントに良くならないな。
不安神経症って完治するんだろうか。
治るどころか、どんどん苦手な状況が増えているように思う。
まもなく発症して1年になる。
長い付き合いになりそうだ。



どんより沈んだ重い空気。
夕立の気配と雨の匂い。
職場を出る時間になると、隣の林でヒグラシが悲しげに鳴く。

 

 


04/8/5 (木) 犬は兄弟とおんなじ

朝帰り。
やはり自分のベッドでないと殆ど眠れない。
寝不足でボーっとする。

近所の人がお宅のワンちゃん居ますよ、と教えに来てくれる。
迎えにいくと、ほんの数件先のお宅。
その玄関前に困りきった顔の僕の犬が座りこんでいる。
来るの遅いよ、と僕を見上げて言う。

後で考えると、僕の家とそのお宅は似たような玄関ドアをつけている。
自分の家と勘違いして、なぜ開けてくれないのかと途方に暮れていたのじゃないのか。
近所を迷った末、疲れて帰ってそのお宅の玄関先にへたり込んでいたんじゃないのか。

ここ数年、目に見えて衰えた僕の犬。
彼はもう高齢なのだ。
目も悪くなったし、昼間もずっと眠っていることが多い。
食欲も落ちたし、あまり遊びたがらなくなった。
改めて犬の時間と人間の時間を考える。
おそらく、余り遠くない将来に彼を看取らなくてはいけないだろう。
その事を考えると辛くて、じっと僕を見上げる犬を抱きしめたくなる。


   

迂闊だった。
数年ぶりで白バイに捕まってしまったのだ。
踏み切りの渋滞、僕はその踏み切り手前の道を右折したい。
踏み切りはいつまでも開かず、経験的に数十分も開かない事があるのを良く知っている僕は
右車線を30メートルほど走ったんだ。
視野の隅に白バイが見えた瞬間に観念した。
指示されるまでもなく車を停めて切符を切られる。

ココで張っていましたね?と聞くとええそうです、と。
完全に僕が悪いのだけど、やはり悔しい。
罰金9000円、2点。

発作的にロードタイプの自転車が欲しくなり、それを物色に行こうとしていたのだけど
気力が無くなり家に帰る。
夜はグッスリと眠った。

 


04/8/4 (水) その2

夕方、M宅。
母親はシャワーで、しばし娘と2人で話す。

弟達がいないと、とても静かだね。
何を食べに行こうか?

トムヤムクンと言う物を食べてみたいという娘のリクエストで、以前よく行っていた新宿の店へ行く。
道は流れて埼玉のM宅から1時間。
店に入る直前にどうしようもなくてソラナックス0.4㎎を服用。


    

新宿高層ビルの49階にあるその店の窓の近くに席をとる。
夕方6時半。地平まで見える景色がだんだんとオレンジに染まる時間。
刻々と表情を変える都心の風景を長い事見下ろしていると、とても贅沢な気分になってくる。
会話と会話の合間に外を眺め、そしてまた会話。
とてもいい感じに時間が過ぎていく。
幸せだな、と思う。

トムヤムクン、生春巻き、大量のサラダ、キーマカレー、フカヒレあんかけチャーハン、
海鮮や肉類からデザートまで、さすが15歳。 食べ盛りだ。
僕も久々に食べるエスニックが美味しくて、Mとその娘との食事が楽しくて、とてつもなく優しい気分になっている。
これなら服薬は必要無かったかな、なんてつまらない事が頭をよぎる。

場所を移して、やはり夜景を見ながらお茶。
娘は携帯のカメラで何枚も写真を撮り、どこかにmailで送っている。
Mはガラスに顔を着けんばかりに近寄って、自宅の方向を眺めている。
二人とも楽しそうに笑っている。
なんていい光景だろう。



M宅に帰って枝豆でビール、やがてウイスキー。
3人でテレビを見て、やがて疲れた娘は別室で眠ってしまい、僕とMの二人で飲んだ。
暑いけど風の気持ち良い夜で、部屋の明かりを消してカーテンを開け外を見る。
明るい。月齢18の月光だ。 
そっとキスをする。

明け方、薄明の東の空に冬の星カペラが昇ってくる頃やっとウトウトとした。

 

 


04/8/4 (水) どこに居るんだ

   

自分の分身のような相棒が行方不明中。
彼女の所に行ってしまったのか、どこかを探検しているのか、なにか用事があるのか。
気持ちの優しい彼だから、道端の花の匂いでも嗅いでいるんだろうか。
飛行機雲でも見上げているんだろうか。
鳥のササミをたくさん食べて良いから、早く帰っておいで。
あんまり心配かけるもんじゃ無いよ。



Mの息子達は2泊で父親とお出かけ。
このチャンスに2人で旅行に行こうかと企んだが、Mが仕事を休めず却下。
僕は公休と夏休の消化の為今日、明日は休み。

でも、旅行なんか行かなくて良かったみたいだ。
長女が父親と出かけず家に居ると直前になって言い出したから。
父親が今同棲している彼女を連れてくるのが嫌らしい。
僕とM、父親とその彼女。
そんな複雑な状況の中にいる15歳のこの子が可愛そうで・・
この状況を作った僕にそんな事を言う資格は無いけれど。

夜、食事にでも行こうか?と娘を誘うとウン、と言う。
どこにでも、好きな所に連れて行ってあげよう。
何でも好きなモノを食べさせてあげる。
お母さんと3人で美味しいものを食べに行こう。



恐らく今夜はM宅泊。
僕の犬はどこかで楽しんでいるのか、不安になっているのか。
帰るつもりが無いのか、帰れないのか。
Mと一緒に居ても、そればかり考えてしまいそうだ。
門は開けておこう。

 

 


04/8/2 (月) 低調ナリ

   

数年前に、植木屋の友人が植えてくれたサルスベリ。
今では高さ3メートルにもなり、この時期鮮やかな紅色の花を見せてくれる。
ヒマワリは春先に僕が種を蒔いたロシアヒマワリ。
この品種、大きくなる事で知られていて、高さ2.5メートル、花は直径30センチにもなる。
そんなのが15本もあるものだから、ちょっとした壮観で、毎朝出勤前に門の脇を見上げるのが嬉しい。


何となく疲れていて自転車をこぐ気力なし。
バイクで出勤。
事故を恐れてか、ホントはバイク出勤はいけない事になっているようだけど、JR中央線工事のあおりで
踏み切りの開かない道を車で通る事は難しい。

低調な仕事ぶり。
元気なく仕事が楽しくない。
明日の会議のレポートを長い時間をかけて嫌々作る。
昼にコンビニの鳥照り焼き弁当(不味し)、おやつに頂き物の夕張メロン(絶品)
仕事帰りに畑によってモロヘイヤを収穫。

それにしてもこの無気力ぶりはどうした事だろう。
ウツと言うのとも違う、かといって体調が酷く悪いわけでもない。
仕事に対する興味を失ったわけでもなく、転職したいわけでもない。
体の深い所に、真っ黒な疲れが層になって溜まっているような気分。

ほんの数日で良い。
どこかに行こうかな。
Mと出かけることは叶わなかったけれど、ならいっそ一人で出かけるのも良いかもしれない。
どこか、日常から離れた場所でボンヤリとしてきたい。

 

 


04/8/1 (日) 気分の良い日

   

8月。
お盆を過ぎれば急速に秋めいてくる東京の夏。
一日一日を大切に過したい。
僕にとっては好天で作物の出来がとても良い夏として記憶に残りそうだ。


昨夜は旧友のTと痛飲。
いつもの、出てくる料理が全て旨いという割烹居酒屋。
台風の影響で魚は少なかったが、相変わらず唸ってしまうほどココの料理は良い。
浜名湖のアサリの酒蒸しなんてちょっとビックリするほどに美味しかった。
酒は開春流霧をはじめすべて一流の吟醸酒。
この店に来るたびに、良いお料理を最高の日本酒で頂く喜びに打ち震える事になる。

でも、上品に呑んでいたのはココまで。
次の店では餃子をツマミに飲み狂い、最後は全身汗ビッショリになって味噌ラーメンで締めくくる
といういつものパターンになった。


   

少し二日酔い気味に目が覚めて気だるい日曜日。
素晴らしい夏らしい日。
台風が持っていったのか、雲もなく強い日差し。
畑、犬、部屋の掃除、昼寝と冷たいビール、夕方の水まき。
今年はじめて見るアカネトンボ。

午後から思い立って大汗かきながらカレーを煮込む。
骨付きチキンと素揚げの夏野菜。
2時間煮たチキンはホロホロと骨から肉が剥がれ、ナスの甘み、シシトウの辛味。
こんなものがあると、また冷たいビールが1本2本と空いてしまうな。

そして今まだ夕方の5時。
今日も蝉が良く鳴く。
良い風が出てきた。
気持ちの良い夕方をビールでおくるために、シャワーを浴びてから、デッキに料理を並べよう。
今日も、暗くなるまでデッキで飲むんだ。